2016年11月定例会 藤岡義英議員一般質問
1.県立高校学校の暖房費などの需要費について
- 【藤岡議員】
- こんにちは。順次質問いたします。
県立高校の暖房費等の需用費について質問いたします。11月26日、学校関係者、同窓生やPTA の皆さん、そして高校生たちで運営されている「野沢南高等学校を発展させる会」の総会に、私も含め5人の地元県議が出席いたしました。私たちや区長さんも混じって12グループに分かれて「より魅力ある学校にするには」として、施設設備、地域との関わり、生活学習部活動などのテーマで懇話会が行われました。高校生と地域の皆さんたちが立場や世代を超えて議論し、夢のある前向きな提案がたくさん出されました。地域や高校の将来を考える上で、大変貴重な場に参加させていただきました。
一方で高校生たちから学校設備に関する切実な要望がたくさん出されました。各グループの発表で
「トイレの臭いがくさくてどうにもならない」「昨年、清掃業者に掃除してもらったが効果はなかった。」「3階の廊下が雨漏りする」「掃除用具が足りないから隣の教室から借りたりする」「1日に使う灯油の量が決まっており、寒い日は午前中でなくなり、午後はストーブを切っている」「マフラーをつけて授業を受けている」「県は高校教育にお金を使っていない」
などなどの次々と声が上がったわけであります。
高校の灯油問題については平成25年度2月定例会の一般質問でも、県下各地から切実な要望があること、一部は先生方が灯油代を負担していた話を紹介させていただきました。この質問に対し知事は、「必要な灯油代は確保するのは、これは当然だ」としつつも、全体の予算があって、費用も抑制しつつ、なおかつ子供たちの満足度を高められるかというマネジメントの問題だと答弁されました。その後少しは改善されたのかなと期待したのですが、いまだに解決されていないのではないかと感じました。
新しく掃除用具が買えないくらい足りないのではないか、また、現場のマネジメントという言葉によって、できるだけ需用費を使わないようにとの強迫観念が生じ、教育現場が萎縮し、シワ寄せが本来快適な環境で学習すべき生徒たちに来ているのではないか心配しております。➀そこで提案ですが、暖房状況等学校環境や学校設備について、直接生徒からアンケート調査を行うべきかと考えますがいかがでしょうか。
➁懇話会で教職員の話では、それでも1日あたり1リットル増やしたとのことでした。しかし1日の使用量でなく、教室の室内温度で県内統一の基準を設けるべきだと考えますがいかがでしょうか。以上2点を教育長にお聞きいたします。
➂この灯油代等需用費について、日本共産党県議団として知事に申し入れしたときに、知事は必要な需用費については確保すると言われました。改めてその御所見を知事にお聞きいたします。
- 【教育長】
- 県立高校の暖房費等の需用費についてのお尋ねでございます。
一昨年の冬から灯油の利用は一律に1日の使用量を制限することなく、学校施設の状況や天候などに配慮しながら、厳冬期や特に寒い日には追加するなど、各学校でその都度適切に対応するよう周知徹底しております。また学校で灯油購入費の予算が不足する場合には追加再配当をしております。朝のストーブを焚き始めた時間帯や廊下などは仕方ないにしても、教室で生徒が寒さに震えながら授業を受けているような状況はあってはならないので、仮にそのような状況があるとすれば、即刻指示して改善いたします。➀アンケートをすべきというお尋ねですが、一昨年から生徒および保護者を対象に、匿名性を担保した学校評価を実施しておりまして、その中に学習環境の項目を設定し、自由に意見を出してもらっております。例えば、野沢南高校ではこの項目欄に寄せられた意見をもとに、今年度から朝の教室への給油量を昨年の2倍に見直すなど学習環境の向上に取り組んでおります。
今年度は体育館の屋根の改修工事も実施したところでございます。➁それから、県内統一の基準についてどうかというお話でございますけれども、教室の温度の基準については、文部科学省が定めた学校環境衛生基準でもっとも学習に望ましい条件は冬は18℃から20℃というふうにされておりますし、また県が展開している冬の信州省エネ大作戦では、節電、省エネ推進の観点から、県機関での暖房の適正運転として、室温19度の徹底を進めております。
先ほども申し上げましたように、教室で生徒が寒さに震えながら授業受けている状況はあってはならないので、現場における臨機応変な判断で対応することが重要だというふうに考えております。
- 【阿部知事】
- ➂暖房費については、今、教育長からご答弁申し上げたとおりでありますので、私は予算を預かる立場としてしっかり教育委員会の取り組みを応援してきたいと思っております。以上です。
