日本共産党長野県会議員団

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議会質問

2018年6月定例会 和田明子議員一般質問

  1. 知事の政治姿勢について
  2. 福祉医療制度の拡充について
  3. 特別支援学校の児童生徒の通学について
  4. 放課後等デイサービス事業について

1.知事の政治姿勢について

【和田議員】

 まず、知事に伺います。

 県内経済、県民生活の状況を知事はどのようにとらえているのでしょうか。安倍内閣の5年間で、労働者の実質賃金は年額16万円も低下し、家計消費は22万円も落ち込んでいます。一方で、大企業の内部留保は400兆円を超え、富裕層300人の株式資産が9兆円から25兆円に増えるという、格差と貧困から新たな階級社会の出現とまで言われる事態が安倍政権で進行しています。

 阿部知事は、消費税は県にとっても重要な財源、社会保障制度の改革が必要であり、消費税の増税はやむを得ないとの考え方を示していますが、県が実施した子どもと子育て家庭の生活実態調査では、困窮家庭、周辺家庭を合わせて生活困難家庭と位置付けた家庭が25%に上るとの報告は、衝撃をもって受け止められています。

 県内経済や県民の暮らし向きの現状は一時改善したものの、今年4月には、「活気がある」を「活気がない」が10ポイント近く上回るという調査結果です。冒頭に紹介したとおり、労働者の実質賃金低下と家計消費の落ち込み、国民生活全般に格差と貧困が広がっている実態を踏まえず、消費税10%増税は日本経済に、地域経済に、大ブレーキになることは火を見るよりも明らかです。

 税の公平の観点からも、消費税は最悪の不公平税制です。県民の暮らしを直撃する消費税税率10%への引き上げについて、知事の所見をお聞きいたします。

【阿部知事】

 消費税率の引き上げについての所見というご質問でございます。

 お話ありました貧困であったり、格差、こうした問題は、私ども県としても正面から向き合わなければいけない重要なテーマだというふうに思っております。そういう観点でご引用いただきました実態調査も行わせていただいたわけでありまして、しっかり対応していかなければいけないと思っております。

 私ども行政の役割の1つは、やはり困っていらっしゃる方々の応援をしていくということが大きな役割でありますので、声なき声、なかなか声を出しづらい皆さんの思いもしっかり受け止めて、県政を進めていくということが重要だと思っております。

 また行政の役割は所得再分配、あるいは県民から頂戴した税金を有効に所得再分配していくという役割もあるわけでありまして、そういう中で、この消費税というものも、しっかり社会福祉の充実に使っていこうという方向が国において示されているわけでありますので、私どもとしては、この今の厳しい財政状況、そして急速に高齢化、あるいは少子化が進んでいく中では、消費税、あるいは地方消費税の引き上げは、確実に行っていただくことが日本の将来にとって重要だということで申し上げてきておりますし、これは全国知事会等を通じても、主張させていただいているところでございます。

 今回消費税の引き上げで見込まれる税収の約半分は、これは約2.5兆円になりますけれども、医療・介護・年金、こうした人々の福祉の充実に充てていくわけであります。特に今回幼児教育の無償化であったり、待機児童の解消であったり、保育士の処遇改善であったり、高等教育の無償化であったり、こうしたことに充てられていくわけであります。こうしたことを我々もしっかり進める必要があると思いますけれども、なかなか現下の財政状況では難しいという部分もございます。

 特に高等教育の無償化に関連しては、大学の無償化、あるいは給付型奨学金の拡充ということも打ち出されているわけであります。これらは低所得の皆さま方を対象としているわけでありまして、貧困の連鎖を断ち切るという観点では、大変有効な政策だというふうに思っております。また負担の側面でも、低所得者の皆さま方に配慮する観点で、生活に必要な飲食料品については、軽減税率を導入するということもされているわけであります。

 こうしたことを総合的に考えれば、ぜひ多くの皆さま方のご理解を得る中で、しっかりと必要な方々に我々が行政政策を行っていくと、そうしたことが重要だというふうに思っております。本県としても、この地方消費税収の増加も見込まれているわけでありますので、社会保障政策の充実にしっかりと活用していきたいというふうに考えております。以上です。

