「生活保護基準の引き下げ撤回を国に求める請願」賛成討論
2月県議会本会議において請願「国にさらなる生活保護基準額を引き下げないことを求める意見書提出について」及び請願「2018年実施予定の『生活保護基準の引き下げ』撤回を国に求めることについて」の審議がおこなわれ、賛成少数で不採択とされました。日本共産党県議団はこの両請願に賛成し、両角友成議員が賛成討論をおこないました。
請第45号国にさらなる生活保護基準額を引き下げないことを求める意見書提出について
及び
請第54号2018年実施予定の「生活保護基準の引き下げ」撤回を国に求めることについて
に対する賛成討論
両角 友成
日本共産党県議団の両角友成です。私は、請第45号国にさらなる生活保護基準額を引き下げないことを求める意見書提出について及び請第54号2018年実施予定の「生活保護基準の引き下げ」撤回を国に求めることについてに対する賛成討論を行います。
最後のセーフティ―ネットといわれる「生活保護制度」が2013年から段階的に、生活扶助基準や冬期加算が引き下げられ、利用者の生活は厳しさを増しています。「食事を一日3回取らず1回にしている」「光熱費の節約」など「もう削れるところはない」の声です。
引き下げの撤回を求める集団訴訟、いわゆる、「いのちのとりで裁判」が全国各地で行われています。にも拘わらず政府は、母子加算・児童養育加算を含む 「生活保護扶助基準」引き下げを2018年から実施するとしています。
生活保護を受けるきっかけは、病気で仕事ができなくなった。家族の介護で退職したが、自身も発病して収入がなくなった。など、だれにでも起こりうる病気や失業という要因をきっかけに悪循環に陥った結果です。働けるのに働かないとか、制度に甘えているとかという一部指摘とは程遠い現実があります。
日本の生活保護捕捉率は2割以下です。生活保護を使えない皆さん。請願書にあるように、一般低所得世帯への支援も大事な政治の仕事です。
さらに生活保護基準は就学援助など、各種福祉・子育て支援サービスの基準額とも連動しています。2013年の基準引き下げの時も、多くの自治体で、生活保護基準の引き下げが就学援助基準の引き下げの根拠とされています。
今回の見直しは特に高齢世帯、子どもさんがいる世帯が打撃を受けます。同時に、基準の引き下げは、国民生活全体の水準を引き下げる事につながります。
国は憲法25条に定められた「健康で文化的な最低限度の生活」を保障する義務があります。今回の基準引き下げは、生存権そのものを侵害するものです。
政治は、困っている皆さんに寄り添い、手を差し伸べなければなりません。
願意は妥当です。よって、「生活保護基準の引き下げ」撤回を求める2つの請願に賛成をするものです。
付け加えますと、昨日付で長野県弁護士会より、今般の生活保護基準引き下げに強く反対し、一切の切り下げを行わないよう求める、とする会長声明が出されています。
議員各位の賛同をお願い致しまして討論といたします。