日本共産党長野県会議員団

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議会質問

「平成29年度一般会計予算案」反対討論

平成29年度一般会計予算案が提案され、賛成多数で可決されました。日本共産党県議団から、備前議員が反対の立場で討論にたちました。


                                         

「平成29年度一般会計予算案」反対討論
                                  

日本共産党県議団を代表して、第一号平成29年度一般会計予算案に反対の討論を行います。
提案されている予算は8626億円、対前年度比131億円減で、当初予算では4年ぶりの減額です。この中で、地方消費税収を170億円と見込み、これを「社会保障施策に要する経費に充てる」としています。しかし、それは、従来一般財源で賄ってきた分を単に付け替えてみせたに過ぎません。
県債は51億円増の1052億円で、さらに県債のうち臨時財政対策債は24億円増の460億円ですが、県債発行予定額の43.7%を占めるという異常事態は変わっていません。そして17年度末の県債残高は1兆7487億円に達する見込みです。このうち臨時財政対策債が6919億円、39.6%占めており、昨年より2.9%比率が高まっていきます。
臨時財政対策債は地方の財源不足を補うべき地方交付税の増額措置を国が怠り、その不足分を各自治体が借金をして賄うように国が地方におしつけているものです。臨時といいながら01年度の導入以降17年目となりました。返済の際に地方交付税で「措置」するといいますが、基準財政需要額に算入するだけです。算入しても基準財政需要額の全体は増えず、結局、交付税は増えない、「空手形」ともいえ、地方交付税の財源保障機能が空洞化されつつあります。
今、日本経済はアベノミクスの破たん・失敗によって停滞状況に陥っています。予算案は個人消費の低迷、格差と貧困が拡大し、生活困難層が増加している中で組まれています。
歳出面では格差の拡大の中、家庭の経済状況で進学をあきらめることのないように、県内大学への進学のための入学金等給付事業に加え、県内大学修学のための給付型奨学金制度の創設と、今回さらに5人増やして30人分に増額するなど、県民が要求してきた課題であり歓迎するものです。また特別支援学校の通級担当教員や自立活動担当教員の増員なども一定の前進がはかられたものと理解します。
しかし、県民要望が高い子ども・障がい者等の医療費窓口無料化は、何年にもわたる県民運動で、国も国保の減額調整措置等のペナルティの緩和に動きつつある中で、本県は数少ない未実施県となっています。県の検討会で論議を市町村等と現物給付の導入年齢の範囲や、受給者負担金について始めているということですが、保護者等の当事者を入れるべきです。また国のペナルティが無くなる2018年4月実施も難しいとの見通しを示していますが、県民の願いである完全窓口無料化の実施に迅速に応えることを求めるものです。
さらにJR東海が進めるリニア中央新幹線関連事業について、残土処分や住環境を守ることなど住民合意が得られていない問題等多々あります。説明責任を果たさず、強引に事業を押し進めようとするJR東海の姿勢も解決されていないと考えます。こうしたなかで、リニア関連事業として用地取得事務費など建設促進や関連の経費が計上されています。関係自治体住民に不安があり、これを無批判に推進することは禍根を残すものと考え反対します。関連道路の整備費として24億8千万円を予算化していますが、これらの道路の多くはリニア計画がなくても整備すべき道路整備計画をもっていた道路であり、これをリニア関連予算として扱うことが妥当か疑問です。
さらにわが団の毛利議員の代表質問でも指摘させていただきましたが、新県立大学に109億円、信濃美術館の建て替えに110億円、県立武道館に50億円、さらに中部縦貫、中部横断、松本糸魚川連絡道路など大型事業が目白押しです。こうした大型事業の規模が本当に適正なのか、莫大な維持・運営費も含め、他の施策の圧迫につながらないのか、今なぜ必要なのか、県民への説明と合意は明確ではないことを合わせて申し上げ反対討論といたします。

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