- 【藤岡議員】
- 対応していただいているという答弁でありました。来年にも発展する会の総会がございます。その時に高校生からまた同じような声が出ないことを私は期待したいと思います。県内のすべての生徒さんが快適に学べるように、学習環境をしっかりと整備していただけるよう要望しまして、次の質問に移ります。
2.森林整備について
- 【藤岡議員】
- 森林整備について質問いたします。
➀後でも質問いたしますが、大北森林組合の問題が起こった背景の一つに、森林整備に対する森林所有者の関心の低下が指摘されています。森林は昔は財産だったが、今お荷物になってしまっています。直接的には金銭に結びつかなくても、森林をしっかりと管理していることに誇りを持ち、山を守る自覚を高められる仕組みづくりが必要と考えます。
森林所有者と森林から恩恵を受けている人々を巻き込んだ取り組みを考えてほしいと思いますが、いかがでしょうか。林務部長にお聞きいたします。➁先日、京都府に行き森林の適正な管理に関する条例制定についての取り組みを調査してきました。京都では多発する豪雨災害を受け、二次災害を防ぎ、より一層の森林の安全度を高めるために森林所有者の管理責任をこの条例で定めました。傾斜、地質、立木の状況などから、その危険度が一定基準以上あり、下方に人家や学校がある森林について要適正管理森林と指定する仕組みです。
また、山林における高齢化の進展、林業経営の現状等から森林所有者が十分な管理を維持することが困難となっている場合もあるため、府が役割を果たし、支援するとしています。長野県でもこのような制度を始められたらと思いますがいかがでしょうか。林務部長にお聞きいたします。➂京都府でも、公共建築物に京都府産木材の利用を促進させる取り組みが進んでいるとのお話も伺うことができました。木材組合連合会京都木材加工ネットが設置され、京都産の原木から製材品供給のネットワークが進む中、京都府と京都府森林組合連合会が売買契約を結び、京都トレーニングセンターの建設で、材工分離発注が初めて採用されたそうです。原木調達もトレーニングセンターが建設される京丹波町内から行い、無理なく地域材が使用されたそうであります。
県産材の利活用を促進し、また地域振興につなげるため、長野県でもこのような方式を採用するよう働きかけることはできないでしょうか。計画や提案がある県立大型公共施設に県産材の使用を勧めるよう関係部局と連携して取り組んでいただきたいと思いますが、林務部長にお聞きいたします。
- 【林務部長】
- ➀最初に森林を管理する仕組みづくりについてのお尋ねでございます。
木材価格が長期にわたり低迷をいたしまして、林業の採算性は悪化していることから、森林所有者の森林整備や管理に対する意欲が減退している状況ではございますが、森林を適切に管理していくことは、まずは森林所有者の責務であると考えております。
一方で、森林は、水源の涵養や土砂災害の防止など、広く県民に恩恵を与える機能を有していることから、議員ご指摘のとおり、森林所有者のみならず、森林を取り巻く地域の方々などの森林管理や整備の参加を促すことは重要と考えております。このため森林管理等の意義や重要性の県民理解を促すことを目的に、森林づくりを行う企業や団体と地域を結ぶ森の里親促進事業でありますとか、地域の住民の皆さんの参画する植樹祭、育樹祭などを実施してまいりました。
引き続き本県の森林づくりが県民の皆様の理解と参加の下で行われ、地域の森林が適正に管理されるよう取り組んでまいりたいと考えております。➁次に京都府の要適正管理森林制度についてのおたずねでございます。京都府では昨年、森林の適正な管理に関する条例を制定いたしまして土砂災害等により、生命・財産に危険を及ぼす可能性が高い森林を、府が要適正管理森林に指定をし、森林所有者による適正な管理を促す取り組みを実施しているとお聞きしております。本県は急峻な地形が多いことから、土砂災害発生の危険性が高い森林につきましては、保安林に指定をし、必要に応じて治山事業を実施するという森林法に基づく取り組みを推進しております。
災害発生の防止のために森林所有者による適正な管理を促すことは大変重要でございまして、保安林制度など既存の法制度を最大限活用するとともに、京都府を始め他県での取り組みも参考といたしまして、本県に適した施策を推進してまいりたいと考えております。➂3点目の公共施設の建築工事にかかわる材工分離発注に関するおたずねでございます。
公共施設の建築工事におきまして、木材調達の本体工事と分離して発注することは、発注者の意図に即した産地が明確な木材を確実に使用できるなどのメリットがあると考えております。
