日本共産党長野県会議員団

控室/長野県長野市南長野幅下692-2長野県議会
直通TEL/026-237-6266  FAX/026-237-6322

議会質問

2014年2月定例会 藤岡義英議員一般質問と答弁

今回の大雪への対策について

藤岡議員
日本共産党県議団の藤岡義英です。
まず始めに、記録的な大雪被害によって被災された皆様に心からお見舞い申し上げますとともに、豪雪災害の復旧のために不眠不休でご尽力された職員や関係者の皆様に心からの感謝と敬意を表する次第です。
今回の記録的な大雪によって特に農業被害が深刻です。我が会派の石坂団長の代表質問でも取り上げましたが、ビニールハウス・畜産施設など農業生産施設の被害が広がっています。佐久浅間農協管内だけでも2,250棟の施設が倒壊。災害評価金額は約2億5千万円です。ちなみに豪雪災害統一算定額で計算すると約8億1,400万円、再取得見込み金額で計算すると、21億6,600万円という被害です。佐久浅間農協でお話を伺ってきましたが、(施設被害も深刻ですが、)今後一番問題になるのが、7の育苗ハウスが被害にあったため、苗の生産が単純に3割台に落ち込む可能性があること。つまり今年の農業生産額が激減する事態になりかねないとの話でした。(未曾有の豪雪災害でした。)佐久浅間農協の幹部の方々から「思いきった、踏み込んだ支援を!」と訴えられました。佐久地域の被害状況をつかむために、現場に行き被害に遭われた農業関係者からお話を伺ってきました。「ビニールハウス22棟のうち19棟がつぶれた」「2週間前に建てたばかりのハウスがやられました」、また「さたまや」という地元では有名な養鶏業者さんのところでは鶏舎が倒壊、ひよこ約1,500羽が圧死するという被害に遭われました。農業関係者のみなさんは再建できるのか、国や県など自治体がどこまで支援してくれるのか、そうした情報がなかなか入ってこないことがより、不安を募らせている原因となっています。県としても災害緊急対策事業の発動も視野に支援策を検討されているとのことですが、そうした情報をできるだけ早く農業関係者に伝え励ましていただきたいと思います。また昨日の石坂団長の代表質問でも要望がありましたが、私からも従来の支援策にとどまらない実情にあった支援を(検討していただくよう)強く要望いたします。
さて、佐久地域の調査の中で、新規就農者のみなさんも深刻な被害に遭われていることが明らかになりました。トマト栽培のハウス4棟全てが倒壊、被害額250万円の方。「パイプハウス2棟が全壊。育成中の春花が全滅。暖房機などの設備も破損しているかもしれない。被害総額は200~300万円くらい」中には、農業を始めて1年足らずで今回被害にあい、「借金返済はこれからの中、出端をくじかれました。この状況にも前向きに次のステップを考えている方もいれば、つぎの農業に絶望している農家さんも少なくありません。どうか農業者に希望の光が見えるようお力添えをよろしくお願いいたします」との切実なメッセージもいただいております。  農業関係者全体の支援はもちろんですが、特に新規就農者について手厚い支援をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。実際に受けられる支援はどのようなものがあるのか、農政部長にお聞きいたします。
農政部長
大雪によります農業被害の対策についてでございます。
今回の農業被害につきましてはご指摘の新規就農者の皆様をはじめ、高齢農家の皆様など、家族経営、そしてまた法人経営など、多様な農業形態の皆様方が農業生産施設などに大きな被害を受けておいでになられます。県といたしましては、農業者の皆様が今後も意欲を持って営農を継続していただけますよう万全の対策を講じる必要があるというふうに考えておりまして、国の支援の詳細や市町村のご要望を踏まえまして、早急な県としての対応を検討しているところでございます。
特に新規就農者の皆様方は、経営基盤につきましても生産技術につきましてもまだ未確立という状況の方々が多いわけでして、農業改良普及センターで個別に、被害の状況に応じた対策とかあるいは経営資金の相談にまずは応じまして、市町村・生産者団体と連携してきめ細かな支援を実施してまいりたいと考えております。
藤岡議員
