2015年9月定例会 両角友成議員一般質問
1.安保法制に対する知事の政治姿勢について
- 【両角議員】
- 日本共産党県議団の両角友成です。私は発言通告に添って一般質問を行います。
まず初めの質問事項は、知事の政治姿勢についてであります。私たちは、空前の規模で広がった国民の運動と、6割を超す「今国会での成立に反対」という国民世論に背を向けて、安保法制を数の力で強行した安倍政権に対して、満身の怒りを込めて抗議をするものです。
知事は、私ども県議団の1年間に及ぶ集団的自衛権行使を含む安保法制に対する質問に、憲法に対しては公務員として尊重するとしながら、一連の国の動きは見守るとしてきました。知事として、県民の生命・財産を守る立場から、時として政権に言うべきことを言う気概を持ってほしいと迫りましたが、その姿勢は示されませんでした。しかし今回はこの姿勢は許されません。地方が国の言いなりになった負の歴史を忘れてはなりません。
知事として、安保法制を強行した安倍政権に対して、今後どのような姿勢で臨むかお伺いをいたします。
- 【阿部知事】
- 政権に対してどういう姿勢で臨むかというご質問でございます。私は政党の党首であるわけでもないわけでありますので、いささか質問の主旨がよく分からないわけでありますけれども、国と地方の関係、もちろん国に対して言うべきことはしっかり言っていかなければいけないと思っております。
ただ、外交・防衛、これは国が責任を持って対応するべき事項と思っております。会見でも申し上げておりますけれども、私は日夜を上げてこの安全保障法制について勉強しているのであれば責任を持った対応をできますけれども、これは県知事として県民のための仕事にまい進させて頂いておりますので、こうした姿勢をこれからもしっかり貫き通さなければいけないというふうに思っているところであります。
そういう意味で、私は政党の代表ではなく県民すべての代表者として、しっかりと責任を持って知事の職務を全うしていきたいと思っています。
- 【両角議員】
- 私たちが直面している、安保法制を廃止し日本の政治に立憲主義と民主主義を取り戻す課題は、文字通りの「国民的な大義」をもった課題です。長野県内でも、全国的に有名になった売木村の村デモ。普段かわいいと思っている軽トラが頼もしく見えたと表現された、池田町の軽トラ30台以上を連ねた軽トラデモ。記者が、カメラマンが取材で涙した若いお母さんの会。すごい勢いを示した若者。と、かつて見たことがない広がりであります。
私たちは、「戦争法廃止の国民連合政府」をつくるという「国民的な大義」で一致するすべての野党が、来るべき国政選挙で選挙協力を行うことを心から呼びかけるとともに、その実現のために誠実に力を尽くす決意ですと申しあげ、次の質問事項に移ります。
2.特別支援学校について
- 【両角議員】
- 特別支援学校の学習環境整備についてであります。全県の特別支援学校の老朽化、教室不足が深刻となっています。この問題、何回かこの場でも取り上げてきましたが、いずれ児童生徒が減るから、の答弁に終始しているととらえています。狭いトイレ。その数の少なさ。クールダウンの部屋が印刷室をパーティションで仕切った半分のスペース。職員室がないような異常な事態。ハンデをお持ちの子供さんのためには、校舎のバリアフリー化が必要です。このまま放っておいてはなりません。県内全ての支援学校を潤沢な予算をもって環境整備を行うべきです。
今回、教室不足を解消するために10年前から取り組んでいる、埼玉県教育局と1校の特別支援学校を視察させていただきました。高等学校の再編整備後の空き校舎を活用した支援学校は、「ゼロからではない。使えるものは使う」としながらも、20~30億円の予算を掛けてバリアフリー化に。外壁はそのままに内部を変える。高校生40名分の広さの教室を半分にして1クラスに。特別教室をつくり変える。給食調理室も。階段は高校生仕様から児童用にするため、木材かぶせるような施工。トイレは数を増やしバリアフリーに。木材をふんだんに使い、全館冷暖房完備。エレベーターも増設。担当者の力の入った説明でありした。
長野県が高等学校等の一部を借りての分教室。埼玉県では分教室の発想自体がなく、分校も、職員も教頭をトップに20~23名体制。「私どもの長野県では分教室で、養護教諭がいないので、高校の保健室を利用することも苦慮しているが」の問いに、「きょとん」として「保健室も完備養護教諭も配置している」との答弁にこちらが「きょとん」。「高校と体育祭も一緒に行うことで、障がいがあっても頑張っている。我々も頑張らねばと、いい刺激になっている」と。長野県の分教室からの卒業生が「私はどこの学校を卒業したのか」とは大変な違いでした。
