平成26年度一般会計予算案、同議案に対する修正案について討論
平成26年度一般会計予算案と日本共産党県議団提出の修正案(浅川ダム建設に係る減額修正)に対し、藤岡義英議員が討論に立ちました。
藤岡議員
それでは、修正案賛成、原案反対の討論をいたします。
東日本大震災、長野県北部地震、原発事故から3年が経ちました。今も全国で約27万人の方々が不自由な避難生活を余儀なくされています。そして日本全体をみれば消費者物価の上昇、その一方で賃金や年金の引き下げなど、国民のくらしの困難が増しているなかで、4月1日からは消費税増税が待ち受けています。平成26年度予算は、復興支援・県民の暮らし応援の立場で執行されなければなりません。県税収入は約1963億円で2.6%増を見込み、県債は99億円減の約1152億円となりましたが、それでも26年度の臨時財政対策債の発行予定額は626億円に及び、県債全体の半分以上を占めるという異常事態は変わりません。その結果、県債残高は26年度末で1兆7694億円に達し引き続き深刻で、こうした厳しい財政状況の中で、難しい県政の舵取りが求められています。
26年度予算は、公共事業で引き続き地域防災力の向上につながる社会資本整備、社会基盤の長寿命化対策、有料道路の利用者負担軽減事業、医師確保のための総合的対策、信州パーソナルサポート・モデル事業の拡充、南信工科短期大学校建設事業、長野県観光PRキャラクター「アルクマ」君の著作権の県有化、給付制奨学金制度の創設、また特別支援学校に自立活動担当教員が平成29年度までに80人増員されることなどは、県民要望に応えるものとして評価いたします。
一方、浅川ダムは先ほど和田議員が修正案の提案説明で述べましたように、脆弱な地盤への建設のため、安全性への不安が払拭されていない中進められた工事であり、今回の約12億7千万円を増額する変更契約は、やはり危険箇所のダム建設だと証明されたものであります。到底認められるものではありません。
また今回、松本空港を始めとする県営15施設の手数料、使用料の消費税値上げに伴う値上げが提案されましたが、15のうち13の施設は国への消費税納税義務はありません。消費税増税による県民生活への負担が心配される中で、便乗値上げとも言わざるを得ないこれらの値上げは賛成できません。独立行政法人県立病院にある86の差額ベッド、これも一日の利用料を9700円に値上げするなど、これで行き届いた医療ができるのかと言わざるを得ません。県民文化会館や信濃美術館の利用料の値上げ。これは受益者負担の適正化ということですが、この時期に必要なのか納得ができません。
再生可能エネルギーの普及・拡大については、小水力発電への支援の拡充は評価しますが、法人・団体・NPOなどによる再生可能エネルギーへの取り組み支援だけでなく、県民個人の熱い取り組みへも柔軟に支援していくよう引き続き要望いたします。
信州F・パワープロジェクトについては、1万キロ㍗の発電出力を持つ規模で事業が進められようとしていますが、木材供給がこれまで県内全体で流通していた倍の量が求められている中、果たしてこれが適正な規模なのかと疑問を感じてしまいます。全県各地で地産地消の再生可能エネルギー事業の展開を県の主導でと、要望させていただきます。
新規就農者支援策として、青年就農給付金の支援対象の拡大や市町村との就農支援情報の運用改善などで、新年度も引き続き就農支援を強化されることは非常に大切な施策であります。一般質問でも取り上げましたが、新規就農者のみなさんも大雪被害に遭われています。知事の会見でも「被災した農業者の皆さんの営農継続への意志を失わないような支援という観点」とのコメントでした。被害のあった施設撤去の助成については「農業者の負担のないように」との正式発表もありました。この立場での農業再建への支援策の実施を、繰り返しになりますがよろしくお願いいたします。
以上申し上げ、原案に反対し、修正案賛成の討論といたします。