2022年9月定例会 高村京子議員一般質問
1.国保運営の課題と国保料の軽減に向けて
- 【高村京子議員】
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国保運営の現状と今後の方向について健康福祉部長に伺います。
2018年度から国民健康保険の運営主体が都道府県管理となり、県が市町村に必要な納付金をお願いし、保険給付は県が責任を持って支払うことになりました。
そこでこの5年間を振り返り、国保運営の現状と課題を伺います。
県内全世帯の約33%が国保世帯です。高齢者などの年金生活者に加え、非正規雇用者が増えて、加入世帯の所得水準は低く、保険料は平均で所得の15%と高く、受診を控えて病状が悪化し、手遅れになる人も出ています。また長野県は、被保険者3,000人以下の町村が43あり、自治体格差が大きいことなど、構造的課題が他県と比較しても顕著です。
県は昨年3月、長野県国保健康保険運営方針を策定しました。国民健康保険制度が抱える課題と対応について、どのように捉え、進めようとされているのか伺います。
- 【健康福祉部長】
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国民健康保険につきまして、御質問を頂戴しております。
まず、長野県の国民健康保険の課題と解決に向けた取組についての御質問でございます。
本県の国民健康保険におきましては他県と比べて被保険者の年齢構成が高く、また小規模保険者が多いという特徴がございまして、御指摘のとおり保険料の格差も大きいといった状況がございます。
こうした中、今後も被保険者数の減少と1人当たり医療費の増加が見込まれることから、保険料水準等の平準化により公平性を高めることで、個別の市町村を超えた大きな枠組みで医療費を分かち合うという制度をより安定的なものとしていく必要があると考えております。
このため県では、市町村と協議の上、令和2年度に策定をいたしましたロードマップに従いまして、納付金の算定に反映する医療費指数の原則、二次医療圏単位での統一を図っていく、あるいは保健事業による医療費指数の格差の縮小を図っていく、こうしたような保険料水準等の平準化の取組を進めているところでございます。
- 【高村京子議員】
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今年5月の長野県保険医協会の調査によれば、滞納世帯は全世帯の15.6%、3万6,210世帯あり、保険証が未交付世帯も663世帯、短期保険証は5,793世帯あります。
一般財源からの繰入で、保険料の値上げを抑える努力をしている自治体もあります。一般財源からの繰入はなくす方針ですが、市町村の独自の努力を尊重すべきと考えます。
所得に占める保険料割合、国の資料では、保険料率比較では、協会けんぽ、事業主負担を含めまして7.5%、組合健保で5.8%ですが、国保では約15%と、3倍、4倍の負担となっているのが現状です。2019年の県内国保1世帯当たりの年間所得は60万7,000円余、保険料は約9万円、負担が非常に重いです。
滞納世帯に対する福祉的対応が大切ではないでしょうか。この点で、市町村に対しどのように助言されているのか伺います。
- 【健康福祉部長】
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滞納者に対する対応でございます。
滞納者への対応につきましては、特別な事情の有無の把握を適切に行うことや、納付相談の機会を確保することなどが大変重要であると考えております。そこで市町村が法令に基づいて、滞納者に対し、短期被保険者証や資格証明書を交付する際、戸別訪問等により実態把握に努める、資格証明書の交付までには可能な限り短期被保険者証を活用し、滞納者との接触の機会を確保するよう努める、保険税の減免制度や生活保護等の保険窓口の周知を行い、滞納者が相談しやすい環境を整えるといった点に留意した上で交付するよう市町村に助言をしております。
- 【高村京子議員】
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特に子供に係る均等割の負担が重く、平成29年度では、医療分、後期高齢者分、介護分の負担を合わせると、県平均で3万5,000円余りにもなります。均等割の負担軽減を日本共産党県議団は求めてきました。ようやく今年度4月からの均等割の未就学児童の半額軽減が実施され、国が半額、県と市町村で4分の1ずつの負担で、均等割半額軽減となりました。この対象世帯と人数について伺います。
しかし、就学児童がいる世帯には恩恵がないのです。
栄村や(後日調査したところ、栄村は実施していませんでした) 南木曽町では、軽減措置の残り2分の1をこの4月に合わせ、独自に減免されました。長和町では、半額減免の年齢を18歳まで拡大しました。子育て支援として、軽減対象となる年齢の拡大を国に求めていただきたいがいかがでしょうか。さらに均等割の軽減、廃止に向けて、市町村と協議するなど努力を求めますが、いかがでしょうか。
- 【健康福祉部長】
