日本共産党長野県会議員団

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議会質問

2024年2月定例会 藤岡義英議員一般質問

  1. 防災減災対策、避難所・仮設住宅について
  2. ゼロカーボン社会実現のためにZEH住宅の建設促進について
  3. ゼロカーボン戦略のバージョンアップについて

防災減災対策、避難所・仮設住宅について

【藤岡義英議員】

 日本共産党県議団、藤岡義英です。順次質問を行います。
 最初に、能登半島地震により亡くなられた皆様に心からのお悔やみを申し上げますとともに、被災された皆様にお見舞い申し上げます。一日も早い復興を願います。
 能登半島地震発生時に、偶然、七尾市へ旅行で宿泊していた佐久市民の方からお話を聞く機会がありました。
 従業員の誘導で浴衣姿のまま近くの高台にある小学校へ避難。その後、体育館に案内されるが、暖房もなく凍える寒さ。仕切りダンボールもなく、冷たい床にただござが敷かれ、パイプ椅子があるだけ。しばらくして各教室も開放され、移動すると暖房があり、やっと助かったと思った。近くのコンビニやホテル、旅館からお菓子や飲み物、物資の提供があり、凍えながら暗い中で行列に並んで分け合った。ホテル、旅館から届けられた毛布や布団にくるまりながら、長い一夜を過ごしたとのことでした。
 今回の地震によって主要な道路インフラが寸断され、多くの集落が孤立しました。中山間地域が多い長野県も、決して他人事ではありません。
 そこで、避難所について幾つか質問いたします。
 県内で避難所に指定されている県有施設全てに、食料や飲料水、毛布、間仕切り用のダンボールや仕切り用テント、段ボールベッド、ストーブや灯油など、必要な物資を備蓄する必要があると考えますが、いかがでしょうか。

【前沢危機管理監兼危機管理部長】

 御答弁申し上げます。県有施設での物資の備蓄についてでございます。避難所は市町村が指定をしておりまして、県有施設を含め、避難所へ提供する物資の備蓄は基本的には市町村が行うこととなっておりまして、県はその市町村を補完するという立場から、広域での備蓄、それから民間企業との応援協定を進めることなどによりまして、必要な物資確保を行うということでございます。
 具体的には間仕切りや段ボールベッド、それから感染症対策としての活用可能なマルチルーム、それから避難ルームを備蓄しているほか、発災直後に必要となる食料や飲料水については、広域的な観点から、地域振興局や高校など県内19か所に分けて分散で備蓄を行っているというところでございます。
 またストーブや燃料についてですけれども、民間の企業・団体との協定を締結しておりまして、ここはいわゆる流通備蓄、自分で持つということではなくて流通備蓄により確保する体制を整えているところでございます。
 県としては引き続き市町村の備蓄を補完し、広域的な観点で災害に備えるとの視点に立ちまして、市町村の備蓄状況を踏まえながら、質量両面で県全体の備蓄のよりよい在り方を研究してまいりたいというふうに考えております。

【藤岡義英議員】

 先日、インスタントハウスが被災地に運ばれ、喜ばれているとの報道がありました。居住環境がスピーディーに構築されることが、災害関連死を防ぐことにつながります。こうしたインスタントハウスを、県としても市町村と連携し、平時から計画的にそろえておく必要があるのではないでしょうか。

【前沢危機管理監兼危機管理部長】

 インスタントハウスの備えでございますけれども、避難所環境の改善のためにプライバシーの確保は非常に重要だというふうに思っておりまして、県の避難所運営マニュアル策定指針でも、隣接者との間仕切りを設けることや、利用配慮者には特に屋内への簡易テントを設置することを推奨しているところでございます。
 報道によりますと、能登半島地震の発災後にダンボール製の屋内用インスタントハウスが被災地で活用されているということは承知しておりまして、避難所におけるプライバシー確保の有効な手段の一つだというふうに私どもも考えております。  防災用品は多くの企業から様々なものが、今、提示されておりまして、毎日のように私どものほうにも御提案というものをいただいておりますので、今後保管、輸送、費用対効果などを考慮した上で、県としても必要な物品を、随時、適宜備蓄するとともに、県内企業が取り扱う避難所の環境改善用品を市町村の皆さんにも紹介して知っていただいたり、あるいは体験していただくという機会を設けるなど、県を挙げて災害に対する備えの強化に努めてまいりたいというふうに考えております。