【和田議員】

 知事のご答弁からは、今、本当に声なき声を拾い上げていくというご答弁もありましたので、ぜひ、そういうことは頑張っていただきたいと思います。

 一方で、消費税は社会保障財源として重要で、8%でも社会保障財源には数兆円不足だというふうに増税を目指す側は言っております。しかし、消費税導入から既に27年間、消費税の税収の累計は304兆円に上ります。それとほぼ匹敵する法人3税の減税は、同時期に累計で263兆円など、冷静に見れば消費税が社会保障財源となっていないということも申し上げておきたいと思います。

2.福祉医療制度の拡充について

【和田議員】

 次に、福祉医療制度の拡充について健康福祉部長にお聞きします。

 子ども医療費現物給付の実現を繰り返し求めてまいりました。それがいよいよ8月から実施されることは、大変嬉しく歓迎します。関係の皆さんのご努力に感謝しながら、スムーズな実施に向けての準備はどのようになっているのか、また改めて制度の周知はどのようにされているのかお伺いします。

 二十数年にわたって福祉医療制度の改善を求めてきた皆さんや子育て世代、医療関係者から、自己負担金1レセプト500円が継続されることは残念だというご意見もいただいております。実際には独自に自己負担金の軽減や廃止をして、完全窓口無料化を実施する自治体があることは県も承知しているところですが、県として自己負担金の見直しをすることは考えられないかお聞きします。

 また、県としては一律中学卒業までの医療費助成、中学生・小学生の国保減額調整については県と自治体の負担ということですが、7割の市町村では、独自に高校3年生まで医療費助成を実施しております。県の医療費助成が通院では未就学児にとどまっていることについて、この間長野県市長会が、外来も中学卒業まで拡大することを要望していますし、3月長野市議会では、加藤長野市長は県に対象拡大を求めたいと答弁されております。長野市議会から県に対して、「福祉医療給付事業の補助対象範囲を中学卒業にするまで拡大することを要望する」意見書が全会一致で採択されたことを見ても、県に対象を拡大してほしいということは、市町村の切実な要望になっています。対象年齢の引き上げを求める声にどう応えるのか、健康福祉部長にお伺いいたします。

【健康福祉部長】

 福祉医療制度の拡充について、3点ご質問をいただきましたので順次お答えをさせていただきます。

 まず初めに、現物給付方式導入に向けた準備及び周知についてのお尋ねがございました。今回の現物給付方式の導入に当たりましては、市町村の担当課やシステム事業者を対象とした説明会を県内各地で計26回開催し、事務手続の変更点やシステム変更における留意事項などを、丁寧に説明したところです。また、医療機関向けには事務処理の手引きを作成し、県内の全ての医療機関へ配布するとともに、「広報ながのけん」、テレビやラジオのスポットCM、市町村広報紙、有線放送等を利用して、県民の皆さまへの制度変更の周知に努めているところです。

 現在、実施主体である市町村においては、新しい受給者証を制度改正に支障がないよう対象世帯に配布する準備を進めております。引き続きこうした作業を着実に進めることにより、8月から制度がスムーズに開始できるよう、準備に万全を尽くしてまいります。

 次に、受給者負担金の見直しについてお尋ねがございました。受給者負担金については、平成14年度に県と市町村で設置した福祉医療制度のあり方検討委員会において、福祉サービスの受益と負担の関係を明確にし、ともに制度を支え合う一員であることを受給者に認識していただくため、医療費の一部については、受給者の負担とすることが適当であるとの提言を受け、導入したものであります。

 平成28年度に設置した福祉医療費給付事業検討会で、現物給付方式の導入を検討した際においても、受給者負担金を議論の対象とし市町村の意向調査を実施したところ、「現行と同様とする」との回答が全体の8割を超える結果となりました。調査結果を踏まえ検討会においては、将来にわたり持続可能な制度として、県民福祉の向上に寄与するため、現行の1レセプト当たり500円を維持することが適当であるとの議論の取りまとめがなされたところであります。

