日本共産党長野県会議員団

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議会質問

2025年2月定例会 山口典久議員一般質問

  1. 知事の政治姿勢について
  2. 宿泊税について
  3. 新たな国民健康保険運営方針について
  4. 上田長野地域水道事業広域化について

知事の政治姿勢について

【山口典久議員】

 阿部知事の政治姿勢に関して、質問をいたします。
 まず最初に、政治と金の問題です。
 昨年来問題になってきた裏金事件は、政治への信頼を失墜させ、真相究明と再発防止策、とりわけパーティー券の購入を含む企業・団体献金の禁止が総選挙においても大きな争点になりました。
 私は企業・団体献金の禁止こそ、政治が信頼を回復し、繰り返される政治と金の問題を一掃する上で欠かせないと考えます。企業・団体は、見返りを求めて献金するのであり、その財力で政治をゆがめています。
 大企業への法人税等の相次ぐ減税が施され、それと一体に、低所得者ほど負担が重い消費税の税率が引き上げられてまいりました。貧困と格差の根源として、労働法制の規制緩和により、不安定、低賃金の非正規雇用が拡大してきました。医療や年金、介護や福祉など、社会保障の国民負担増、給付減が繰り返されています。
 財界の総本山と言われる経団連は、こうした自民党の政策と実績を高く評価し、会員企業に献金を呼びかけてきました。政治をゆがめる大元にあるパーティー券購入を含む企業・団体献金の全面禁止に関して、知事の見解を伺います。

【阿部知事】

 私に御質問をいただきました。
 まず、企業・団体献金について全面禁止が必要と考えるが見解をという御質問でございます。
 企業・団体献金につきましては、御質問にもあったようにいろいろ批判もあります。政治が金で動くことの疑念を生みやすい、あるいは汚職や癒着の温床になりやすいといった批判がある一方で、企業も社会の一員として政治参加する権利がある、透明性を確保すれば問題を抑制できるなど、賛否両論の意見があるというふうに承知をしています。
 私もかつて1990年代の政治改革関連法案の政省令案作成等に携わったことが一時期あるわけですが、企業・団体献金、当時政党助成金をつくろうという議論がされていたときでありますが、単に企業・団体献金単体を取り上げて是非を論じるのではなくて、やはり政党や政治家の活動の経費をどう賄うのか、これ政党助成金等も含めて、個人寄附、企業寄附、今いろいろな寄附等政党助成金があるわけですが、どういう形で賄われるべきなのか。またそもそも政党、例えば政党法という議論もかつてから経済界等にあるわけでありますけれども、政党のガバナンスがそもそもルール化されていないという中で、政党や政治家の政治活動がどうあるべきなのか、こうしたことも併せてしっかり検討されるべきものではないかというふうに思っております。
 企業・団体献金の在り方については、現在国会で議論が行われているところでありまして、幅広い観点からの国民的議論が行われることを期待をしているところでございます。

【山口典久議員】

 次に、日米同盟についてです。
 政府が2022年12月に閣議決定した安保3文書の防衛力整備計画は、23年から27年の5年間で軍事費を43兆円増額する計画です。これを進める中で、25年度予算案では、軍事費が前年度比9.5%増と突出しています。その中身も、長距離ミサイルの配備をはじめとした敵基地攻撃体制の構築など、軍拡競争を激化させ、戦争の危険を増大させるものです。
 一方、社会保障、文教科学、中小企業対策費は、物価上昇に追いつかない実質マイナスとなっています。この軍拡は、平和と国民、県民の暮らしや地域の経済を脅かすものではないでしょうか。
 石破首相は、アメリカのトランプ大統領と首脳会談を行いましたが、共同声明では、2027年度以降も抜本的に防衛力を強化していくと約束しています。この日米同盟絶対ともいうべき政治から抜け出す改革が、今、求められていると考えますが、知事の見解と平和に対する思いを伺います。

