「安全保障関連法案等の撤回を求める意見書(案)」提案説明
安保法制に関連し、日本共産党県議団は以下の意見書を提出し、小林伸陽議員が提案説明に立ちました。
2015年7月3日否決
提案:日本共産党県議団
賛成:日本共産党県議団、無所属(今井正子議員、高島陽子議員)
反対:自由民主党県議団、信州・新風・みらい(民主党、社民党など。但し社民党など一部議員は採決に参加せず退席)、新ながの・公明(公明党など)、維新の党
(順不同、敬称省略、議長は採決に含まれません。なお信州・新風・みらい所属議員のうち一部議員は採決に参加せず退席をしました)
議第17号の提案説明を行います。
この意見書は、現在国会で審議が行われている安全保障関連法案の撤回を求めるものであります。この法案は戦後築かれてきた日本の平和外交を根本的に転換するものであり、先の太平洋戦争は日本で350万人、アジアでは2100万人もの尊い命が犠牲となり、この戦争の筆舌に尽くし難い痛苦の教訓として、二度とふたたびいかなる理由があっても戦争は決してしてはならないと作られた日本国憲法の不戦の誓い。国家権力の暴走を許さないとした立憲主義をも踏みにじるものです。
戦後70年間先進国の中で唯一、一度も戦争に加わらず、一人の戦死者も出さず。他国の国民を殺すこともなく、平和を守り続けてまいりました。しかし推進派の中には「現状は憲法守って国に滅ぶ」「日本が攻撃されても座して死を待つのか」などと国会議員とは考えられない発言までされています。自衛権と集団自衛権の区別もできない暴論です。
すでに皆さんもご承知のようにこの法案については歴代政府も憲法上から自衛権を逸脱するとして超えてはならないと現在でも多くの法制局長官経験者、元自民党副総裁・幹事長の山崎拓さん、元自民党政調会長・金融担当大臣の亀井静香さん、村上誠一郎衆議院議員等自民党の幹部の皆さんをはじめ、長野県の弁護士2百数十人も加入している日本弁護士会をはじめ憲法学者の圧倒的多数の皆さんが憲法違反と明確に批判しています。改憲派の皆さんですら今回の解釈改憲は許されないと反対の先頭に立っている学者もたくさん生まれています。
さらに県下の市町村議会でも、法制化を求める議会がわずか1、わかりやすい説明を求めるもわずか1と2議会となっています。その一方で50を超える議会が撤回・反対・廃案・慎重などの意見書を採択し、圧倒的多数を占めています。どの国民世論調査でも違憲が5~6割、反対は7~8割と圧倒的多数を占めています。しかし自公政権はこうした現状を無視し今月19日にも強行採決に踏み切ろうとしています。
これから提案されている、議第15号の意見書の中身は「国民の理解が得られていない」「合憲性が大きな争点となっている」「立憲主義に基づき十分かつ慎重な審査が必要」と現状認識では我々も同感です。しかし政府に求めていることは「国民的な理解が得られるよう、国民の疑問や不安を真摯に受け止め、分かりやすく丁寧に説明」を求めるとあるものであります。これは国会での安倍総理の答弁そのものではありませんか。立憲主義の立場から見ても、国民の理解が得られないばかりか説明すればするほど違憲性が一層明らかになり立憲主義とは相い入れられないものです。
作家の瀬戸内寂聴さんは病床から国会前に駆けつけ、もしこれで病気が再発して死んでもどうってことはありません。93歳の私がここに座れば少しでも反対派を元気づけると政府のごり押しに命を懸けて抗議しています。
県民の平和と安全の負託を受けている皆さん。そして立憲主義に立たれている皆さん。二度とふたたびどんな理由があろうとも戦争はやってはならない。子どもたちを再び戦場に送らないとの立場に立つ議員各位のご賛同を心より訴えて提案説明といたします。