日本共産党長野県会議員団

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議会質問

2020年6月定例会 両角友成議員一般質問

  1. 保健所の体制強化について
  2. 世界的なコロナ禍による食料不足について
  3. 再生可能エネルギーへの転換について

1.保健所の体制強化について

【両角友成議員】

日本共産党県議団の両角友成です。私は、発言通告に沿って一般質問を行います。

 まず最初の質問項目は、保健所の体制強化についてであります。

 今回の新型コロナウイルス感染症では、保健所は重要な位置に置かれて、感染対策の水際を担っていますが、PCR検査さえ思うように行われていないのが現状だと認識しています。

 保健所は、1990年代に国内850か所以上あったものが、今現在472か所に激減、職員減、広範囲の管轄の弊害も言われています。

 新型コロナ対策で、保健所の法に基づく業務は30項目近くにも上ります。県内の医療関係職員の話ですと、保健所職員からの新型コロナウイルス感染症対策に関係するメールの発信時間は夜10時以降が目につき、職員の働き方は大丈夫だろうかとの心配の声もあります。

 今回の新型コロナウイルス感染症では、感染しているかどうか検査するPCR検査数の少なさが、多くの識者から指摘があります。必ず来るとされる第2波に備え、検査体制を整えることは急務です。県は県内20か所の外来検査センターの設置を打ち出し、現在9圏域10か所が設置済み。とはいえ、国の動きからして保健所の責務は重く、体制強化を図るべきと考えます。

 繰り返しになりますが、この30年間保健所は、行政改革による統廃合でほぼ半減、定数削減により、通常の業務をぎりぎりの人数で多忙です。今回のような事態が起こると、担当者は休みも取れず、過労死ラインを超える働き方を余儀なくされます。

 長野県でも、11の保健所で、平成2年には546名だった職員が、平成12年には462名に、平成20年には322名、今年度296名と激減しています。保健所をめぐる一番の問題は、やはり人手不足です。保健所の業務量に見合う体制強化は必要だと、知事に伺う質問の論立てをしておりましたが、既に質問初日、酒井議員から同趣旨の質問がされ答弁がありましたので、あえて答弁は求めませんが、長く難病連に携わり、保健所との付き合いが長い方からのお話ですと、知事答弁にあったように、保健師の数は減っていないように感じているが、一般事務の方がいなくなり、保健師が事務仕事をしていて本来の外仕事等ができていないとの指摘がございましたので、計画策定時に考慮してください。

 角度を変えて、健康福祉部長に伺います。

 感染症の流行は繰り返します。これまでの問題点を検証し、体制を立て直すことが大切と考えます。5月29日開催の政府の専門家会議の状況分析提言で、保健所の業務過多として、電話がつながらない、相談から検査を受けるまで時間がかかる、検査が必要な者に対してPCR検査が迅速に行えなかったなどを挙げて、保健所の体制強化を訴えています。

 日本はクラスター対策でせっかく時間を稼いだのに、医療体制や検査体制が十分でなく、無症状や軽症の方がそれと知らずに周りに拡散してしまったことが問題で、病院や介護施設での被害が広がったとされます。それを防ぐには、検査体制を拡充し、感染者の把握、隔離することではないでしょうか。

 県内でも、新型コロナ感染症の診察をめぐり、医療関係者から検査を断られたとの報道がありました。報道によると、6月1日信濃毎日新聞、38度前後の発熱が1週間続き、レントゲンで肺炎が見つかり、保健所に検査対象者と思うと説明。しかし、保健所の回答は、海外渡航歴がないなどの理由で検査しないとのこと。診察した医師は、新型コロナだった可能性は否定しきれない、結果的に感染が広がらなかっただけかもしれない。また、私のところへ訴えた方は、5日間38度から39度の熱が出て、保健所に電話したところ、おいでくださいとか、診るとか、調べるとは言われずに、解熱剤を飲ますようにとの指導。家庭は一部屋で隔離状態としていたそうですが、ふらつきがひどく、その後、近くの医院にお願いし受診したところ、心不全と診断。原因はストレスとのことでした。もしコロナだったら、危うい話です。保健所の対応の改善を要望されています。