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未就学児のいる世帯数に等についてでございますが、均等割の軽減措置の対象となる未就学児のいる世帯数、人数は、令和4年8月末日現在で6,611世帯、8,686人となっております。
軽減世帯の拡大について国に要請してほしいという御質問でございますけれども、子育て世帯の負担軽減という今回の軽減措置の趣旨にのっとりまして、これまでも全国知事会を通じ、また、県単独でも対象範囲や軽減割合のさらなる拡充について国に要望してきたところでございまして、今後も引き続き要望を行ってまいります。
それから、均等割の軽減廃止に向けて県も努力してほしいという御質問でございます。国民健康保険料、保険税の均等割の賦課や、あるいは今回の未就学児に係る軽減措置は、国民健康保険法等の法令に基づくものでございまして、それらを自治体が独自に廃止したり、あるいは国の基準を超えて軽減するといったことはできない仕組みとなっております。
今回の未就学児に係る軽減措置が導入された昨年6月の健康保険法等の改正の際には、市町村や都道府県等における財政状況等を勘案しながら、対象者や減額幅のさらなる拡充を引き続き検討することという参議院厚生労働委員会の付帯決議がなされていることから、県といたしましては、対象範囲等の拡充を国に要望しつつ、国の動きを注視してまいりたいと考えております。
- 【高村京子議員】
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国による新型コロナ感染症での国保減免制度ができました。令和元年から3年まで、この減免制度を利用できた世帯はどうでしょうか。今年度末3月の終了となっていますが、減免する市町村への支援を継続し、さらに延長するよう求めていただきたいが、いかがでしょうか。
- 【健康福祉部長】
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コロナによる減免を受けた世帯数でございますが、市町村国保におきまして、令和元年度から令和3年度までに減免を受けた世帯数は6,674世帯となっております。令和5年度以降の国の財政支援の継続については既に国に要望しておりまして、今後も機会を捉えて国に要望してまいりたいと考えております。
- 【高村京子議員】
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新型コロナ感染拡大で困窮する皆さんが増えています。さらに現在は、物価の高騰が家計と営業を直撃しており、保険料負担がさらに重くなれば、まず食料を減らすとも言われます。命と健康を守る国民皆保険制度の役割は大きいはずです。
国はかつて国保税財源の5割を負担していましたが、今は2割台に減らされており、加入者と自治体の負担は増しています。そもそも社会保障制度として問題が山積です。国に対し、国保への財政支援を拡充するよう強く求めていただきたい。県としても高い国保料の軽減に市町村とともに努力をしていただきたいがいかがでしょうか。以上、健康福祉部長に伺います。
- 【健康福祉部長】
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国民健康保険に対する国による財政支援についてでございます。国に対しましては、国に定率負担の引上げ、財政調整交付金の実質的増額の維持、低所得者に対する保険料の軽減措置の拡充、非自発的失業等の自治体の責めによらない要因による医療負担への対応などにつきまして要望を行ってきており、今後も持続可能な国民健康保険制度の確立に向けて、財政支援の維持・拡充を国に要望してまいります。
保険料を軽減させるための努力をしてほしいというお尋ねでございますが、保険料を軽くしていくためには、保険者に交付される公費の獲得、それから、医療費の適正化、収納率の向上などが重要だと考えております。
現在県といたしまして、医療費適正化に向けた取組等に応じて交付される保険者努力支援制度交付金の獲得の支援、あるいは圏域市町村の健康課題を明確化し専門的助言を行う各種保健事業の実施、データ分析に基づく市町村データヘルス計画の策定支援、ワーキンググループによる収納率向上のための取組の検討等に取り組んでいるところでございまして、今後も保険料の軽減に向けて市町村とともに努力してまいりたい。以上でございます。
2.長野県森林づくり県民税の検証について
- 【高村京子議員】
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続いて、長野県森林づくり県民税について伺います。
森林づくり県民税は平成20年度から導入され、現在は3期目、今年度末で一旦終了となります。特に3期目の活用状況はどうでしょう。毎年度の税収、予算、決算の状況、取組の中心である間伐の実績を伺います。
- 【吉沢林務部長】
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森林づくり県民税に関連してお答えをさせていただきます。
