日本共産党長野県会議員団

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議会質問

2020年11月定例会 高村京子議員一般質問

    1. コロナ禍における医療体制について
    2. 介護保険について
    3. 暮らしと雇用の支援について

1.コロナ禍における医療体制について

【高村京子議員】

地域医療体制の安定と充実を求め、質問いたします。

新型コロナウイルス感染の第3波が急速に拡大しており、不安が大きくなっています。県民の命を守るために、感染予防対策に万全を尽くしながら奮闘されている病院関係者の皆様に、心からの感謝と敬意を申し上げるものです。

新型コロナウイルス感染者を受け入れている病院はもとより、受入れをしていない病院や診療所でも、受診自粛による外来及び入院患者の減少、検査・手術等の縮小が起きており、収入が大幅に減る月が重なって、経営が逼迫している医療機関が多くあります。日本医療労働組合連合会の最近の調査では、約4割の病院で、冬の一時金を減額、あるいは払えない実態があるとしています。多くの病院・診療所が日常診療や年末年始の当番医、救急受入れが継続できるのか、切迫した経営状況にあります。

 医療機関へ損失補填を大胆に実施することを強く国に求めていただきたいと思います。健康福祉部長にこの点を伺います。

【健康福祉部長】

コロナ禍における医療体制について、ご質問いただきました。

 病院への損失補填に関する国への要望についてでございます。

 医療機関の経営につきましては、先般公表されました日本病院会等の全国組織の調査によりますと、第1四半期で最悪だった5月に比べ、第2四半期に入り、徐々に改善傾向に向かっていることが認められている一方で、前年と比較し、厳しい経営状況がいまだ継続しているといった分析がなされているところであります。

 その要因といたしまして、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が続く中で、依然として受診控えや検査控えがあるといったことが指摘をされておりますが、これは医療機関の収入源にとどまらず、県民の健康維持にも大きな影響があるものと認識をしております。

 まずは、受診控えを少しでも解消できるよう、医師会等とも連携して、県民への啓発に取り組んでまいりたいと考えております。

 また、医療機関の経営支援につきましては、国に対して11月に緊急包括支援交付金やその他の財政支援の継続的な実施、受診控え等による収入の減少など医療機関の経営悪化に対しても十分な支援を行うよう要望を行ったところでございまして、引き続き、知事会等とともに国に求めてまいりたいと考えております。

【高村京子議員】

 昨年9月、国は全国の公立病院257、日赤・厚生連など公的病院167、合計424病院のリストを、その後440病院としていますが、再編・統合が必要と公表しました。今年9月までに結論を出すように国は求めていましたが、その時期を延期しています。

 長野県では15の病院が名指しされ、関係する自治体や住民、病院関係者から、地域医療で果たしている役割が評価されていない、地域で唯一の病院もあり全く現状を見ていないなど、不安や疑問の声が湧き上がっています。

 甚大な被害をもたらした台風災害で、人命救助に大きな役割を果たされました。今、深刻な事態にある新型コロナ対応で、県が依頼した感染者の受入れ、治療、また診療、相談、PCR検査機関としても奮闘されています。その地域に必要な医療に対応するために、他の医療機関とも互いの特徴を生かし、連携して地域医療を担っています。

 公的・公立病院の存在は、コロナ禍で今まで以上に大きな役割を担い、なくてはならない存在です。公的・公立病院の統廃合を含んだ地域医療構想は、改めて見直すべきと考えます。県内公立・公的病院が果たしている役割をどのように評価されておられるのか、健康福祉部長に伺います。

【健康福祉部長】

県内の公立・公的病院の役割に対する評価についてということでございます。

 今般の新型コロナウイルス感染症につきましては、感染症指定医療機関、これが診療や患者受入れに当たって、中心になって当たっていただいているといったところでありまして、そのほとんどが公立・公的病院でございます。

 本県において公立・公的病院は、感染症対策をはじめ、救急、災害医療や僻地医療など、政策医療を担っていただいているほか、住民に身近な地域医療を支えていただいており、県民の安全と安心を守る上で、極めて重要な医療機関であるというふうに評価をしているところでございます。