【藤岡義英議員】

 二次避難所については、食事を提供できる施設ではなかったり、駐車場代も自己負担だったりして、移動を断念する被災者や、突然2週間後に出ていかなければならなくなるなどの問題が起こっています。
 災害対策基本法には、災害応急対策責任者は、避難所における食料の配布など、被災者の生活環境の整備に必要な措置を取ることが努力義務とされています。
 県内では二次避難所はどの程度確保されているでしょうか。もし災害が発生した場合、県内の二次避難所ではそのようなことが起こらないように今から対応していただきたいと思いますが、いかがですか。以上、危機管理部長にお伺いします。

【前沢危機管理監兼危機管理部長】

 二次避難所でございますけれども、県では、県ホテル旅館生活衛生協同組合様と災害時における避難者の支援に関する協定を締結しておりまして、県内で大規模災害が発生した場合には、この協定に基づいて、ホテル、旅館をいわゆるみなし避難所、二次避難所として活用することとしておるところでございます。
 なお今回の地震では、県内のホテル旅館組合さんに対して呼びかけをしたところ、2月15日時点で178施設、3,092名分の受入れ可能な申出をいただいたところでございまして、本当に感謝申し上げるところでございます。
 今回の二次避難では、石川県でございますが、避難先での3回の食事提供とか、避難者の移動用にバスの用意など対応しているものと承知しておりますけれども、やはり離れた土地に行きたくないとか、あるいは親しい人とまとまった避難で動きたいというようなこともあって、なかなか二次避難が進んでないという現状は確認をしているところでございます。
 今後、私どもも地震対応の検証とか対策の見直しを行う中で、円滑な二次避難についても検討してまいりたいと思いますし、実は今言ったような二次避難が進まないことから考えますと、県民の皆様にも、これから耐震化を呼びかけたりするのと一緒で、ぜひともお知り合いとか親戚の方と、こういう災害のときにはどこに身を寄せたほうがいいのかということも含めて、自助、共助ということで考えていただくという対策も、県としても呼びかけていきたいというふうに思っておるところでございます。

【藤岡義英議員】

 仮設住宅に県産材を活用する取組について質問します。  2011年東日本大震災後の県議会で、私たちは、仮設住宅について、震災発生から2週間後、すぐに木造仮設住宅を建設していたという岩手県住田町の取組を紹介いたしました。当時の建設部長は、県産材を活用した木造応急仮設住宅の建設に係る協定を建設関係2団体と締結した、災害の状況や被災者の声等も踏まえつつ採用を検討するとの答弁でしたが、あれから10年以上がたちました。どのような検討がされたのでしょうか。
 長野モデルの木造仮設住宅を設計し、ふだんから一定の資材を確保し、いざというときに対応できるようにすべきではありませんか。建設部長にお伺いします。

【新田建設部長】

 私には木造仮設住宅について御質問いただきました。
 災害救助法による応急仮設住宅に関しては、迅速に供給し、被災された方に早急に入居いただくことが求められております。
 このため県では、速やかに応急仮設住宅の供与を行うため、プレハブ住宅、木造住宅、トレーラーハウス及びムービングハウスの関係団体と災害時における応急仮設住宅の建設に関する協定を締結しております。
 木造の応急仮設住宅については、積雪や寒冷地対策を行った長野県モデルの標準設計を既に作成済みであり、協定者において、建材や資材、労働者供給の手配を含めて迅速に対応できる体制を整えています。
 令和元年東日本台風の災害時も、木造仮設住宅について、2団地55戸を協定に基づき供給しました。木造住宅としては極めて迅速な、着工から1か月で完成引き渡しまで完了しております。
 引き続き、協定者と連携し、災害時には速やかな対応が図れるようにしてまいりたいと考えております。
 以上でございます。