【阿部知事】

 防衛力の国の軍事拡大路線は、地域経済、県民の暮らしを脅かすものである、日米同盟絶対とも言うべき政治から抜けだすべきではないかと考えるがどうかというご質問です。
 私ももちろん平和を願う者であります。しかしながら一方で、今、世界の現状を見ると、各地で紛争や緊張が生じているという極めて緊迫した国際情勢だというふうに思っております。
こうしたことを考えると、やはりそれぞれの国、我が国も含めてでありますけれども、自らの国の平和と安定は、自らがしっかり守り抜くという強い覚悟が必要だというふうに思っております。
 こうした中、日米安全保障条約に基づく日米同盟は、我が国の平和と安全を確保するための重要な基盤だというふうに考えております。国家間でも個人間でもそうでありますが、平和と安定を確保するためには、何よりも対話と協力を積み重ねていくということが必要だというふうに考えております。
 戦後80年を迎えようとしているわけでありますが、今日の平和は、戦争で亡くなられた方々の尊い犠牲と、先人たちの懸命な努力の上に築かれたものだということを私たちは決して忘れてはいけないというふうに思っております。
 こうしたことを踏まえれば、やはり戦争の悲惨な記憶の伝承はこれからもしっかり行っていくということが必要だと思いますし、また一方で、顔の見える国際交流、様々な国や地域との信頼関係の構築、こうしたことを通じて、平和な社会の実現に向けて努力をしていきたいというふうに考えております。

【山口典久議員】

 温室効果ガスの削減についてです。
 政府は2月18日、中長期のエネルギー政策の方向性を示したエネルギー基本計画を閣議決定しました。その中身は、これまで掲げてきた「可能な限り原発依存度を低減する」の文言を削除、代わりに原発を再生可能エネルギーと併せ最大限活用すると打ち出しています。
 また、G7で唯一、日本が廃止期限を表明していない石炭火力は、安定供給性や経済性に優れた重要なエネルギー源などとしています。
 同時に閣議決定した地球温暖化対策計画は、2035年度の温室効果ガス排出量を13年比で60%削減という低い目標を盛り込み、国連に提出しました。気候変動対策の国際的枠組み、パリ協定は、気温上昇を産業革命前と比べ1.5度以内に抑える努力目標を掲げ、気候変動に関する政府間パネルの第6次評価報告書では、1.5度以内に抑えるためには、35年には13年比で66%の削減が必要としており、今回の政府目標はその値にも及びません。
 今回のエネルギー基本計画、そして地球温暖化対策計画は、東京電力福島第1原発事故の教訓を投げ捨て、人類が協力して取り組むべき緊急の死活的課題である地球温暖化対策、温室効果ガス削減に重大な逆行になりかねません。
 2019年10月、令和元年東日本台風により長野県内は大きな被害を受けて、気候非常事態を宣言し、長野県ゼロカーボン戦略を策定、取組を強めてまいりました。エネルギー基本計画、そして地球温暖化対策計画に対する阿部知事の見解を伺います。

【阿部知事】

 政府の地球温暖化対策計画と、それからエネルギー基本計画に対する見解という御質問でございます。
 2月18日に両計画が閣議決定されたわけでありますけれども、原発を含むエネルギー政策の根幹については、これは安定供給、経済効率性、今、例えばガソリンの問題も議論されているわけでありますけれども、やはりトータルで日本の国民の暮らしをどう守るのか。そしてやはりエネルギーも安全保障と密接に関係するわけでありますので、どういう視点でエネルギーを確保するべきか。こうしたことをしっかり検討した上で、国において責任を持って決定されるべきものというふうに考えております。私としては、再生可能エネルギーについては最大限の普及を進めていくということが必要だと考えております。
 この両計画は、脱炭素政策にも関係するわけでありますので、これまで全国知事会としては、現行の目標を上回る温室効果ガス排出量の削減目標を設定すること。それから2030年までに再生可能エネルギー発電容量を世界全体で3倍にするというCOP28の目標を踏まえたエネルギーミックスやロードマップを示すことなど国に要望してきたところでございます。
 今回の改定においては、2030年度削減目標が引き上げられなかったということについては残念でありますが、両計画で再エネの主力電源化が明記されたということについては評価をしたいというふうに思っております。今回の計画に基づく具体的な施策を今後の県のゼロカーボン戦略の見直しにも反映させていきたいというふうに思っております。
 また、例えば県では来年度から県有施設へのペロブスカ イト太陽電池設置に向けた検討を行っていきますが、この脱炭素を進めていくためには、やはり様々な新技術の開発・普及が欠かせないというふうに考えております。
 国レベルではこうした分野の技術開発をしっかり後押しをしてもらいたいというふうに思いますし、先ほど国際的な紛争の話がありましたけれども、これはもうまさに、世界が協力しなければ、どこかの国だけが頑張る、どこかの国は全く問題意識を持たないということでは、地球全体が大変なことになってしまいますので、そういう意味では、やはりこうした問題意識については、広く世界の国としっかり共有していくように国には求めなければいけないと思いますし、我々も先ほど申し上げたように、こうした課題については、様々な地域、国の皆さんともしっかり連携をしながら対応をしていきたいというふうに考えております。  以上です。

