「平成26年度長野県一般会計補正予算(第6号)案」質疑
11月県議会定例会において、11月22日に発生した神城断層地震に関する補正予算が提案され、全会一致で可決しました。日本共産党県議団の和田議員が関連して質疑を行いました。
応急仮設住宅について
- 和田議員
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11月22日、県北部を中心に震度6弱を観測した地震により被災された皆様に心よりお見舞い申しあげますとともに、地震発生直後から災害対策本部を設置し、知事はじめ関係部局、現地機関、関係自治体と連携し震災対応をしていただいていることに対し感謝申し上げ、追加の補正予算を歓迎いたします。
地震から約2週間で、応急仮設住宅設置など緊急に追加で提案されました補正予算について質疑をおこないます。
まず、応急仮設住宅について伺います。白馬村は、2011年3月に震度6強地震で被災した栄村と同じように豪雪地での仮設住宅建設でありますので、栄村の仮設住宅の教訓から、屋根の雪下ろしへの配慮や風呂の追い炊き機能がつけられることと思います。加えて、屋根から下した雪や仮設住宅周り、敷地内での除雪作業が除雪機でできるよう配慮されているのか伺います。
今回の地震では、地域住民のみなさんの日ごろの絆によって、いち早く倒壊した家屋から救出され一人の人命も失われなかったことは奇跡的だと言われています。
仮設住宅に移って、これから時間が経過する中で、住宅再建はじめ農地や農業施設の復旧など多岐にわたり住民から出される要望にそってきめ細かく支援をしていくために、いままでの集落で培ってきたコミュニティが守られることを願うところです。仮設住宅に集会所が設置されるのか、あわせて建設部長に伺います。
- 建設部長
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応急仮設住宅における豪雪地帯についてのお尋ねでございます。
白馬村へ設置を予定しております応急仮設住宅は、平成23年長野県北部地震の際、栄村に設置した応急仮設住宅に入居された方々からのご意見を生かした仕様として計画をいたしております。
まず豪雪への対策としましては、屋根の形状を平屋根から勾配のある屋根とすることで雪下ろしの負担軽減を図っております。また、建物間の除雪を除雪車で行える通路幅とし除雪への負担軽減を図るとともに、広い敷地を利用することで雪捨て場のスペースも確保してまいります。
住宅の設備としましては、給湯器を追い焚き機能付き、便座を暖房便座とするなど、寒冷地を考慮した仕様といたします。
寒冷仮設住宅で問題とされる結露につきましては、熱交換型の換気扇や結露のしにくい天井材を採用することで対策することとしております。
地域の皆様が大切にされている絆は大変重要なことであると考えており、その絆をつなぐものとして入居される方が集える施設は不可欠であると考えています。その施設として建設施設内の体育館が利用できるものと考えておりまして、現在白馬村とともに利用方法等を検討し必要な措置を講じてまいりたいと考えております。
仮設住宅に入居されるすべての方にご満足頂くには難しい点もあるかも分かりませんが、少しでもストレスが軽減されるよう配慮・工夫して設置を進めてまいりたいと思います。
被害農地への支援について
- 和田議員
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今回の補正で農地被害などの実態調査をしていただくことになりますが、すでに先週からの降雪はところによっては根雪になっているなかで、被害の実態調査には厳しい季節を迎えています。今後の見通しについて伺います。
また、栄村では雪解けを待って実態調査をしたところ、農地に深い亀裂や段差が生じたり、畦畔が崩れるなど甚大な被害が発生しました。
そして被害のあった農地の復旧をしたところでも、翌年の降雪期を経て、なお水田被害が判明し、地震による被害として自己負担が最小限になる支援対象にされたように、今回も、一定の期間を経過して分かっていく被害があると思われます。今回の調査結果で判明する被害はもちろんですが、その後に被害が拡大していく部分についても支援対象にしていくのか農政部長に伺います。
- 農政部長
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農業関係の復旧支援についてお答えいたします。
神城断層地震の被害状況調査につきましては、各地方事務所や本庁職員を動員いたしまして、市町村と連携して被害の状況把握に努めているところでございまして、現在までに一部の水路を除きまして概況を把握しているところでございます。
今回の補正予算につきましては、地震による被害を受けました農地や水路、農道などの農業用施設について早期の復旧を進め、被害農家の皆様方の来年の営農計画に反映できるように、市町村が行う当面の調査設計を支援するものでございます。
今後降雪等によりまして年度内の詳細被害調査が困難になった場合や、あるいは代かきなど作業を開始した後で被害が判明する場合もございます。そのような際におきましても、調査や復旧とあわせまして、ソフト面につきましてもしっかりと支援をしてまいります。