第3期の実績についてですが、第3期における森林づくり県民税の税収は、各年ほぼ同額で約6億8,000万円となっております。予算に関しては、最も多い年が令和2年度で約10億8,000万円最も少ない年が令和4年度で約6億9,000万円となっており、決算に関しては、最も多い年が令和2年度で約10億4,000万円、最も少ない年が平成30年度で約5億6,000万円となっており、御質問の里山の間伐につきましては、第3期では2,800ヘクタール余りを実施する見込みでございます。
- 【高村京子議員】
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当初から一番の目的は、森林機能の健全化のために、里山の森林に手が入っていない荒廃した森林の間伐が目的ですが、3期目では林務部以外の事業にも拡大されました。これについてどのように振り返り検証されているのか伺います。
- 【吉沢林務部長】
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使途拡大に対する振り返りについてです。第2期末の議論の中で、みんなで支える森林づくり県民会議の皆様から、対象地域を里山に限定せず、森林への多様な要請に応える施策が必要との御意見もあり、第3期から林務部以外の取組にも税財源を活用してきたところです。
他部局関連の主な取組の状況を見ると、エコツーリズムガイドの育成や自然教育野外教育の推進のように新型コロナウイルスの感染拡大の影響から一部事業の実施が困難なケースがあった一方、信州やまほいく認定園の活動フィールドの整備については、令和3年度末で箇所数が目標の8割、また河畔林の整備については、目標箇所数の整備が行われるなど、各事業の進捗に差はありますが、多様な県民ニーズに一定程度応えることができたと考えております。
- 【高村京子議員】
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次期森林づくり県民税は、再造林事業に大きくシフトする方向を示されました。再造林では、今までは年に250ヘクタール前後実施されてきましたが、今後毎年160ヘクタールずつ増やし、令和9年度では1,000ヘクタールに約3倍もの再造林面積を目指すとされています。
この目標を実現するためのマンパワーはどのように確保するのか伺います。実現可能でしょうか。大きな疑問があります。大北森林組合不正事件では、マンパワーもない中、予算消化のために無理な事業の押し付けが原因とも言えます。
- 【吉沢林務部長】
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造林事業のマンパワーの確保についてです。
今後増加する再造林を着実に進めていくためには、植林やその後の下刈り等の保育作業の従事者を確保していくことが必要になりますが、夏場に業務が集中するため、林業事業体に通年で雇用される従事者だけでなく、より多くの人が林業に関わる仕組みが重要です。
このため従来から実施している新規就業者の確保、技術の習得、就労環境の改善の取組に加えて、次期森林づくり県民税を活用した他産業との兼業や季節的な雇用など、多様な林業の担い手の確保に向けた検討を進め、段階的に増加していく再造林への対応を図ってまいります。
- 【高村京子議員】
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国による森林環境税は、2024年度から世帯1,000円の課税がなされます。既に活用事業は前倒しで実施されています。人口割の比率が多く、小規模町村では対応職員が少ないなど、現状に合わない制度設計になっているとも聞かれます。森林環境譲与税についての活用の目的と市町村の活用状況、また県の市町村に対する役割についても伺います。
- 【吉沢林務部長】
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森林環境譲与税の活用の目的と市町村の取組状況、県の役割についてです。
森林環境譲与税については、市町村が主体となり、これまで森林所有者による手入れがされてこなかった森林の管理を持続的に進めることを主な目的としています。譲与税を活用した取組状況ですが、令和4年度では全市町村への譲与見込額のうち約7割が当初予算において事業化されています。
また、令和3年度までに事業化された取組においては、所有者に代わり市町村が行う間伐やそのために必要な意向調査、作業道整備などに関する施策が全体の9割弱を占め、そのほか木材利用や担い手確保などに活用されています。
県の役割ですが、令和元年度から本庁に専任職員、地域振興局に支援員を配置する森林経営管理支援センターを設置し、市町村職員向けの研修、経営管理制度の事務マニュアルの作成、GIS情報の整備など、市町村が譲与税を活用して行う取組の支援などを行ってきております。
- 【高村京子議員】
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コロナ禍での地域経済の落ち込み、さらに諸物価高騰が暮らしを直撃し、賃金は増えるどころか減っております。家庭は厳しさを増しています。県独自の森林づくり県民税と国による森林環境税の負担も重なります。県としての森林づくり県民税活用事業は、本来一般財源を充てるべきではありませんか。以上、林務部長に伺います。
