「大北森林組合補助金不正問題等における県の関与に関する調査特別委員会(百条委員会)設置に関する決議(案)」提案説明
2月県議会本会議において「大北森林組合補助金不正問題等における県の関与に関する調査特別委員会(百条委員会)設置に決議(案)」の審議がおこなわれ、賛成少数により否決されました。日本共産党県議団はこの決議案を提案し、山口典久議員が提案説明をおこないました。
議第12号大北森林組合補助金不正問題等における県の関与に
関する調査特別委員会設置に関する決議(案)提案説明
山口典久
議第12号大北森林組合補助金不正問題等における県の関与に関する特別調査委員会設置に関する決議(案)につきまして提案の説明を行います。
大北森林組合補助金不正問題は、14億5千万円というばく大な補助金が不正に扱われ、さらに7年間という長期にわたり続いていた長野県政史上類を見ない不正問題となりました。さらに、県財政から国に追徴金3億5千万円を納入し、県民に負担を押し付けました。
この問題が県政への県民の信頼を大きく失ったことはいうまでもありません。
大北森林組合不正事件は、2015年1月に発覚して以来、県は検証委員会を設置し調査にあたり、知事をはじめとした幹部職員、事件当時の北安曇地方事務所職員への処分も行われました。県議会においても事件の経緯や背景、責任が繰り返し議論されてきました。また、県が大北森林組合を訴えた裁判も行われたところです。
しかし問題は、7年間もの長期にわたり不正が継続され、横領事件にまで及んだこと、当時の現地職員からの繰り返しの告発もありながら正されず、県民に明らかになったのは8ヶ月後と大きく遅れたこと。その中でなぜチェック機能が働かなかったのか、そこにどんな問題があったのかはいまだ解明されておりません。これでは再発防止策の実効性も問われます。
また、この問題を究明することは、良い仕事をしたいという県職員の皆さんの思いに応え、その力を発揮していただく県組織をつくることに欠かせないでしょう。
国から求められた追徴金の請求額の根拠も説明が必要と考えます。期ずれなどの問題はあったとしても、完了した事業はどのように扱われたのでしょうか。
知事は、監査委員の監査を受けて、当時の現地職員11名に対し追徴金3億5000万円のうち450万円の賠償請求を行う方向のようですが、その根拠、整合性についても調査が必要と考えます。
私たち共産党県議団は、長野地裁の裁判に関し、検察の取調べにおける供述調書を閲覧をしてまいりました。アクションプランにより過大な、無理難題とも言える予算が次々と配分され、本庁林務部から現地職員に対して不正を前提にしているとしか思えない予算消化の圧力や指示が繰り返され、それに対応せざるを得なかった生々しい証言が記されておりました。本庁林務部の関与は正に究明が求められています。
また、大北森林組合に対する9億円の返還命令についても、現実性に疑わざるを得ないものであり、大北森林組合の再建計画と併せて調査が必要です。
最後に、今回の事件は決して真相が解明されたとは言えず、このまま幕を引くことは県民への説明責任を放棄することになりかねません。県民からも百条委員会設置や真相究明を求める声が上がっています。同様の論調はマスコミでも繰り返されています。
長野県議会が議会に求められているチェック機能を発揮するために、そして議会人としての責務を果たすために、関係者の出頭や証言、記録の提出を求めることができる、強い権限を持つ調査特別委員会(百条委員会)の設置を提案するものです。
議員各位におかれましては、ぜひともご賛同いただきますようお願いを申し上げまして、提案説明といたします。