政党助成制度の廃止を求める意見書(案)」提案説明
2月県議会本会議において「政党助成制度の廃止を求める意見書(案)」の審議がおこなわれ、意見書案は賛成少数により否決されました。審議においては、小林議員が提案説明をおこないました。
議第11号、政党助成制度の廃止を求める意見書の提案説明を行います。
国民の税金である政党助成金が、毎年320億円も支給されている、導入されて以降なんと6311億円にのぼります。導入された根拠は企業献金が政治の腐敗を招き、国民から金権政治に対する大きな批判が広がり、その対策として個人献金が定着されるまでの処置として導入、金権政治の一掃を目的に、企業献金の禁止を前提にしたものです。しかし、企業献金は復活し、政党助成金も継続されていることは国民との約束を政治家自ら放棄するものであります。本来政党は党費や個人献金で運営されるのが当たり前、企業献金と政党助成金に頼り切る政治は国民の信頼を著しく阻害するものであります。
多くの政治家が身を切る改革と称し、議員定数の削減を公約に掲げていますが。国会議員一人当たりの経費は正確ではありませんが、歳費+ボーナスで3080万、文書交通費で1200万、立法調査費で780万、公設秘書3人分で2300万円、合計で7360万円とされています。これには政党助成金は入っていません。もっと多いという試算もあり、仮に一人1億円と見ても、議員を200人削減しても税金の削減は200億円であります。政党助成金は320億円に昇ります。この制度を廃止すれば320人分の削減に相当します。しかし、現状のまま定数を削減しても当選した議員はなんら身を切ることはありません。それどころか一人当たりの政党助成金額は増額されます。身を切改革どころか身を太らせるものです。本気で身を切る改革をやるなら政党助成金の廃止こそ真の改革ではないでしょうか。議員定数削減は経費の削減よりも、多くの国民の意見を切り捨てる制度であり小選挙区制と政党助成金を廃止することこそ身を切る改革です。
毎年年末に繰り広げられる、政党助成金を受け取るための要件を満たすために、国会議員五人をめざして政党の離合集散は年中行事になり国民の目には、蟻が砂糖に群がるようなあまりにも醜い姿です。年間所得200万円以下の国民が急増しているなかで、政党にも関わらず、党費は集めず、もっぱら政党助成金に頼る政治家は国民の暮らしも分りません。今の国会を見ても金にまつわる不祥事が相次ぎ大臣の辞任や疑惑が毎日のように報道されています。これでは国民の政治不信をさらに広げ、選挙を放棄する国民が半数にも上る深刻な事態を生み出しています。ましてや地方議員は無所属議員が多く政党助成制度とは無縁です。
長野県議会は全国に先駆けて政務調査費の透明化と減額、議員の海外視察も廃止、日当支給も廃止するなど身を切る改革を進めています。こうした長野県議会から金権政治一掃の、真の身を切る改革を切り開こうでは有りませんか。政党助成制度の廃止を求める意見書には、全議員のご賛同を頂けることを確信して提案説明とさせていただきます。