 以上でございます。

【高村京子議員】

10月14日、県医師会は、県保健医療計画、地域医療構想の見直し、医療機関への経営支援を要望されました。11月15日、長野県保険医協会など8団体で構成する地域医療と公立・公的病院を守る長野県連絡会がシンポジウムを行い、私たち県議団も参加しました。

 名指しされた飯山赤十字病院、川西赤十字病院、佐久穂町立病院の各院長からの報告を受けました。その訴えは、地域に必要な病院として奮闘している実情を見ないで国に名指しされたことに対し、地域住民の医療を守るという国の観点が見えないなど、様々な角度から問題提起がされました。

 団塊の世代が75歳以上となる2025年以降は、特に医療介護需要が大きくなり、地域包括ケア体制の充実のためにも、地域医療体制の充実が求められます。あと5年ですが、高齢化は急速に、今、進んでいます。地域医療体制の充実に向けて支援を強めることが県の役割と言わせていただきます。

 ある病院の院長は、この地域で唯一の病院として住民の健康と医療を守る役割を自覚し、厳しい現実があるが、何としても存在し続けるために頑張りたいと、医師の矜持にかけて病院を潰さないとの決意を語られました。この病院長の心意気に応え、名指しされた病院は潰さない、しっかり県として支援をするとの決意を伺いたいが、いかがですか。

 阿部知事は国に対し、11月2日、地域医療構想の見直しについて要望を出されています。その内容について、知事に伺います。

【知事】

地域医療構想に関連して、県としての国への要望の内容と、今後どう取り組むかというご質問をいただきました。

 まず、県への要望についてでありますけれども、昨年度、厚生労働省が行いました公立・公的医療機関等の具体的対応方針の再検証等における分析は、高度急性期、あるいは急性期機能に限定されたものというふうなっておりまして、地域の実情にはそぐわないものというふうに考えています。また、今般の新型コロナウイルス感染症等新興感染症への対応についても、考慮すべきものだというふうに考えております。

 こうしたことから、昨年来、国に対しましては、県民生活を支える一次医療や回復期、慢性期機能等の再検証を観点に入れること、あるいは地域医療構想に感染症対策の観点を加えること等求めてきているところであります。

 今後の取組でありますけれども、安心して暮らせる社会をつくるためには、地域の医療提供体制、持続可能性を高めていくということが重要だというふうに思います。少子高齢化の急速な進展を踏まえて、変化する医療ニーズに対応して、急性期機能から回復期機能等への転換を進めるとともに、限られた医療資源の有効活用のため、医療圏ごとの病院の役割分担と連携強化を推進することが肝要だと考えております。

 こうしたことから、県としては、新型コロナウイルス感染症が終息し、国の方針が定まった段階で、医療機能の分析データに加え、地域の実情に関する知見や感染症を対策の観点も取り入れながら、各医療圏の調整会議においての議論を深めていきたいというふうに考えております。

 地域医療介護総合確保基金等による支援も行い、地域医療の充実に取り組んでいきたいというふうに考えています。

 以上です。

【高村京子議員】

次に、私の地元、上小地域にある鹿教湯三才山リハビリセンター病院の再編・新築計画に関わって伺います。

 厚生連鹿教湯三才山リハビリテーションセンターは、同地域の地域にある二つの病院を一体で運営しており、国の統廃合計画が示される前から、老朽化が進む二つの病院の統合、リニューアルを検討されてきました。療養病床の三才山病院237床を閉鎖し、鹿教湯病院416床と合わせて178床を減らし、全体で475床とする再編統合建設が始まります。県が唯一指定する筋ジストロフィーなど、重症身体障害者を県内全域から受け入れる指定療養介護事業所も移転し、80床から90床に充実します。

 この施設の移転、増床について、県の支援を、病院はもとより上小地域の市町村長もこぞって要望しています。鹿教湯三才山病院再編リニューアルに関わり、特に指定療養介護事業所移転充実に対する県の財政支援について、健康福祉部長に伺います。