- 【吉沢林務部長】
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県民税活用事業に一般財源を充てることについてです。
今回の基本方針案でも触れさせていただいておりますが、県の財政状況は高齢化等による社会保障関係費の増加や、防災減災対策の強化に伴う県債残高の増加等により、今後も引き続き厳しい状況が継続する見通しであることから、森林林業の課題にさらに取り組むためには、一般財源等のみでは難しい状況と認識しております。
主伐再造林の推進など2050年ゼロカーボンを実現し、林業県への飛躍を図るため、喫緊重要な施策を進める上で重要な財源として、森林づくり県民税の延長をお願いしたいと考えておりまして、県民の皆様に御理解いただけるよう、丁寧に説明を行ってまいりたいと考えております。以上です。
3.高校改革・高校再編等について
- 【高村京子議員】
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高校改革について、教育長にお伺いします。
学びの質的な低下を、手をこまねいて看過することはできない。少子化が進む中、多様な学びの場の創造を掲げて新たな学びの推進と再編・整備の方針を示されました。こうした改革の方向は必要と考えますが、さらに教職員の多忙化、長時間勤務が心配されます。どのように対応されているのか伺います。
- 【内堀教育長】
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御質問を頂戴しました。順次お答えを申し上げます。
まず、高校改革の推進と教職員の長時間勤務等への対応についてでございます。
県教育委員会では、平成30年9月に策定した「高校改革~夢に挑戦する学び~」実施方針に基づき高校改革を推進しているところですが、合わせて働き方改革にも積極的に取り組んでいるところです。
例えば、部活動における外部指導者、部活動指導員の活用、教員業務支援員の配置など、外部人材の活用とともに、統合型校務支援システムの導入など、ICTの活用により、教員の業務負担軽減を図ってきているところであります。
このような取組により、令和元年度から令和3年度までの直近3年間の教職員の時間外在校等時間は、平成30年度比で70%から90%程度になってきており、その縮減が図られていると認識しておりますが、引き続き、教職員の働き方改革を推進してまいります。
- 【高村京子議員】
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高校再編では、少子化ばかりがクローズアップされているように感じております。内堀教育長は、再編整備第三次案の説明会、そのビデオ御挨拶で、「誰一人取り残すことなく子供たち中心に考える」と表明されています。多様なニーズを持った子供たち一人一人に対応できる温かい高校改革が、今こそ求められていると思います。
再編計画では、89校から1期で11校の減で78校、さらに2期の計画では15校ほどの閉校の名前が挙がっていますし、再編基準に照らすと、さらに広がる可能性もあると思います。地域に根づいた高校がなくなるのではないか、普通高校がなくなる地域がさらに広がるなど、たくさんの懸念があります。第2期再編計画の策定は、どのような考えの下、検討されてきたのか伺います。
- 【内堀教育長】
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第2期高校再編における高校配置の考え方についてでございます。
2007年度から12年間にわたって進めた第1期高校再編においては、全ての高校に対して同一の再編基準を設定していましたが、今期の計画を策定するに当たっては、県道が広く中山間地が多い本県の地理的特性を考慮し、都市部存立校と中山間地存立校という二つの区分を設け、規模や立地の特性を生かした高校作りを目指すとともに、都市部にも中山間地にも高校が存立する状態を将来にわたって可能な限り維持することを念頭に置いて、県立高校の再編を進めることとしています。
具体的な再編計画の策定に当たっては、高校教育の将来像を地域とともに検討するため、高校の将来像を考える地域の協議会を設置いたしました。その協議会からの意見提案を基に、現行の4通学区ごとに、長野県の子供たちが高校進学に際して、通学可能な範囲でほぼ同一の選択肢が確保されるよう配慮いたしました。本年5月公表の再編・整備計画三次案までは、旧12通学区ごと段階的に示してきた計画は、全てこのような考えのもとに策定したものでございます。
- 【高村京子議員】
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県教育委員会は、高校再編・整備計画の説明会を大変精力的に開催されておいでになりました。私も2か所の説明会に参加させていただきました。会場の発言では、参加者が少ないがどのように説明会を周知したのかなどの御意見がありました。大きな再編計画ですが、多くの県民の皆さんに知らされていないと思っております。一番生徒や保護者のことを理解している高校現場の教職員の意見反映も大事と考えます。再編校においてどのように議論されているのか伺います。
