2021年2月定例会 毛利栄子議員一般質問
東京五輪開催について
- 【毛利栄子議員】
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おはようございます。新型コロナウイルスで亡くなられた方々に、心からお悔やみ申し上げます。また、罹患された皆さんにお見舞いを申し上げます。
東京五輪について知事に伺います。
3月末から聖火リレーもスタートし、長野県でもホストタウンの準備は待ったなしです。女性蔑視発言での組織委員会会長交代騒動や、世界的に新型コロナが収まらない中で、開催の判断が迫られています。国民世論の8割以上は、「中止」、または「延期」です。ワクチン接種も始まりましたが、国における格差も起きており、フェアな大会ができるか心配です。 国においては五輪開催ありきでなく、立ち止まってゼロベースから開催の可否を早急に再検討すべきではないかと考えますが、1998年、70の国・地域から集まり、3万2,000人のボランティアが大会を支える中で、感動的な長野冬季五輪を成功させた長野県として、阿部知事の見解を伺います。
- 【知事】
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毛利議員のご質問に順次お答え申し上げたいと思います。
まず、東京オリンピックについてのご質問であります。
東京オリンピック・パラリンピック競技大会につきましては、大会の成功に向けて、これまで大変長い間、組織委員会、東京都、政府をはじめ、多くの関係者の皆様方が大変なご努力を重ねてきていただいていることに、まずは敬意を表したいと思います。
今、日本のみならず、世界中が新型コロナウイルスと闘っている状況であります。そういう意味で、今回の大会実施を進めていく上で前提となるのは、やはり、この新型コロナウイルス感染症に対して、国民はもとより、世界の国々が理解していただけるような対策を講じていくということが重要だというふうに考えています。
今、アスリートの皆さんはもとより、ボランティアの皆さんをはじめ、多くの方たちがこのオリンピック・パラリンピックの行方に注目をしているという状況であります。関係者の皆様方には、ぜひオープンな議論を行っていただき、そして、多くの皆さんが納得し、共感できる対応策を見いだすべく最善を尽くしていただきたいというふうに考えております。
新年度施策について
- 【毛利栄子議員】
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◆毛利議員
11月議会で山口議員が、新年度予算はコロナ禍の下で財政難の中でも命を守る手厚いケアが保障される長野県づくりが大切、医療・介護・福祉施策の抜本的強化と、働く皆さんの待遇改善を求めました。知事は、命を守り育む県づくりをしあわせ信州創造プランに掲げており、医療・介護体制の充実や働いている人への支援は喫緊の課題であると答えています。新年度予算と施策にどのように反映されたのか。健康福祉部長に伺います。
- 【健康福祉部長】
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医療・介護分野における新年度の予算、施策についてのお尋ねでございます。
新型コロナが医療・介護分野に深刻な影響を及ぼす中で、来年度当初予算においては県民の命と健康を守り抜くとの強い決意の下、関係施策を構築しているところでございます。
まず、目下の最重要課題である新型コロナ対策につきましては、入院病床や宿泊施設の充実強化により県民が安心して療養できる体制を確保するほか、医療・介護現場で働く人を支える施策として、最前線で対応に当たる医療従事者の特殊勤務手当への助成や、医療・福祉施設の応援職員派遣に対する支援などに取り組んでまいります。
また、アフターコロナを見据えた中長期的な観点からは、信州回帰の流れを追い風に、医師、看護職員の確保や、偏在是正、介護人材の誘致・定着に努めますとともに、しあわせ信州創造プラン2.0の着実な推進に向けて、医療機能の分化・連携に資する施設整備補助、地域包括ケア体制の構築のための市町村支援などに取り組むこととしております。
施策や各事業の目的を職員としっかりと共有をし、着実な成果を上げることができるよう取り組んでまいります。
以上でございます。
- 【毛利栄子議員】
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◆毛利議員
この1年余、県下の公立・公的病院はコロナ入院患者の大半を受け入れ、使命感に燃えて献身的に診療に当たってくださいました。しかし、この期に及んでも、国は公的・公立病院の統廃合の加速化を推し進めようとしています。国の統廃合計画は県民の命を切り捨てることにつながり、絶対に容認できません。改めて、知事の認識と決意を伺います。
- 【知事】
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続きまして、公立・公的病院の統合に関する認識と決意についてというご質問であります。
公立・公的病院の皆さんにも、今回のコロナ対応には本当に大きな役割を果たしてきていただいているというふうに考えております。厚生労働省が行った公立・公的医療機関等の再検証における分析、これはこの場でも申し上げてきていると思いますけれども、急性期機能に限定されたものでありまして、地域の実情には必ずしもそぐわないものというふうに受け止めています。
そのため、県としては、これまでも国に対して県民生活を支える一次医療や、回復期、慢性期機能等を再検証の観点に入れることなどを要望してきているところであります。この点につきましては、国においても、分析結果は急性期機能に着目して診療実績等のデータを分析したものであり、今回の分析だけでは判断し得ない診療領域や地域の実情に関する知見も補いながら、地域において議論してほしいというふうにしているところであります。