待ったなしの状況が続く県内。このままでは、人権問題につながりかねませんし、同じ国なのに住む県で格差がある。許されないことではないでしょうか。特別支援学校の学習環境整備に潤沢な予算をもって当たるべきですが、いかがでしょうか?教育長に伺います。
- 【教育長】
- 特別支援学校の学習環境の整備についてのお尋ねでございます。県立の特別支援学校の主な建物の建築年度は昭和40年代から60年代である学校が多く、設備や内装を中心に経年による劣化が進んでいることから、計画的な補修工事等を実施してきたところでございます。補修にあたりましてはエレベーターの設置など児童生徒の障害の重度重複化に対応したバリアフリー化にも配慮し進めてきたところでございます。
こうした中、特に老朽化が進み、耐震基準を満たしていなかった長野ろう学校については、平成21年度から全面改築に着手し、今年度中にすべての工事が終了する予定でございます。また児童生徒の増加による教室不足には、校舎の増築により対応してきたところであり、これまでに9校で84教室を設置してきたところでございます。
バリアフリー化を含め経年劣化に対応した工事や教室不足への対応など、児童生徒にとって望ましい学習環境の整備に、今後とも引き続き努めてまいりたいと考えております。
- 【両角議員】
- 長野市に続き、中信地区でも特別支援学校再編整備計画を立て、これを進めようとしています。専門性を保たなくてはならない。他の特別支援学校の校舎利用で活路を見出そうとしているが、それはいかがでしょうか。
先ほどの埼玉県では、盲学校は盲学校、ろう学校はろう学校と専門性重視で、これを一緒にするなどということは、およそ考えられないとのことでした。長野養護学校の分教室の場合は、校舎を1棟別に用意し使用しているとのことですが、松本はそうはいかず、同じ校舎を使用。保健室を緩衝帯として分けたいとのことでしたが、計画現場を見ればトイレの位置が保健室の先にあり、その発想はとても無理と感じました。学校側も「あいまいさは避けたい。分教室と自分たちの家族。仲良くはするが分教室である。校舎内あちこちが古く改修の機会としたい」との話もありましたが、「協力はしていきたいが現場の先生とは温度差がある」とも。PTAの中でも「専門性が薄れる。あいまいになる」との意見も。ろう学校では、先天性の子どもさんがほとんどで、よって、言葉が獲得できない「内言語」心の中だけで展開される言語。私たちが、頭の中で考えごとをする言葉が獲得できない。「9才の壁」と表現するそうですが、日々大変な学習が行われている現実があります。同じ屋根と言われても「分ける」玄関も「分ける」学校名も残すと言い切られました。先に他の特別支援学校に分教室を設置した長野養護学校は、いまだにプレハブ校舎を使用、職員室すら確保されていません。抜本的な解決は新設校・分校の設置と考えますが、差し迫った中信地区はもちろん、全県的な抜本的計画を示していただきたいがいかがでしょうか?再度教育長に伺います。
続けて、現場からは、「何年たっても改修が要望される」と聞きますが、予算化をする知事が、ストレッチャーが入らないトイレ、和式のトイレ、夏場汗だくになってしまう音楽室等々現場をつぶさに見ておられるのか、見ているとすると、まさか、あのままで良いとは思っていないと思いますが、いかがでしょうか?知事に伺います。
- 【教育長】
- 特別支援学校の教室不足等への対応についてのお尋ねでございます。特別支援学校の学習環境整備につきましては、先ほどもご答弁申し上げましたとおり、これまでも全県的に分教室の設置や校舎の増築などの対応をしてきているところでございます。特に平成21年度に再編整備計画を策定し、取り組みを進めている長野地区においては、長野養護学校本校の児童生徒数が、平成21年度の222人から今年度は180人と2割減少しており、長野養護学校の過密化解消に十分効果が上がっていると認識しております。また来年度から須坂商業高校内に新たな高等部分教室を設置することにより、さらなる過密化解消が期待できると考えております。
