「消費税増税中止を求める意見書案」提案説明
6月県議会本会議において、日本共産党県議団は「消費税の増税中止を求める意見書案」を提案し、和田議員が提案説明に立ちました。意見書案は、賛成少数で不採択となりました。
議題8号 消費税の増税中止を求める意見書(案)の提案説明をおこないます。
安倍首相は2017年4月からの消費税10%増税は、リーマンショック級あるいは東日本大震災のような事態が無い限り実施するとの方針を示していました。
ところが、伊勢志摩サミットにおいて、現在の世界経済が「リーマンショック」級の危機に陥る危険があると主張しました。サミット参加の各国首脳には安倍首相の主張は受け入れられず閉幕しました。にもかかわらず、安倍首相はサミット後、急きょ来年度の消費税増税を2年半先送りすると決断しました。消費税増税を2年半先送りの判断した要因は、世界経済に起因するものではなく、日本の景気が消費税8%増税で低迷し回復していないからにほかなりません。
2014年4月に5%から8%への増税後、日本経済の6割を占める個人消費は冷え込み続けています。内閣府が5月に発表したGDP統計で、個人消費は2014年度、2015年度と2年連続でマイナスとなりました。2年連続のマイナスは戦後初めての異常事態です。
政府が経済対策として推し進めてきた「アベノミクス」によって格差と貧困を広げたことは明白です。大企業は3年連続で史上最高の利益をあげましたが、働く人の実質賃金は5年連続でマイナスです。さらに、消費税は社会保障のための財源と増税しておきながら、年金支給の連続削減、高齢者の医療費窓口負担増、介護報酬の大幅引き下げ等、社会保障を削減し続け、国民は将来の不安と負担増に苦しめられています。消費税が日本経済を落ち込ませたことを認め、自らの経済失政を「世界経済の危機」に責任転嫁することはやめるべきです。2度の10%増税の「先送り」は消費税増税路線が完全に行き詰まった結果であり、破たんしているアベノミクスと消費税増税路線の転換を検討すべきだと考えます。
また、消費税増税が先送りされることによって、消費税を財源に手当するとした社会保障関連の施策や地方の税収への対策が示されないことに対して、地方から「はしごをはずされた」との声もあがっているように、政権への不信を招いています。
法人税率は一律20%で中小企業には課税されています。ところが連結納税や研究開発減税等の優遇税制によって、大企業の実質の負担率は12%と、税負担が低くなり内部留保は急激に肥大化しています。これらの優遇税制の見直し、タックスヘイブンの規制等をふくめ、大企業と富裕層に応分の税負担をという税制の民主的な転換を求めるものです。
よって、消費税増税の再延期ではなく10%増税の中止を求める意見書案に、皆様のご賛同をいただき、長野県議会から国に提出できるようお願い申し上げまして提案説明とさせていただきます。