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議会質問

2017年2月定例会 藤岡義英議員一般質問

  1. 県民の住環境支援について
  2. 小中学校における学校給食への支援について
  3. 大北森林組合補助金不正受給問題について

1.県民の住環境支援について

【藤岡議員】
まず、県民の住環境支援について質問いたします。
①健康で文化的な生活を営むために、衣食住を充実させることは欠かせません。特に快適な住まいに生活し続けることは、県民の当然の要求であります。しかし90年代以降は、経済の低迷が続く中で雇用と所得が不安定化し、非正規雇用や格差の拡大が進みました。特に若い世代に大きく影響し、親からの自立の困難、晩婚化や非婚化、低出生率、貧困の増大が顕著となっています。
 また、時代とともに住宅の市場化が進む中で、県営住宅など公的住宅のストックは減少傾向にあり、低所得の若者が収入に見合った住まいを確保することが困難となっています。
年齢性別を問わず、どんな生き方を選択しても、最低限の住宅を確保できる生き方の自由を保障する、基本的人権としての住まいを保障することを基本とした住宅政策が求められています。
県は県営住宅を含む住宅サービスのニーズ増加に対し、状況をどうとらえ、県民の住生活支援をどのように検討されておられるでしょうか。建設部長にお聞きいたします。

②県営住宅では十分な断熱が備わっていなかったり、材質がすぐ冷めてしまうような風呂しかない住戸がまだ多数残されています。新年度予算案では、県営住宅バスリフォーム事業、約3億7000万円を盛り込み、6団地213戸にユニットバス等を設置し、入居者の負担軽減と居住環境の改善及び建物の長寿命化を図るとしています。この事業は歓迎するものでありますが、この予算ベースでいきますと、完了までに7年8年はかかるのではと心配しております。
 というのも、コンクリの内壁、追い炊き機能なし、風呂場の入り口に高い段差等の状況は、高齢者や障害者、介護が必要な方にとって非常に厳しい環境となっております。
高齢者、障害者対応の県営住宅は数に限りがございます。冬は寒さが追い打ちをかけ、日中の暖かいときにしか入浴できないということもあるそうです。一刻も早く解決を求めたいと思います。対応の前倒しを求めたいと思いますが、いかがでしょうか。建設部長にお聞きいたします。

③御代田町には県営住宅平和台団地がございます。ここは平成10年度までに2棟50戸が建築されています。しかし、建設予定だった残りの5棟70戸は事業中止となり、建設予定地だった団地は、現在更地のまま未利用地となっています。
 御代田町はこの更地を県から買い取り、宅地として利活用することにより、人口の社会増、移住促進を目指していきたいとしています。現在の町との協議状況はどうなっているでしょうか。また、御代田町の取り組みを生かせるように、移管の手続はどう進めていくのでしょうか、建設部長にお聞きいたします。

【建設部長】
いただきましたご質問3問につきまして、順次お答え申し上げます。
①まず、県民の住宅ニーズについてのお尋ねでございます。
昨年度実施いたしました住まいに関する県民アンケートによれば、「自宅は持ち家が良い」という方が約8割で、持ち家志向が高い傾向が見られますが、「特にこだわらない」という方が、5年前と比べてやや増加傾向にございます。また「取得する住宅は新築住宅が良い」という方が約3分の2を占めますが、「中古住宅が良い」、または「特にこだわらない」との考えをお持ちの方も多く見られ、新築を含めた全流通戸数に対する中古住宅の割合は、5年間で2.5ポイント上昇し、11.4%となっております。
 このように市場やライフスタイルの変化を背景に、居住ニーズが多様化していることから、ニーズに応じた住宅を選択できる環境の整備が重要だと考えております。
 一方で、住宅市場の中で、独力では適切な住宅を確保することが困難な低額所得者などの住宅確保要配慮者に対しましては、公営住宅の公平かつ的確な供給が求められております。誰もが安定した居住を確保できる環境を目指しまして、県では、長野県住生活基本計画や長野県県営住宅プラン2016を策定しており、引き続き、低額所得者などに配慮した県営住宅の改善と活用を進めてまいります。
②次に、県営住宅の浴室の環境改善に関するお尋ねでございます。
 県営住宅プラン2016に基づき、今後も継続して管理する中高層住宅約9000戸のうち、昭和50年代前半以前に建設した入浴設備が設置されていない約2600戸について、断熱性、防水性の高いユニットバス等の設置を進めているところでございます。平成26年度から開始し、来年度末までに817戸、おおむね3割程度の設置を終える予定でございます。
 一方、老朽化が進む建物を適切に維持管理し長寿命化を図るためには、給排水管の更新、屋根の防水、外壁の断熱などの改修を行う必要もございます。限られた財源の中で、これら県営住宅の長寿命化を図る計画的な改修や修繕も実施しながら、ユニットバス等の設置による浴室の環境改善を着実に進め、入居者の居住環境の向上に努めてまいりたいと考えております。