【藤岡義英議員】

 防災対策として、トレーラーハウス、ムービングハウス、トイレトレーラーの普及・促進について質問いたします。
 長野県社協がトレーラーハウス2台を借りて、被災者支援を行う職員の宿泊所として能登町に設置したとの報道。また、志賀町へ仮設住宅として、トレーラーハウス10台が日本RV・トレーラーハウス協会に届けられたとのニュースなど、被災地を励ます取組として注目させていただきました。
 トレーラーハウスは全国各地に輸送が可能で、設置後すぐに活用できます。いつでも容易に動かすことができるために復興の妨げにもならず、災害に対応できる仮設住宅として最適なものの一つではないかと考えます。
 トイレトレーラーについても紹介します。被災地の仮設トイレは1月31日時点で1,143基設置されているとのことですが、上下水道の断水が続き家庭のトイレが使えないこともあり、まだまだ足りない状況が続いているとのこと。
 こうした中、被災者に少しでも快適な環境をと、トイレトレーラーが全国の自治体から20基、能登に集められているそうです。ただ、全国からにしては数が少なく感じました。トレーラーハウス、ムービングハウス、トイレトレーラーの災害時におけるその有用性がますます高まっています。
 県議会でも、これまでこれらの活用について提案がされてきました。当時の危機管理部長は、その利点を生かした効果的な活用について考えてまいりますと答弁されています。その後どのように検討されたでしょうか。
 長野県は地域防災計画に基づき、関係団体と協定を締結していますが、県も独自に平時から、備えておく必要があります。市町村と連携し、計画的に一定数購入し、災害時に備えて備蓄すべきではないでしょうか。他県で災害が発生した場合、一定の数を提供し、相互支援を行う、そうした防災対策が求められていると考えますが、いかがでしょうか。危機管理部長にお聞きします。

【前沢危機管理監兼危機管理部長】

 トレーラーハウスの有効な活用でございますが、トレーラーハウスは工期が非常に短くて、応急仮設住宅や福祉避難所など様々な用途に使用できる利点があるものというふうに考えておりまして、実際に令和元年東日本台風災害の際にも、長野市で応急仮設住宅として活用された例がございます。
 こうしたことから、県では、令和3年に一般社団法人日本RV・トレーラーハウス協会などと協定を締結しておりまして、備蓄ではなく協定という手法で災害時におけるトレーラーハウスの確保体制を整えたところでございます。今後トレーラーハウス等の活用セミナーのサポートですとか、市町村への有用性の周知などを通じて災害の備えに努めたいと思いますし、議員から、今、御指摘あったトイレにも使うということが有用であったということですので、現在の協定は住居だけということになっていますから、そこにトイレとしての活用についても追加をするというようなことも検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。
 以上でございます。

【藤岡義英議員】

 道路が寸断される場合があります。避難所に何をそろえておくべきか、今から市町村とともに検討をしっかりお願いしたいと思います。
 今、輪島市では熊本モデルと呼ばれる木造長屋タイプの仮設住宅が着工されています。2016年熊本地震では、683戸の木造仮設住宅が建設されました。住み心地も良く、使用後も市町村に譲渡するなど、利活用でき、移築もでき、トータルコストも安くなります。利活用率は78%だったとのことです。ぜひ、長野モデルもあるということでございます。さらに研究していただいて、その長野モデルを発展していただきたいな、このように思います。
 トレーラーハウス、ムービングハウスは、平時はフリーアドレスオフィスとして使用、若者やフリーランスに、無償もしくは低額でシェアオフィス、レンタルオフィスとして提供するなど、様々な用途に使えます。トイレトレーラーも、ふだんは公園や各種イベントなどで活用できます。災害に備え、これらの備蓄の検討をぜひお願いしたいと思います。
 能登半島地震を教訓に、県内住宅の耐震化を加速させなければなりません。私たちも、これまで予算要望などで繰り返し個人住宅の耐震改修を進めるためのさらなる予算確保と、補助限度額の引上げを求めてきました。今回、耐震改修支援事業が拡充、予算も増額されたことを歓迎し、次の質問に移ります。