一方で、木材の調達と、建築工事の発注の双方を適切に管理する体制が必要でございまして、また材工一括の発注方法に比べまして、事業費を要するなどの課題もあると認識しております。このように分離発注方式はメリット・デメリットがあるもの木造公共施設の発注手法の一つでございまして、今後県庁内全部局等で構成いたします県産材利用促進連絡会議において、情報共有を行うなど、公共施設により多くの県産材が使われるよう関係部局と連携を図り、取り組んでまいりたいと考えております。以上でございます。
- 【藤岡議員】
- 材工分離発注によって山から加工までの連携が進んだこと、また森林資源の循環利用ができたなど、良かった面が多々あったとお聞きしております。ぜひ研究していただきたいと思いますし、また条例についてもぜひ参考にしていただければと思います。続いて次の質問に移ります。
3.大北森林組合補助金不正受給問題について
- 【藤岡議員】
- 大北森林組合補助金不正受給問題について質問いたします。
➀29日、長野地裁でこの問題の第10回の公判が行われ、被告人質問で、元組合専務理事が県のアドバイスをきっかけに架空申請を行ったと証言いたしました。
当時の北安曇地方事務所の職員から「”すでに開設されている森林作業道を新規に開設したとして、補助金を架空申請し、別事業に流用すればいい”と持ちかけられた」と主張。また、既設の作業道を車で一緒に通った際に、「”こういう道を申請してくれればいい”と言われた」とも証言。補助金対象外の町道で、架空申請した際にも「”大丈夫”と言われた」と主張しています。
これまで行きすぎた助言があっても、不正な指導はなかったとする県職員に対して反論する証言と言えますが、明らかに県職員との主張と食い違っています。この点についてのご所見を総務部長にお聞きいたします。➁11月15日の県民への説明会では、検証委員会が検証した内容と公判での証言との整合性を再確認したとの内容の資料が公表されました。この県の資料を拝見させていただきましたが、県としては再確認の結果、検証委員会による事案の検証結果と裁判でも証言は矛盾するものではない、との結論に達したのでしょうか。
➂また、再確認作業ですが、どの部署のどなたが行ったのでしょうか。林務部改革推進委員会のメンバーが直接確認したのではないですよね。これも総務部長にお聞きいたします。
- 【総務部長】
- 大北森林組合補助金不正受給問題についてのご質問に順次お答えをいたします。
➀組合の元専務理事の証言についてございますが、県では公判の中で、北安曇地方事務所に在籍した職員から本庁職員の認識にかかわる発言があったため、県職員への聞き取りを行いその結果を整理したところ、今までの県の見解と変わるものではないと再確認をしてございます。
県の検証委員会の最終報告において、県においても、行き過ぎた助言など不適正な事務処理があったことを認めており、県ではこれに該当する職員について厳正な処分を行ったところでございます。
また、被告人である組合の元専務理事は、本年2月からの公判で自らの着服行為を認めるとともに、11月29日の公判では、水増ししたお金は私利私欲に使ったこととして、着服した補助金で海外旅行に行き、車の購入や家のローンの返済、リフォームを行うなどにも使用していたことを明らかにしたと聞いてございます。
これらの発言は、被告側弁護士からの被告人質問に答えただけのものでございまして、本日も含め、今後さらに被告人質問が続くものと聞いていますので、こうした公判の動向を慎重に見極めた上で対応を考えてまいりたいと思います。➁次に、公判証言に関する再確認についてでございます。11月15日に資料をもって説明させていただいたとおり、10月下旬に9名の職員等に再確認を行い、職員の裁判でも検証委員会の報告の検討結果とは矛盾してないことと判断したところでございます。
➂次に、再確認を行った職員についてでございますが、再確認の聞き取りは、人事課コンプライアンス推進室と林務部の職員が合同で行いました。改革推進委員会の委員にその状況や内容を報告し、確認をいただいた上で、委員の見解を踏まえて11月15日の説明を行っていただいたものでございます。以上でございます。
- 【藤岡議員】
- 元専務理事は、補助金を不正受給したことと、組合の資金をだまし取ったとする詐欺の罪を正直に認めています。これは絶対に許されることでありません。専務理事は今更嘘を言っても仕方がないし、隠すことはないと発言しています。その専務理事が、県も正直に話してもらえるとありがたいと発言しています。しかるべき対応を求めたいと思います。再質問いたします。
➀再確認されたのは、県職員の方なわけでありますが、県職員が県職員の証言について再確認するってこれは客観的でしょうか。透明性の観点でおかしくはないですか。密室で行われたのではないですか。再確認の結果だけを委員に伝えた、委員は再確認の確認をしただけではないですか。
