「集団的自衛権に関する意見書(案)」賛成討論
6月県議会本会議において「集団的自衛権に関する意見書(案)」の審議がおこなわれ、意見書案は全会一致で可決されました。審議においては、小林議員が賛成討論をおこないました。
- 小林議員
- 議第14号「集団的自衛権に関する意見書(案)」に対し、賛成の討論をおこないます。
共同通信が21日、22日におこなった世論調査は、集団的自衛権に反対は55%と過半数を超え、行使容認の範囲が広がることに懸念を表明している人は62%となりました。長野県下の市町村議会では、集団的自衛権行使容認に反対する意見書を可決した議会は25日現在35議会、慎重審議を求める議会は9議会と、合わせると44の議会が議決をしております。日を追うごとに反対の議決が広まっています。歴代の政府も集団的自衛権は憲法違反と強く戒めてきました。集団的自衛権の憲法解釈を、一内閣が国民的議論も無く閣議決定で変更することは、決して許されるものではありません。
今、中東では武力紛争が広がり、何の罪もない子どもたちや市民が犠牲となり、避難民は数百万人にも上っています。その原因はきわめて複雑ですが、共通することは、自らの主張を実現させるために武力を行使し、紛争が拡大していることです。この解決は、武器を捨てて話し合いのテーブルにつくこと以外に解決はしません。世界から停戦し和平交渉へ、との声は大きく広がっています。多くの武力介入は、大国の国益を守るとしての武力介入であり、日本のアジア侵略戦争、アメリカのベトナム戦争やアフガン・イラク戦争はその典型です。アメリカの政府元高官はアフガン・イラク戦争時に日本に集団的自衛権が容認されていたら、自衛隊の派兵を要求したかの質問に、当然要求したと答えています。
しかし、日本はあの忌まわしい戦争で、アジアでは2000万人、日本でも300万人を超える犠牲者を出した痛苦の教訓の上に戦後平和憲法をつくり、いかなる紛争も武力を持って解決しないとの原則を貫き、戦闘地域には自衛隊を派兵せず、69年間一人の命も奪うことも奪われることも無かったことが国際的にも高く評価され、平和憲法を守り続けてきた日本国民が、現在ノーベル平和賞の候補にノミネートされています。今、議場にいるすべての皆さんが憲法9条を守り続けてきたことが評価されて、ノーベル平和賞の候補者になっているのです。私たちは、どんな理由があろうとも、あの忌まわしい戦争は二度と再びやってはならないとの、戦争体験者や遺族の皆さんの声に真摯に答える義務があります。
この意見書は、国民的理解が深まるよう、ていねいな議論をおこなうことを求めるものであり、議論をすればするほど反対の世論が高まり、世論調査でも国民の反対は55.4%となり、賛成は34.5%となっています。ていねいな国民的議論を深めれば深めるほど、集団的自衛権の解釈改憲は許さないとの世論になることは明らかであリ、私たちの求める集団的自衛権行使容認反対と一致するものであることから、賛成するものであります。
全会が一致して可決されることを期待して、賛成討論といたします。