ゼロカーボン社会実現のためにZEH住宅の建設促進について

【藤岡義英議員】

 住宅オールZEH化推進事業について質問いたします。
 日本のエネルギー消費の約3割、電力の最終消費の6割以上が、住宅建築物など業務・家庭部門で消費されています。つまり住宅の高断熱化は、ゼロカーボン実現のために避けて通れない課題です。
 住宅性能の一つ、断熱性。その高さを表す断熱等級は、2022年から三つの等級が新設され7段階になり、数字が大きいほど断熱性が高いことを示しています。2021年の国交省の資料によりますと、日本の既存住宅の約90%が断熱等級3以下であり、省エネ化基準を前倒しで引き上げなければならない状況です。
 ところが、政府が建築物省エネ法で、2025年4月から義務づけている省エネ基準は、断熱等級4です。一方、欧米では断熱等級が6未満の新築住宅は違法建築とみなされるほど厳しい基準を設けており、日本は省エネ対策で大変遅れています。  長野県ゼロカーボン戦略はどうでしょうか。その目標は、2030年になってから新築全てをZEH住宅にするとしています。ちなみに、ZEH住宅の断熱等級は5です。つまり、長野県も30年までは断熱等級4の新築でもよいことになります。  そこで幾つか質問いたします。
 2030年までの期間、約6年間ありますが、県内新築住宅着工数は何棟だと推計されていますか。そのうちZEH住宅は何棟建築されると推計されていますか。

【新田建設部長】

 ZEH住宅の建設促進について御質問をいただきました。
 まず、新築住宅着工件数及びZEH住宅の建築数について質問をいただきました。
 昨年11月の長野県ゼロカーボン戦略ロードマップの策定に当たっては、2019年度から2030年度までの期間で温室効果ガスの排出量の削減効果の試算を行ったところでございます。この試算において、2019年度から2030年度の累計で、新築住宅着工数は14万戸となり、このうちZEH住宅は8万9,000戸と推計しています。

【藤岡義英議員】

 信州ゼロエネ住宅助成金として新築タイプとリフォームタイプの制度がありますが、これを活用して建設されるZEH住宅は、およそ何棟になりますか。

【新田建設部長】

 信州健康ゼロエネ住宅助成金を活用したZEH住宅について質問いただきました。本助成金は2022年度から実施しており、昨年度の実績は175件、本年度は261件の見込みとなっております。ゼロカーボン戦略ロードマップで示した目標は、2030年度までに累計1,700件以上としております。

【藤岡義英議員】

 この事業では、技術力、価格競争力が不足する県内工務店等へのZEHの普及・促進を行うとしていますが、ZEH住宅基準にとどまらず、欧米基準の断熱等級6、7レベル、いわゆるHEAT20、G2、G3と呼ばれていますが、そのレベルの普及啓発を急ぐべきだと考えますが、いかがですか。

【新田建設部長】

 より断熱性の高い新築住宅の普及啓発について御質問いただきました。2025年4月から、省エネ基準と呼ばれる住宅性能表示制度の断熱等級4が義務化となります。県では、それ以降、ZEH水準である断熱等級5の義務化の早期実現を目指しているところでございます。
 一方で、信州健康ゼロエネ住宅助成金制度においては、ZEH水準を上回る断熱等級6に当たる推奨基準と断熱等級7に当たる先導基準を設定しており、ZEH水準に当たる最低基準と比べてインセンティブを高めることで、断熱性能の高い住宅へ誘導しているところでございます。
 引き続き信州健康ゼロエネ住宅の制度周知を行い、より断熱性の高い住宅の普及啓発を行ってまいります。

【藤岡義英議員】

 これまで私たちは経済波及効果があるとして、条件を設けない活用しやすい住宅リフォーム助成制度を提案してきました。一方で県は、単に経済対策だけでなく、明確な政策目的が必要だとして、耐震化、県産材使用、高断熱などの条件を設けたものを進めてきました。
 防災、カーボンニュートラルの政策に誘導しながら、誰もが安心・安全に暮らせる長野県へ、より多くの県民が使いやすい新築リフォーム助成制度に発展させていく必要があると考えます。今回の予算で、耐震改修支援事業は条件が拡充され、倍増されますが、ZEH化も含めて制度の中身を拡充するとともに、予算も思い切って2倍3倍と増額を求めますが、いかがでしょうか。