県としては、少子高齢社会が急速に進展する中で、限られた医療資源の有効活用を図り、医療ニーズの変化に対応した医療提供体制を構築していくことが重要だというふうに考えております。そのため、公立・公的病院が担う幅広い医療機能や地域の実情等を踏まえながら、医療機関の役割分担と連携強化が進められるように、医療圏ごとに地域の関係者間での丁寧な議論が行われるよう促してまいりたいと考えております。
- 【毛利栄子議員】
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◆毛利議員
コロナ禍で、困っている人にどう寄り添うかが一層鮮明になりました。新年度事業として、環境部が食品ロス削減のためフードバンクの推進を掲げました。既に社協や民間団体が実施し、生活困窮者や独り親世帯、こども食堂などに提供していただいていますが、それらの団体と協力して、健康福祉部、環境部、県民文化部、農政部が連携して、想像以上に窮迫する県内学生の食料支援をしたらどうかと考えますが、知事、いかがですか。
私も3回ほど学生食料支援のお手伝いをさせていただき、20人、30人と、チラシやネット、友人の紹介で来てくれた学生と話す機会がありました。私自身も貧乏学生の1人でしたが、聞けば驚くような話ばかりでした。「アルバイトが激減したが、親の仕送りにも頼れない」「野菜といえば、もやしばかり食べている」「1日1食しか食べないときもあり、学校に行かないので体力を消耗しないように寝ている」「父親が大病し離職したので、弟のことも心配だし退学も考えている」などと語る大学生に心が痛みました。
若者は長野県の希望であり、宝です。必要な県内学生に、民間任せでなく県がリーダーシップを発揮して支援することを求めます。
- 【知事】
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学生に対する食料支援というご質問でございます。コロナの影響で、学生たちは本当に様々な影響を受けています。学業もオンライン化されたり、あるいはなかなか友達と交流する機会もなく、そしてご質問にあったように、アルバイトの道もなかなか閉ざされている中で、非常に資金的にも苦しいという中で、食費を切り詰めて生活している学生もいるということは我々も認識をしております。
松本市や長野市において、有志やフードバンク団体等が協力して学生に対する食料の無料配布を実施した際には、多くの学生が利用をされています。こうしたことから、県としても生活に困窮する学生の食料支援は必要だというふうに考えています。
これまでも関係する部局が連携しながら、フードバンク団体等を支援してきています。例えば、食品取扱事業者、あるいは農業者団体等に食料提供の呼びかけを行ってきております。また、県庁、そして10の地域振興局において、フードドライブを今年度は延べ43回開催をしております。また、フードドライブの認知度向上や食料提供を目的とした新聞広告の掲載も行っています。
今後は、大学や短大等とも連携をしてまいります。また、フードバンク団体等への支援も充実をしてまいります。こうしたことを通じて、学生に対する食料支援を進めていきたいと考えています。
- 【毛利栄子議員】
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◆毛利議員
中小業者の支援について伺います。飲食・観光・宿泊関係を中心にコロナの影響は深刻であり、営業が立ち行かなくなっています。お話を伺った方は、「ランチやテイクアウトはやっているが気休め程度。来店者も少ない。店を閉めようと思っているが閉めても使ってくれるところがない」と肩を落とします。
スナックや居酒屋など、県下で1,400店が加盟する飲食業生活衛生同業組合では、既に75店が廃業、294店舗がこのままでは廃業せざるを得ないという状況が報告されショックを受けました。事業主や雇用されている方が生活の糧を失い、食文化や夜の交流の場が3割も消える危機に瀕しています。
新年度予算では、中小企業融資制度資金が過去最高の1,500億円確保されています。当座を乗り切る上で有利な資金の調達は必要ですが、返さなくてはならないために借りるのにもちゅうちょがあると言います。営業を丸ごと応援する施策が必要ではないでしょうか。国に持続化給付金の再度の実施を本気で迫るとともに、感染拡大防止に取り組んでいる飲食業や喫茶店などに50万円の応援を開始した徳島県のように、県としても直接給付を考えていただきたいが、いかがでしょうか。知事に伺います。
- 【知事】
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飲食・観光・宿泊等に対する支援として、国に持続化給付金の支給を要請せよ、また、県としても検討せよというご質問であります。
まず認識としては、飲食・宿泊等の事業者の皆さんが大変厳しい状況にあるということは共通の認識であります。県としても融資制度、あるいは様々な補助金等を通じてこれまでも支援をしてまいりました。
ご指摘の持続化給付金については、私からもかなりしつこく国に対して要請をさせていただいています。県独自でも要請しましたし、全国知事会を通じても要請をしています。また、近々全国知事会のコロナ対策本部会議をオンラインで開催予定になっておりますので、その場でも改めて要請をしたいというふうに考えています。
加えて、持続化給付金のみならず、いわゆる一時支援金、これは、緊急事態宣言の影響を受けた事業者に対する支援という制度ができたわけでありますけれども、これは、私のほうからは緊急事態宣言が発出された地域以外の地域も幅広く対象にするようにということで求めてきています。一定程度対象になってくる状況にはなっておりますけれども、極力こうした支援金も県内の多くの事業者が対象になるように引き続き求めていきたいと考えております。 また一方で、事業者への支援、様々な支援の在り方があると思います。感染が拡大しているときにはなかなか活動自体を抑制していただくという形になりますが、現下の感染状況を考慮すれば、やはり経済活動を動かしていくということが重要だというふうに考えています。