【土屋健康福祉部長】

新型コロナウイルス感染症に係る検査体制について、ご質問いただきました。お答えしてまいりたいと思います。

 最初に、医療関係者からの検査実施に関するご要望をいただいている件について、お尋ねをいただきました。

 これまで、保健所の有症状者相談窓口に相談があった場合には、相談受診の目安に基づきまして、一定の症状のある方は、帰国者・接触者外来を受診していただいた上、そこでの医師の判断により検査が行われていたところでございます。こうした中で、先般、医療関係者を対象としたアンケート調査に基づき、検査の実施についてご要望をいただきました。

 県といたしましても、このようなご要望いただいたことを重く受け止めているところでございまして、今後第2波に備えて、検査が必要な方が確実かつ迅速に検査が受けられるよう、引き続き丁寧な対応が行われるとともに、相談から検査への円滑な流れを徹底するよう、保健所長会議においても周知をしたところでございます。

【両角友成議員】

多忙を極める保健所を、いまだに経由しないと検査にたどり着かない状況にメスを入れるなど、これは4月の臨時議会で毛利議員に対する知事答弁の中に、かかりつけ医から直接、センターを紹介する仕組みについても視野に入れて、地域の実情に応じた準備を進めてまいりたい。このことも含めて、第2波にどう備えるお考えか、健康福祉部長に伺います。

【土屋健康福祉部長】

 外来検査センターの設置に伴って、これからの検査をどうしていくかといったことでございますが、センターは地域の状況に応じて運営されておりますけれども、そのうち六つの医療圏につきましては、従来の保健所を経由するといったことではなくて、直接かかりつけ医が検体採取の予約をしていただくといった体制を取ることによって、保健所の負担軽減と、検査申し込みの利便性を図っているところでございます。

 このほかの医療圏におきましても、円滑かつ効率的な運営がなされるよう、保健所とセンターの間で連携を図ってまいりたいと考えております。

【両角友成議員】

 また、クラスターをつくらないための一つとして、医療、介護、福祉従事者、施設入居者等への検査を積極的に行うべきと思いますが、いかがでしょうか。病院、施設で感染が広がってしまえば、医療崩壊、介護崩壊につながります。防がなければなりません。あわせて伺います。

【土屋健康福祉部長】

クラスターをつくらないための積極的な検査の実施についてということでございます。これまでPCR検査につきましては、有症状者及び濃厚接触者に対する検査を中心に行ってまいりました。第2波に備えまして、さらなる検査対象の拡大について検討するに当たりましては、クラスター感染に脆弱な施設における検査という視点から、医療従事者等に重点的に検査を行うといった考え方も示されていることは、先ほどの埋橋議員にもお答えしたとおりでございますが、検査をめぐりましては、唾液を用いた検査であるとか、抗原検査など、新たな手法が保険適用をとなるなど、様々な動きがございます。

 今後こうした情勢の変化を的確に捉えまして、専門家のご意見も伺いながら、検査の在り方といったものについて、研究、検討してまいりたいというふうに考えております。

 以上でございます。

【両角友成議員】

山中伸弥教授は、これからはコロナと共存だと言われました。長い取組になる心構えが必要だと思います。

2.世界的なコロナ禍による食料不足について

【両角友成議員】

 次の質問事項は、世界的なコロナ禍により食料不足が心配されるが、であります。新型コロナ問題で世界経済の悪化が顕著。今後、自国の国民を守るためと、各国の食料輸出が規制され、食料を外国に頼る食料自給率37%の日本は、窮地に立たされてしまうのではないかと心配です。

 世界規模のコロナ禍の中、農業県長野の農業を見直す機会とも思いますが、こんな見地で、農業に対する知事の見解を伺います。
今日まで国は、農業に大規模化や競争力強化を押しつけ、中小の家族経営は非効率として切り捨ててきました。農地の番人とされる農業委員会、1人はみんなのために、みんなは1人のためにと頑張っている農協、農家から今、埋橋委員からもありました不安や疑問の声が多い種子法など、戦後の家族農業を支えてきた制度を次々に解体。農地の利益本位の企業に差し出す抜本改正を、強行したのも、しようとしているのも現政権です。

 いずれの現場の声にも全く耳を貸さず、規制改革推進会議などの財界委員の主張を一方的に採用し、首相が公言する、企業が一番活躍しやすい国づくり農政版にほかなりません。

 世界の流れは、持続可能性と家族農業重視です。21世紀の世界は、食料を金さえ出せばいつでも輸入できる時代ではありません。

 昨年、長野県でも気候非常事態宣言をしましたが、気候変動などで生産拡大の制約が強まる一方、途上国の人口増などで需要拡大が続き、現政権ですら、世界の食料需給は中長期的には逼迫と予測しています。食料の6割以上を外国に頼る日本が、農業をさらに潰して輸入依存を深めることなど許されません。