③次に、県営住宅団地の未利用地の活用に関するお尋ねでございます。
 御代田町にございます県営住宅平和台団地の建て替え事業計画変更に伴う未利用敷地につきましては、現在、県ファシリティーマネジメント基本方針や県営住宅プランに基づき、その有効活用が図られるよう検討を進めているところでございます。
 未利用県有地の有効活用の方針として、再活用は県や市町村等において、公共的に活用することを優先して検討するとされているところでございまして、また御代田町の地域振興や住環境整備の取り組みとして、未利用地を取得したいという意向もお聞きしているところでございます。
 県としましては、これらを踏まえましてファシリティーマネジメント推進会議における検討などの手続を順次進め、活用方針を決定してまいりたいと考えております。以上でございます。

【藤岡議員】
バスリフォームは、1年でも早く、一刻も早くというのが居住者の切実な願いです。住環境の改善にとどまらず、居住者の心と体の健康に寄与するものだと確信いたします。前倒しの検討を重ねてお願いいたします。
 また御代田町の取り組みにつきましては、ぜひ丁寧かつ迅速に対応していただき、支援を強めていただきたいと思います。また、他の市町村の人口増、移住促進のための住宅政策に対しても、ぜひご支援いただきますようお願いいたしまして次の質問に移ります。

2.小中学校における学校給食への支援について

【藤岡議員】
小学校における学校給食への支援について質問いたします。
 子どもの貧困、家庭教育への支援、子どもの居場所づくりなどの課題が叫ばれる中、県は昨年7月に子どもの居場所づくりモデル事業を開始いたしました。先ほど県民文化部長も答弁されておられましたが、新年度からはそれぞれの市がその事業を受け継ぎ、その取り組みに県が支援すると聞いております。
 子どもの食事に注目し、支援していくことは大変重要だと考えております。子どもの食子ども食堂は月に一度二度の支援を実施しているとのことですが、毎日の食に対する支援はさらに重要な課題だと感じております。
 そこで、学校給食への支援について質問させていただきます。県内では既に市町村で学校給食への支援が行われています。給食費の全額補助は平谷村と売木村と王滝村の3村、お米代を全額補助しているところもあります。牛乳代や米粉パン代への補助を出しているところも、給食での地元食材の利用率を上げるために、補助を出している市町村も多いようです。
 一方、長野県民新聞で文科省の学校給食実施状況調査に見る本県の状況との記事が掲載されていました。長野県の小中学校の給食実施回数は全国でも最も多く、それに伴い、年額給食費も都道府県で一番高く、さらに1食当たりの食費も全国で4番目に高いことが明らかになったと。また、小学校中学年の月額5039円は全国平均を733円を上回り、全国の最高額、5000円を超えるのは本県のみという状況などと報じられています。
 市町村での給食費への支援は大変喜ばれています。一方で、自治体による格差が広がっている現実もあります。