 次に、県から市町村への補助対象年齢の拡大についてのお尋ねがありました。子どもを対象とした福祉医療の対象年齢は、事業の実施主体である市町村が、県からの補助対象を踏まえ、個々の財政状況等を勘案した上で、それぞれ独自の判断で設定されているものと認識しております。その結果、入院・通院ともに中学卒業まで補助対象としている市町村は18、入院は高校卒業まで、通院は中学校卒業までとする市町村は3、入院・通院ともに高校卒業までとする市町村は56となっております。

 市町村からの補助対象範囲の拡大についても要望が多いことは十分承知しておりますが、まずは今回の変更に伴う事務的経費の影響や、受給者の受診動向の推移などを注視するとともに、子育て支援策全体の中で県と市町村がどのような取り組みを行うのか、引き続き検討してまいりたいと考えております。以上であります。

【和田議員】

 現行制度から現物給付に変更するということでスムーズな移行と、また本当に対象の皆さんがこれを利用されるように、ぜひ進めていただきたいと思います。そして、自己負担金や対象年齢の引き上げについては、本当に今、前向きなご答弁はいただけませんでしたけれども、通院については、県の補助は平成18年4月に未就学児まで拡大された後、12年間据え置かれたままでございます。市町村の財政負担は、非常に重いといわざるを得ません。

 長野市を例にしても、未就学児分―県と2分の1の部分で1億5000万円に対し、小学生・中学3年生までの市単独事業分は3億1000万円の予算でございます。県の補助拡大は全県的な課題であることは明白です。ぜひ、ここの支援を強めて拡大をしていただきたいということを求めておきたいと思います。

 次に、子ども医療費窓口無料実施は多くの関係者に歓迎されております。一方で、福祉医療制度から子ども医療費だけを切り離したことは非常に残念だとの声があることは、県としてもご承知のところだと思います。福祉医療制度で医療費助成をしている障害者医療費の窓口無料は検討されているのか、お聞きします。

 子ども医療費窓口無料について、知事は本来国が制度化すべきと言われております。全国的に子ども医療費窓口無料化が広がる中で、国においてようやく未就学児までペナルティーが廃止されました。さらに、国に対してペナルティー廃止を要望しているのかお聞きします。また、障害者医療費へのペナルティーの見直しは国に要望されているのか、併せて健康福祉部長にお聞きいたします。

【健康福祉部長】

 福祉医療制度の拡充について、2点ご質問いただきました。

 障害者の窓口無料化についてのお尋ねがございました。障害者を現物給付方式の対象とした場合には、国保減額調整措置による国庫負担金の減少や、健康保険組合の付加給付の停止の影響により、市町村に大きな財政負担が生じることが想定されます。未就学児までの減額調整措置が廃止されたことを受けて、市町村の代表構成員として平成28年度に開催しました長野県福祉医療費給付事業検討会において、「子どもの医療費について現物給付方式を導入することが適当である」との取りまとめがなされたところであります。現物給付方式の拡大については、引き続き国の減額調整措置に関する取り扱いを注視しつつ、実施主体である市町村のお考えを丁寧にお聞きしながら、慎重に検討すべきものと考えております。

 国に対するペナルティーの見直しの要望状況についてのお尋ねがございました。県では、子どもや障害者などを対象とした医療費助成において、現物給付を実施した場合の国保の減額調整措置を全面的に廃止するよう国に対して要望してきており、先月も、厚生労働省に担当課長が出向き、直接文書を渡して説明してきたところであります。また、全国知事会や全国部長会議等の機会を通じて、各県と連携して要望を国に伝えてきたところであり、29年度は計8回の要望を行っております。今後もこうしたさまざまな機会を通じて、国に対して要望してまいります。以上であります。

【和田議員】

 ペナルティーについては、国に繰り返し要望していただいているということでありました。子どもの未就学のペナルティー廃止だけでもこれだけ制度が前進するわけですから、福祉医療全体のペナルティー廃止、特に障害者は子ども医療費の3倍ものペナルティーになるわけですから、ぜひ、この実現に向けて引き続きご尽力をいただきたいと思います。