我々も様々な取組をこれまでもしてきています。テイクアウト、デリバリーの支援をはじめ、また、いろんな対策を講じているお店をしっかり発信するということで、信州がんばるお店の応援プロジェクト、また、安心なお店をこれからどんどんPRして利用促進も図っていきたいと考えています。
加えて、経済団体等とも協力して、やはり感染防止対策をしっかり講じながらも、しかしながら、一方で飲食店の利用も行っていきましょうということをアピールする取組も、今、検討している状況であります。観光については、ご承知のとおり既に家族宿泊割から、順次、県としての支援策も講じて取り組んでいる状況であります。
引き続き感染状況にしっかり我々は配慮しながらも、その一方で経済活動を過度に自粛をするということがないように県民の皆様方にもお願いをし、県民の支え合いの中で、飲食・宿泊事業者、あるいは、より広く影響を受けているサービス事業者の皆さんを応援をしていきたいというふうに考えています。 以上です。
3.県民の命を守る新型コロナウイルス感染症対策について
- 【毛利栄子議員】
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◆毛利議員
県民の命を守る新型コロナウイルス感染症対策について、健康福祉部長並びに知事に伺います。
感染警戒レベル5以上の地域の医療・介護などの従事者の自主的検査に対して補助制度を創設したこと、医療機関や高齢者施設などで1人でも陽性者が出た場合には、関係する従事者、入院患者、利用者全員の積極的疫学検査を実施したこと、松本市内の一定規模以上の高齢者施設では大規模に社会的検査を実施したこと、クラスターが起きた飲食街の従事者への広範な検査を実施し、陽性者の把握・保護に努めたことなど、発生状況に応じてPCR検査を拡大してきていただいていることは評価します。
しかし、後追いでは感染拡大を防げないのが実態ではないでしょうか。第3波は収束に向かっていますが、変異株などもあり、このようなときこそ一層の取組が求められます。「喉元過ぎれば熱さを忘れる」であってはなりません。
過日の政府感染症対策分科会で、昨年12月の5人以上のクラスターの件数の内訳が報告されました。医療・福祉施設が45%、次が飲食関連で19%、教育施設15%、職場関連12%と続きます。県内でも医療機関や高齢者施設、障害者施設でクラスターが立て続けに起こり、感染が爆発的に広がって亡くなる方も増え、背筋が凍りました。
長野県の第3波のクラスターの発生状況はどうなっているのか。健康福祉部長に伺います。
- 【健康福祉部長】
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新型コロナウイルス感染症対策について順次お答えをしてまいります。
まず、第3波における県内のクラスターの発生状況についてのお尋ねでございます。
11月1日以降、5名以上のクラスターは、保健所の疫学調査で確認できた中で29件あったと把握しております。このうち医療機関・福祉施設が10件で34%、飲食関連が12件41%であり、そのほかには教育施設が1件、職場が関連が4件、その他が2件でございます。
- 【毛利栄子議員】
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◆毛利議員
無症状者も2割近くいることを考えれば、一刻も早く無症状感染者を把握し、保護し、感染を広げないことが重要です。
知事は、陽性者のいないところで網羅的に広くやっても有意義ではないという国の考え方を取られています。
第3波を振り返ったとき、県内医療従事者がメディアを通じて涙ながらに訴えた医療への負担を軽減する上でも、感染拡大が収まっている今が重要です。医療機関や高齢者施設、障害者施設などの従事者や、入院・入所者に、一斉定期的な社会的検査が無料で実施できるようにしていただきたいが、いかがか。知事に伺います。
- 【知事】
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私には、PCR検査等の実施についてご質問を頂戴いたしました。
ご質問の中でも引用いただきましたけれども、私ども長野県としては発生状況に応じたこの検査を行ってきております。
国の考え方を粛々と実行しているという考え方も毛頭ないわけでありまして、例えば、濃厚接触者以外の接触者に対しても必要に応じて幅広く検査を行ってきておりますし、ご質問でも引用していただきましたように、感染拡大地域においては、高齢者施設等の従事者に対する無症状の方も含めた幅広い調査等も行って、かなり戦略的にこれまで検査を行ってきております。
そういう中で、検査についてはやはり検査前確率が高い状況で有効に活用していくことが基本的には重要だというふうに考えております。このことについては、専門家懇談会でも大分議論をしたところでありますけれども、地域の実態、感染状況等を踏まえて必要な検査をしっかり行っていくということが重要だと思っています。
検査の在り方も、昨年からずっと検査体制も強化されてきましたので、国全体の考え方も少しずつ変わってきていますし、我々も順次必要な検査の在り方ということについては知見を重ねてきております。
今の感染状況、落ち着いている状況でありますけれども、さらに今後、感染拡大が起きるというような場合が生じたときにも、我々として何が必要なのかということをしっかり考えて、この戦略的な検査をしっかり行っていきたいというふうに考えております。
以上です。
- 【毛利栄子議員】