また中信地区についても本年8月に策定した「中信地区特別支援学校再編整備計画」の着実な実施により、教室不足の解消など各特別支援学校の課題解決に向けた学習環境の整備に取り組んでいく所存でございます。
今後児童生徒の全体的な減少が見込まれるなかで、特別な支援を必要とする児童生徒数の見込みや、それぞれの地域の状況を勘案しながら、引き続き特別支援学校の学習環境の改善に努めてまいりたいと考えております。
- 【阿部知事】
- 特別支援学校の学習環境の整備について、これも私は県としてしっかり取り組むべき課題と思っております。私も支援学校、すべては回らせていただいてはおりませんが、お伺いするなかで、直接課題等もお伺いさせていただいてきております。
そういう中で、現在教員の配置、計画的に増員していこうということで取り組んでおりますが、それに加えてハード面の整備もしっかり取り組まないといけないと思っております。これまでも過大化、過密化の解消であったり、あるいは各校の障がい種に応じた基礎的な学習環境の整備であったり、空調設備の整備であったり、内装の木質化であったりといったことに取り組みを進めてきておりますけれども、今後とも教育委員会の皆さんと十分ご相談させていただきながら、必要な予算付けを行っていきたいと考えております。
- 【両角議員】
- 松本養護学校の現状は、いま教育長が答弁された中身とはだいぶ違うと私は思っております。高等部が増えており「すでに限界、来年も増える見通し」と話され、県の対応の遅さを改めて痛感しているところでございます。そうは言っても松本養護学校の現状を切り開かなければなりません。
そこで提案であります。寿台養護学校に隣接し、児童生徒はもちろんですが、学校への進入路、駐車スペース等共有するなど密接な関係にある中信松本病院が移転に伴い空き施設になるとの情報があり、これを基に先日、備前県議と病医院長・事務長を訪ね、じかにお話しを聞いてまいりました。平成30年3月に移転先の病院の改築工事が終わり移転をする。その先4月からのことは何も決まっていない。病医院長曰く、「売却はしない。借りてほしい。医療・介護・教育に使用してほしい。公的なものがありがたい」と話されました。駐車場・進入路のことも理解されていましたし、病院がなくなってしまえば、公共のバス路線も無くなってしまう。みどりに囲まれ環境は抜群。「何とか使ってほしい」とまで言われました。
国立病院機構は、142病院を抱えている。後利用者を探すのは、我々です。病院長、事務長、「築20年。当時60億円ほど掛けた施設です。門戸は広げています。県の健康福祉部にも話した経験もある」とのこと。「養護学校とは関係が深い」と好感触でした。養護学校に欠かせない厨房施設もあり、広い駐車場もある。この際、病院との話し合いで借り受け、松本養護学校の分校として、特別支援学校にすることを提案いたしますがいかがでしょうか?教育長に伺います。
- 【教育長】
- 中信松本病院の施設の活用についてのお尋ねでございます。寿台養護学校と運営上密接な関係にあります中信松本病院が、平成30年を目途に移転することから、病院側とは、入院している児童生徒の病院移転後の教育環境の確保などについて協議を進めているところであり、その中で移転後の施設利用についても病院として検討中であることをお伺いしています。
教育委員会としては先般策定しました「中信地区特別支援学校再編整備計画」を着実に実施することにより、松本養護学校の過大化・過密化の解消を始めとした中信地区の特別支援学校が抱える諸課題の解決が図れると認識しておりまして、病院施設全体を借り受けて新たな特別支援学校を設置することについては、現時点では考えてございません。
- 【両角議員】
- 先ほど埼玉県の20億、30億という話もさせていただきました。だいぶズレがあると、そしてお子さんをお持ちの親御さんたちの想いというのは、いま教育長が言っている部分とはかなりかけ離れているというふうに思います。私はこれは非常にいい提案だと思いますので、ぜひもう一度真摯に受け止めていただきたいというふうに思います。全県待ったなしの状況ですと申し上げ、次の質問事項に移ります。
3.福祉医療について
- 【両角議員】
