2024年11月定例会 和田明子議員一般質問
消費生活センター集約化について
- 【和田明子議員】
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日本共産党県議団、和田明子です。
消費生活センター集約化について伺ってまいります。
9月議会提案説明で、知事は、消費生活センターの集約化を目指すと表明しました。
そして、消費者行政について審議する県消費生活審議会が11月12日に開かれました。審議会に出席した委員から、ネットに不慣れな人が置き去りにされるおそれがある、対面での相談を維持してほしい、来年4月は見切り発車では、相談員は職場がどうなるか不安があるなど、慎重な対応を求める意見が出されたとのことです。
11月の県消費生活審議会で、県の提案に対する疑問や慎重な対応を求める意見をどう受け止めているのかお聞きします。
- 【直江県民文化部長】
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私には、消費生活センター集約化に関しまして質問を頂戴いたしました。
一昨日の佐藤議員への答弁と重なる部分もございますが、順を追ってお答えを申し上げます。
まず、審議会で寄せられた疑問や慎重な対応を求める意見の受け止めについてでございます。
11月の消費生活審議会では、県消費生活センターの集約に対して、市町村の相談窓口の体制が十分に整ってから集約すべきではないか、来所による対面相談の場が減少することを心配する、人材確保が困難な中、相談員の確保が不安、SNSやオンライン相談の十分な検証が必要など、集約に対して疑問、あるいは慎重な対応を求める御意見をいただいたところでございます。
これら審議会でいただいた御意見につきまして、まず、市町村の相談窓口の体制が十分整ってから集約すべきとの御意見に対しましては、県と市町村は共に消費者行政を担う立場でございまして、その充実を図るためには、広域設置も含めて市町村の相談窓口の体制整備を加速化していくことが必要であると考えております。 集約によりまして、県センターの機能を強化し、増員した市町村消費者行政推進支援員に、新たに市町村の実情に応じました広域調整や、市町村職員に対する研修の実施などを通じまして、市町村の相談窓口の体制整備を支援してまいります。
また、来所による対面相談の場が減少することが心配との御意見に対しましては、相談手法が多様となる中においても、相談員と互いに顔を向き合わせて相談を希望される方への対応も必要であると考えておりますので、新たに長野、上田、飯田での出張相談を実施し、対面による相談機会を確保する等の対応を考えております。
次に、人材確保が困難な中、相談員の確保が不安との御意見に対しましては、専門性を持った職員の確保が相談支援業務にとって何よりの基盤であると認識をしております。そこで、消費生活相談員の処遇を大幅に改善いたしますとともに、相談員を統括する職員につきましては、正規職員、これは任期付職員を考えておりますが、とすることを検討するなど、業務にふさわしい処遇環境を整えることで、人材の確保に努めてまいります。
続いて、SNSやオンライン相談の十分な検証が必要との御意見に対しましては、今回新設する相談チャンネルが、誰にとっても支障なく運用されることが、県民の皆様に様々な相談機会を提供することにつながるものと考えております。
SNSによる相談につきましては、既に試行的に実施をしておりますが、オンライン相談につきましても、新年度からオンライン相談が円滑に実施できますよう、準備が整い次第、速やかに模擬相談などの検証を行ってまいります。
以上のように、今回頂戴した御意見については、集約までに対応すべきものは早急に取り組む等、県民の皆様に安心して相談いただける体制の構築に引き続き取り組んでまいります。
- 【和田明子議員】
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令和5年に策定された第3次長野県消費生活基本計画、消費者教育推進計画には、全ての県民が安心して消費生活を営むことができるとともに、自立した消費者である県民と事業者が、持続可能な未来に向けて、消費、生産活動に取り組む信州の実現を基本理念としつつ、理念の実現に向けた方針の一つとして、消費者被害の未然防止と、救済に向けた消費生活相談体制の充実、強化が掲げられています。
