「共謀罪(テロ準備罪)法案に反対する意見書(案)」提案説明
2月県議会本会議において「共謀罪(テロ準備罪)法案に反対する意見書(案)」の審議がおこなわれ、意見書案は賛成少数により否決されました。小林伸陽議員が提案説明をおこないました。
議 第 8 号
「共謀罪の創設に反対する意見書案」提案説明
2017年 3月2日
小林 伸陽
政府は2003年、2004年、2005年の3回にわたり廃案となった共謀罪をテロ等組織犯罪準備罪と名称を変えて今国会での成立を目指しています。そしてその説明は東京オリンピックに向けたテロ対策を前面に掲げ、その必要性をアピールしています。
しかし日本は国連のすべてのテロ対策防止条約を批准し、国内法も制定し、銃や爆発物なども世界で最も厳しく規制をしております。テロ対策法はすでに整備されているわけであります。今回のテロ等組織犯罪準備罪は、テロ対策の名にも値せず、その中身は近代の刑法。実際に刑法に違反する行為を実行しない限り処罰されないとした大原則を覆す。
実行が伴わない意思を処罰するという共謀罪の新設であり、この法律が成立すれば日常の会話から犯罪になりうる自主減免条項によってスパイや盗聴が日常的に行われると県弁護士会や法律家の7割近くが反対を表明しています。
「東京オリンピックがこの法律を作らなければ開催できない」な如き説明は国民の不安をあおり、共謀罪の成立を目指す手法で安倍総理の国会答弁によく使われるレッテル貼りそのものではないでしょうか。この法案は未遂罪や予備罪を飛び越して、ほとんどの罪につき、犯罪の合意だけで処罰できるというものです。
金田法相は国会答弁で「一般人は対象にならない」と説明していますが、人が集まり顔を合わせる場面に限らず、電話、メールやLINE上のやりとりでも共謀が成立することを認めていますし、組織的犯罪集団として政府の掲げるテロ組織と麻薬密売組織に定義はなく、対象が広がることは明らかです。
内心の自由、正当な言論、表現を侵害する危険が極めて高く、憲法にも違反するものであり、あの戦前の恐怖政治の元凶とも言われた、治安維持法そのものです。
自由と民主主義を守る議員各位のご理解をいただけるものと確信をし、提案説明といたします。
以上