 今は多国籍企業の利益を優先する政治が、世界的に貧困と格差を拡大し、人類社会の継続を脅かしています。農業の分野でも、輸入自由化や大規模化の推進が飢餓や貧困を拡大し、農村を荒廃させ、食の安全をも脅かしているとして、見直しを求める声が世界の流れとなっています。

 国連が2019年から2028年を家族農業の10年に設定し、家族農業、小規模農業への本格的な支援を呼びかけ、総会で農民と農村で働く人々の権利宣言を採択したのはその表れです。我が国が農業の再生に踏み出すことは、国民の生存条件の根本に関わり、国際社会に対する責任でもあります。

 大企業の独り勝ち、大都市への一極集中、貧困と格差の広がりなど、日本社会の深刻なゆがみを正し、経済は内需主導、持続可能な方向に転換する上でも、農業の本格的な再建、農村の再生は不可欠です。農業は国民に食料を供給し、国土や環境を守る社会の基盤です。自然条件の制約を大きく受け、自然との共生循環の中で営まれる産業です。だからこそ、先進諸国の多くは市場任せにせず、政府が手厚い保護を行っています。

 必要なのは、国際的にも異常な市場任せの農政を根本から転換し、そうした条件を全面的に生かすことです。一部の競争力のある大経営だけが生き残るのではなく、全ての農業者や地域住民、農村の役割に期待する多くの国民、豊かな自然や蓄積された技術、伝統などを生かしきることこそ求められていると私は考えます。今なら間に合うとも考えます。

 食料自給率の早期50%台への引き上げを国に訴えるとともに、地域内消費の推進や小規模農家への支援について、長野県農業に対する知事の見解を伺います。

【阿部知事】

長野県にとって、農業農村の振興は極めて重要な課題だというふうに考えています。そういう中で、今回の新型コロナウイルスの感染拡大によりまして、海外の農業国からの輸入が制限されるといったようなこともあり、改めて国内における生産の重要性、あるいは身近なところで、長野県としても地産地消、あるいは地消地産ということを言っておりますけれども、そうしたことの重要性を再認識する機会になったものと考えております。

 国においては、食料自給率の向上に向けて、農業と食品産業との連携、あるいは農業の生産基盤の強化、担い手の確保、育成、こうしたことに重点的に取り組むというふうにしております。県としても食料自給率の向上が図られるよう、国に対してこうした施策の一層の充実を求めていきたいというふうに考えております。

 地域内消費の推進につきましては、県として、これまで例えば地域の調理師会や旅館、あるいは飲食店の皆様方とも連携して、地域食材のメニュー開発、あるいは食材県内産に置き換えていただく取組、あるいは農産物の供給拠点であります直売所の機能強化、こうしたことに取り組んできております。より一層この地域内での消費の促進、地域内経済循環の視点を持って農政も取り組んでいきたいというふうに思っております。

 また、小規模農家への支援という点につきましては、今年の4月から、農業農村支援センターによる技術経営支援体制を強化して行っております。また、3戸以上の農家がまとまった場合に、機械施設の整備に対して補助をいたします。県単独事業としての信州農業生産力強化対策事業、こうした政策を通じて、引き続きしっかりと支援をしていきたいというふうに考えております。

 いずれにしても、長野県の重要な産業であります農業がさらに活性化するように、こうした新型コロナの影響下においても、しっかりと取組を進めていきたいというふうに考えております。

 以上です。

【両角友成議員】

「10年後、農業従事者がいなくなる」、現場の声です。現在、農業従事者の42%が70歳以上になり、農業者の減少に拍車がかかっています。機械化が北海道に次いで進んでいると言われた安曇野市で、集落営農2組織が解散したとのことです。

 環境・水路を農村文化を守る家族農業の持つ力を再認識し、農家が望む、せめて毎年の生産コストは補償してほしい、基本に据えて制度化してほしいの願いに応えていただきたいが、いかがでしょうか。一例ですが、田んぼを一回荒らすと、耕作しないと、元に戻すのに3年かかると言われます。作り続けることが大切で、そのための手立てを願うものです。農政部長に見解を伺います。