3.特別支援学校の児童生徒の通学について

【和田議員】

 次に、特別支援学校の児童生徒の通学についてお伺いいたします。

 今年特別支援学校に入学した児童の家庭から、「今年は何とかスクールバスの利用ができました。来年は利用できるか不安です」「自宅の最寄りのところでスクールバスに子どもを乗せると自分の仕事に間に合わないので、遠回りでも、早い時間に乗車できるところまで送っていく」など、さまざまな声が寄せられています。

 先日、長野養護学校に事情をお聞きしてきました。スクールバスは3台、定員は61名で、朝は52名の利用ですが、障害のため、座席を全て満席にすることはできないということがあるそうです。特別支援学校の通学はスクールバス利用を中心に行われていますが、小学部は、4割前後の児童は保護者が学校まで送るという状況です。来年はバスが利用できるかと不安を抱く保護者の思いは当然だと思いました。特別支援学校のスクールバス利用の希望状況と充足状況はどうなっているのか、教育長にお伺いいたします。

 また特別支援学校への通学は広域からしているため、夏場は7時半、冬場は7時20分にドライバーと教員、介助支援員が添乗して学校を出発し、3コースで回り、小学部・中学部の始まる9時前に学校に着くそうです。一番早くからバスに乗る児童生徒は1時間以上バスに乗っています。また、長野市鬼無里地区から通っている子は、約40分、50分指定のバス停まで家族が送り、そこから市内の送迎で小一時間乗車しているということでありました。

 児童生徒、ご家族、学校等の負担は相当なものがあります。例年夏休み明けから希望をとって通学方法の検討委員会が学校ごとにされるようですが、県教育委員会としても、それぞれの特別支援学校の現状と課題を丁寧につかんでいただき、スクールバスだけでなく、小回りが利く送迎など通学方法の見直し、負担軽減について対応していただきたいと思いますが、教育長の所見をお伺いいたします。

【教育長】

 特別支援学校の通学についてのお尋ねでございます。

 まず、スクールバス利用の希望状況と充足状況についてでありますが、スクールバスを配置しております特別支援学校13校におきまして、今年度828名の児童生徒がスクールバスの利用希望し、96%超に当たる801名の児童生徒が実際に利用している状況であります。乗車ができない児童生徒の中には、定員の超過のほか、障害の状態により乗車中の安全確保が困難な場合等がありまして、保護者へは丁寧に説明した上で、他の通学方法についてご理解をいただいているところであります。

 そして、2番目の各特別支援学校の通学に係る現状と課題への丁寧な対応についてというお尋ねであります。スクールバスによる通学については、児童生徒一人一人の実態を踏まえた丁寧な対応が必要であることから、各特別支援学校では、スクールバスも含めて通学方法についての検討委員会を設け、運行ルート、乗車場所、乗車時間等について繰り返し検討を行っております。県教育委員会では、スクールバスの利用希望者の状況や、あるいは各校の検討状況を勘案しながら、乗車定員の拡大や、長時間乗車の解消等のため、スクールバスの増車やバスの大型化、リフト付バスの導入等、個別に対応してきたところであります。

 今年度におきましては、伊那養護学校の乗車定員を拡大するために、スクールバスを29人乗りから45人乗りという形で大型化する予定であります。今後も特別支援学校の児童生徒の通学利便性や保護者の負担を軽減するために、学校現場の課題に対しまして、可能な限り丁寧に対応するように努めてまいりたいというふうに考えております。

【和田議員】

 ご答弁いただきました。この間も乗車定員の拡大、それから増車、さらに大型化などご努力をいただいているというお話でありましたけれども、それぞれ特別支援学校に通う子どもたちは広域から通っておりますので、大型化だけではない、スクールバスということに限らない小回りがきく送迎など、こういうことも含めて、併せて検討していただきたいと思っています。

 今年の希望者は、一応全員バスを利用しているということですけれども、積極的に希望しない潜在的な希望者がいるということも想像できます。特に高等部は、自立を目指して単独通学が基本で、登校時にはバスを利用できません。しかし公共交通も大変不便であります。スクールバスでは、高等部の始業開始8時45分には間に合わない、小学部・中学部の始業時間は9時からということで、実際に使えるということにはなっておりません。こういうことも含めて、児童生徒や家族の負担が相当なものだという認識を持って、ぜひ今後も改善に努めていただきたいと思います。

