「米軍基地に係る地方負担の軽減を求める意見書(案)」賛成討論
9月県議会本会議において「米軍基地に係る地方負担の軽減を求める意見書(案)」の審議がおこなわれ、全会一致で可決されました。日本共産党県議団はこの意見書案に賛成し、備前光正議員が賛成討論をおこないました。
議第14号 米軍基地に係る地方負担の軽減を求める意見書(案)に対する賛成討論
備前光正
本意見書案は全国知事会が求めた「米軍基地負担に関する提言」を尊重し、「日米地位協定」の見直し等を行い、米軍基地による地方負担の軽減を図ることを強く要請するものです。
在日米軍の法的地位を定める「日米地位協定」は、原則として米軍に国内法は適用されず、訓練の詳細情報も我が国に知らされず、特権的な地位を与えています。特に国内の米軍基地の約75%も集中する沖縄では「憲法・国内法」の法体系が大きな制約を受け、つねに米軍により派生する事件・事故、騒音に苦しみ、警察の捜査権や消防などの自治権が著しく制限され続け、住民の命や日常生活が脅かされる事態が多数発生しています。
一方、二次大戦で同じ敗戦国のドイツやイタリアは米軍による事故を機に地位協定を改定し、米軍基地への国内法の適用、訓練・演習等への立ち入り等の管理権を認めさせ、協定に入れることに成功しています。
これに対し「日米地位協定」は1960年の締結以降一度も改定されず、日本は改定交渉を求めたこともありません。このような中、沖縄県の故 翁長知事が「日本の安全保障は全国的な課題で、国民全体で考えていく必要がある」と発言したのを契機に「全国知事会 米軍基地負担に関する研究会」が発足し、2年間にわたる研究結果をまとめました。そして知事会は今年7月、在日米軍の法的地位を定めた日米地位協定の改定を国に求める提言を初めて採択しました。
本県においても墜落や事故が問題となっている米軍機オスプレイの飛来目撃情報が相次いで県民から寄せられています。これも訓練・演習等の事前通告もされずに、わが国の領空を我が者顔で飛行しており、こうした流れも考えれば、全国知事会が米軍人等による事件・事故に対する実効ある防止策の措置や、さらには日米地位協定の抜本見直しを全会一致で決議し、政府等に求めたのは当然な動きだと言えます。
以上のことから米軍基地に起因する諸問題から、国民の生命・財産と基本的人権を守るため、本意見書案を採択すべきであることを申し述べ賛成討論といたします。