【新田建設部長】

 リフォーム制度についての御質問をいただきました。
 2050年のゼロカーボン化の達成に向けて、住宅分野では、既存住宅ストックの低炭素化は不可欠であると考えております。信州健康ゼロエネ住宅助成金の制度においては、既存住宅のZEH化リフォームを行う際に最大100万円を助成していますが、新年度からは、より高い性能へのリフォームについて、最大140万円に拡充を予定しております。
 また、住宅全体のZEH化リフォームが難しい場合であっても、天井裏や床下のみの断熱改修による温室効果ガス削減効果が高いことから、部分的な断熱リフォームについても助成の対象とする予定です。断熱リフォームの予算確保については倍増とまでは言えませんが、国でも積極的にリフォームの助成を行っており、県制度との併用やすみ分けができるようになっていることから、断熱リフォームが進むように誘導してまいります。

【藤岡義英議員】

 共同住宅の耐震化、ZEH水準化も必要です。共同住宅に対し、どのような取組を進めるべきだとお考えですか。以上、建設部長にお伺いします。

【新田建設部長】

 共同住宅の耐震化、ZEH水準化について御質問をいただきました。
 耐震化については、戸建て住宅と同様に耐震改修の補助制度により、市町村と協働して促進を図っているところです。ZEH水準化については、2024年4月から始まる新築の販売や賃貸の広告を行う際の断熱性能や年間光熱費の目安を記載したラベル表示制度を活用するとともに、快適性や光熱費削減などのメリットを周知し、消費者に選ばれる断熱性能の高い共同住宅が普及するよう誘導を行ってまいります。
 引き続き、共同住宅の所有者の皆様に対しても、戸建て住宅と同様に耐震化や低炭素化の必要性を周知してまいります。  以上です。

ゼロカーボン戦略のバージョンアップについて

【藤岡義英議員】

 最後にゼロカーボン戦略の目標について質問します。
 長野県ゼロカーボン戦略では、徹底的なエネルギーの推進として、2030年には家庭部門では全ての新築住宅のZEH化を、産業部門では全ての新築建築物のZEB化を目指すとしています。
 しかし、ゼロカーボンとなる2050年に向けて、それでは不十分ではないでしょうか。2030年には全ての新築住宅の断熱等級6、7を実現する方向に野心的にバージョンアップさせるべきだと考えますが、いかがですか。知事にお伺いします。

【阿部知事】

 私には2030年に全ての新築住宅の断熱等級6、7を実現する方向にゼロカーボン戦略をバージョンアップさせるべきじゃないかという御質問を頂戴いたしました。
 住宅の省エネ化につきましては、ゼロカーボン戦略のロードマップにおきまして、国より前倒しで2025年度以降早期に新築住宅ZEH100%を目指すというふうにしております。2021年度に策定した信州健康ゼロエネ住宅指針におきましては、断熱等級6、7に当たる推奨基準、それから先導基準を設けて、助成金においてそのインセンティブを高めることにより、より高断熱の住宅へ誘導しているという状況であります。
 2050年度に向けてはZEH水準を超える住宅の普及は必須であり、これまでも本県国内トップクラスの先駆的な取組を実施してきているというふうに自負をしております。
 御提案いただいた全ての新築住宅を断熱等級6、7とすることにつきましては、今後目指していく方向性ではありますが、現状では施主が負担するイニシャルコストや、施工者の技術力の向上などの観点から、実効性においては課題もございます。
 早期に全ての新築住宅をZEH水準とするべく取り組むとともに、より高断熱な住宅のライフサイクルコストでの優位性の周知、あるいは施工者のボトムアップを図ることにより、断熱等級6、7への誘導に積極的に取り組んでいきたいと考えております。
 以上です。

【藤岡義英議員】

 答弁いただく中で、なかなか難しい課題だというふうにも感じました。
 しかし、やはり気候危機を本気で打開するために、長野県ではZEH、ZEBは当たり前、全国に先駆けてさらに断熱等級の高い住宅を促進させますという、まさに本気の戦略にバージョンアップさせていただきたいと思っております。
 国に対しても早急に断熱等級6、7の基準にすること、義務化することを求めるべきだと思います。ぜひよろしくお願いいたします。
 今回は主に住まいをテーマに質問させていただきました。防災対策の強化、ゼロカーボン社会の実現は待ったなしです。一方、輸入建築資材の価格高騰、輸送コストの上昇、2024年問題などで、建築費はまだまだ上昇する見通しです。
 誰もが安心・安全に暮らせる長野県へ、さらに多くの県民が活用しやすく、より手厚い新築リフォームの助成制度になることを重ねて要望し、質問を終わります。

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