【健康福祉部長】

鹿教湯三才山リハビリテーションセンターの再編に係る財政支援についてのお尋ねでございます。

 鹿教湯病院と三才山病院からなる鹿教湯三才山リハビリテーションセンターは、リハビリテーションを中心とした地域の多様な医療ニーズに応えるとともに、三才山病院は、医療的ケアが必要な障害者の療養介護事業所として大きな役割を果たしているところでございます。

 施設の老朽化によりまして、三才山病院を閉院し、鹿教湯病院に統合する計画となっており、来年度の着工が予定されております。三才山病院の療養介護の機能は、鹿教湯病院に引き継ぐものと伺っており、障がい者福祉の点で、大変感謝をしているところであります。

 今回の統合によりまして、全体として現在の病床を減らすことになりますことから、地域医療構想の推進に資するものとして、県では、地域医療介護総合確保基金等の活用により、鹿教湯病院の施設整備を支援してまいりたいと考えております。

 また、障がい者福祉の向上のため、国に対しまして、施設整備補助事業の拡充とともに、事業が安定的に継続できるよう、療養介護サービスの対象者の拡大や、障がい福祉サービス報酬の拡充を、併せて要望をしてまいりたいというふうに考えております。

【高村京子議員】

10圏域の調整会議で議論されているその地域ごとの実情では、民間病院も含めて医師不足地域が多く、看護師確保にも苦しんでいます。コロナ禍の現在、感染対策を含めた地域医療の充実に向けた対策は、医師や看護師の確保・養成の強化も求められています。その支援を強めていただきたいことを要望し、次の質問に移ります。

2.介護保険について

【高村京子議員】

 介護保険制度に関して伺います。

 新型コロナ感染症発生のときから、介護職員の慢性的な人手不足によって、介護事業所の経営は大変厳しい状況に置かれてきました。コロナ禍の中で、介護施設での集団感染が起きないよう、密を避け、感染対策に細心の注意をしている職員の疲弊と事業所の経営難は、大変厳しいものとなっています。

 全国で今年1月から9月の老人福祉介護事業の倒産は94件に、休廃業・解散も1月から8月で313件も出ています。3密になりやすい通所介護や訪問介護事業所の倒産が多くを占めています。

 このままでは、介護事業所の倒産・廃業は今年600件を超える事態となるとの予測も出されています。この現状をどう捉えておられますか。また、介護事業所の運営への支援の具体的な施策をどう考えておられるか。健康福祉部長に伺います。

【健康福祉部長】

介護保険についてお尋ねをいただきました。

 初めに、新型コロナによる介護事業所への影響についてということでございます。

 本県における介護事業所の廃止・休止件数は、11月末現在、県指定分で55件となっており、ほぼ前年並みの数字でございます。新型コロナウイルス感染症の影響について幾つかの介護事業所にお聞きをいたしましたところ、衛生資材の購入費がかさんでいる、また、通所事業所では、利用者の1割程度の利用日控えがあった、そういった声がございまして、収益面で影響が生じてきていることから、事態が長期化するにつれ、特に経営基盤の弱い小規模事業所を中心に、経営を圧迫する恐れがないかと危惧しているところでございます。

 県といたしましては、新たに生じることとなる感染防止のための経費に着目をし、衛生資材や飛沫防止パネルの購入等に対して助成を行いますとともに、マスクやエプロン、消毒液などについては、県で購入をして配布しているといったところでございます。

 今後も介護事業所の経営状況等を注視しつつ、必要な支援に努めてまいりたいと考えております。

【高村京子議員】

この6月に、国は通所介護や短期入所などのサービスを、現状のまま2ランク上の介護報酬を請求できるようにしましたが、利用者の負担が重くなることであり、関係者は苦慮し、事業所によって対応は分かれています。負担にならないよう支援する市町村もありますが、そもそも同じサービスで利用料負担が違うのは不公平であり、納得できません。

 また、先頃、厚生省は、通所サービスの介護報酬を大規模事業所は低く、小規模事業所は高く設定することを計画しているとの発表がありました。しかしこれも、大規模事業所に利用者が移ってしまい、一層小規模事業所の経営は厳しくなるのではないかと危惧します。