- 【内堀教育長】
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高校再編対象校での教職員間の議論についてでございます。
既に決定した再編・整備計画一次、二次分の再編対象校では、統合新校ごとに新校再編実施計画懇話会を設置し、地域の自治体や企業、対象校の同窓会、PTA、生徒の代表等の参画を得て、目指す学校像をはじめとした新たな高校づくりの検討を行っております。懇話会には、対象校の校長、教職員も構成員として参加するとともに、各校の中に準備委員会等を組織し、教職員が校内議論を重ね、新たな高校づくりを進めているところでございます。
県教育委員会としては、統合新校ごとの再編実施計画の策定に当たっては、現場のことを最もよく知っている教職員の主体的かつ積極的な関与が不可欠と認識しております。今後とも懇話会や各校の準備委員会等を通じて、教職員の意見を反映しながら、学校現場とともに、将来の子供たちのことを第一に考えた新たな高校づくりを進めてまいります。
- 【高村京子議員】
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再編後の入学者となる小学校、さらに中学生やその保護者も含めて、もっと子育てをしている世代にも広く周知し、関係者の御意見を聞く機会が必要ではありませんか、見解を伺います。
- 【内堀教育長】
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高校再編計画の県民への周知についてでございます。
まず、昨年9月までに確定した再編・整備計画一次、二次についてですが、これまで市町村教育委員会を通し、小中学校等に周知するとともに、旧通学区ごとの住民説明会等でいただいた御意見と併せ、現在、県教育委員会のホームページに掲載しております。
また本年5月に公表した再編・整備計画三次案については、関係する旧通学区内の小・中学校に加えて、全ての特別支援学校に周知しています。さらに7月から9月にかけて、再編対象校の所在する自治体を中心に県内19の会場で延べ42回の住民説明会を開催するなど、計画案を地域住民に説明し、意見を伺っております。
特に子育てに忙しい小・中学生の保護者や新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、住民説明会に参加することを躊躇する県民も多いと考え、8月29日に説明動画をホームページで公表するとともに、オンラインによる意見募集も行っているところであります。
- 【高村京子議員】
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定時制の再編計画案が示されました。定時制は不登校や外国籍など様々な生活、学習歴のある子供たちの学びの場として役割を果たしてきました。定時制で救われたと感謝する保護者の発言もたくさんあったと思います。今回の再編整備案で、こうした定時制を希望する子供のニーズを満たすことができるのか伺います。
- 【内堀教育長】
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定時制高校を希望する子供のニーズへの対応についてでございます。
現在の定時制高校では働きながら学ぶ勤労青少年が減少する中、多様な学習歴、生活歴等、様々な背景を持つ生徒が増加しています。そのため、勤労青少年に高校での学びを保障するという従来の役割に加えて、多様な生徒の学び直しの場、進学や就職など、将来の進路を見据えての学びの場、さらに積極的に自己実現を図る場としての役割を担っている状況であります。
こうした状況を踏まえ、高校改革の中で、通学の利便性を考慮しながら、多様な生活学習スタイルに合わせ、生徒自らが柔軟に学びをマネジメントする新しいタイプの学校を設置するとともに、夜間定時制を適正に配置することにより、個々の生徒に寄り添い、多様なニーズに柔軟に応えられる学びの環境を整備していきたいと考えております。
- 【高村京子議員】
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特別支援学校の高等部の生徒が増えて、養護学校は定員オーバー状態が続いております。障害のある子もない子も、地域で共に学ぶインクルーシブ教育への方向が求められていますが、高校再編・整備計画での議論をされたのかお伺いします。
- 【内堀教育長】
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高校再編計画でのインクルーシブ教育に関する議論についてでございます。
2018年9月に公表した「高校改革~夢に挑戦する学び~」実施方針において、特別支援教育の充実についての方針を示しております。高校再編・整備計画の策定に当たっては、関係する課室間で連携し、議論を重ねてまいりました。
- 【高村京子議員】