- 次の質問事項は、福祉医療についてであります。学校の取り組みの一例ですが、「受診率向上を目指して健康課題解決に向けた学校保健委員会のあり方」の新聞記事を目にしました。一部紹介しますと、身長・体重にはじまり眼、耳、鼻、歯など、学校では児童生徒の健康と教育環境を維持、向上させるため、さまざまな健康診断が義務付けられている。検診で問題を指摘された児童が、医療機関を受診して治療を受ける割合が低いことに心を痛め、改善策を探り、活用したのが保護者を交えて子どもたちの健康づくりを進める学校保健委員会だった。心掛けたのは「子どもが主人公で活躍できること」「説得力を高めるため、専門的な話をすること」の2点。保健委員会の活動の結果、受診率は眼科の場合、13年春26.3%が同年秋には53.8%に上昇。つられるように歯科も30.0%が47.1%と上昇。ただしその後は眼科、歯科とも再び低下傾向に。学校保健委員会のみならず日常的な活動の継続が課題と結んでいます。
この養護教諭と直接話す機会がありました。受診率向上には、医療機関・病院の窓口無料化が決定的だとなりました。学校現場の声です。
この項目、「窓口無料化」については、私は県議になってから、健康福祉委員会も含め、「またですか」と言われるほど、粘り強くいろんな切り口で実現のために迫ってきました。しかし実現していません。いま現在も各分野の親御さんを中心に大きな運動が続いています。県はこれに応え、実現すべきと考えますがいかがでしょうか。健康福祉部長に伺います。
- 【健康福祉部長】
- 福祉医療についてのご質問にお答えいたします。議員ご指摘の、医療機関における窓口無料化の実施につきましては、受給者のコスト意識が確保できず、医療機関の重複、頻回受診や、休日・夜間などの安易な受診が増えることによる医療費増加に対する懸念があること、また、休日夜間の受診者が増加したことに対応するために、医療機関の態勢に混乱が生じることへの危惧があること、これに加えまして、国における国民健康保険国庫負担金の減額調整額や受給者負担金の取り扱いにより、自治体に大きな負担が生じることなどの課題があると考えているところでございます。
そうしたことから、本県では関係する皆様のご理解、ご協力のもと、受給者の申請手続きを必要としない現行の自動給付方式による制度を運営しているところでございます。以上です。
- 【両角議員】
- 知事に伺います。2014年4月現在、全ての都道府県が外来・入院ともに医療費助成を実施。就学前までは、ほぼすべての市区町村に広がり、高校卒業までも11%まで広がっています。
いままで国はこれを応援するどころか、窓口無料化にした場合のペナルティ―国保に対する国庫負担金等の減額調整措置を課してきました。しかし全国の運動や窓口無料化実施自治体の広がり、ペナルティ廃止を求める地方の声に押され、総務省は本年7月、厚生労働省に初めて項目を独立させて、「早急に検討を行い、廃止するなどの見直し」を求めました。子どもの医療費自己負担についても「全国的な制度での対応を検討されたい」としています。
これを受け、厚労省は9月、「子どもの医療費制度の在り方等に関する検討会」を立ち上げました。全国の運動の力でここまで来ました。
厚労省は、無料化によって安易な受診が増えてしまうと主張してきましたが―いまのところです―国会での追及に「波及増(医療費増)はない」と答弁。無料化すれば医療費が増えるというペナルティの根拠が成り立たなくなっていることを認めました。
知事におかれましては、引き続き、全国知事会などを通じて、あるいは直接国に対して「窓口無料化」を言っていただくと同時に、長野県の実施を求めるものです。今私が注目している県に岩手県があります。自動給付方式を長野県と同じように現在実施している岩手県が、2016年4月以降これを見直し、全県一斉に現物給付併用型になります。
知事が言うように、子ども・障がい者の医療費助成制度は、実施主体は市町村です。しかし全国の実施状況からして、都道府県の制度が土台となっています。東京都は都が全額出しています。したがって福祉医療制度は、都道府県と市町村の協同作業と言えます。自動給付を採用している県では、全県的な対応が伴わないと市町村段階での窓口無料実施は大変困難な課題となっています。知事の決断が重要です。
加えて長野県は全国水準より速いペースで人口減が進んでいます。長野県の将来にとっても子育て支援の一環として大切な施策のひとつです。子育て世代の3人に1人が非正規労働者として働かざるを得ない状況下、県民に重くのしかかる消費税。子育て支援のための新たな税負担の話も出ていますが、とんでもありません。
県の責任で、速やかに、窓口無料化を実施すべきと考えますがいかがでしょうか?知事に伺います。