今回の大雪災害で何を教訓にすべきか、検証が必要だと考えます。1つは「的確な情報を」早く伝えることではないかと思います。立ち往生したトラックの運転手や、孤立した集落の住民、動けなくなった電車の乗客など、それぞれに情報が入らないことが被害の拡大、不安の増大につながったのではないでしょうか。
一方で、一気に降り積もり、被害地域にたどり着くことさえ困難だった状況の中、SNS(ソーシャルネットワークサービス)の一つ、短文投稿サイト「ツイッター」を活かし、情報収集や発信、災害対応の判断に活用して成功した例もありました。国道20号を管理する国土交通省甲府河川国道事務所の公式アカウントでは、14日から雪情報・道路状況やスタック車両の情報、また立ち往生した車に向けたメッセージを写真をつけながら発信して、積雪量がピークとなった15日には頻繁に情報を発信し、これが多い時には800リツイートされ、情報が拡散・伝達されました。  新潟県知事は、16日に「本日、職員を山梨県に派遣しました」とつぶやきを開始、新潟県から山梨県と埼玉県秩父の孤立地区へ除雪チームの派遣がおこなわれ、山梨県民、埼玉県民から感謝の声が、そして全国から評価の声が上がっています。佐久市長も除雪対策にツイッターを活用し、的確に対応を取られていました。
ちなみに県の公式ツイッターでは17日まで情報提供がありませんでしたが、SNSとりわけツイッターは情報の拡散性に優れ、災害の時こそ威力を発揮すると言われております。今後は県も災害時により積極的な活用をするよう検討すべきだと思いますがいかがでしょうか。危機管理部長にお聞きいたします。
危機管理部長
ツイッター等の活用についてのお尋ねでございます。
ソーシャルネットワーキングサービス-インターネットでコミュニケーションができるサービスでございまして、短い文章を投稿できるツイッターは、リアルタイムの情報発信ツールと言われておる訳であります。  今お話ございましたように、このような情報のツールは、直接住民から情報収集することができ、また情報発信に当たっては広がりを期待できるというメリットがありますので、ご指摘のように災害時において、情報収集と情報提供の有効な手段と考えております。  県の地域防災計画にも、情報提供活動において携帯端末の緊急速報メール、ソーシャルネットワークサービス等活用するというふうに定められておるわけであります。
今回の大雪災害の際には、県として2月17日から大雪による県内の影響あるいは主要国道の渋滞状況を、ツイッターを活用して提供したところでございます。そのほか、滞留車輌の乗員に対しては、市町村の開設している避難所を案内するためにFM放送を活用して呼びかけたり、県警の日本道路交通情報センター長野センターからのラジオを活用しての交通情報の提供、それから長野国道事務所や軽井沢町と共同で、避難所設置情報を記載したチラシなどを配布しておるわけであります。このほか被災状況につきましては地方事務所を通じまして市町村から情報を収集するとともに、停滞車輌が多数発生した茅野市や軽井沢町など6つの市町村には職員を派遣して情報を直接収集して、県の公式ホームページで提供をおこなったところでございます。今回の情報発信の対応につきましては、検証をおこないまして課題を整理し、市町村と連携した効果的な情報発信の確立に努めてまいりたいと考えております。
藤岡議員
再質問をいたします。知事もツイッターとフェイスブックと両方のアカウントをお持ちですが、今回の大雪災害に対して活用されていなかったことは残念でした。今後、仮に県内に災害が発生した場合に知事自ら、ご自身のアカウントを活用されて、情報収集、発信、災害対応の判断に活用してほしいと思いますがいかがでしょうか?知事の所見をお聞きします。
阿部知事
ソーシャルネットワークSNSの活用についてでございます。
私もツイッターとフェイスブック、個人のアカウントで使わせていただいておりますが、今回の災害情報については個人のアカウントからは発信しませんでした。私が個人的な思いだけでやって、リアクションがかなり入ってくると思いますので、私の個人アカウントだけでそうした声に公平かつ十分に対応できるのかということを私自身考えたというところがありまして、今回は私の個人アカウントからの発信は災害関連は全くおこなっておりません。