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高校での特別支援教育の充実に向けて、現状と今後の見通しについて伺います。
- 【内堀教育長】
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高等学校における特別支援教育の現状と今後の見通しについてでございます。
中学校の特別支援学級に在籍していた生徒のうち、本年度は約45%が公立高校へ進学しています。また、発達障害の診断のある高校生の割合は3.74%と、この10年間で4倍以上に増加しております。
このように高校では、障害のある生徒も含め、多様なニーズを有する生徒が共に学んでおり、生徒一人一人のニーズに応じた専門性の高い教育の提供が課題であると認識しております。
このため、通常の学校で学ぶ生徒が週の一定時間、障害の状態に応じた特別な指導を受けることができる通級指導教室を、現在県内3校に配置するとともに、特別支援学校3校に高校巡回専任教員を配置することなどにより、生徒それぞれの障害による学習上や生活上の困難さを改善、克服できるよう取り組んでおります。
今後は、通級指導教室の指導内容の充実やニーズを踏まえた増設の検討のほか、高校と特別支援学校との人事交流の促進や、各校の特別支援教育コーディネーターの連携強化による学校全体の特別支援に関する理解や支援力強化等を引き続き推進し、誰一人取り残されない、多様性を包み込む環境づくりに向け、特別支援教育の充実に取り組んでまいります。
- 【高村京子議員】
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100年近い歴史を持つ高校も増え、校舎の老朽化も進み、学習環境改善の遅れは深刻です。全ての県立高校と特別支援学校の普通教室にエアコンが設置されたことは歓迎します。
しかし、いまだ和式のトイレで我慢している学校があります。また、老朽化した箇所の修繕要望も、相当学校現場から出ていると思います。その要望に対する対策や、予算の確保状況はどうか伺います。再編整備高校だけでなく、現在の子供たちの学校環境の充実に修繕予算を増やし、加速してください。特にトイレの洋式化の改修計画について伺います。
- 【内堀教育長】
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県立高校の施設整備についてでございます。
県立高校の施設は、その約6割が昭和40年から50年代に建設されており、現在使用している施設の約8割が築後30年以上、約4割が築後40年を迎えることから、早急に老朽化への対策を取る必要が生じていると認識しております。
施設の老朽化対策については、本年度、修繕予算を増額し、各学校からの要望を踏まえながら、県の中長期修繕改修計画に沿った優先度に応じて、校舎の屋根や外壁、給水設備等の改修を行っております。また、トイレについては、かねてより和便器の洋式化やニオイの解消等、設備の更新に関する要望が多く寄せられていたため、令和元年度にトイレの使用実態調査を実施いたしました。
この調査結果に基づき、令和2年度より洋式化率の低い学校の生徒の利用頻度の高いトイレから、順次、床の乾式化や衛生器具の更新等、現在の家庭での生活様式を踏まえた計画的な整備に取り組んでいるところであります。
- 【高村京子議員】
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県立高校から遠距離に住む生徒は通学費の負担が重くのしかかっています。交通機関が不便のために家族が送迎する家庭もあります。通学費の支援について、県では遠距離通学費貸与制度がありますが、この制度の利用実績はどうでしょうか。また、家族による送迎費などを含む通学費補助を充実していただきたいがいかがでしょうか。以上、教育長にお伺いいたします。
- 【内堀教育長】
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高等学校等、遠距離通学費の利用状況についてでございます。
現在、高等学校等奨学資金貸付金制度の中で、遠距離通学費として、主たる会計支持者の全収入額が、4人世帯の場合、約790万円以下の者を対象に無利子で貸与しており、令和3年度の貸与実績は58名に対し1,204万円でございます。学校種別の内訳は、県立高校が14名、私立高校が44名で、貸付目的は、寮等の下宿代が39名、交通機関の運賃が19名となっております。
通学費補助についてでございます。通学費の補助制度につきましては、地域の実情を踏まえ、高校生への通学費補助を行っている市町村もあると承知しておりますが、県内の各市町村の考え方を尊重しつつ、生徒の教育環境を整えてまいりたいと考えております。以上でございます。
- 【高村京子議員】
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高校改革におきましては、未来ある子供たち、特に15歳の春を誰一人泣かせない、希望が持てる温かい対応を求めまして、一切の質問を終わります。ありがとうございました。