これは大問題だと思いますが、いかがですか。➁もう一つ、本庁職員は不適正な申請、つまり、期ずれや闇繰り越しを認識していなかった、前提にしていなかった、といくら説明しても、1月や年度末に行われた予算消化の依頼だったわけであり、地方事務所職員の証言と食い違っていることは明らかであります。
さらにこんな大事な食い違いが明らかになったのに、この再確認作業は委員ではなく、本庁職員が行っていたわけであります。密室で誘導尋問をしたと言われても仕方がないと感じますが、どのような確認で矛盾しないという結論になったのか、以上2点についてもう一度総務部長にお聞きいたします。
- 【総務部長】
- 再確認つきまして2点、再度の御質問をいただきました。
➀先ほどご答弁申し上げました通り、再確認につきまして、人事課、コンプライアンス推進室と林務部の職員が合同で行ったものでございます。複数の職員で厳正に行ったというふうに私どもは考えておりまして、職員の処分等におきましても、私ども、厳正に対応しているというふうに考えているところでございます。➁また、本庁職員の再確認の関係でございますが、これは小林東一郎議員のご質問にもお答えをしました通り、地方事務所の職員がその時に受けた捉え方を発言したものでございます。それと共に本庁の職員の認識についても、私ども、厳正に聞き取り、再確認をさせていただいた結果、先に公表した検証委員会の内容とは変わるものはないと判断したものでございます。以上であります。
- 【藤岡議員】
- 果たして、年度末に年度内の事業ができるのかと私は疑問であります。そして、県職員に対して県職員が厳正に行ったということであります。この再確認は、私は大変問題であると指摘したいと思います。
➀11月15日の説明会に知事が出席されなかったのは大変残念でありました。議会の決算特別委員会でも、そのことが問題になりました。県民の皆さんへの説明責任を果たすため、改めて説明会を開催すべきだと考えますが、知事としてどういう条件がそろえば開催されるお考えか、また次回の説明会に知事は出席されるのか、小林党東一郎議員の質問にお答えになっておられませんでしたので、再度知事にお聞きいたします。
➁この県民への説明会では、大久保委員から背後に人物がいる旨の発言がありました。県が設置した委員会に所属する委員の公式の場での発言です。大変重いものがあります。この発言の根拠となる事実確認が必要ではないでしょうか。また、名前の挙がった人物の聞き取り調査をすべきではないかと考えますがいかがですか。知事にお聞きいたします。
➂説明会では、お金の動きの全体像がおぼろげながら見えてきたとの印象を持ちました。不適正に受給した補助金のうち9億8000万円程度は時期や内容は不適切であったものの、森林整備等としての事業は実施されているとありました。この中で、年度内に完了せずに次年度に事業を完了させた期ずれのものはどれくらいの件数、額になるのか調査すべきと考えますがいかがですか。また、現時点で森林整備事業の中で未完了のものはどれぐらいありますか。林務部長にお聞きいたします。
④期ずれとなった事業について、実際に事業が完了しているものもあるわけですが、この部分については県も認めたことであり、考慮すべきではないかと考えますがいかがですか。これも林務部長にお聞きいたします。
➄大北森林組合をひとかたまりに泥棒と捉えることは事案を見誤ると考えます。4億7000万円程度の一部は不透明な作業道事業に使われ、またその一部が中村専務理事に環流しており、確かに悪質、これは泥棒と言われても仕方がない部分だと思います。
一方9億8000万円程度は、国の基準には合わなかったとしても森林整備に使われており、クマによる被害があったこと、雪深いという特性等に合わせた整理伐や不要萌芽除去など、いわゆる県も認めた大北ルールによるものだったり、予算消化のために実施してくれとの県の働き方かけがあったからこその結果ではないでしょうか。この件についてのご所見を知事にお聞きいたします。
- 【阿部知事】
- 大北森林組合の問題に関連して、私に3点ご質問いただきました。
➀まず県民への説明と私の出席についてであります。大北森林組合の問題につきましては、これまで節目節目で私から会見等の場で丁寧なご説明を心がけさせて来ていただいております。11月15日の説明は、これは林務部改革推進委員会の委員の方から事案の全体像について第3者の視点からご説明いただくということを主眼に開催させていただきました。今後の県民の皆様方への説明についてでありますが、この事案、現在刑事裁判も進行中でもございます。私の出席も含めて、どういう時期にどういう形で行っていくのかということについては、十分検討して対応していきたいと思っております。➁それから、説明時の大久保委員のご発言であります。ちょっと私も、参加をしてなかったので、直接のニュアンスは分からなかったので、大久保委員に確認していただきました。当日の御発言内容の趣旨は、検証の過程で、委員が接したさまざまな情報があるわけですけれども、こうしたことを県民の皆様にできるだけ丁寧にご説明したいという趣旨でご発言されたというふうに伺っております。