県消費生活センターの機能強化を図るために、県消費生活センターの集約を掲げているものの、今回の県消費生活センターの集約については、県弁護士会は条例案の問題点を指摘し、十分な議論と検証を経てから判断すべきだとする反対の意見が出されたことについて、どう考えているのか伺います。
- 【直江県民文化部長】
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弁護士会からの意見書をどう考えるかについてでございます。
11月19日に県弁護士会よりいただいた意見書では、令和7年4月に1か所に集約することに反対するとして、4点の問題点を御指摘いただいております。
1点目は来訪相談の機会が失われる。2点目は、人的体制を整備することなく集約することは消費者行政の後退を招く。3点目は、市町村の消費生活センターの負担が増えるのではないか。市町村センターの人口カバー率を100%にして相談体制を整備することが最優先課題ではないかでございまして、これらの御指摘に関する受け止め及び対応につきましては、先ほど審議会でいただいた御意見に関して、お答えした内容と同様でございます。 また4点目に、議論や検証が不十分ではないかという御指摘がございますが、この御指摘につきましては、今回の集約の方向性は、令和4年度の消費生活審議会において4回の御議論をいただいた上で決定したものでございまして、本年度も11月の消費生活審議会での御議論に先立ち、各委員には8月から個別に御意見を伺ってまいりました。
その他、集約に関係する市町村には個別に説明を行うとともに、8月の市長会総会、9月の市長会役員会、そして10月の市町村担当課長会議において御意見を伺い、集約の方向性について御理解をいただいております。
加えて、県内各地域において、消費者団体が主催する懇談会や市町村消費生活センターの相談員が参加いたします研修会、これらに出席をさせていただき、集約について説明するなど、これまで様々な機会を捉えて、関係する皆様との意見交換を重ねてまいりました。
繰り返しになりますが、今回審議会及び弁護士会から頂戴した御意見につきましては、一つ一つ真摯に受け止めさせていただき、集約までに対応すべきものに関しましては、早急に取り組む等、県民の皆様に安心して相談いただける体制の構築に取り組んでまいります。
- 【和田明子議員】
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消費生活センターの相談は電話相談の件数が多く、電話でアドバイスして済む相談がある一方、電話で受けた内容によっては、センターに契約書を持参して来訪してもらい、詳しく契約に至った経緯、今どんなことに困っているのか、どうしたいのかなど、対面で聞くことによって問題解決の糸口を見つけることができることも多いとお聞きしております。そして、契約先とのあっせん交渉や、契約額の大きいケースや複雑な内容の場合は弁護士に相談するようアドバイスするなど、ケース・バイ・ケースで被害から県民を守る役割を担っています。
4か所の県消費生活センターを1か所に集約化することは、センターで対面相談の機会が減少し、消費者行政の後退が強く危惧されるところです。地域振興局にオンライン相談窓口を設置するとのことですが、来所者への対応を含め、具体的な検討内容を伺います。
- 【直江県民文化部長】
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オンライン相談窓口におけます地域振興局への対応につきましてお答え申し上げます。集約後に対面相談を希望される相談者に対しましては、新たにオンラインを活用し、地域振興局と県センターを結んで相談を受ける体制を構築していきたいと考えております。
これにより、県下10か所の県合同庁舎所在地におきまして相談機会を提供することが可能となりますので、多くの県民の皆様にとりましては、よりお住まいの場所に近い場所での対応が可能になるものと考えております。 相談に当たりましては、専用の相談ブースを確保した上で、地域振興局の職員が、パソコンやインターネットに不慣れな方におきましても相談に支障が生じることのないよう、丁寧にサポートをさせていただきます。
また、相談者の対応に当たりましては、対応の手順や注意事項などを取りまとめたマニュアルを作成した上で、接続作業を含め事前に相談までの流れを確認し、新年度からのオンライン相談が円滑に実施できますよう準備をしてまいります。
- 【和田明子議員】