 特別支援学校への通学方法や、通学支援についてでありますけれども、通学の保障はまさに教育を受ける権利の保障、こういう立場で、児童生徒、家庭、学校の意見要望をよくつかんでいただいて対応してくださるよう、重ねて要望しておきたいと思います。よろしくお願いします。

4.放課後等デイサービス事業について

【和田議員】

 特別支援学校の通学状況から、放課後デイサービスの重要性を先日も実感してきたところです。長野養護学校においては、放課後デイサービス事業について伺っていくわけですけれども、特別支援学校からの下校については、放課後等デイサービスと移送サービスを組み合わせて、小学部は45人中40名、中学部は31名中25名と、ほとんどの児童生徒が利用しております。ただし、毎日同じところに放課後等デイサービスを利用しているということではないので、かなりそれぞれ複雑な状況があるようです。

 放課後等デイサービスは障害児の放課後や休日、長期休暇等の居場所であり、子どもと家族を支える大事なところです。放課後等デイサービスの多くは、献身的なスタッフの努力によって運営されています。

 ところが、これらの施設に支払われる報酬が4月に改定された影響が心配されております。事業者団体の調査では、2割が廃止の危機にあるとの回答や、実際に閉鎖する動きなど、利用する子どもが影響を受けることになって心配です。報酬の引き下げによって事業所運営が厳しい、閉鎖を余儀なくされるところもあると、全国的に問題が広がっております。県内の放課後等デイサービスの現状について県はどう把握されているのか、健康福祉部長に状況をお聞きします。

 また放課後等デイサービス事業は、児童福祉法の見直しにより民間が事業参入しやすくなり、サービス事業所が増え、バリエーションの増加と自由な競争が行われることはプラスの面と考えることができると、国は規制緩和をして事業所を増やしてきたのではないでしょうか。子どもや家族を支える事業です。昨年6月でも突如閉鎖された事業の問題を質問しました。放課後等デイサービスが安定的に運営・継続できるよう、国に強く求めていただきたいと思います。健康福祉部長にお伺いいたします。

【健康福祉部長】

 放課後等デイサービス事業について、2点ご質問をいただきました。

 1点目が、県内の放課後等デイサービスの現状についてのお尋ねであります。県内における放課後等デイサービス事業所数及び定員数は、平成27年4月1日の70カ所、720人から、平成30年4月1日には144カ所、1479人と倍増しております。

 平成30年度の報酬改定において、利用している障害児に占める重度者の割合や、サービス提供時間の長短により区分を設け、報酬に差を付けるなどの改定が行われ、県内では本年6月1日現在、重度の子が多いと区分される事業所の割合は13. 7%となっております。重度の利用者が少ないと区分される事業所の収入は減少しているものと考えており、収入が減少し、保育士等の人材確保に支障をきたす恐れがあるなどの声が寄せられております。

 市町村が行う利用者の重度・軽度の判定が事業所の運営に大きな影響を与える中、全国的に市町村による利用者の重度・軽度の判定にばらつきが見られるとして、現在厚生労働省において、県を通じて市町村に対する実態調査を実施しているところであります。なお県内において、本年4月以降この報酬改定の影響によると思われる事業所の事業の廃止の届け出はない状況であります。

 次に、放課後等デイサービス事業に関する国への要望については、県としては調査結果を踏まえた厚生労働省の動向を注視するとともに、集団指導等の場などを活用して事業者の声をさらに把握し、放課後等デイサービス事業が安定的に運営・継続できるよう、必要に応じて制度の改正等を国に要望してまいります。以上であります。

【和田議員】

 放課後等デイサービスの運営は、本当にスタッフ職員の皆さんの並々ならぬ努力で維持運営されている実情を、県の担当者の皆さんもよくわかっていることと思いますけれども、そういう皆さんの努力の上に成り立っている事業でありますので、ぜひ国に対して、そのあたりも強く要望していただきたいと思います。以上で質問を終わります。

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