また方も久保委員の側からは、具体的なお名前を出しての発言はされていないというふうに承知をしておりますので、そういう意味で名前が挙がった人物の聞き取り調査すべきではないかという点については、聞き取り調査を行う行わないという以前の問題だというふうに考えております。➄それから、森林整備の不適正受給についての認識ということでございます。大北森林組合の問題もこれは、総務部長からもご答弁申し上げましたように、県としても、不適正な事務があったということもこれ大前提であります。また泥棒のたとえが悪いということで、これは使途の解明に関連しての私の発言で、引用されたご趣旨が違うのではないかというふうに思っております。
今回の補助金の不適正受給案件の判定につきましては2000件を超える申請について現地調査を重ね、不適正な内容について、一件一件精査をさせていただいた結果でございます。不適正受給額のうち約9億8000万円につきましては多くは何らかの事業が実施はされているものの、組合が補助事業の要件に違反して、不当に補助金を受領したものでございます。県職員の指導に沿って行った不要萌芽除去の申請を除いて組合がその責任を負うべきものというふうに考えてございます。以上でございます。
- 【林務部長】
- ➂大北森林組合の関係で、未完了事業でその後完了されたもの、および未完了のものについての件数・額についてのお尋ねでございます。不適正に受給した補助金のうち約9億8000万円につきましては、補助申請時点で事業が完了していないもの、事業内容が補助の要件を満たしていないもの等の不適正な申請が行われた事業について交付された補助金額でございます。
これらの事業が行われた430ヶ所でございますが、1ヶ所1ヶ所精査をいたしまして、現地も調査した結果では、ほとんどの箇所で実施内容や実施時期は不適正切だったものの、間伐などの森林整備が実施されることを確認しております。
しかしながら、組合に管理台帳等が整備されていないため、個々の箇所がどの程度完了しているかや、箇所ごとにどの程度の金額で実施されていたかなど、書面等で客観的に確認することができず、実施状況が異なる430ヶ所におよぶ全ての不適正箇所ごとに実施面積を測量したり、間伐率を調査するなど、完了したもの、未完了のままのものを精査いたしまして、その金額を算出していくことは、現在困難であると考えております。④次に、未完了事業のうち、その後事業が完了しているものの扱いについてのおたずねでございますが、造林補助事業で事業が完了しないまま、補助金の交付申請を行いまして補助金を受領していた事業につきましては、例えその後事業を完了させたとしても、補助金交付申請の時点で補助事業の要件に違反しておりますことから、本来補助金を交付することができなかった事業がございまして、補助金返還請求を行ったところでございます。以上でございます。
- 【藤岡議員】
- ➀説明会では参加者からある背後の人物として名前が挙がった際、大久保委員は私は他の人の名前を聞いていると発言されているわけであります。その点をまた考慮いただきたいと思います。ぜひ適切な時期に知事も出席されての説明会の開催を要望いたします。
今言った背後の人物についてですが、ぜひ税金がどこに流れてしまったのかという重大な問題であります。今の委員会で新たな調査が不可能であるならば別の方法を考えていただきたいと思います。
大北森林組合に現地調査に行った際に、森林整備については「下請業者にお金を払ったし、労賃として支出している、県から検査も受けた。」と説明されました。副理事長は、「組合の職員には、常日ごろから県の指導に従ってやってくださいと言ってきた。」と話されました。申請時には未完了でも、その後の事業が行われたものについては返還を求めるべきなのか、そして調査が大変だというお話でございましたが、手間はかかるかもしれませんが、私は県民の皆さんにとっても再調査が必要だと考えます。➁8月31日に組合設置の委員会が出した最終報告書は現在公開されていません。私たち会派は県に最終報告書の公文書公開請求を行い、その一部をつい先日11月29日に公開していただきました。この最終報告書について、真相解明の資料として県民に明らかにする必要があると思います。ところが現在大北森林組合と委員会が最終報告書の発表を自粛しているとのことであります。県側からこの最終報告書は発表すべきではないとの行き過ぎた助言がないことを信じたいと思います。