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現在は、4所の消費生活センターで相談業務に携わっている相談員は、勤務地が変更になっても、引き続き業務に携わっていただけるのでしょうか。佐藤議員の質問に、意向確認をしていると言われました。そして集約化により機能強化を図る、体制を構築すると言いますが、具体的な人員配置はどうなるのか伺います。
- 【直江県民文化部長】
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集約化による具体的な人員配置についてのお尋ねでございます。
集約後のセンターは、相談業務はもとより、消費者教育から啓発情報発信、市町村支援までを一体的に統括いたします。総合的な消費生活センターとして、今後の県内消費者行政の推進に中心的な役割を果たしてまいりたいと考えております。
センターには消費生活相談員を配置するほか、市町村消費者行政推進支援員を2名から4名へ増員するとともに、消費者被害の未然防止に当たる消費者教育アドバイザーを新たに1名配置し、相談体制と市町村への支援の強化、消費者教育の充実を図ってまいります。
さらに、相談員を統括する職員につきましては、先ほど申し上げましたように正規職員とすることを検討しております。
加えて、現在本庁で所管しております啓発、情報発信、消費者団体等との連携、消費生活サポーターへの支援業務などを移管いたしまして、相談業務や市町村支援、消費者教育に携わる職員が13名程度、啓発・情報発信、団体連携ほか、消費者行政の推進に関する業務に携わる職員が7名程度、これで総勢20名程度の体制とする予定でございます。
- 【和田明子議員】
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県消費生活基本計画に、市町村消費生活センターの人口カバー率100%が重点目標の一つに掲げられています。今年4月時点の人口カバー率は9割ほどで、センター未設置の自治体は5割以上ですが、市町村にセンターが設置されたことで、消費生活相談の割合は、県が4割、市町村が6割ということですから、住民に身近な市町村の相談業務の充実と、重点目標のカバー率100%に向けて、県の支援を強化することが求められます。 そこで、トラブルの迅速な解決と、市町村のスキルアップのため、オンラインを活用した県、市町村、相談者の三者相談を可能にするとのことですが、市町村との協議や準備状況をお聞きします。
- 【直江県民文化部長】
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オンラインを活用した市町村支援に関わる協議と準備状況についてでございます。
オンラインを活用した市町村支援の導入経緯でございますが、第3次長野県消費生活基本計画の策定に当たり、長野県消費生活審議会の町村会選出委員からいただいた町村が窓口となってオンラインで県の消費生活センターと顔を合わせて相談できる体制を整備してほしいとの御意見を踏まえ、検討を始めたものでございます。
令和4年度に第3次計画の策定と並行して、市町村に意向を確認するアンケート調査を行ったところ、約6割の市町村から、オンラインによる支援の必要性を感じているとの回答をいただきました。
令和5年度には、各市町村のハード面での対応の可否について調査を行いオンライン相談への対応が不可能な市町村はないことを確認をしております。そこで、こうしたアンケート結果を踏まえ、具体的なオンライン支援の方法を検討し、今回の集約を基にZoomによるオンライン相談を導入することとしたもので、市町村に対しましては、本年10月に開催いたしました市町村消費者行政担当者、課長会議において詳細な説明を行っております。
支援の実施に当たりましては、事前に活用方法や活用に当たっての留意事項等を市町村に御説明いたしまして、実際の相談支援の場を想定しながら試行的に相談を受け付けるなど、令和7年4月から円滑に支援を行えるよう準備を進めてまいります。以上でございます。
- 【和田明子議員】
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集約化が表明された9月議会から本議会までの間に、11月に県消費生活審議会は開かれましたが、センター集約化について、市町村への説明、周知はされたのでしょうか、あわせて、県民への説明、周知がされたのか伺います。
また、来年4月の集約化は、県民の意見を聞く点であまりに拙速と考えます。知事の見解を伺います。
- 【阿部知事】