 このような小手先の改正は取りやめ、介護事業所の事業継続のために利用者の負担につながるような、介護報酬の値上げではなく、事業所の土台を整える直接的な支援の制度を設計するよう国に求めていただきたいですが、どうでしょうか。健康福祉部長に伺います。

【健康福祉部長】

介護事業所の継続を支援する制度の国への要望についてでございます。

 国が6月に打ち出しました介護報酬の上乗せを認める特例措置につきましては、サービス内容が変わらないのに自己負担額が上がることから、利用者の同意が得られないといった声が多くの介護事業所等から寄せられております。

 新型コロナ禍における事業所への支援につきましては、知事会において、経営安定化のための財政支援等の緊急提言を重ねて実施いたしますとともに、県単独でも、利用控え等による収入の減少が生じている事業所に対して、国の財源により補填する制度の創設を要望しております。

 今後も機会を捉えて、有効かつ適切な支援措置を講じるよう国に対して要望してまいります。

【高村京子議員】

 あと5年後の2025年には、介護職員が34万人も不足するとも言われています。介護職員の確保は喫緊の課題です。介護職員養成校は、ここ数年、入学者が定員に対し大幅に不足して、規模の大きい介護事業所が運営する学校を閉校にする事態も起きています。就学援助などの対策を取っていただいていますが、現状はどうでしょうか。

 介護職の有効求人倍率は15倍以上にもなっています。一番求められるのは、介護職員の処遇改善、賃金の大幅なアップです。介護職は、高齢者の暮らしと健康を守る大きな役割を担っており、介護職の社会的評価を高めたいと思います。介護職に誇りを持って働き続けていただけるよう、賃金の大幅なアップを国に強く求めていただきたいと思います。健康福祉部長に所見を伺います。

【健康福祉部長】

 介護職員の処遇改善に係る国への要望についてでございます。

 不足している介護職員の確保に向けましては、その処遇改善が大きな課題であると認識しております。
介護職員の処遇につきましては、平成21年度以降の複数回にわたる介護報酬の加算等によりまして、総額3万7,000円の改善が行われており、令和元年度におきましても1万8,000円相当の処遇改善が行われております。現状では、いまだ介護職員の所定内賃金は全産業平均を下回っている状況ではありますが、こうした改善により、その差は縮小傾向にあるものと見ております。

 この流れを維持し、さらに加速するよう、引き続き全国知事会や他の都道府県とも連携しながら、国に対して介護職員の処遇改善を要望してまいります。

【高村京子議員】

 低所得の高齢者を介護から排除するのは人権問題です。年収が18万円以下の高齢者は、介護保険料が年金天引きとならずに自分で納めることとなり、滞納になるケースがあります。その場合、介護サービスを受けるには、全額自己負担となります。このような実態をどのように認識されていますか。県として、救済策を市町村と連携して対応していただきたいのです。

健康福祉部長に伺います。

【健康福祉部長】

介護保険料滞納の救済策についてということであります。

 介護保険料は市町村において所得に応じて定めており、所得の低い高齢者につきましては、標準的な保険料の3割程度まで保険料の軽減を図っているところでございます。

 保険料の支払いについては、9割の方が年金からの天引きであり、年金額が少ない1割程度の方が納付書により納入しておりますが、口座振替を利用される方が増えている傾向にございます。

 こうした状況ではありますが、保険料を滞納される方も一定数おられ、そのうち経済的に納入が困難な方などにつきましては、市町村で納付相談の機会を設けるなど個別に対応しているところであります。

 県といたしましては、滞納者に対して、機械的、一律的ではなく、個々の事情に応じて丁寧に対応していただくように、市町村に対して助言してまいりたいと考えております。

 以上でございます。

3.暮らしと雇用の支援について

【高村京子議員】

次に、コロナ禍で所得が減り、困窮する県民の経営と暮らしの支援について伺います。

 新型コロナの感染拡大の第3波が襲い、営業と雇用、暮らしの不安はますます大きくなっています。飲食業をはじめ、多くの事業所の収入は大幅に減り、経済の厳しさは一層深刻で、年末年始まで持ちこたえられるかと苦しむお店や事業所が増えています。元々大型店の進出で苦しんできた地域商店街の灯りが次々消え、閉店の張り紙も増えています。