①これまで県は、食材は自己負担としてきましたが、その立場を見直していただき、全県にこうした学校給食への支援が広がるよう、市町村の取り組みを支援すべきと考えますがいかがでしょうか。教育長にお聞きいたします。

②学校給食への支援について県は以前、地域食材の日ということで県産食材をおおむね100%使用した郷土食などを取り入れた学校給食について、1食60円の補助を出すという取り組みを実施しておられました。今回の予算で、信州産食材”地消地産”推進事業として、地元食材を学校給食に活用することを促進する取り組みを検討されていると聞きました。
 ぜひその事業とセットで助成制度の復活をと思いますが、いかがでしょうか。農政部長にお聞きいたします。

【教育長】
学校給食への支援のお尋ねでございます。
①小中学校の学校給食費は、法律に基づき、設置者である市町村と保護者がそれぞれ負担することになっておりますが、経済的に困難を抱える家庭に関しましては、生活保護制度や就学援助制度により市町村が支援しているところでございます。
 また市町村の中には、地域の実情に合わせて、地元食材の使用や伝統食、行事食の実施に係る費用を負担したり、少子化対策、子育て支援の施策として、保護者負担への支援を実施しているところもあるというふうに承知しております。
 県教育委員会としては、栄養教諭等の資質向上に努め、給食の質の向上、衛生管理の徹底、食に関する指導の充実を図っているところでございます。
 引き続き県、市町村がそれぞれの役割を担い、学校給食の持つ多面的任務が一層高まっていくよう努めてまいりたいと考えております。
【農政部長】
②学校給食へのご質問についてお答えをいたします。
 学校給食での長野県産農産物の利用率は、平成27年度で44.3%と、全国平均の26.9%を大きく上回っておりますが、さらに利用率を上げるためには、農産物のまとまったロットや、調理が簡便な一次加工品を安定的に供給できる体制の構築が課題と考えております。
 そのため、来年度、信州産食材”地消地産”推進事業において、調理の省力化に向けた一次加工事業者と給食センターのマッチング、また、県産食材の利用促進に向けた栄養教諭や給食センター調理員を対象とした調理講習会の開催などに取り組みまして、学校給食での県産食材の活用を進めてまいりたいと考えているところでございます。
 一方、議員お尋ねの助成制度は、平成15年度から17年度までの3年間、県産食材を利用するきっかけづくりのモデル事業として地域食材の日を設け、1食60円を年3回、平成17年度は年1回、小中学校等へ広く助成した事業でございます。
 県産農産物の利用率が平成15年度の25%から平成17年度は32.7%に上がるとともに、先ほど議員ご紹介ありましたけれども、各地域で独自の取り組みが進み、そういうことの中で事業の役割は果たされたため終了となったものでございます。
 学校給食での県産農産物の利活用促進は、食の地消地産を推進する上で重要な取り組みと認識しておりまして、教育委員会と連携を図り、市町村教育委員会や栄養教諭等へ働きかけながら、今後一層の利用率向上に取り組んでまいりたいと考えております。以上でございます。
【藤岡議員】
支援を実施している自治体では、若い世代の定住や転入に効果を期待しているそうです。憲法には義務教育の無償を明記しています。本来は国の責任で給食無償化を実現すべきと考えます。国にも必要な支援を求めながら、県としても教育委員会、県民文化部、農政部などと部局で連携していただき、支援策を研究・検討をお願いしたいと思います。全国水準並みに抑えるといったことなども検討いただけたらと思います。