【山口典久議員】

 温室効果ガスの削減について、長野県の気候非常事態宣言は、気候変動が地球上の人間社会の存続を脅かしている強い危機感を表明しています。さらに、地方政府や非政府組織の役割の重要性を強調。本県は、国際社会から先導役になることが期待されていると高らかにうたっています。ゼロカーボン実現への新たな課題、障壁が生じる中で、長野県の役割を再認識し、トップランナーとしてふさわしい力を発揮することを強く求めるものであります。

宿泊税について

【山口典久議員】

 次に宿泊税について質問します。
 まず、県民への周知、意見募集についてです。
 昨年9月定例会において、長野県観光振興税(仮称)骨子として、県の考え方が示されました。
税率は1人1泊300円の定額、免税点は3,000円、修学旅行等の学校行事は課税免除とすること。
税収は、観光振興の目的で、長野県らしい観光コンテンツの充実、観光客の受け入れ環境整備、観光振興体制の充実、県内市町村への支援のために活用するとされました。
 しかし、この骨子には様々な県民意見が寄せられ、税率免税点など変更が加えられ、長野県宿泊税条例案として、2月定例会に提出されました。
 税率は1人1泊300円、低料金の宿泊者の負担感に配慮して、免税点を6,000円とする。なお、コロナ禍から回復途上にある観光産業への影響を緩和するため、施行から3年間は税率を200円とすることなどがその主な内容です。
 この長野県の宿泊に関する税制について、私は昨年9月定例会で、和田明子県議も11月定例会で、宿泊や観光関係者のみならず、宿泊施設を利用する広範な県民の声、意見を聞くことを求めてきました。
 その後、県民の意見交換会も行われていますが、現段階においても、宿泊税をそもそも創設すること、また今議会に提案された変更についても、多くの県民には十分に伝わっていないと感じています。
 新たな税制を設け県民に負担を求めることは、本来、選挙等を通じて県民に信を問うべきであり、県の取組は不十分と言わざるを得ません。県民への周知をさらに行い、広く意見を求めるべきと考えますが、いかがでしょうか。

【加藤観光スポーツ部長】

 私には宿泊税に関しての御質問でございます。
 まず、県民への周知などを行うことについてでございました。
 昨年9月にお示しをした長野県観光振興税(仮称)骨子からの変更点につきましては、12月の意見交換会におきまして、オンラインによる配信や県ホームページにおいて説明会の動画を公開することにより、県民の皆様へ説明機会の確保に努めてきたところでございます。
 またこの間、県議会での議論や県民説明会の様子は新聞やテレビなどメディアを通じて広く報道されており、宿泊事業者のみならず、一般の県民の方から電話や県民ホットラインなどを通じて御意見が寄せられたところでございます。
 今回お示しをした条例案と制度案につきましては、それらのお声を踏まえて検討した上で、宿泊者、宿泊事業者共に負担の軽減につながる内容であると考えております。今後とも宿泊事業者をはじめ県民の皆様への周知に努めたいと考えており、条例案関連予算案を議決いただいた後には、円滑な導入に向けまして、県内での周知はもとより首都圏を中心とした県外での広報にも取り組んでまいります。