しかしながら、ご質問にもありましたように、私は実はSNSはこの災害時の情報提供あるいは情報収集に重要であると考えておりますので、やはり組織的にですね、しっかりと対応できることをまずは考える必要があるだろうと。どうしても首長個人の判断でやるということになると、私自身が災害担当者と常に情報共有をしていかなければいけないことはもちろんでありますけれども、住民への対応についても私を通じてやっていかざるを得ないと。そうすると、大局的な判断であるとか市町村長の皆さんとの連絡といったところに不都合を生じる可能性が無くはないという判断もありますので、そこは今回慎重に考えさせていただきました。
ただ、今後、組織としての活用については積極的に検討していかなければいけないというふうに思いますので、今回の災害時の状況をしっかり検証する中で、このSNSの活用についても検討していきたいと考えております。

国立公園内で廃棄物再生利用業を営む業者について

藤岡議員
つづいての質問に入ります。国立公園内で廃棄物再生利用業を営む業者についての質問に移ります。
小諸市の国立公園の普通地域に指定された私有地に、廃棄物再生利用業者の(株)リニューアルの産業廃棄物中間処理施設(木くずの破砕施設と堆肥化施設)が事業を行っています。(この国立公園内に有する)事業所から強烈な悪臭と汚水を排出し続け、15年以上にわたり住民生活と自然環境に重大な影響を与え続けていることから、近隣住民や関係者が県や小諸市に適正な指導を求めてきた経緯があります。
そこでまず、最初の質問となりますが、自然公園法では国立公園普通地域において「産業廃棄物を処理するための施設」を設置することは原則認められないこととなっています。  どうして、廃棄物再生利用業を営むことができたのか。環境部長にお聞きします。
環境部長
環境省の通知によりますと、国立公園、国定公園、普通地域・特別地域に関わらず、原則として廃棄物処理施設の設置を認めないということですけれども、今回の件につきましては堆肥の再利用及び製品の一時保管施設という扱いで製造施設には位置付けられるということで、通知でいう廃棄物処理施設ではないという見解に基づくものであります。
藤岡議員
平成22年4月1日に環境省の自然環境局長が「国立・国定公園内における廃棄物処理施設の設置について」という通知を出しています。(これを一部紹介しますと、)こう書いてあります。
「国立・国定公園内における廃棄物処理施設については…施設の設置及び、廃棄物の運搬等の関連する行為により、騒音等を継続的に発生することから、国立・国定公園の風致に著しい影響を与えるものであり、原則として施設の設置を認めないこととする…ただし、当該公園区域内で生ずる産業廃棄物を処理することが主たる目的の施設であって、当該普通地域外において設置することが、自然的、社会的その他の観点からみて著しく不合理な場合は、その設置について検討するものとする」とあります。
この通知から見ても、もしこれが産廃処理施設だとすれば原則として認められない施設であると私は解釈していますが、これは施設ではないと言うことでしょうか。その点も踏まえて環境部長お答えください。
環境部長
先ほどお話を申しあげましたとおり、22年4月1日付けで出されております環境省自然局長からの通知でございますけれども、これにつきましては、原則として産業廃棄物処理をするための施設は認めないということでございますので、今回の件につきましては堆肥の再生利用ということで、製造施設に位置づけられるということで認めているものでございます。
仮に廃棄物処理業者となった場合でありますけれども、廃棄物処理業者となっても今のままの施設を使うのであれば継続として使用可能ですが、施設の新設・増築・改築や土地の形状変更などにつきましては、この環境省の通期により認められないというふうに考えております。
藤岡議員
廃棄物再生利用業者は、再生利用されることが確実である産業廃棄物のみの処理を事業として営んでいることを基準として事業が認められております。また、「営利を目的としないこと」も指定基準として定められております。