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◆毛利議員
医療提供体制が逼迫し、医療緊急事態宣言を発してきましたが、病床使用率が国の基準と県の基準で違うことや、実質病床利用率を公表したり、病床逼迫率を公表したりと、実態が分かりにくく切迫感が伝わってこないとの声があります。もっと実態に即して、シンプルに分かりやすく公表すべきではないかと思いますが、健康福祉部長に伺います。
- 【健康福祉部長】
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医療提供体制の分かりやすい情報発信についてでございます。
県民の皆様と危機感を共有するため、実態に即した正しい情報をできる限り分かりやすく発信するよう努めているところでございます。1月15日分から長野県独自の指標として全県と4ブロックごとの病床逼迫度を公表しておりますが、この指標は重症者用や小児用などの特別な病床と一般的な病床の利用状況を分けたことにより、それぞれの区分で入院できる病床がどの程度逼迫しているかということが分かること、また、医療圏内で病床が逼迫した場合、主に隣接する医療圏と入院調整を行うため、4ブロックごとの公表でおおむね地域的な傾向を把握できること、そういった点を考慮したものでございまして、それ以前の公表方法を改善し、充実が図られたものというふうに考えているところでございます。
今後も県民の皆様のご意見をお聞きしながら、必要な見直しを行ってまいりたいと考えております。
- 【毛利栄子議員】
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◆毛利議員
さらに北信・東信・中信・南信の公表ではくくりが広過ぎて、生活している医療圏ごとの提供体制がどうなっているか分からないため、自分がかかったらどこにいくのかと不安が広がりました。保健所ごとに情報を公表していただきたいと思いますが、いかがですか。健康福祉部長に伺います。
- 【健康福祉部長】
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病床逼迫度の保健所ごとの公表についてでございます。
保健所ごとの数値の公表につきましては、検討を重ね、医療機関等関係者のご意見もお聞きをしたところでございます。医療機関の少ない圏域は患者を受け入れている病院が特定され、医療従事者が差別や誹謗中傷の対象となるおそれ、患者の受診控えを招くおそれがあるといったこと、病院が特定されることを恐れて患者受入れに消極的になり、県の病床確保、入院調整事務の遂行に支障が生じるのではないかといったこと、そういった否定的なご意見が多く、現段階では難しいものと判断しているところでございます。
- 【毛利栄子議員】
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◆毛利議員
保健所職員の疲弊が長期に及び、深刻になっています。保健師、検査技師など臨時的な確保に努めていただいていますが、国の新年度予算では、保健師の恒常的な人員確保のために、増員が交付税算定されることになっております。人口170万人の標準県では、88人から102人への増員を見越して算定されると聞いております。
昨日の答弁では、新年度は定数を1.5倍にするとのことでしたが、保健師を正規で増員していただきたいと思います。新年度ではどのような対応をされるのか伺います。また、その増員は交付税措置に見合ったものなのか。健康福祉部長に伺います。
- 【健康福祉部長】
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正規の保健師の増員についてでございますが、昨日、知事が荒井議員のご質問に対し「令和3年度におきましては、保健所の感染症対策に従事する保健師の定数を1.5倍に増員していきたいと考えております」というふうにお答えをしているところでございます。
これを具体的な人数で申し上げますと、来年度保健所における保健師の定数を12に増やしてまいりたいと考えております。この点につきましては、交付税措置に見合ったものと考えているところであります。今後も正規職員の採用などにより、必要な人員の確保に取り組み、保健所の体制強化を図ってまいります。
- 【毛利栄子議員】
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◆毛利議員
陽性者を受け入れた医療機関では、高齢者の入院が多く、中には認知症の方もいるため介護的なお世話も必要な場面があり、病院の負担は限界に達していると看護協会から伺ってまいりました。使命感だけではとてもやっていられないとの悲鳴も聞こえてきます。その上、軽症化し退院するときはケアの調整を病院がやっていて、他院や介護施設を探さなければ退院させられない事態にもなっています。
患者の受入れだけでも大変な中で、地域包括ケアのコーディネートを病院に任せるのでは医療崩壊を招きかねません。県としても、この大変な実情をつかんでおられるのでしょうか。改善方向について伺いたいと思います。
- 【健康福祉部長】
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高齢者の転・退院の支援についてでございます。
高齢の患者が入院した後、身体機能が低下して、そのまま感染症病床に長期間入院するといった事例が病床逼迫の一因となり、また、現場の病院も苦慮されている状況は県としても課題として認識しているところでございます。限りある医療資源を有効に活用するため、新型コロナ治癒後は、リハビリや基礎疾患の療養などを行う一般病棟や、他施設への転出・転院を円滑に進めていくといったことが重要でございます。