【山口典久議員】

 長野県観光の将来像について伺います。
 現在、観光振興の財源などとして宿泊税を課す自治体が県外においても急増しています。また既に導入している自治体が、税額を引き上げる動きも相次いでいると聞きます。
 その一方で、観光の宿泊者が減る懸念があるとして、島根県は「税金を払わないと宿泊させない」というのは、多くの機能が集中する都市の強者の論理、つまり強い者の論理だ。通院や仕事など、必要に迫られ泊まらざるを得ない人もいると、導入を検討しない方針とのことです。宿泊者への優しさを感じます。
 この間の議論の中で、世界水準、競争力重視などが強調されてきましたが、県が見込む宿泊税の税収の規模は、観光スポーツ部関連の年間予算に匹敵するものです。この予算規模を考えても、競争よりも、長野県の観光の将来像についてもっと突っ込んだ県民的な議論を行い、グランドデザイン、しっかりとしたビジョンが必要ではないでしょうか。
以上、観光スポーツ部長の見解を伺います。

【加藤観光スポーツ部長】

 本県の観光の在り方への県民的な議論などについてでございました。
 本県の観光振興につきましては、しあわせ信州創造プラン3.0にお示ししているとおり、目指す姿といたしまして、暮らす人も訪れる人も長野県を楽しんでいる世界水準の山岳高原観光地づくりを掲げており、その施策の方向性につきましても、観光地域づくり、プロモーション、インバウンドの推進、この三つを柱として取り組んでいるところでございます。
 その上で税を活用する具体的な取組につきましては、プラン3.0の内容を踏まえた上で、今後、観光ビジョン(仮称)でお示しをしたいと考えており、策定に当たりましては、条例案や関連予算案を議決いただいた後、速やかに観光振興審議会に部会を設置し、市町村や宿泊事業者などとも検討するとともに、県議会で御議論をいただきながら、県民的な議論となるよう努めてまいります。
 以上でございます。

【山口典久議員】

 宿泊税につきまして、今、御答弁ありましたけれども、長野県の今後のビジョンについて今後プランを示したいということでしたが、私はこういうプランを示していただき、その中で宿泊税を論ずるべきものと考えます。

新たな国民健康保険運営方針について

【山口典久議員】

 新たな国民健康保険運営方針について質問します。
 初めに、国民健康保険の均等割に関してです。これまでも私たち共産党県議団は重ねて取り上げてまいりましたが、国民健康保険制度には、家族や子どもの人数に応じて保険料を課す均等割の制度があり、とりわけ子育て世代にとって重い負担になっています。これは少子化対策にも子どもの貧困対策にも逆行するものであり、独自に減額や免除する自治体も広がっています。
 長野県内でも全国でも、この均等割について見直しを求める声が広がり、国は2022年に未就学児の半額軽減を実施していますが、就学児は対象になっておらず、まだまだ不十分です。国に対して引き続き見直しを求めるとともに、県としても対応が必要と考えますが、いかがでしょうか。

【笹渕健康福祉部長】

 私には国民健康保険に関連してお尋ねがございました。
 初めに、子どもに対する均等割の賦課についてでございます。
 令和5年6月定例会にて答弁させていただきましたとおり、子どもに係る国民健康保険料、保険税の均等割の賦課に係る軽減措置は、国民健康保険法等の法令に基づくものであり、自治体が独自に廃止したり、国の基準を超えて軽減することはできない仕組みとなっております。
 県では、これまでも一層の負担軽減を国に要望してきたところでございますが、対象範囲や軽減割合のさらなる拡充を講じるよう、厚生労働省に要望を行っているところでございます。
 国民健康保険制度における子育て支援につきましては、国が全国一律で対応すべき政策であることから、引き続き、県だけでなく全国知事会も通じ国にさらなる施策の充実を求めてまいります。