【伊藤農政部長】

農業者の生産コストと、補償制度の創出についてのお尋ねでございます。

 農業経営を支える補償制度については、収入の減少に備えた収入保険制度や、野菜の価格安定制度、畜産の経営安定対策、災害に備えた農業共済制度、集落ぐるみで農地や水路等の維持管理等を支援する直接支払制度など、様々な制度が措置されているところです。

 中でも、国の収入保険制度は、生産コストを含む収入の減少を補償するもので、一定の条件を満たせば、経営規模にかかわらず加入でき、自然災害や、農業者の経営努力では避けられない価格低下など、様々な理由による収入減少に対して、平均収入を最大8割を補填する手厚い補償制度となっております。

 県といたしましては、国に対して、この制度がコロナ禍に対応しさらに活用しやすいものとなるよう要請を行うとともに、より多くの農業者が、こうした有利な収入保険制度などに加入いただけるよう、関係者と連携し、取り組んでまいります。

【両角友成議員】

食べるものがあれば生きていけます。農業は本当に大切ですと申し上げ、次に進めます。

3.再生可能エネルギーへの転換について

【両角友成議員】

 次の質問事項は、再生可能エネルギーへの転換についてであります。

 食料と同様に、海外に全面依存しているエネルギーも、国内生産可能な再生可能エネルギーに転換するときです。世界を見ますと、電力供給における自然エネルギーの割合を、ドイツは2030年までに65%、フランスは40%、EU全体は50%以上、アメリカでもカリフォルニア州では60%、ニューヨーク州は50%を目指しています。

 水力、木質バイオマス、潜在能力の高い長野県は率先して取り組むべきと考えますが、いかがでしょうか。

 今までもこの場で、機会あるごとにこのテーマを取り上げてきました。地域のそれぞれの条件に合った再生可能エネルギーの開発、利用を、計画的に拡大することにエネルギー政策の重点を置くべきです。太陽光、熱、小水力、風力、地熱や、あるいは畜産や林業など、地域の産業と結んだバイオマスエネルギーなどは、まさに地域の固有のエネルギー源です。

 この再生可能エネルギーの活用を、地元の中小企業の仕事や雇用に結びつけるように追求し、そこから得られるエネルギーを販売することで、地域に新たな収入が生まれます。事業の成果や副産物を地元に還元したり、雇用や技術、資金の流れを地元に生み出すことで、地域経済の生活活性化に役立ちます。

 地元の住人が地域の再生可能エネルギー開発に関与し、収益を公共サービスで還元するなど、地域で売り出したエネルギー資源を地域の財産として生かし、エネルギーの地産地消、地域の活性化、地域経済の発展に重要な役割を果たす夢のある取組だと考えます。

【猿田環境部長】

再生可能エネルギーに関しまして、

 最初に、その普及、拡大の取組についてお答えいたします。

 再生可能エネルギーに関しましては、長野県は非常に高いポテンシャルを有しておりまして、特にこのうちの小水力発電に関しましては、固定価格買取制度における稼働件数及び出力ともに、全国1位という状況でございます。

 4月1日に公表いたしました気候危機突破方針におきまして、こうした豊富なポテンシャルを生かすべく、再生可能エネルギー生産量を3倍以上に拡大するという目標を掲げたところでございます。その実現に向けての具体策といたしましては、気候危機突破プロジェクトの一つといたしまして、地域と調和した再エネ普及拡大プロジェクトを始動させ、収益納付型の補助制度や、信州屋根ソーラーポテンシャルマップの活用などにより、小水力、木質バイオマス、建物屋根を活用した太陽光発電等の普及、拡大に努めてまいります。

【両角友成議員】

 長野県が2050ゼロカーボンで決意した、2050年二酸化炭素排出量実質ゼロに県民が取り組むための政策的裏づけ、計画を示す時期とも考えます。環境部長に見解を伺います。

【猿田環境部長】

 2050ゼロカーボンに向けた政策的な裏づけ、計画についてでございます。

 本県は、2013年度から本年度までを計画期間といたします長野県環境エネルギー戦略を策定し、二酸化炭素排出量の削減に取り組んでまいりました。2010年度以降、排出量は減少傾向にありまして、最新データである2016年度までの削減率は、全国第4位となってございます。

 2050ゼロカーボンという高い長期目標を踏まえ、現在、次期環境エネルギー戦略の策定作業を進めており、今後10年間で取り組む具体策を盛り込み、中期的な実行計画としてまいります。この次期戦略の策定に当たりましては、県民の皆様や有識者をはじめとして、広くご意見をお聞きした上で、今年度中の公表を目指してまいります。