そこで感染症病床から転出可能となる基準や受入先での対応をお示しし、関係者が安心して患者の受入れができるよう、専門家懇談会の皆様に転出・転院の目安を作成していただき、2月上旬に関係者向けに周知をしたところでございます。 周知後、感染症病棟から一般病棟への移行が進んだ例もあることから、引き続きこうした取組などを通じて、患者受入医療機関とリハビリや基礎疾患の療養を担う関係機関との連携・協力体制の構築に努めてまいります。
- 【毛利栄子議員】
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◆毛利議員
また、後遺症が問題となっています。東京都のモニタリング会議で、国際医療研修センターを退院した患者63人の後遺症について疫学調査結果が紹介されました。全体の76%に、咳や呼吸困難、倦怠感、嗅覚障害があり、発症後2か月で48%の人に後遺症が残っていて、就労にも影響があると言います。県でも一定期間の後追い調査と継続して相談できる体制をつくっていただきたいがいかがか。健康福祉部長に伺います。
- 【健康福祉部長】
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後遺症についてでございます。 新型コロナウイルス感染症の後遺症につきましては、現時点でまだ不明な点も多く、国内におきましても日本呼吸器学会などが調査研究に着手しているところと承知をしております。
感染された方への対応といたしましては、転院、または療養を解除された後、4週間は自己健康観察を行っていただくようお願いしておりまして、その間、随時、保健所が電話等で健康確認を行い、後遺症も含めた体調不良のある方には健康相談を実施した上で、必要に応じて医療機関の受診につなげているところであります。
また、この期間経過後も引き続き後遺症など心身に不安を感じる方からの相談には、丁寧に対応をしてまいりたいと考えております。
調査につきましては、実態や傾向を把握する上では一定の調査件数が必要であり、まずは国の研究結果を注視してまいりたいというふうに考えております。
以上でございます。
- 【毛利栄子議員】
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◆毛利議員
ワクチン接種について、小岩副知事に伺います。
感染防止のために、ワクチン接種に期待が高まっています。一方、特例承認という形での実施であり、未知の部分もある上に、供給数について国の対応も曖昧なために、いつ接種できるのか、安全性、有効性、副反応などはどうかと、不安の声も少なくありません。
国に迅速な情報開示を求めるとともに、市町村や県民に速やかな情報提供をし、対応していただきたいと思いますが、そのための体制やシステムはどうなっているでしょうか。
- 【副知事】
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ワクチンに係る情報提供についてご質問をいただきました。
ご承知のとおり、国では2月17日より開始の先行接種2万人につきまして、併せて健康調査を実施しているところでございます。この調査結果につきましては、県民の皆様はもとより、ワクチン接種に関わる全ての関係者にとって大変関心の高いものでございます。
既に全国知事会としても、数次にわたる緊急提言の中で、ワクチン接種のエリア、副反応などの情報を積極的に周知・広報することであったり、ワクチンの供給量、時期をいち早く自治体に示すことなどを国に対して求めてきたところでございます。
今後、接種が進んでいく中で、安全性、有効性、副反応などの知見について、速やかに、かつ分かりやすく周知が図られるよう引き続き全国知事会のワクチン接種特別対策チーム等を通じまして、国に対して求めてまいります。 また、今月15日には国と自治体との連携を一層強化するため、厚生労働省内に自治体サポートチームが設置をされました。このチームには、本県からもリエゾン職員を派遣をしております。このサポートチームを通じまして地域の実情や現場の声を届けるとともに、積極的な情報収集にも努めてまいります。
県といたしましては、国からの情報はもとより3月上旬からの医療従事者等向けの優先接種や、その後の高齢者向け接種など、ワクチン接種を進める中での副反応等の情報や、ワクチンの配送先につきましても県民の皆様に可能な限り幅広く発信してまいりたいと考えておりまして、そのための体制の強化を現在検討中でございます、速やかに整えたいと考えております。 以上でございます。
- 【毛利栄子議員】
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◆毛利議員
クラスターの発生状況等につきましては、国と同様の傾向があるということが分かりました。
年度末や年度初めを控え、3月20日から4月9日を感染対策強化期間として知事メッセージが発せられています。人の移動や会食によって感染爆発が起こった第3波の年末年始と同じ状況にならないか心配です。医療機関や介護・福祉施設などに従事されている皆さんや、入院・入所されている皆さんの安心を担保するために、検査の抜本的拡充が重要だということを重ねてお願いさせていただきます。
長野県DX戦略について
- 【毛利栄子議員】
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◆毛利議員
長野県DX戦略について企画振興部長に伺います。
国のデジタル庁創設やコロナ禍もあり、デジタル化が一気に進められようとしています。県はスマート自治体を推進するとして、県と市町村の共通業務に着目して共同利用を推進し標準化するとしています。
各種給付事業には自治体ごとに違いがあり、個人情報もそれぞれの自治体の条例で規制されています。行政の効率化の名の下に共通化、標準化を進め、行政データを最終的に国が一元管理し民間活用するようになれば地方自治がないがしろにされ、職員削減や民営化が進みきめ細かな住民サービスの後退にならないか懸念されますが、そうした心配はないか。企画振興部長に伺います。