- 【阿部知事】
- 子どもの医療費助成、私ども長野県としても重要な子育て支援施策だと考えています。他の県と比較するのもどうかというところもあるかもしれませんが、長野県、今般県として小学校3年生までの入院にかかる補助対象を中学卒業までということで、県が対象を拡大しました。これまでも市町村の皆様方との、いま両角議員、協同作業とおっしゃっていただきましたけれども、まさに市町村の事業を県が応援する、一緒になって組み立ててきている事業でありますので、市町村の皆様方とも丁寧に対話しながら、今回の助成範囲の拡大も進めてきました。
その結果、来年4月から長野市も中学校卒業まで通院の助成年齢対象を引き上げるということの条例が可決されましたので、いま現在、26年4月1日現在で全市町村が入通院共に所得制限なしで中学校卒業まで助成している都道府県は全国で4県しかありません。長野県も来年からは新たにその仲間入りするという形になっているわけでありまして、引き続き市町村とは丁寧な対話をしていかなければいけないと思っておりますし、国保の国庫負担金の減額措置等のペナルティの部分については、かねてから私どもも国に対して問題提起をしてきたところであります。
今般、政府・与党でもしっかり問題意識を共有していただいた上で、国において検討会を始めるという方向付けをしていただいたこと、大変ありがたく思っております。そういうなかで、今後の国の検討を踏まえて、福祉医療のあり方、市町村とも引き続き十分連携しながら対応していきたいと考えております。
- 【両角議員】
- 今月までの国の動きを見ても、そうはいっても他県と比べてみまして長野県が遅れている、これは確かであります。知事の決断をいま一度お願いし、次の質問事項に移ります。
4.国道143号の整備について
- 【両角議員】
- 次の質問事項は、国道143号の改良についてであります。本路線は松本地域と上小地域を結ぶ「松本街道」として、経済・文化を運ぶ道と位置付けられています。私の子どもの頃は、松本・上田間をこの143号を使って、1日1往復のバスが運行されていたくらいの重要な生活道路であります。
いま現在も青木村、松本市に青木峠のトンネルも含め整備促進が切望されています。長い活動があって現在完成に向けて工事がすすめられている、位置的にはすぐお隣の新矢越トンネル。143号はこの残土を使っての拡幅工事が行われるわけですが、「このトンネル完成後には次は青木峠だ」との地元の期待があります。三才トンネルを含む国道254号線のバイパス的要素もある道路です。しかしいま現在未改良のトンネルのため、「3.6mの高さ以上の車両は通行できない」の看板まで出されている国道143号です。
青木村の村長からは直々に、国道143号整備促進に関する地元の熱意が要望書とともに話されました。松本市議会でも全会一致で整備促進を意見集約がされ、議員連盟が設立されます。
金沢までなった北陸新幹線の中信の皆さん活用、東信の皆さんの松本県営空港の利用促進のためにも大切な道路です。
県としてどんな改良の見通し、計画をもっているか、実現しようとしているか、建設部長に伺います。
- 【建設部長】
- 国道143号の改良見通しについてのお尋ねでございます。国道143号は東信地域と中信地域を結び、防災面、観光・経済面からも重要な路線と考えておりまして、「本州中央部広域交流圏結節機能強化に関する検討会議」においても、交通体系の強化策として、この国道143号青木峠についても、検討の俎上に上がっている部分でございます。
現在の国道143号の改良の状況でございますが、青木峠の約11kmが未改良でございまして、その整備を図るために松本側の約1.4kmにつきまして会吉工区として事業を進めております。本年度は橋梁工事と道路築造工事を実施しております。
残る青木峠のトンネルを含む整備につきましては、しあわせ信州創造プランで事業化にむけての調査の実施等を検討する箇所として位置付けております。「結節機能強化関する検討会議」の検討結果を踏まえまして、具体的な対応を行ってまいりたいと考えております。以上でございます。
- 【両角議員】
- 松本・上田両建設事務所から、青木村、旧四賀村の議員に対し、「こういう計画です」と、2つの―親子トンネル、双子トンネルの図面が示された経過があります。三六判ぐらいの大きさの図面でありました。あれから20年、そろそろ形にと申しあげ、私の質問といたします。