 以上でございます。

【両角友成議員】

「水の恵みを未来へつなぐ」を標榜する企業局の水力発電所で規模の改修、出力増強を計画立案したが、肝心の部品が発注先の中国から来ないとお聞きし、ショックを受けました。車部品、昨年度の豪雨災害による住宅復旧に必要な建設資材、マスク、医療用防護服に至るまで中国。ものづくりの県と言われる長野県、発電所の形態は全て現場合わせで製造、新たな産業としての可能性があるのではないでしょうか。

 また、新しい発電所を造ると、それを管理するための人材が必要になりますが、その育成や確保についてどのように考えておられるか、環境部長、公営企業管理者にそれぞれ見解を伺います。

【猿田環境部長】

水力発電分野の新たな産業としての可能性についてお答えいたします。

 小水力発電は、地形や流量など、現地の条件に適した規格の設備、機器の選択が必要となり、その規模にもよりますが、県内事業者が自ら培った技術力や、地域を知るという強みを生かし、参画する余地があると考えております。

 本県では、平成29年度に環境エネルギー分野の産業化研究会を立ち上げておりまして、再生可能エネルギー分野におきましては、小水力発電の水車開発、省エネルギー分野におきましては、木質断熱材の開発など、意欲ある事業者への支援を行ってまいりました。

 今後におきましても、県内の様々な事業者に環境エネルギー分野へ参画いただき、環境と経済の相乗効果を高め、2050ゼロカーボン社会の実現を目指してまいります。

 以上でございます。

【小林公営企業管理者】

新しい発電所の管理における人材の育成や確保につきまして、御質問にお答えをいたします。

 企業局では、昨年12月の気候非常事態宣言の趣旨も踏まえ、先ほど環境部長の答弁にありましたプロジェクトの一端も担いまして、本県の豊かな水資源を生かし、再生可能エネルギーの供給を拡大するとともに、エネルギー自立分散型で、災害に強い地域づくりを目指すため、国の固定価格買取制度を最大限活用しつつ、新規発電所、新規電源開発や基幹発電所の大規模改修等に積極的に取り組んでいるところでございます。

 そうした中で、新しい発電所の多くを小規模で、まさに県内に分散して建設していることから、それら全体を効率的に管理運営するため、保守の省力化や高度化を目的として、遠隔監視自動制御などを行う次世代運転監視制御システムを構築することで、スマート保安を推進することとしてございます。

 また、これら施設の通常の巡視は業務委託により対応しているものの、新しい発電所の建設やスマート保安の推進とともに、業者による巡視では対応できない土砂の流入や発電所の緊急停止をはじめ、トラブル発生時等に対応するためには、専門的な人材が必要でありますが、現在、技術系職員の年齢構成は、中堅・若手職員が少なくなっていることから、その確保、育成が急務となってございます。

 そこで、今後ともこうした新規電源開発など、長野県企業局ならではの事業展開を積極的にPRする中で、関係部局とも連携し、定期的な職員採用試験とともに、社会人経験者の採用選考を柔軟に実施することなどにより、幅広く人材確保に努めるとともに、外部機関による研修への参加や、職員の資格取得への支援等により、人材育成に取り組んでまいります。

 加えて、現在、企業局版仕事改革、働き方改革の一環として、モバイルパソコンとスマートフォンを職員に1人1台配布し、県内の発電所等のどこからでもウェブ会議に参加したり、企業局サーバーにアクセスしてテレワークをすることができる環境を整備したところであり、こうしたICTも活用して、柔軟で、職員誰もが働きやすい職場環境づくりにも取り組む中で、さらに人材の確保育成に努めてまいります。

 以上でございます。

【両角友成議員】

定例会初日、知事議案説明で、2 0 5 0ゼロカーボンに向けた取組の中で、2016年、今から4年前実績に対し、最終エネルギー消費量7割減と、再生可能エネルギー生産量の3倍以上への拡大を目標に掲げたと、気候危機突破方針の中身を改めて語られました。

 また、先ほどの質問に対し、猿田環境部長からも答弁がありました。改めて大変な数字目標だと思います。節電はもとより、太陽光発電一つ取ってみても、県内全ての屋根という屋根に発電パネルを載っけるイメージ。相当に力を入れないと達成できないのでは。

 そうは言っても、県内ポテンシャルを生かしきり、ゼロカーボン達成に向けた取組を成功させましょうと申し上げ、質問といたします。ありがとうございました。

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