日本共産党長野県会議員団

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議会質問

「マイナンバー制度実施中止を求める意見書(案)」提案説明

6月県議会本会議において「マイナンバー制度の実施中止を求める意見書(案)」の審議がおこなわれ、意見書案は賛成少数により否決されました。和田議員が提案説明をおこないました。


 国民共通番号制度、いわゆるマイナンバー制度は、日本に住民票を有する国民全員に生涯不変の個人番号を付け、国や地方公共団体などが保有する個人情報と個人番号を関連付けて一体で活用する社会保障・税番号制度として、今年10月から番号通知が開始され、2016年1月から利用が開始されることになっております。

 マイナンバー制度は、国が国民の所得や資産を効率的に掌握することで、税金や社会保険料などの徴収強化と、社会保障などの給付抑制を図るなど、とうてい容認できる制度ではありません。また、膨大な国民の個人情報の取り扱いが行われるにもかかわらず、国民に周知がされ、賛同を得ている状況ではありません。

 さらに、政府は、制度の実施前にもかかわらず、預貯金口座や「特定健診」の結果などにも利用範囲を広げようとする動きがあり、安倍首相は、個人情報保護に配慮しつつも医療連携などに利用可能な個人番号カードの仕組みを検討していくと答えているように個人情報の管理が際限なく広がるのではないかと危惧されるものです。

 マイナンバー制度によって管理される個人情報は、医療保険で9283万人。公的年金加入者6346万人。確定申告2143万人など膨大な件数に達するものですが、全体から見れば一部でしかありません。また、マイナンバーは、個人情報を一元化するとして、公的機関による運用にとどまらず、扶養控除や源泉徴収票、社会保険の届け出などに共通番号の記載を求めており、民間企業等でも社員や取引先の共通番号を管理することになります。制度の運用により中小企業では負担増とセキュリティー対策に困惑が広がっています。これだけの膨大な個人情報が安全に管理できる保障があるのか、はなはだ疑問であります。

 その疑問を実証するように、年金の個人情報を管理している日本年金機構のシステムがウイルスメールによる不正アクセスを受け、加入者の氏名や年金番号など約125万件にのぼる個人情報が流出したことが明らかになり、公的機関の個人情報管理の脆弱性が浮き彫りになりました。年金情報流出の原因究明や検証・対策も進んでいない状況でマイナンバー制度を実施するべきではないということが、国民の思いです。

 マイナンバー制度による個人情報の流出によるプライバシー侵害の恐れが現実の事態になっており、税・社会保障分野で国が管理を強めるマイナンバー制度を強行実施することは許されるものではありません。

 個人情報の流出と悪用の恐れがあり、国民の不信と批判が高まっている、マイナンバー制度の実施中止を国に長野県議会から求めていくことに皆様のご賛同いただきますよう申し上げ、提案説明とさせていただきます。

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