3.大北森林組合補助金不正受給問題について

【藤岡議員】
次の質問に移ります。大北森林組合の補助金不正受給問題について質問いたします。
 長野地裁で行われている公判は結審いたしました。判決は3月の下旬に出されます。
この一連の問題で、県職員の関与をどこまで司法が判断するのかが注目されます。公判でも焦点となった2つの疑問があります。1つは、現地地方事務所職員は、本当に将来も森林作業道整備が行われない全くの架空請求と認めていなかったのか。もう一つは、本庁林務部職員が、現地で年度末の予算消化のための不適正な申請を行っている認識はなかったのか、つまり期ずれ、闇繰り越しは認識していなかったのかであります。  検証委員会の報告書は、一連の問題の全体像を明らかにした点では評価できるものでありますが、2つの疑問を解消する上では果たして客観的なものなのか、疑問を感じております。

①検証委員会は、職員への聞き取り調査の実施状況をまとめておられます。関係する県職員延べ70人の聞き取り調査です。この調査を実際に行った方はどなたでしょうか。調査対象となった延べ70人のうち、直接3人の検証委員が調査したのは何人となるでしょうか。総務部長にお聞きいたします。

②公判では、県職員は対象となった作業道について、知らなかった、通ったこともない、雪が積もっていたので確認できない、していない等と証言しています。その中には既設の道路や町道もあったわけで、本当に知らなかったのか疑問であります。裁判でも問題となった一つ一つの路線について、職員が本当に行ったことがないのか、知らなかったのか、検証委員会のヒアリング調査や再確認作業で確認できたのか、林務部長にお聞きいたします。

③平成20年2月に追加で1500万円、平成23年3月に追加で1800万円、平成25年1月に追加で1000万円と、1月から3月末までの期間に本庁から追加の予算消化が求められていたと、公判の証言だけでも3件明らかにされました。公判では主に作業道が焦点となりましたが、森林整備にも当てられたと聞いております。しかし、1月から3月末に急に予算消化する事業執行が可能なのでしょうか。その疑問点は再確認作業で解消されたのでしょうか、林務部長にお聞きいたします。

【総務部長】
①大北森林組合補助金不正受給問題についてのご質問でございますが、聞き取り調査の状況について、県職員の聞き取り調査を行ったのは、総務部、林務部、会計局による合同調査班を組織していた人事課、森林政策課、森林づくり推進課の職員でございます。
 検証委員会の報告書にまとめてございますとおり、合同調査班で調査した職員は、延べ70人日で、その実人員は26人でございました。さらに、この26人の実人員のうち、県の合同調査班の聞き取り結果を委員会に提出した上で、委員の皆様が必要があると判断された11人、述べで申し上げますと14人日ということになります。この26人中11人につきまして、委員の皆様が2日にわたり、県庁で聞き取り調査を行ったという状況でございます。  以上であります。
【林務部長】
②大北森林組合補助金不適正受給問題につきまして、2点ご質問をいただきました。
 県職員への確認、検証についてのご質問でございます。これまで729件の不適正受給箇所につきまして、当時の北安曇地方事務所林務課職員を対象にいたしまして、実際に現地調査を行っているか、また、未完了を認識していたかなど、森林整備と森林作業道の一件一件につきまして聞き取り調査を行って、徹底した確認、検証を行ってきたところでございます。
 こうした検証に加えまして、公判での県職員の証言につきましても県において確認を行いまして、これまでの県による検証結果と違いは生じていないということを確認をしております。

③次に、1月から3月末に追加で事業を行うことは可能かどうか、というご質問でございますが、補助金を交付しておりました造林事業でございますが、実績補助による事業で、事業が完了した後で初めて補助金の交付申請を行うという事業でございます。
 当時の造林事業におきましては、完了した補助事業をできる限り早期に交付するために、年度末を控えた1月以降、本庁と地方事務所の間で執行見込み額を調整いたしまして予算執行の管理を行っており、当時の北安曇地方事務所の予算執行の依頼につきましても、こうした調整の中で行われていたものでございます。
 造林事業は年間を通じて実施されているため、現場完了後で申請書類を準備しているものや、事業実行中で完了が間近なものなど、当年度に前倒しをして申請することが可能なものがございます。
 このような依頼が意図しない補助金不適正受給の発端となってしまってしまったことを踏まえまして、造林事業の運用を見直して、補助金交付申請の期限を早めて、当年度の執行額を早期に確定し、完了できない事業の適切な繰越処理を行っているところでございます。  以上でございます。