- 【企画振興部長】
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長野県DX戦略に関しましてお尋ねです。
まず、市町村の情報システムの共同化、標準化によって、職員が削減されるなどによって住民サービスの後退につながるんじゃないかというお尋ねですけれども、国におきましては、市町村の情報システムの共通化、標準化に当たりまして、住民サービスの安定向上と業務の円滑化、効率化を旨といたしまして、各自治体の取組状況等をきめ細かく把握し、丁寧に意見を聞きながら推進していくとしております。
県といたしましても、諏訪地域をはじめ県内市町村で行われています共同化の取組も参考に、地域の実情を踏まえ最適な形で進められるよう支援していきますとともに、市町村間の取組に齟齬が生じないように国に要望してまいります。
人口減少に伴いまして職員の確保が困難になりつつある中で、複雑多様化する住民ニーズに迅速、的確に対応し、質の高い行政サービスを安定的に提供できるようにするため、行政事務のデジタル化を推進してまいります。
- 【毛利栄子議員】
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◆毛利議員
県内では既に広域処理されている地域も幾つかあり、システムが変わればスキルも変わり、現に使用しているICT機器の更新時期も違うため、移行に伴うリース料の解約も生じてきます。広域処理されている地域の課題をどう検討されているのでしょうか。
また、小規模自治体では、デジタル化を専門に担当する職員の確保も難しいと思われますが、どのような支援策を考えているか伺います。
- 【企画振興部長】
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情報システムが広域処理されている地域の課題に関する検討と小規模自治体への支援策ということですけれども、既に広域処理されています地域の課題ということですが、国は市町村の主要な17業務を処理する情報システムの標準化、共通化を2025年度までに進めるとしております。
このシステム移行経費につきましては国費で支援するとしておりまして、通常5年程度でとされております機器更新の時期に合わせてシステムを移行することによりまして、負担を抑制することができると考えております。 現在、国が検討しております枠組みの詳細が判明次第、県内の全市町村が参加いたします先端技術活用推進協議会におきまして、市町村と連携して課題を共有し、諏訪、上伊那などの先行事例も参考にしながら、取組の方向性について検討してまいりたいと考えております。
また、小規模自治体の支援ということですけれども、県におきましては来年度新たにDX推進課を設置いたしまして、これを核として、今、述べました協議会ですとかパートナー連携協定締結企業からの人材の派遣、さらには国で現在予定されております外部人材確保のための制度も活用しながら、小規模自治体の負担軽減と人材確保を支援してまいりたいと考えております。
- 【毛利栄子議員】
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◆毛利議員
デジタル化の一環としてキャッシュレス化が叫ばれているさなかに、ドコモ口座を通じた銀行預金の流出などが表面化して被害が拡大し、セキュリティー対策の脆弱性を露呈しました。行政サービス情報をデジタル化する場合、プライバシー保護やセキュリティー対策などはどのように検討されているのでしょうか。
- 【企画振興部長】
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デジタル化を進めるに当たってのセキュリティー対策ということですけれども、行政事務のデジタル化の進展に伴いまして、情報セキュリティー対策は一層重要になっていくと認識しております。県におきましては、平成14年度に定めました情報セキュリティーポリシーに基づきまして、人的、技術的両面から二重三重の対策を講じているところであります。
令和4年7月の情報ネットワーク更新に合わせて実施いたします次期情報システム整備におきましては、基本的にパソコンにデータを保存しないというシンクライアントシステムを導入してセキュリティー対策をさらに強化し、県の情報資産の漏えいや不正アクセスなどの脅威からしっかり守っていきたいと考えております。
また、先ほどの協議会を通じまして、市町村とも情報を共有しながらセキュリティー対策を進めてまいりたいと考えております。
- 【毛利栄子議員】
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◆毛利議員
6年たってもマイナンバーカードの取得が僅か国民の25%と進まない中で、健康保険証や免許証などにもひも付けされる動きがありますが、マイナンバーによる個人情報の国による管理に懸念を示す県民も少なくありません。カードの取得を強制すべきではないと考えますが、いかがでしょうか。
- 【企画振興部長】
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マイナンバーカードの取得を強制すべきでないということでありますけれども、国ではデジタル社会の構築のため、令和4年度末にほぼ全国民にマイナンバーカードが行き渡ることを目的としております。
こうした中、マイナンバーを用いた個人情報の名寄せが行われ、集約された個人情報が漏えいするのではないかといった懸念の声があることも事実であります。この点に関しましては、国は、各行政機関が管理いたします税や年金などに関する個人情報が、マイナンバーによって一元管理されているわけではないことから、これらの個人情報が芋づる式に漏えいすることはないとしております。また、マイナンバーカードには様々なセキュリティー対策が施されております。