 「まいさぽ」や社会福祉協議会への相談件数は、4月から10月までに全県で1万1,000件の相談があったと伺っております。例年の3倍、4倍の相談件数です。コロナ対応の緊急小口資金は7,581人に、総合支援資金は4,076人に、合計約33億円の貸付けに上っています。

 貸付相談は、当初は自営業者が多く、時間の経過とともに派遣や非正規労働者が増え、最近は正規雇用者でも残業の減少や賞与のカットによる収入の減少による申請が増えているとのことです。就労意欲があり、ハローワークに行ってもこの時期求人は少なく、一層厳しい実態です。

 「まいさぽ」や社会福祉協議会での支援貸付資金の受付は12月までとなっていますが、年末年始以降も、相談者は減らないどころか、むしろ増えると予測されます。緊急小口貸付資金と、総合支援資金の申請期間の延長を国に求めていただくとともに、年末年始を乗り切るための生活相談体制を、県としても立ち上げていただきたいがいかがでしょうか。健康福祉部長に伺います。

【健康福祉部長】

緊急小口資金等の期間延長及び年末年始の生活相談体制についてのお尋ねでございます。

 去る11月27日、国から生活福祉資金特例貸付の受付期間延長及び住居確保給付金の支給期間延長を検討している旨の公表がございました。延長された場合の対応につきまして、関係機関と連携して準備を進めてまいりますとともに、今後詳細が通知され次第、SNSなども活用し、広く県民に周知してまいりたいと考えております。

 新型コロナウイルス感染症の感染が拡大している状況の中で、年末年始を控えて生活に不安を抱える方に対しましては、きめ細かな相談支援を行うため、各圏域において、保健福祉事務所をはじめ、市町村、支援機関が改めて連携体制を確認し、支援に取り組むこととしております。

 また、年末における特別の生活相談体制につきましては、現在、市町村、県社会福祉協議会など、関係機関と実施に向けて調整をしているところであります。

【高村京子議員】

事業所の廃業・倒産を食い止める対策の強化が、今、求められています。持続化給付金や家賃支援給付金は1回きりの支給ですが、いまだに支給されていない事業所も多く、引き続き、2回、3回と経営状況に応じて申請支給されるように、また、雇用調整助成金は来年2月まで延長するようですが、その後は縮小するとも言われていますので、それぞれさらなる申請期間の延長を国に早急に求めてください。また、県としても支援対策を検討していただきたいと思います。

 併せて、リーマン・ショックのときのように、年末に向けて、経営や雇用に対する相談体制についてもしっかり取り組んでいただきたいです。

産業労働部長に伺います。

【産業労働部長】

ご質問にお答えいたします。

 まず、国の支援政策の継続と、相談体制についてでございます。

 持続化給付金、家賃支援給付金、雇用調整助成金など、生活や雇用に係る支援につきましては、これまでも、全国知事会を通じて、制度の延長や拡充について国へ強く要望してきたところでございます。今後も、県内経済や雇用情勢等を踏まえながら、必要な支援について国に働きかけてまいります。

 また、県では、リーマンショックのときの経験を踏まえ、給付金や助成金などの支援策が一刻も早く事業者の皆様のお手元に届くよう、産業・雇用総合サポートセンターを地域振興局ごとに開設し、行政書士や社会保険労務士といった専門家による申請のサポートを実施してきたところでございます。過日、当サポートセンターの開設を3月末まで延長することといたしました。

 さらには、県内金融機関の営業日に合わせて、12月1日から30日までの間、年末相談窓口を県庁及び地域振興局に開設し、新型コロナの影響を受けた中小企業の皆様の資金繰りなどを支援してまいります。

【高村京子議員】

 県内有効求人倍率は、10月は1. 04、新規求人数は前年比30%から40%も落ち込んでおり、高校や大学新卒者の就職は大変厳しい現実となっています。晴れて社会に出ようとする若者をしっかり支えていただきたい、ハローワークや商工業関係者と連携し、最大の雇用確保を要請し、新卒者就職確保対策を強めていただきたいと思います。産業労働部長に伺います。

