衆議院選挙制度の抜本的な見直しを求める意見書(案)」提案説明
11月県議会本会議において日本共産党県議団提案の「衆議院選挙制度の抜本的な見直しを求める意見書(案の審議がおこなわれ、賛成少数により否決されました。日本共産党県議団はこの意見書案について和田明子議員が提案説明をおこないました。
議第5号「衆議院選挙制度の抜本的な見直しを求める意見書(案)」についての提案説明
和田 明子
議第5号「衆議院選挙制度の抜本的な見直しを求める意見書(案)」についての提案説明をおこないます。
日本国憲法前文の冒頭、「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し・・・、そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。」と謳われています。「国権の最高機関」で「唯一の立法機関」である国会の議員を選ぶ選挙制度は民主主義の土台であり、民意を適切に反映される選挙制度が求められる所以です。
しかし、1996年10月の第41回衆議院選挙から、小選挙区比例代表並立制が実施され20年余が経過いたしました。現行の選挙制度は大政党に圧倒的に有利で民意が反映されない。小選挙区では大半の投票が議席に結び付かない「死票」になるといった弊害が、有識者からも、衆議院各党協議会等でも指摘されてきました。
例えば、直近の本年10月22日執行の衆議院選挙において、最大議席を獲得した自由民主党は、民意を最も適切に反映する比例代表では得票率33.28%で議席占有率37.5%でありました。一方、小選挙区で得票率47.82%。議席占有率74.39%であります。
このように、小選挙区では、民意との間に大きな乖離が生じるという制度の弊害があらわになりました。過去の衆議院選挙でも、4割台の得票で7割台の議席になっています。いかなる正当であっても、国民の多数の支持により政権を担うべきです。
小選挙区制が政治の「劣化現象」を生み出しているとの指摘が広範にあることも看過できません。上智大学中野晃一教授は「多様な社会の実態、多様な意見がある今の社会に、2つの選択肢のどちらか選ぶという簡単な時代ではない。意見の違いや多様性を国会の場に出さないようであると有権者にとって分かりにくい政治となってしまう」、「政治家の方が有権者離れを起こしてしまっている」と有権者本位で政策議論がなされない現在の状況を問題視しております。
選挙制度は民主主義の土台です。民意が反映されない現行の衆議院選挙制度を抜本的に見直すよう、本県議会から求めていこうではありませんか。皆様のご賛同をお願いし、意見書の提案説明とさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
以上