【藤岡議員】
林務部長の答弁で、本庁と現地職員の予算調整をされるということは、それは起こり得ることで理解できますが、追加で予算消化を求められたという点では、その答弁では理由にならないのかなと感じました。
 再質問を、林務部長に2点行います。

①現地地方事務所職員は、補助申請された作業道の場所を知らないと言っていますが、本当かということが1点です。公判でも取り上げられた池田町の大峰キャンプ場線は、七色大カエデや北アルプス展望台など、観光地にアクセスする道とつながっている既設道路です。当時担当だった職員はキャンプ場線の存在は知らない、通ったことはないと証言していますが、そのキャンプ場で昼食を食べたとも証言しております。
北の道からキャンプ場に入ったから通っていないとの主張ですが、北の道から入ったとしても、この大峰キャンプ場線を通らないとキャンプ場自体にいけないことがわかっています。
 私も先日、現地に行ってまいりました。現地まで雪があるから行けないということはなく、キャンプ場線の始点までたどり着くことができました。今年はいつもより雪が多い年だと、地元を案内してくださった方がおっしゃっておられましたが、四輪駆動でない自動車でも問題ありませんでした。しかし担当職員は、知らなかった、行ったことがない、雪が積もっていたので確認できない、していない等と証言していますが、これはうそということになるのではないでしょうか。
 ほかにも中の貝狐穴線は、平成22年、平成23年、平成24年と毎年申請が上がっていますが、何度も重複して申請されたこの路線も、全く知らないで済まされるのでしょうか。これが1点。

②もう一つ。本庁職員も期ずれ・闇繰り越しを認識、もしくは指示していたのではないかということです。大北地域は、池田町を除き1月から3月まで森林整備を行うことはほぼ不可能だと、森林組合関係者から確認を取っています。そうだとすれば、4月、5月に作業を完了せざるを得ないのは、本庁職員もわかることではないでしょうか。
 実際に公判で現地職員が「期ずれでも構わないだろう、4000万円なんてあまりにも大きいから何とかしろと、本庁で言われた」と証言しております。本庁職員も、期ずれ・闇繰り越しを認識、いや、むしろ指示していたとも取れる発言です。検証委員会の結論と大きく矛盾すると思います。この食い違いのどちらに真実があるのでしょうか。以上2点をもう一度林務部長にお聞きいたします。

【林務部長】
再質問、2点いただきました。
①最初でございますが、職員が知らないとは考えにくい作業道があるのではないかというご質問でございます。
 先ほどもお答えしましたとおり、県におきましては、これまで不適正な補助金受給案件につきまして、現地調査の実施状況も含めて一件一件聞き取り調査も行いまして検証してまいりました。先ほど議員ご指摘の路線についても、聞き取り調査、現地調査も行いまして検証したところでございます。裁判の証言を踏まえても徹底して確認を行っておりますので、それについても全くの架空申請はなかったと判断しておるところでございます。

②次でございますが、事業完了が4月、5月になることは本庁職員もわかることではないかというご質問でございます。先ほどもお答えしたしましたとおり、造林事業は年間を通じて実施されているため、現場完了後で申請書類を準備しているものや、事業実行中で完了が間近なものにつきましては、当年度に前倒しして申請することは可能なものがございます。
 このため本庁職員は、こうした申請を想定して予算執行を依頼しておりまして、未完了となることを想定していたものではないというふうに考えております。このことにつきましては、裁判での証言等を踏まえて行った関係職員の聞き取りにおきましても、再確認をしているところでございます。以上でございます。