【山口典久議員】

 負担の公平性についてです。
 昨年3月、長野県は2032年度までの6年間の国民健康保険の新たな運営方針を策定いたしました。
 この改定に当たり、長野県の国民健康保険は、高齢化率が高い、所得水準が低い、小規模の保険者が多いなど構造的課題が顕著であり、保険料水準の統一による制度の安定化が必要であるとし、統一の方向性等を示しています。
 一方、長野県厚生労働省国民健康保険事業年報によると、令和3年度の県内の1人当たりの実績医療費の格差は最大で2.2倍であり、全国で7番目に高くなっています。これを2次医療圏で見ても、佐久医療圏は最大1.682倍の格差があります。医療費の水準が低い市町村では、医療機関にかかりづらい、サービスを受けにくい等の条件が影響していると思われます。
 そこへ保険料水準が統一されれば、他の市町村の医療費を賄うために、納付金や保険料が増加する可能性がありますが、この問題についてどのように考えるのでしょうか。見解を伺います。

【笹渕健康福祉部長】

 保険料水準統一による保険料増加に対する見解についてでございます。
 保険料水準の統一は、同じ所得水準で同じ世帯構成であれば同じ保険料負担となる、受益と負担の公平性の観点から目指しているものでございます。御指摘のとおり、医療費水準が低い市町村では保険料の増加が見込まれることから、県では財政支援を講じているところでございます。
 一方、医療費水準が高い市町村では、医療費の増加を抑制する取組が大切になります。市町村の努力により、医療費指数の引下げに一定の効果がある生活習慣病の発症予防、重症化予防に向けた取組を重点的に行う必要があると考えております。

【山口典久議員】

 納付金の算定方法についてです。
令和4年国保実態調査によれば、長野県の加入者1人当たりの平均所得は年83万3,000円です。また、長野県社会保障推進協議会の調べによると、例えば夫婦と子ども1人で所得が250万円の世帯の場合の保険料は年40万円を超えて、協会けんぽの2倍近い負担となります。今でも保険料が高過ぎて払えない、治療を控えるなど深刻な事例も生まれており、保険料の軽減を求める声は切実です。
 長野県の新たな運営方針は、保険料の在り方について、2次医療圏医療費指数、次に納付金ベース、そして完全統一へと三つの段階で統一することを示していますが、それぞれの段階における納付金の算定方法について伺います。

【笹渕健康福祉部長】

 保険料水準統一における納付金の算定方法についてでございます。
 国民健康保険の保険料は、基準となる保険料に医療費指数を乗じて算出しております。県では、令和9年度までの2次医療圏での医療費指数の統一、令和12年度までの県全体での納付金ベースの統一、そして将来的には所得水準と世帯構成が同じであれば同じ保険料とする完全統一を目指しております。
 2次医療圏での医療費指数の統一は、市町村ごとの医療費指数を使わず2次医療圏の医療費指数を用いる算定方法です。そして納付金ベースの統一は、県単位で医療費支出を統一するため、算定上は医療費指数を考慮しない方法でございます。
 さらに、完全統一はこれに加えて、高血圧予防事業などの市町村独自の保健事業や人間ドック補助などの住民サービスも統一する方法でございます。

【山口典久議員】

 加入者負担の軽減についてです。
 国民健康保険法第1条は、この法律は、国民健康保険の健全な運営を確保し、もって社会保障及び国民保健の向上に寄与することを目的とするとしています。
 様々な課題がある中で、持続可能な保険制度の確立は当然求められていますが、その一方で、制度によって生活が困難になるような負担増が求められては、何のための社会保障なのか、本末転倒です。
 新たな運営方針では、保険料徴収や保険給付の適正な実施、医療費適正化などについて取り組むことが位置づけられていますが、結果的に納付金や保険料負担が増加する場合にどのように対応するのか。必要に応じた県の剰余金、基金の活用、一般会計からの繰り入れ、また独自の減免制度の創設等の検討が必要だと考えますが、いかがでしょうか。
 以上、健康福祉部長に伺います。