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私には消費生活センターの集約化に関しまして、まず一つは市町村県民等にどう説明、周知してきたか、それから来年4月の集約化は拙速ではないか、見解を伺うという御質問をいただきました。
まず、これまでの経過は、先ほど県民文化部長から詳しく御答弁させたとおりでありますが、この消費生活センターの集約については、令和4年度、様々な皆さん、市町村関係者、消費者の代表者の方、事業者の代表者の方等で構成されます消費生活審議会で御議論いただき、その審議会から答申をいただいた上で、令和5年3月に策定した第3次長野県消費生活基本計画において方向づけを行ったものでございます。
既に御承知のとおり、この中では県の基本的な役割それから市町村の基本的役割ということで、県と市町村がそれぞれ果たすべき役割をしっかり果たすことによって、消費者行政の充実、消費者相談の強化、こうしたものを図っていこうという内容になっています。
この計画を受けまして、この集約についての具体化について検討してきたところでありますが、今年度になりまして、関係の市町村の皆様方、あるいは市長会、町村会の皆様方へも6月から7月、8月、9月にかけて事前の説明等を行ってまいりました。いろいろ御意見はあったものの、最終的には来春からの集約に御理解をいただけたものというふうに受け止めております。
また、消費生活審議会の委員の皆様方にも夏頃から御説明をさせていただいた上で、私のほうから、来年4月の集約ということを表明させていただいたところであります。
それ以後も、市町村担当者向けの会議の開催であったり、あるいは相談員の皆様方が参加する研修会の開催であったり、さらに、消費者団体の皆さんが主催をされる各地域の行政懇談会にも参加をさせていただいて、私どもの考え方、方向性について御説明をしてきたところでございます。
かなりこうしたことで県民文化部を中心に丁寧に対応させてきていただいているところでございます。この消費生活行政が重要だという思いは、これは和田議員も私も同じものだというふうに受け止めて御質問を伺ってきました。 集約ということですが、これは単に場所の数を減らすということではなくて、先ほど県民文化部長からも御答弁させていただきましたように、かなり県としての取組は相当程度強化をさせていただくという方向性でございます。この消費者行政は非常に重要でありますので、県庁内でもかなり私からも厳しく論点の指摘をさせていただく中で、県民文化部を中心に一生懸命対応を考えてきていただいたところであります。
そういう意味で、市町村の消費生活センター、全ての市で既に設置をされている形になっておりますし、また、広域化についても順次進んできているという状況でございます。そういう意味では、今回の集約については、私としては消費者行政を一層強化して、県と市町村が本来の役割分担を踏まえながら、結果として県の消費者行政をよりよいものにしていくとそういう形につながるものだというふうに考えております。
近年、相談内容の複雑化であったり、あるいは消費者被害の広域化であったり、こうしたことが言われているわけであります。そういう意味では、この消費者行政の強化ということは、待ったなしで対応していかなければいけないというふうに考えております。
いろいろな御指摘等にも、真摯に我々対応していく所存でございます。新しいセンターが消費者行政の推進に中心的な役割をこれから果たしていくことにより、県民の皆様方が安心して消費生活を営むことができる長野県の実現に向けて、我々もしっかり取り組んでいきたいというふうに思っております。 以上でございます。
- 【和田明子議員】
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それぞれ御答弁をいただきました。県民文化部を中心に丁寧に対応を行ってきていただいた状況は、一定分かりました。消費者基本法の理念である、事業者と消費者の情報、交渉力の格差を埋めるために、また今後一層増えていく高齢者の消費者被害に対応するため、相談できるところは身近なことが大事です。
県民の財産と人権を守るとりでと言える消費生活センター。オンライン相談では、充実した相談ができるのかという危惧はまだ残っております。さらに、資格を持ち経験を積んだ相談員を正規雇用にするよう、私たちは幾度も求めてきましたが、一部にとどまっています。今日の答弁では、相談業務に当たる方々の身分の保障が本当にされるのか心配です。
