平成24年度長野県の決算認定について反対の討論を行います。
平成24年度は阿部知事の3年目の年度です。知事は24年度の県政運営にあたり東日本大震災と福島原発事故が引き起こした甚大な被害と混乱は、私たちの社会に様々な教訓をもたらし、人間生活優先の持続可能な地域を創造していくことが求められていることを表明し、新たな5か年計画の策定を本格化する年と位置付け必要な予算を確保し取り組みました。その中でしあわせ信州創造プランは策定されましたが、認知度は低くとどまっております。また、多くの検討会議、審議会の結論を県政運営にいかすにはリーダーシップの発揮が肝要と思います。
24年度当初は、日本経済は長期のデフレ不況、円高不況が続き、失業、貧困・所得格差の拡大が深刻な事態でありましたが、年度途中の安倍第二次内閣による「アベノミクス」と称する経済対策への期待感から、一転して円安基調に転じるなど経済動向の激動がありました。しかし、「アベノミクス」による県内経済への効果は限定的であり、県民所得の増加に結び付かず、引き続き県財政は緊縮財政を余儀なくされています。県としては県債発行の抑制などの取り組みをしていますが、国による臨時財政対策債を受け入れざるを得ないなかで、県債残高は1兆7千億円台に上り過去最高になっております。
県民の要望を反映して、30人規模学級の拡大、特別支援学校の法定数との乖離解消への努力、生活困窮者支援のパーソナルサポート事業、絆再生事業の拡充。自然エネルギーの普及拡大へ取組を強化することなどは引き続き着実に取り組んでいただきたいことです。
一方、浅川ダム建設地の断層の危険性について十分な検証はされず、前年度までの予算執行がわずか3.6%であるにもかかわらずダム建設に18億円の予算を計上された一方で、ダムによって内水被害が軽減されない問題については、住民合意を得られる計画が示されていません。
行財政改革により、職員数はピーク時の平成5年から教育・警察部門を含め全職員数の13%、4083人を削減したうえに、さらに平成28年度までに5%、1300人以上の職員数の削減を打ち出していますが、行政嘱託や臨時職員など非正規職員への置き換えで県行政の専門性の担保ができるのか。また、東日本大震災はじめ近年の自然災害の多発で改めて自治体職員の役割が大きくなっていることからも問題であると指摘せざるを得ません。
厳しい経済状況が続くなか、県民生活を守るための優先課題をどうするのか、県の予算編成のいっそうの努力が求められています。
以上により平成24年度長野県一般会計及び特別会計の決算認定について反対の討論といたします。