国においては、さらなるマイナンバーカードの利便性向上について検討しておりまして、多くの方が安心してそれらの利便性を享受できるよう、その普及に向けた取組を市町村とともに進めてまいります。 以上です。
BYODによる一人1台端末所持方針について
- 【毛利栄子議員】
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◆毛利議員
BYODによる1人1台端末所持方針について教育長に伺います。
県教委は、高校1年生のタブレット所持率が現状では5.4%とされている中で、新1年生には全員一斉に購入、所持させる方針を示していましたが、現場から混乱の声を受け過日スマホでもいいと変更しました。
過去に学校徴収金の多さが問題化し、学校徴収金の基本的考え方を策定し必要最小限の徴収を求めてきた経過もあります。しかし、その努力にもかかわらず、この10年で高校全日制の学校徴収金は1.7倍、年間8万9,000円と過去最高になっています。
コロナ禍で家庭の生活環境が困難になる中、制服や運動着、通学定期代に加え、さらにタブレットを個人持ちにさせれば、新たな負担を強いることになり、あまりに乱暴で配慮がなさ過ぎると思いますが、どのような経過でこのような方針が示されるに至ったのか。また、見直しした理由について教育長に伺います。
- 【教育長】
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BYODによる1人1台端末方針を示した経緯等についてのお尋ねでございます。
GIGAスクール構想によりまして、今年度中に県立高校の校内Wi-Fi環境がほぼ整うことになります。また、令和2年度2月補正予算案で、国の補正予算を活用し低所得者世帯等の生徒が使用するタブレット端末を貸与する予算をお願いしているところであります。
そういったことを鑑みまして、令和3年度から生徒が保有するスマートフォン、またはタブレット端末による1人1台端末を活用した学びの充実を全高校で目指しているところでございます。
生徒が自分の日常生活の道具としてICT機器を自在に使えることが必要な時代となっているというふうに考えております。一方で、学校の備品として整備しそれを家庭において使用する場合は、何らかの制限をかける必要が生じることとなります。
このことから、高校段階においては端末はBYODとし、生徒が日常で自由に使えるようにする中で学習にも自立的に活用できるようにしたいというふうに判断したところでございます。
また、令和4年度からは中学校において1人1台タブレット端末の環境で学んできた中学生が高校に入学してまいります。そうした生徒については、BYODの端末としてタブレットの活用が望ましいと考えたところでありますが、令和3年度の入学生からの先行導入の可能性についても検討したところであります。このため、各学校に対してその検討を依頼したところでありますが、導入を進めたいという声がある一方、準備期間が必要であるということなど様々な声が寄せられたところでございます。
それを踏まえまして、令和3年度入学生については、スマホ、またはタブレットの活用によるBYODとしたところでございます。
- 【毛利栄子議員】
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◆毛利議員
令和4年度は、中学校で1人1台端末を経験した生徒たちが入学してきます。令和4年度はどういう方針にするのか伺います。市町村では1人1台端末を公費で用意し、通信費も公費で負担しているところがあります。本来は、市町村のように県予算で措置し貸与すべきと考えますが、いかがでしょうか。
- 【教育長】
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1人1台端末、令和4年度の方針ということでありますが、先ほどご答弁申し上げましたように、令和4年度の入学生からはBYODの端末としてタブレットの活用が望ましいというふうに考えております。その場合、クラウド化に伴って見直すことのできる教材費等、例えば、今まで導入してきた電子辞書をやめたり、あるいは紙ベースの教材を転換したりするなど様々な工夫が考えられるのではないかというふうに思っております。
各学校の実態も様々でありますので、BYODによる豊かな学びと、保護者負担の軽減の両方の課題について検討を重ねてまいりたいというふうに考えております。
- 【毛利栄子議員】
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◆毛利議員
教育長に再度伺いたいと思います。今ほど、令和3年度の所持の問題については、各学校に投げかけたところ、いろいろな声があり見合わせることにして、スマホでもいいようにするというようなお話でございました。
そもそもICT教育の推進ということで、教育上最低限必要な機器ということであるならば、個人持ちにさせずにきちんと予算要求すべきものではないかと思います。スマホでもいいという考え方も、あまりに安易だと思います。画面が小さく目を酷使し、健康上よくありません。教育委員会として知事部局に予算要求する必要があると思いますけれども、その考え方について伺います。
- 【教育長】
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BYODの端末、あるいは実際に授業等で活用する端末として、スマホではなくてタブレット端末、それを予算要求すべきではないかというお話でございます。
今回タブレット端末のみならず、スマートフォンについても、自ら所有している端末を学校の授業でも、また家庭でも活用できるということをまずは進めていくべきだろうと思っております。