複雑化、高齢化する消費者生活相談の課題に対応するため、県消費生活センターを集約化して機能強化を図るためと、今議会に条例案が出されましたが、現状ではあまりにも拙速、このまま通すことはできないと申し上げて、次の質問に移ります。
「世界水準の山岳高原観光地づくり」に関する新たな法定外目的税の導入について
- 【和田明子議員】
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世界水準の山岳高原観光地づくりに関する新たな法定外目的税の導入について伺ってまいります。 6月議会において知事が、世界水準の山岳高原観光地づくりを標榜し、観光振興のために新たに税を導入する、実施時期は令和8年4月と表明されました。さらに9月県議会に観光振興税(仮称)骨子が出され、その時点では、11月議会に条例案を提出したいとも言われておりました。
しかし、県議会からも慎重に対応するよう要望をいたしましたし、県内4か所の県民説明会や関係団体はじめ、市町村との懇談、パブリックコメントなどを受けて、新たな税の名称案の変更や、免税点をどうするのか、課税免除の対象の拡大などなど、骨子の再検討が余儀なくされているところです。
新たな法定外目的税は、県民が県内の宿泊施設に宿泊する際にも課税されます。9月議会後の県民説明会には、観光宿泊関係の方々の参加が多い状況であり、利用、宿泊する立場の県民への説明や、意見を聞く機会がほとんどなかったのではないかと思います。観光・宿泊関係者だけでなく、県民に対しても十分な説明と意見を聞く必要があると考えます。観光スポーツ部長の見解を伺います。
- 【加藤観光スポーツ部長】
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私には、新たな法定外目的税の導入に当たり、県民に対する説明についての御質問でございました。 これまで観光振興財源の検討に当たりましては、昨年度実施した観光振興審議会や観光振興財源検討部会の審議を全面的に公開をするとともに、県民の皆様を含めた観光客に対するアンケート調査やパブリックコメントも実施をし、県民の御意見をお聞きしながら進めてまいりました。
また、本年9月にお示しをした税の骨子に係る県民説明会につきましても、休日に開催した会もあるほか、オンライン視聴や県ホームページにおいて説明会の動画を公開するなど、県民の皆様への説明機会の確保に努めてきたところでございます。
さらにこの間、県議会での議論や県民説明会の様子は、新聞やテレビなどにより広く報道されたこともございまして、骨子に関するパブリックコメントに対しましては、県民の方からも御意見が寄せられたところでございます。 今後も、今月18日に開催する意見交換会におきまして、オンラインによる同時配信や動画により会の模様を公開するなど、県民の皆様への説明と御意見をお聞きする機会を確保してまいります。 以上でございます。
- 【和田明子議員】
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県ホテル旅館組合会は、宿泊単価の低い、あるいは小規模の宿泊施設が多い長野県において、低価格帯施設利用者に負担が重い定額制ではなく、定率制の採用を求めてきました。さらに、定額制の1泊300円は高いなど、意見を上げているところと思います。新たな目的税の根幹部分で、県の立場と意見の食い違いがあると思います。
ところが知事は、本議会開会日の議会後の会見で、私の感覚では、定額300円はおおむね理解されたと思うと言われました。知事は何を根拠におおむね理解されたと言われるのでしょう。いまだ宿泊事業者から、小規模事業者は負担が重い、300円は高いといった声があることを承知しているのか。知事に伺います。
- 【阿部知事】
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私には、宿泊税(仮称)の300円が高いといった様々な声があることを承知しているのかという御質問でございます。
私も県民の皆様方の説明会に参加を直接させていただいて、宿泊事業者をはじめ県民の皆様の声を直接お伺いをしてまいりました。その際の県民説明会において、私どものほうからは、今回長野県のこの観光振興税と当事称していましたけれども、これについては県と市町村が一体となって施策を進めていくという観点で、県だけの財源でなくて、県と市町村、市町村に対する財政支援も組み込んだ制度だという御説明、それから先行している自治体、あるいは現在検討中の自治体の税額水準を勘案しているものだという御説明、さらには直近の県の観光消費額調査においては、宿泊される方については1回の御旅行で、これは平均値でありますが、1人当たり大体4万円程度消費しているということから、決して過大なレベルではないのではないかという御説明をさせていただき、意見交換をさせていただきましたが、私が参加していた際には、この直接その税額について高いという御意見は出なかったということで、特段ここについては御意見がないなというふうに私としては受け止めていたところであります。
