「憲法第9条の改正阻止を求める意見書(案)」提案説明
6月県議会本会議において「憲法第9条の改正阻止を求める意見書(案)」の審議がおこなわれ、意見書案は賛成少数により否決されました。山口典久議員が提案説明をおこないました。
議 第11号
憲法第9条の改正阻止を求める意見書(案)提案説明
2017年6月30日
山口 典久
議第11号、憲法第9条の改正阻止を求める意見書案の提案説明を行います。
5月3日、安倍晋三首相は、自衛隊を9条に書き込む憲法の改定をして2020年の施行を目指す意向を示しました。
その中身について、安倍首相は、「9条1項、2項を残しつつ、自衛隊を明文で書き込む」といいます。しかし、海外派兵、武力行使の仕掛けまでつくり、自衛隊の存在理由を書き込めば、たとえ2項を残したとしても、それが独り歩きして無制限の海外での武力行使に道を開くことになります。
5月16日の「朝日新聞」の世論調査では、安倍首相が改憲を提案したことについて「評価しない」が47%、「評価する」が35%です。安倍首相は「機は熟した」といいますが、しかし、どの世論調査をとってみても9条についてはこれを変えるべきではないという声が6割前後と多数です。国民は憲法9条改定を望んでいません。
そのときに首相が期限まで区切り、具体的な改憲案を提示するのは、天皇をはじめ国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員に憲法を尊重し擁護する義務を課した憲法99条―憲法尊重擁護義務に違反する発言です。
そして安倍首相の意見にそって自民党は今年中にも改憲案をまとめ、来年の通常国会で改憲の発議をするというスケジュールを描いています。
18日閉幕した通常国会は「共謀罪」法を参議委員法務委員会の採決も行わずに強行した乱暴な国会運営、「加計」「森友」疑惑など国政の私物化などに国民の批判と怒りが大きく広がりました。
そしてさらに、海外で戦争をする国づくりをすすめ、国民が望んでいない憲法第9条の改正など数を力にごり押しすることは決して認められるものではありません。
長野県では、戦前、大逆事件や教員弾圧事件など思想信条の自由が奪われ、そして多くの戦争犠牲者はもとより、満蒙開拓など筆舌に尽くし難い悲惨な体験が歴史に刻まれています。今こそ立憲主義、民主主義、平和主義を政治に取り戻すことを長野県から求めるときです。以上、申し上げて提案説明といたします。議員各位の賛同をよろしくお願いいたします。
以上