しかしこの事業者は、廃棄物の引き取り手数料を利益とし、再生した堆肥は販売できず、しばらく施設設置場所以外に保管されていて問題となり、その後、無償で配布して対処したとの確認をうけております。このような状態は再生利用業の認定の基準不適合であり、法律違反ではないかと思いますが、県はこの違反にどのように対処されたのでしょうか。これも環境部長お答えください。
環境部長
廃棄物再生利用業者の利益の上げ方についてのお尋ねでございます。廃棄物の適正な処理の確保に関する条例におきましては、廃棄物再生利用業者についてはその事業が営利を目的としないことが指定条件の一つとされております。具体的には議員ご指摘の通り、廃棄物の処理手数料で利益を上げないことが求められるわけでございます。
小諸市のこの業者につきましては、この2月末で5年の指定期限を迎えます。このため、この更新が可能か昨年度その経営内容等について調査を行ったところ、堆肥の販売による利益はわずかで、処理手数料で利益を上げていることが判明をいたしました。よって事業者に対しましては、そのような収益構造では指定を更新することはできない旨を通告したところでございます。
藤岡議員
(この事業者については)昨年の12月末にこの施設からの臭気に悩んでいるとし、近隣の市内4区・準区の区長や準区長らがその業者への適正処置を県に要請するよう求めた意見書を小諸市議会が全会一致で採択・提出されていますが、県はこの意見書をどのように受けとめ、どのように対処していくのか。これも(環境部長)お答えいただきたいと思います。
そしてもう一つやり取りで感じたことも含めて質問をしていきますが、この業者は、今年の2月末で再生利用業の指定期限の5年が経過し、期限が切れるため、更新手続きが必要になっていましたが、今度は再生利用業ではなく、廃棄物処分業者として営業許可の申請を県に出していると聞いております。当初、国立公園内に施設を作ることになったときに、地元の皆さんに対して「産業廃棄物処理業者ではありません。資源をリサイクルする業者ですので」と(地域住民に)説明し納得を得て、事業を始めているという経緯を伺っております。今回の廃棄物処分業許可取得への変更指定申請は最初の住民への説明と矛盾します。一時悪臭が臭気指数19という工業地域での規制基準を超える数値が確認された過去などもあり、住民の業者への不信感は根強いものがございます。また、私今感じましたが、先ほどの環境部長の答弁を聞きますと、スタートは廃棄物処理業者ではないというスタートをして、途中で廃棄物処理業者に変えても、止めることはできないという解釈でよろしいのでしょうか。そういったことも含めて、(この地域住民の不安払拭のために、県はどのように対処するつもりか。これも)環境部長お答えください。
環境部長
順次お答えをいたします。はじめに小諸市議会からの意見書についてのお尋ねでございます。  平成25年12月17日付の小諸市議会からの意見書は、一つとして住民と交わした協定書を遵守するよう指導すること、二つとして再生利用業者から産業廃棄物処分業への事業認可は慎重に審査することというものでございました。
県としましては、廃棄物条例の趣旨も踏まえて、事業者には地元との協定書の遵守を今後ともを指導してまいります。
また産業廃棄物処分業の許可申請が提出された際には、慎重かつ厳正に審査をしてまいります。
つぎに、廃棄物再生利用業から処理業への転換に対する住民の不安についてのお尋ねでございます。  現在この事業者は、廃棄物処分業の許可申請に向けた廃棄物条例に基づく事業計画協議手続きを地元で進めております。この事業計画協議による地元説明会におきましても、地元の皆様から大変根強い不信感が寄せられていることは承知しております。このため県としましては、事業者に対しまして、条例の趣旨に基づき、地域の合意形成を目指し、誠意ある対応をするよう指導してまいりました。具体的には、事業計画協議における地元説明会を丁寧に行うこと、それから公害防止協定を締結した地元区と定期的に意見交換を行なう場を設けること等を指導しているところでございます。さらに附加申請に関する慎重な審査と厳正な指導に努めてまいります。
それから最後に、今後廃棄物処理業者となった場合に、自然公園法の取扱はどうなるのかということでご質問でございますが、先ほどお答え申しあげましたとおり、廃棄物処理業者となっても今のままの施設を使うのであれば継続して使用ができます。しかしながら、施設の新設・改築、それから土地の形状変更を伴う場合は、環境省の通知により認められないということになります。
