2013年11月定例会 12月6日  藤岡義英 

特定秘密保護法案に反対する意見書提出について賛成討論

<藤岡議員>
 陳第553号及び陳第557号「特定秘密保護法案に反対する意見書提出について」に対し、賛成の立場で討論を行ないます。

日本国憲法の大原則、国民主権、基本的人権、平和主義の原則を根本から踏みにじる違憲立法、秘密保護法案が衆議院でも参議院でも強行採決に次ぐ強行採決で、国民各層に拡がる反対の声を押しつぶして成立させられようとしています。こんな不法、やり方も内容も認められないと国会前では昨晩も夜遅くまで多くの人々が集まり抗議の声をあげました。

11月27日の参議院本会議の審議入りからわずか1週間あまりです。衆議院での審議の約半分、安倍政権発足時に掲げた丁寧な国会運営は見られないとマスメディアからも厳しく指摘されています。にも関わらず政権はこの法案の緊急上程を行い、本日午後1時から開かれる参院本会議で強行成立を進めようとしています。

 秘密保護法を巡る論戦は審議をすればするほど問題点が噴き出し、国民の反対世論が広がりました。法案反対は朝日50%、毎日59%、日経50%と、報道各社の直近の世論調査です。また、どの世論調査でも8割が慎重審議を求めています。秘密保護法案に反対する声明は弁護士など法曹界、メディア関係、宗教界関係者、市民団体、NGO、また文化人関係では特定秘密保護法案に反対する映画人の会など広がり、また憲法学者や刑法学者など学者の会は6日間で賛同者が2,006人に達しています。知る権利や言論・表現の自由に関わるあらゆる分野と言ってもいいほど拡がりました。
日本の秘密保護法はジャーナリストをテロリストに変えると米経済メディアも安倍政権を批判しています。ピレイ国連人権高等弁務官は秘密保護法案について、日本国憲法と国際人権法が保障する情報アクセスと表現の自由の権利を適切に守る措置のないまま法制化を急ぐべきではないとして、国内外の懸念に耳を傾けるよう促しています。批判は国際的にも拡がっています。国会周辺での緊急行動を始め、各地の集会やデモ、宣伝活動に多くの国民が参加しました。批判の声は思想信条の立場の違いを超えて大きく広がっています。県内でも反対・慎重審議を求める意見書が11市町村で採択されています。

秘密保護法案は行政機関の長が安全保障に関わると判断すればどの行政情報も特定秘密に指定し、半永久的に国民に隠し続けることができる法律です。国民の知る権利を奪い、国民主権を踏みにじるのは明らかです。特定秘密は故意ではなく過失で情報を漏らした公務員が重罰に課せられるのはもちろん、秘密とは知らされなくても秘密を知ろうとした国民も処罰されます。未遂でも、さらに共謀、教唆、煽動しただけでも罰せられます。
また、デモなど法案の第12条の2項目にある政治上その他の主義主張に基づき、国家または他人にこれを強要する人はテロと判断され処罰することも可能とする文言も含まれていることも明らかになり、大問題だと指摘されてきました。これは自民党の石場幹事長の発言でも確認されました。言論・表現の自由を抑圧し、基本的人権の侵害は明らかです。

安倍政権は秘密保護法の制定を戦争司令部として設置した国家安全保障会議(日本版NSC)でアメリカ等の情報を得やすくする為と明言しました。憲法の平和主義を踏みにじりアメリカと一緒に海外で戦争する国にする狙いは明らかです。あらゆる分野で憲法の基本的原則を破壊する悪法を国民が許さないのは当然であります。いくら国会で多数を握っているからといって、憲法に反する法律をつくる権限はありません。この点でも政府与党による暴挙を絶対に認めるわけにはいきません。

これからも、秘密保護法反対、憲法守れの声を国民と力を合わせあげつづけ、行動する決意を申し述べさせていただきまして、陳情の賛成討論といたします。