ただ、御指摘のとおり、パブリックコメントにおいてはそうした御意見も寄せられているということも事実でありますので、決してそうした意見が全くないというふうに申し上げているつもりではありません。
先ほど提案説明でも申し上げたように、説明会のときと少し私どもも考え方、名称等も含めて変更していこうというふうに考えております。今後、さらに旅館ホテル組合であったり、あるいは市長会、町村会の皆様方とは、改めて考え方を確認をしていくということも必要だというふうに思っておりますし、また、今月18日には改めて意見交換会開催をさせていただき、私も出席をさせていただいた上で、県としての考え方を改めて御説明をさせていただいた上で、御意見をお伺いしたいというふうに思っています。
こうしたことを踏まえつつ、県としての制度を決定していきたいというふうに考えております。 以上でございます。
- 【和田明子議員】
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部長の御答弁の中では、今回9月議会からこの定例会までの間に4回の説明会の中には、休日に説明する会もあったというぐらいでありまして、十分に県民の皆さんに広く、この県内で宿泊施設を利用する際に新たにこの税が導入されるということについて、どれほど多くの方がこのことについて知っているかということでありますが、私も今朝、本当に身近な方にその話をしたら、「えっ、本当なの」という驚きの声が返ってきまして、ほとんどこの新聞やテレビで報道されているからといってそのことを承知している方はあまりないということが実情です。
また、知事が出られた会には、直接的に300円は高いという声はなかった、これをもってしておおむね御理解いただいた、これはちょっと違うということも申し添えたいと思います。
まず、令和8年4月導入、これが最初に言われまして、そのためにできるだけ早くこの条例を提案して、周知徹底していきたいということのようではありますが、もう少し慎重な対応をしていただくことが必要ではないかと申し上げておきたいと思います。
水道(管路)耐震化について
- 【和田明子議員】
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次に、水道管路耐震化について伺ってまいります。災害時に避難所や病院などで水が出ること、排水ができるかどうかは、避難生活や医療提供等にとって非常に重要だという認識が能登半島地震で明らかになりました。 能登半島地震で断水が長期間であったことを受け、国土交通省が、水道と下水道の耐震化を緊急点検した結果、避難所や拠点病院など災害時に重要な建物のうち、接続する水道と下水道とも耐震化されているのは全国で15%、同様に、県においても15%と耐震化が遅れていると思われます。
水道を運営する自治体は、設備の耐震化を求められていますが、小規模自治体では予算と技術職員が不足しているなど、現状は厳しい状況に置かれています。国が実施した緊急点検における県内水道の耐震化状況と上下水道耐震化計画の策定に向けた取組について、環境部長にお聞きします。
- 【諏訪環境部長】
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国が先月公表した上下水道施設耐震化状況の緊急点検結果と上下水道耐震化計画の策定についてのお尋ねでございます。
まず、耐震化の状況でございますが、地震の際に重要拠点となる避難所や病院等の重要施設 のうち、水道・下水道が共に耐震化されている県内施設の割合は議員お話しのとおり、15%でございまして、全国平均と同等の結果でございました。
一方、災害時にその機能を失うと水道システム全体が機能を失う浄水施設や配水池などの急所施設の県内の耐震化率は、小規模な施設が数多く点在する事情もあり、浄水施設が全国平均の43%に対して29%、配水池が67%に対して44%と、総じて全国平均よりも低い状況となっておるところでございます。