藤岡議員
知事にもお聞きいたします。今後更に地域住民の不安払拭のために、県のさらなる誠実な対応、すでに環境部長も答えられていますが、知事としてどう対応されますか。お答えください。
阿部知事
このケースにつきましては、私も小諸市にお伺いしたときにも住民の方からそういうお話伺ったことがございます。
法律・条例に基づいて対応していかなければいけない訳でありますが、しかしながらこれ非常にこれ、国立公園内であるということ、それから施設の業態が変わっていくということでございまして、通常のケースとはいささか違う論点がさまざまある部分がある事例だというふうに思います。環境部長何度も繰り返し答弁しておりますとおり、私どもとしては事業者に対しては厳正かつ慎重な審査を行っていきたいというふうに思っておりますし、まずは今回、地域のみなさんと事業計画の協議に入って地域の合意形成を図っていく段階というふうに考えております。  事業者に対しては、条例の手続きを誠実に履行し公害防止協定の順守あるいは新しい協定の締結等、合意形成を図るよう指導していきたいと思いますが、法的な論点については、私も環境部から直接具体的な話を聞いてしっかり検討していきたいと考えております。
藤岡議員
世界一の山岳観光を目指す上でこの問題がこのままの状態で良いのか。知事にはぜひよく検討していただきたいと-答弁もされておりますので-そのことを強く要望しまして次の質問に移ります。

ソーラーシェアリングについて

藤岡議員
農地と太陽光発電の共存を目指すソーラーシェアリングという方策が注目されています。農水省は、昨年3月、生産性の高い優良農地に太陽光発電の支柱を立てて営農を続ける場合、支柱の基礎部分を一時転用許可の対象とし、太陽光発電の設置を認めるという通知を出しました。ただし、設置前の収穫量の80%以上の生産が求められるなど、農業生産に大きな影響が出ないことが条件です。
私は、国内初のソーラーシェアリング成功例とも言われている公園や庭の緑化に使われる園芸品種タマリュウの栽培農家、三重県の小椋緑化さんの施設を現地調査に行ってまいりました。この3月で稼働開始から1年半年となる施設で訪問者も農業関係者、政府関係者、一般観光客までこれまで5,000人以上訪れているとのことでした。
小椋氏は、「営農と発電の両立を実現させることで経営を安定させ、継承や世代交代のきっかけになる」と、農地を守る太陽光発電であることをアピールされていました。そのことが大変印象的でした。
農作物による収益と売電による収益、両方を得ることによって「食べていける農業」を実現できるよい方策だと思います。このソーラーシェアリングについて、県としてどう認識されているのか、農政部長にお聞きいたします。
農政部長
耕作をしている農地での太陽光発電についてのお尋ねでございます。
自然エネルギーの普及拡大を図るため、太陽光や農業用水などを活用していくことは重要な取り組みと考えております。一方で農地は食料の安定教習を図るための重要な生産基盤でございます。農業生産のために有効利用を図っていくことも必要でございます。
こうしたことからご指摘のように国は昨年3月に、支柱を立てて営農を継続する太陽光発電設備等についての農地転用許可制度上の取り扱いを明確化いたしまして、一時転用許可によりまして、農作物の生産に影響を及ぼさない範囲で施設設置を可能としたところでございます。この運用に基づきまして、本県におきましても今月1件の一時転用許可を行ったところでございます。耕作をしている農地の上部への太陽光発電施設の設置につきましては、農家の所得向上に寄与する一つの取組でもございますので、県といたしましては引き続き個別の事案について相談等に応じてまいります。
藤岡議員
この小椋氏がソーラーシェアリング施設を計画したのは、東日本大震災直後の4月からでした。震災による原発事故、テレビの電源喪失のテロップ、メルトダウン、汚染水の流出など連日報道がされる中、「原発に頼らない世界を作るためには、まず自分が電気をつくらねば」、との思いと、「東北の被災地の小規模農家再建のためのモデル事例になれば」との思いから、この施設設置のとりくみは、法人でなく個人として進めてこられたとお聞きしました。こうした信念と情熱をもった小椋氏個人が、当初不可能と言われていたソーラーシェアリング施設建設を実現させました。