【藤岡議員】
3名の検証委員が聞き取り調査に直接タッチしたのは、70人中のべ14人日ということでありました。検証委員が全てのヒアリングに立ち会って調査、分析していただきたかったなと思います。残りは県職員による県職員のヒアリング調査だったわけであります。ヒアリングだけでなく、この検証委員会は県自身による調査を検証する委員会、つまり主体は県にあると言えます。再確認作業も県職員による県職員へのものであり、これは県による内部調査とも言えます。
 この際確認作業はどんな中身だったのか、いくら詳細な資料を求めても、A4ペーパー1枚だけしかいただけません。あとは「適切に調べました」との口頭での説明しかありません。音源データもないとのこと、これでは第三者が適切だったが、判断、分析することができません。これで県民は納得するでしょうか。
 また先ほど予算調整ということで想定内という話がありましたが、追加で1000万、1800万、そういったものが押しつけられたという、公判を聞く限りではそういったものではないというふうに私は感じているので、疑問は私は払拭されません。

  最後に知事に質問いたします。12月にもお聞きいたしましたが、現時点でも検証委員会の検証で十分との考えですか、県監査委員も多くの県民が動向を注目しているとして、関係する県職員に対して損害賠償請求を検討するよう知事に勧告しております。もし検討されるのであれば、県職員がどこまで大北森林組合の不適正な申請に関わっていたのか、正確な分析が不可欠となります。
再調査が必要だと考えますが、いかがですか。お聞きいたします。

【阿部知事】
私には、再調査の必要性ということでご質問いただきました。
藤岡議員も先ほどのご質問の中で、検証委員会に一定の評価をいただけているものというふうに受け止めております。
 昨年の11月の段階でも、県民の皆様方にこの事案の全体像をお示するということで、この検証委員会に関わっていただいた方から、改めてその検証委員会の報告書後の動向も含めてご説明させていただき、そして私からは、県民の関心事ということで常にホームページのちゃんと上のほうに載るようにという指示をして、その資料はずっと載っています。私も必要があると、家で思い出して確認するときはホームページから見ていますので、そこは県民の皆様方にも、そうした状況はしっかりわかるようなかたちになっています。
 林務部長からも答弁申し上げましたように、これまで県の中での調査、それから検証委員会委員の皆様方にも直接職員から聴取等を行っていただく中で、かなり徹底した調査を行ってきているというふうに考えています。
 そういう意味で、検証委員会の報告等を踏まえて、これまでも、例えば刑事告発もさせていただきました。それから補助金の返還請求等も行わせていただきました。さらには職員の懲戒処分等を行ってきております。そういう全体像、これは一定程度議会の皆様方にもご説明して、ご理解いただきながら進めてきているわけであります。
 そういう意味で、何て言うか、もう一回振り出しに戻って検証するというようなことはあり得ない、必要性はないというふうに思っています。ただ、これは提案説明で申し上げましたように、損害賠償についてどう考えるかという部分については、法律の専門家の皆様方の観点で方向付けをしていただきたいということで、委員会を設置をして十分な検討をいただきたいと思っております。
 この問題は非常に多岐にわたる論点がありますし、非常に複雑な事案でありますので、一つ一つ順を追って対応し、解決しながら取り組んできております。これからもそうした姿勢で、しっかりと県民の皆様方のご理解を得られるように進めてまいりたいと考えております。以上です。
【藤岡議員】
今後設置が検討されている新たな委員会でありますが、そこではぜひ振り出しではなく、検証委員会が全体像を解明されましたから、そこは土台にしていただいて、その上で再調査というものをやっていただけたらと、このように思います。
 年が明けてから、地元でこの問題での厳しいご意見をたくさん受けてまいりました。時間がかかると思いますが、疑問をクリアし、真実を明らかにし、その結果に基づいて必要な処分、県民への説明、そして再発防止策と進めていかれれば、必ず県民からの納得は得られると思います。
 3月下旬には判決が出ます。押収された資料も県に戻ってくるでしょう。そうした資料の再調査を客観的な第三者が行い、疑問の解消、真相究明が行われるよう求めまして、以上で質問を終わります。

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