「中央新幹線の整備に関連した地域の取り組への支援を求める意見書(案)」反対討論
6月県議会本会議において「中央新幹線の整備に関連した地域の取り組への支援を求める意見書(案)」の審議がおこなわれ、意見書案は賛成多数により可決されました。審議においては、両角議員が反対討論をおこないました。
中央新幹線の整備に関連した地域の取り組への支援を求める意見書(案)に反対する立場で討論いたします。
いわゆるリニア中央新幹線。私たち日本共産党県議団は、凍結見直しを主張し、県として推進室ではなく対策室をと、またこの間、リニアに関連してと、この際とばかりに、古くから計画のあった道路も入れるなど、私たちは生活道路に反対するものではありませんが、県の予算、道路関連予算がどこまで膨らむのかと危惧をいだき反対もして来ました。
国民的な要望も必要性もなく「大義」がない。山田佳臣JR東海前社長も 「絶対ペイしない」と2013年9月の記者会見で述べたこと。すでにドイツでは、 リニア計画については経済性・技術的な信頼・環境への適応性など総合的な評価を行い、計画を中止したこと、日本国内からも専門家・知識人からリニアに対して疑問視する見解が表明されていることを、この場でも紹介いたしました。
地元住民の皆さんの「声」のまわりでは、バラ色のような話をしているが、だんだん反対できないような雰囲気をつくり「イッキ」にやってくるのではないか、家の立ち退きなど犠牲になる我々のことは考えていない等、悲痛な声も紹介しました。
今定例会、リニア中央新幹線に対する、山口議員の質問でも新たに16種の絶滅の可能性がある希少な動植物が確認されたこと、今年5月になって豊丘村に中部電力がリニアのための変電所設置の計画を突然明らかに、8~9ヘクタールと大規模、高さ60メートルの鉄塔が40~60本建設される。JR東海の工事予算には盛られているのに環境影響評価書や工事実施計画書には含まれておらず、アセス逃れと言われても仕方がないこと、また、24時間体制でボーリング調査が始まっている大鹿村では、住民から騒音の苦情が寄せられていることも指摘されました。
用地取得業務では、一民間企業が実施している事業を自治体職員に任せることの不自然さや、これまでの経過の中で、後だしじゃんけんのように、次々と出されてくる問題に、あらためてJR東海の不誠実な対応も指摘されました。
この様な状況下、この時期に、長野県議会として、リニア中央新幹線の事業を国家プロジェクトと位置付け、国の積極的な支援等を求める意見書を提出することは、地元住民・県民感情として、「なじまない」と言わざるを得ません。 以上の理由によりこの意見書(案)に反対をいたします。