小椋氏は「食料自給率が低い日本で、農地や耕作放棄地などの農地転用には反対です。農地は農地として活用し、発電する。このシステムを開発し、津波の塩害を被った農家の方に提供するこれが最終目標だ」と話されました。福島県のほうにも講演にいかれているそうであります。
小椋氏のような情熱をもった方は、きっと長野県内にもたくさんおられるのではないでしょうか。このような個人の先進的な取り組みについて、県としても評価すべきではないでしょうか。法人やNPOなどへの取り組み支援の補助制度も大事ですが、個人でも活用できる補助制度が必要と考えますがいかがでしょうか。また、ソーラーシェアリングは、(法人やNPO、そして個人での取り組みとしても)農業継承と再生エネルギー普及の両方が促進される取り組みとして、有望だと考えます。来年度の予算案でも相変わらず個人向け太陽光発電への補助制度は見送られたようですが、「バラマキ」という言葉で片づけないで、個人の情熱的取り組みに対し、補助制度による推進を検討してみてはいかがでしょうか。知事にお聞きいたします。
阿部知事
個人向け太陽光発電の助成制度、ソーラーシェアリング推進についてのご質問でございます。  しあわせ信州創造プランの中でも、自然エネルギーの普及拡大を大きな柱としております。私ども特に市町村・地域住民・中小企業等と共同で事業主体となって、地域の資金を活用しておこなう地域主導型の自然エネルギー事業の促進を目指しております。さまざまな取り組みの支援も自然エネルギー信州ネットというなかで、大勢の皆さんが知恵を出あいながら進めようとしているところに私ども長野県の特色があると考えております。地域主導型自然エネルギー事業ということを基本方針としていることに加えまして、長期間に渡る事業の継続性の確保であるとか、一定の規模感のある地域の事業を推進していこうという観点から、法人や団体、協議会、そうした主体の取り組みを支援してきているところであります。
個人への支援というお尋ねでありますが、国の固定価格買取制度であるとか、あるいは県内における現行の普及策、そして本県の自然的な要因もあるなかで、住宅用の太陽光の発電の普及状況を見ますと、世帯当たりで昨年11月では全国3位と言う状況であります。一定の普及拡大がなされてきているというふうに思っております。
議員ご指摘のソーラーシェアリング等、農業への自然エネルギーの活用は大変重要だというふうに私どもも考えております。今年度までの環境部の補充事業、あるいは来年度創設いたします自然エネルギー地域発電推進事業におきましても、市町村や地域の事業主体におけますこうした取組は、支援の対象に含めております。今後とも市町村あるいは地域の事業主体における自然エネルギーの取り組みは積極的に推進して自然エネルギーが広がる長野県にしたいと考えております。
藤岡議員
東日本大震災からもうすぐ3年になりますが、福島第一原発の汚染水の問題も解決どころか、海に流出し続けている深刻な実態が明らかになり解決策が見えてきません。「なんとかしたい」と、小椋氏のように、日本や将来や子供たちの未来を考えて、個人の情熱で切り開こうとする努力や奮闘が長野県内でも必ず高まってくるだろう、すでに始まっているだろうと確信しています。そこにも焦点をあてて応援する。夢や希望を形にする、実現させる。そうした支援策が是非新年度にも実行されるよう、強く求めたいと思います。 最後に先ほど環境部長の答弁で確認できませんでしたので、これだけ聞いて質問を終わりたいと思いますが、国立公園内に最初は廃棄物処理施設ではないということでスタートしても途中で廃棄物処理施設に変更しても可能だというふうに答弁を聞いて確認したのですが、その解釈でよろしいのかもう一度答えていただきたいと思います。以上で質問を終わります。
環境部長
お答えをいたします。仮に廃棄物処理業者になった場合、今のままの施設を使うのであれば継続して使用ができます。ただ、施設の新築、土地の形状変更等を伴う場合は、環境省の通知によって認められないということでございます。

議会質問を検索