むしろ、県として最終報告書を広く公開するよう組合側に促す責任があるのではないかと考えますがいかがですか。知事にお聞きいたします。➂県の検証委員会は組合が悪いとの主張が強調されるという県側に立った傾向の分析、組合の検討委員会では、組合の悪かったとしつつも、県が主導的立場だったと組合側に立った傾向の分析をされ、問題の背景や補助金のお金の全体の誤記等の分析では、一致点が見られるものの、結論部分が相反する内容となっていると感じております。
このようなすれ違いがある中で県の説明会や公判での県職員や組合職員の驚くべき証言を聞いておりますと、ますます真実はどこにあるのか、と、その思いを強くしております。やはり県議会として百条委員会設置が必要だと主張しておりますが、いずれにしましても、県側ではなく、組合側でもなく、県民の立場に立った客観的な検証機関が必要だと考えますがいかがでしょうか。知事にご所見をお聞きいたします。
- 【阿部知事】
- ➀まず大久保委員の、ご発言であります。
ちょっと議事録を読ませていただくと、悪知恵をつけた方っていう表現があって、そこの関連のご質問だというふうに思いますが、これについてはこれを大久保委員に確認したところその犯罪行為に関係してるというよりは、大北森林組合の風土の問題での悪知恵と、ちょっとその表現が適切かどうかというところがありますけども、そういう趣旨のご発言でございます。➁それから組合設置の委員会の報告の公開についてというご質問でございます。大北森林組合が設置した委員会の報告は、これは議員もご承知のとおり、下請事業者を通じて多額の私的利益を得ていたというふうに、供述を本人がしている、元専務が主導して設置した委員会です。
また、平成27年8月29日に元専務が不正行為を告白してから、わずか2日後を追うに元専務の不正行為がどのように今回の事案に関わったかといったような、解明に取り組むことなくまとめられたものではないかというふうに私は受けとめております。当該報告書については公開のあり方を含め、その取り扱いについては、これはあくまでも組合が判断すべきものというふうに考えています。➂それから、新たな検証機関の必要性ということでございますが、今回の事案におきましては、県として、弁護士、公認会計士、大学教授からなる検証委員会の皆さんに事案の検証をお願いしたわけでございます。2000件を超える申請案件に対して、県が行った書類調査、現地調査あるいは、組合・県双方の職員からの聴取調査についてご検証をいただき、また検証委員会としても、直接組合の会計書類等の調査あるいは不適正申請箇所の現地調査、県と組合双方の職員13名の聴取調査を行っていただいたわけであります。こうした徹底した調査、それから4カ月にもわたる入念な議論を経て、事案の解明に当たっていただいたものでございます。
検証委員会の有識者の方々には引き続き林務部改革推進委員会として、事案に対する県の対応の検証にご尽力いただいているところでありまして、県として、新たに検証委員会を設置する必要性はないと思っておりますし、改めましては私も検証委員会の皆様方の報告を何度も読み返してますけれども、かなりしっかりした取りまとめをいただいているというふうに考えているところであります。県に対しても非常に厳しいご指摘をいただいておりますので、そういう意味で、第3者性をしっかり維持していただいた上での報告のとりまとめになっていると考えております。以上です。
- 【藤岡議員】
- 知事から大久保委員の悪知恵に関するものの発言答弁がありました。
この悪知恵問題についてはですね、さらに私は調査が必要なのかなというふうに確信を持ちました。
検証委員会に続き、林務部改革推進委員会の委員長を務める高橋弁護士は、最近私、長野県の顧問弁護士であるということを聞きました。委員を務めるにあたっても、報酬を県から支給されております。果たして客観的な立場に立てるのか疑問に感じました。裁判対策と言われても仕方がないとも思います。
ある県内の森林組合の関係者からご意見をいただきました。
「補助金をもらう事業で運営している立場なので、年度末に予算消化のために協力してくれと言われたら断れない」「県内の林業事業体は多かれ少なかれ、お願いされてきたのではないか」「行き過ぎた助言という表現は納得できない」「一体でやってたじゃないか、検査がなければ申請は通らないんだから」「県も大北も5分5分じゃないか」
と言われました。私もそのように感じます。
県民は真相解明を求めております。県の検証委員会、組合の検証委員会の分析を客観的にジャッジする機関がますます必要となったことを指摘し、一切の質問を終わります。