現在、全市町村において、来月末をめどに上下水道耐震化計画の策定が進められておりますが、災害時に重要施設の機能を確保するためには、施設に接続する管路だけではなく、上下水道システム全体で一定の機能を維持することが必要であり、計画的、集中的に耐震化を進めていく必要がございます。
このため県では、災害時に機能確保が必要となる避難所等の重要施設を改めて整理をした上で、優先順位に応じて、施設と管路の耐震化のスケジュールを定めるよう、各圏域で開催した会議などで市町村に助言をしてまいりました。
また、随時個別相談にも応じておりますが、現在策定状況に関する中間調査を実施しており、その結果を踏まえた個別の支援も行ってまいります。
水は、私たちが生きていく上で欠かせないものであります。安全な水を安定して供給できるよう、引き続き市町村と連携をしながら取り組んでまいります。
- 【和田明子議員】
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水道事業の広域化と管路耐震化についてお聞きしてまいります。
上田長野地域水道事業広域化協議会におきまして、広域化に関する論点整理が出されました。施設整備計画、財政シミュレーション、基本計画の素案が示されたとのことであります。
施設整備計画では、整備概要の広域化事業に概算で500億円、運営基盤強化事業等に500億円を上限に、令和8年から16年まで合わせて1,000億円、国庫補助は事業補助率3分の1、これにより水道事業の広域化により実現する広域化ネットワーク化に必要な施設整備事業、連絡管路の整備、管路の二重化等々言われておりますが、この中で、令和8年から16年の間に事業に見込まれる管路の耐震化率は、令和8年に17%、これが令和16年に20%と示されており、管路の耐震化がこれで本当に進んでいくのかというように見受けられる内容でありました。
水道事業の広域化では、管路の耐震化はどのように進められていくのか、どのように考えているのか。公営企業管理者にお聞きします。
- 【吉沢公営企業管理者】
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上田長野地域水道事業広域化に係る管路整備の考え方についてお答えいたします。
10月の協議会で公表した検討報告では、広域的な水運用を行うことで施設のダウンサイジングや非常時のバックアップ施設の最適配置を目指すとの考え方から、これら施設や管路の整備事業を国庫補助事業対象期間で重点的に実施することとしております。
この期間においては、単独経営では進捗を図ることが難しい浄水場や配水池等の基幹施設の更新や耐震化を主要事業として計画しているところですが、これは基幹施設の機能停止が能登半島地震における水道復旧長期化の主な要因とされていることから、こうしたリスクを低減するため、優先的に実施するものです。管路そのものの耐震化率の向上には直接反映されませんが、取水から給水までの水道システム全体の耐震性、安全性を向上させ、強靱化効果の早期の発現につながるものと考えております。
管路の耐震化についても、これまでのペースを落とすことなく進めてまいりますが、管路の被災は、基幹施設が機能していれば、応急復旧や給水車などによる代替給水が可能であることから、実施に当たっては、耐震化の地域格差であるとか、重要施設への管路耐震化状況などを踏まえた効果的な整備に配慮するとともに、基幹施設の優先整備後にはこれを重点的に進めることとしております。 以上でございます。
- 【和田明子議員】
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それぞれ御答弁いただきました。
長野県は、小規模な自治体も多いことから、急所施設においては上水も下水もその耐震化が大変遅れているという状況にある中で、優先順位を決めながら個別相談をして進めていただくということであります。命を守るこの水の確保のために、引き続き御尽力をいただきたいと思います。
私からこの質問の最後に一言申し上げたいと思います。
本年2024年も年の瀬を迎えました。国内外で激動の1年でありました。私は今議会の中で9月に核兵器の廃絶について質問させていただきました。その後、被団協がノーベル平和賞を受賞したというビッグニュースを受け取り、来年は被爆80年に当たるこのときに、ノーモア広島、ノーモア長崎、ノーモア被爆者、私たちが最後の被爆者と言われた長崎のこの言葉を忘れずに、日本が核兵器禁止条約に参加することを願い、全ての質問を終わります。