国の地方公共団体に対する補充的な指示に関する地方自治法の条項の廃止を求める意見書(案)提案説明
和田議員が、国の地方公共団体に対する補充的な指示に関する地方自治法の条項の廃止を求める意見書の提案説明をしましたが否決されました。
議第11号 国の地方公共団体に対する補充的な指示に関する地方自治法の条項の廃止を求める意見書(案)提案説明
先の国会において、地方自治法の一部を改正する法律が成立しました。
大規模災害、感染症のまん延等の国民の安全に重大な影響を及ぼす事態が発生し、または発生するおそれがある場合に、個別法に規定がなくても国が地方公共団体に対し必要な指示ができるとする、いわゆる「指示権」が特例として創設されました。
地方自治は日本国憲法において保障されています。国と地方の関係については定めている地方自治法は、2000年に施行された地方分権一括法において、国との上下・主従から対等・協力へと改められました。地方公共団体は住民に身近な行政を自主的かつ総合的に担うとなっています。地方自治法の一部を改正し国に指示権の行使が可能になることは、これまでの国と地方の関係にゆがみをもたらすのではないかと危惧されます。
今回の改定は、影響を及ぼす事態の範囲が極めて曖昧であること、政府の判断で恣意的な運用が可能であること等の問題が指摘されています。
なぜ今、地方自治法の改正なのか。審議を経ても立法事実がはっきりしていません。
衆・参の審議では、「国民の安全に重大な影響を及ぼす事態」は何かということに対して、政府は、想定を超える事態なのだから現時点で想定しうるものはないこと。
国がどのような事態に指示権を行使するか何度質問されても具体例をしめすことができないこと。つまりは、白紙委任せよということです。
新設された「特例関与」の仕組みが強力な権力的関与として働くことが明らかになり、「事務処理の調整の指示」は都道府県に法的義務として実行を迫り、「代執行」さえも可能とされます。国が直接「調整の指示」を行うことがあると総務相が明言したことは、地方分権、地方自治の本旨を真っ向から否定するもので容認できません。
政府が、存立危機事態を含む「事態対処法」や、安保3文書に基づく「特定利用空港・港湾」への指示権適用について「除外するものではない」としていることは、米国の戦争に自治体を動員するために使われる危険性もあり看過できません。
審議の結果、指示権を行使した場合の国会への事後報告が義務付けられ、自治体との事前協議を国に求める付帯決議もあるが、いずれも歯止めになる保証はありません。
地方自治法の本旨及び地方分権の趣旨に鑑み、国の恣意的な介入を防ぐため、国の地方公共団体に対する補充的な指示に関する地方自治法の条項を廃止するよう強く求めるものです。以上、意見書の提案説明とさせていただきます。皆様のご賛同よろしくお願いします。