学校における授業の活用については、どういう活用方法が望ましいかということについてもしっかり検討する中で、ICT教育、あるいはICTの活用が最も有効な方法は何かということを検討していきたいというふうに思っております。
- 【毛利栄子議員】
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◆毛利議員
知事に今の問題で伺わせていただきたいと思います。
やり取りをお聞きいただいたかとは思うんですけれども、学校教育の中で必要だということで、しかも義務教育の中では国からもお金が出て全員1人1台持たせている。義務教育じゃなくて高校は自由だという考え方もありますが、進学率はほぼ99%、こういう中では、やはり必要な機器として行政がきちんと手立てをして貸与する、そのことが筋だと思います。
知事、公立高校の全生徒に公費で持たせるには、およそ13億円あれば足ります。これは新年度予算の僅か0.12%です。学びの県づくりを標榜する長野県です。ぜひ公費購入での貸与を検討していただきたいと思いますが、いかがですか。
- 【知事】
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GIGAスクール構想、高校生のデバイスをどうするかというご質問でありますけれども、私も今、質疑のやり取りを伺っていて、教育委員会を呼んで少し状況を把握しなきゃいけないなというふうに思いながら、そこでご質問を伺っていました。
BYODで、これは教育長からご答弁させていただいたように、やはり家庭でも使える自分の使いやすい端末を使うということは、基本的に私は是としているところでありますけれども、今後このICT教育をしっかり進めていく上で、スマートフォンの利用というようなことであったり、あるいは低所得者対策、これは端末の購入だけじゃなくて通信費の問題等も出てくるわけでありまして、そうすると、これは教育委員会だけの問題ではなくて、かなり予算が重要なポイントになってきますんで、そういう意味で、予算編成権、提出権は私にありますので、教育長とどういうやり取りが学校との間で行われて、どういう判断をしているのかということは十分聞き取らせていただいた上で、県全体としての方針をしっかり固めたいというふうに考えています。 以上です。
2050ゼロカーボンを目指す取り組みについて
- 【毛利栄子議員】
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◆毛利議員
2050ゼロカーボンを目指す取組について環境部長に伺います。
諏訪湖の御神渡りに期待が集まりましたが、今年も残念ながら出現しませんでした。八剱神社関係の皆さんが連日湖上に出て観察をされていましたが、600年前からの詳細な記録があるとのことで、諏訪湖にまつわる地球温暖化の進行が、研究者の手で解かれようとしていることは興味深いことです。
ゼロカーボン戦略が、環境審議会の地球温暖化対策専門委員会で検討されており、令和3年度に策定される予定になっていますが、現在の進行状況と今後の予定、また戦略の柱についてお聞かせください。
- 【環境部長】
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ゼロカーボン戦略に関しましてご質問を頂戴いたしました。
1点目、ゼロカーボン戦略の策定状況、戦略の柱についてのお尋ねでございます。
ゼロカーボン戦略につきましては、昨年11月に環境審議会に策定を諮問し、地球温暖化対策専門委員会において、専門的な見地からご議論をいただいているところでございます。並行いたしまして、庁内にゼロカーボン戦略推進本部を設置いたしまして、部局横断で施策の構築を進めてきております。
また、県民の皆様の思いやご意見を計画に反映させるため、産業界など関係団体との意見交換や県民と知事が直接対話するゼロカーボンミーティングを開催するなど、県民総参加での計画づくりを進めているところでございます。
こうした過程を経まして、今月5日にはゼロカーボンを目指す上でポイントとなります交通、建物、産業、再エネ、学び、及び吸収・適用の各分野を柱とする重点施策案を公表いたしました。この重点政策案について県民の皆様と対話の機会を持ち、いただいたご意見やアイディアを反映した形で、新年度のできる限り早い時期の策定を目指してまいります。
- 【毛利栄子議員】
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◆毛利議員
2050年といえばあと30年ですけれども、2030年、SDGsの目標に合わせて2030年の目標をきちんと示す必要があると思いますが、そのことについても伺います。
- 【環境部長】
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2030年度の数値目標についてのお尋ねでございます。
ゼロカーボン戦略自体は、2050年を見通しながら、2030年までの10年間で重点的に取り組む施策を戦略に盛り込んでいくものでございます。
その2030年度の目標値につきましては、ゼロカーボン戦略の前身であります環境エネルギー戦略の策定段階におきまして、気候危機突破方針でお示しした2050年度の目標値と、2020年度の見込み値を直線で結んだ値を2030年度の値といたしまして、専門委員会にお示ししております。具体的には、2030年度の最終エネルギー消費量を、2010年度比34%減の13万2,000テラジュール、再生可能エネルギー生産量は同じく85%増の4万1,000テラジュールとする案となっております。
ゼロカーボン戦略における2030年度目標値につきましては、引き続き専門委員会のご意見も伺いながら設定してまいります。
以上でございます。