【産業労働部長】

新卒者への就労支援についてのご質問です。

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、従来の対面方式による合同企業説明会や企業セミナーが軒並み中止となる事態に対処するため、県としては、いち早くオンライン方式による企業セミナーやインターンシップフェアを開催し、学生と県内企業との出会いの場の確保に努めてきたところであります。こうした中、オンライン方式へのニーズは今後も一定程度続くと見ており、大学のキャリアセンター等を通じて、学生への周知を図りながら、引き続きこの取組を進めてまいりたいと考えております。

 また、コロナ禍で思うように就職活動ができずに悩んでおられる学生等からの相談に対応するため、GINZA NAGANOのシューカツNAGANOキャリア相談室やジョブカフェ信州において、オンラインによる就職相談も実施しております。

 他方、求人開拓も重要です。県内事業者に対しては、12のハローワークごとに設置している求人確保対策本部と協力しながら、新卒採用枠の積極的な確保について要請活動を行っているところであり、引き続き、関係機関とともに取組を強めてまいります。

 以上でございます。

【高村京子議員】

 最後に、飲食、宿泊、観光業で働くパートやアルバイトは女性が多くを占めています。ステイホームと言われる中で、女性のDV被害も増え、女性の自殺件数も増加傾向にあり、女性が心身ともに疲弊し、命を絶つような事態になっていることは放置できません。ひとり親家庭、特に母子家庭は、子育てもあり不安定雇用にならざるを得ず、多くの母子家庭は、全世帯年間所得平均の半分以下の貧困状態に置かれています。コロナで一層厳しい暮らしを余儀なくされ、1日1食も食べられないなど、切迫した母子家庭もあると報道されました。母子の健康も心配されます。

 ひとり親世帯、特に母子家庭の現状をどう捉えておられるでしょうか。ぜひ、支援対策を講じ、救済をしていただきたいです。県民文化部長に伺います。

【県民文化部長】

ひとり親家庭の現状と今後の対応についてご質問をいただきました。

 状況につきまして、ひとり親世帯臨時特別給付金を受給されている方々に対し、9月から県が独自にアンケートを実施しております。ここでは、回答者の約7割が、コロナ禍において休業または勤務時間短縮のいずれかを経験しており、減少した収入で生計を維持するため、食費や光熱水費の節約、預金を取り崩して対応している。また、コロナ禍において、半数以上の方が生活費の確保に苦労し、4割以上の方から、先の見通せない不安などの精神的ストレスを抱えているとの回答がありました。

 調査結果を踏まえまして、県におきましては、厚生労働省に対し臨時特別給付金の再支給等を要望するとともに、まだ臨時特別給付金の申請をしていらっしゃらない対象者が確実かつ速やかに給付金を受給できるよう、市町村とともに制度の周知や事務処理に取り組んでいるところでございます。

 政府は臨時特別給付金を再支給する方向で調整に入ったとの報道もございますので、再支給が決定された場合には、速やかに給付手続が進められるよう準備を進めてまいります。

 また、ひとり親が抱える様々な悩みや困り事に対しましては、保健福祉事務所に配置する母子・父子自立支援員等が支援を行っているところでございます。

 今後も引き続き、市町村、ハローワーク等の関係機関と密接に連携を取りながら、個々の家庭に寄り添って、きめ細かい支援に努めてまいります。

 以上でございます。

【高村京子議員】

それぞれご答弁いただきました。

 戦後最大の経済不況にある今、年末年始を前に、暮らしや営業、仕事、そして金策などの不安を抱える皆様に対して、県行政が連携して相談体制を取り、最大の支援をしていただきたいと思います。誰一人取り残さないように、ただいまご答弁いただきました健康福祉部長、産業労働部長、県民文化部長を先頭に連携をして、誰一人取り残さない、こういう対応で、年末年始大変ですけれども、県の職員の皆さんもご奮闘を願いたいです。

 この間、コロナが発生いたしましてから、保健所の皆さん、健康福祉部の皆さん、本当にご自分の時間もないほどご奮闘いただいております。この皆さんのご奮闘に心から感謝を申し上げ、私の一切の質問を終わります。ありがとうございました。

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