【笹渕健康福祉部長】

 保険給付や保険料増加に対する県の対応についてでございます。
 まずは、保険料の負担を増やさないよう医療費の増加を抑える取組が重要と考えております。
県では、市町村と連携し、保険給付の適正な実施や健診の受診率向上などによる医療費増加の抑制に向けた取組を進めているところです。生活習慣病の発症予防につながる取組は国の交付金制度があり、この交付金は保険料の抑制に活用できることから、積極的に取り組むことが大切であると考えております。
一方、医療の高度化や、高額薬剤の保険適用により、医療費の増加は避けられないものと認識しております。そのため、低所得者への配慮を含め保険料の負担が少しでも軽減されるよう、引き続き国に対して国庫負担率の引上げを要望してまいります。
 以上でございます。

【山口典久議員】

 国民健康保険の均等割、これは全国に子どもの均等割の負担軽減を行っている自治体が広がっている御紹介をいたしましたが、それだけ必要とされているからではないでしょうか。ぜひ県としても、子育て世帯に寄り添った対応を検討していただくよう強く要望をいたします。
 また、国民健康保険の納付金の算定方法、この最後に保険料水準を統一するときにどうするかということで、独自の保険事業、例えば人間ドックも含めて、これを見直していくという、ならしていくというお話もありました。
 しかし長野県の健康長寿の背景に、健康診断や保健指導などの取組が各所で果たしてきた役割は大きいと言われています。各地域の実情や条件に見合った優れた事業が守られるように強く求めます。

上田長野地域水道事業広域化について

【山口典久議員】

 続いて、上田・長野地域水道事業広域化について質問いたします。
 住民説明、意見募集について伺います。
 水道事業が独立採算制を原則とし、料金収入の減少、施設の耐震不足や老朽化、災害対応の急増、人材不足など様々な課題を抱える中で、将来厳しい経営局面になるとして、事業の在り方について検討が行われてまいりました。
 この中で、長野市、上田市、千曲市、坂城町、長野県企業局は、水道事業の広域化を一つの方向性として、上田長野地域水道事業広域化研究会において研究を重ね、2024年4月8日に、上田長野地域水道事業広域化協議会を設立いたしました。
 そして、10月16日の第3回協議会において基本計画素案を示し、関係する市町や住民からの意見を募集し、説明が行われてきました。意見募集や説明で出された意見について、その概要を伺います。

【吉沢公営企業管理者】

 上田長野地域水道事業広域化について、ご質問いただきました。お答え申し上げます。
まず、基本計画素案などに対する住民意見についてですが、一昨日高島議員の代表質問でもお答えしましたように、昨年の12月5日から今年1月中5日の間に長野地域において13回の住民説明会を開催し、532人の参加を、また11月20日から1月20日にかけて、各構成団体でメールや郵送などで意見募集を実施して、144件の御意見をいただいたところです。
 現在全体の整理を行っていますが、内容に関しては、将来の負担増を抑えながらも安定した水道の供給が続けられる体制の整備が重要。あるいは広域化して耐震化などの課題になるべく早く取り組んでほしいといった将来にわたる水道の安定供給体制などについて。また上田・長野地域の枠組みでの統合を検討する理由や、下流域での施設整備に対する上流域の財政負担の合理性。時間をかけた検討を求めるなど、多岐にわたるものとなっております。

【山口典久議員】

 合意形成について伺います。
 協議会は2月1日、第4回の会合を開催いたしました。報道によると、この会合で上田市から、市民説明会で疑問の声が多く寄せられ、市の上下水道審議会でも論点が整理できないと説明があり、協議会は、上田市の合意形成にかかる時間を勘案し、統合への首長合意 の時期を今年7月以降に決めたとされています。
 これまで県は、広域連携の推進役としての責務を担っているとその役割について述べてきましたが、今回、参加自治体において合意形成に係る問題が明らかになりました。広域化については、拙速な対応ではなく時間をかけた丁寧な説明と、住民合意を重視すべきと考えますが、見解を伺います。

【吉沢公営企業管理者】

 広域化に関する説明や住民合意についてです。
 御質問にもありましたように、2月1日に開催された上田長野地域水道事業広域化協議会において、構成員の上田市長から、水道事業の在り方を諮問している市の上下水道審議会において、様々な意見がある中で現段階で結論を出すのが難しいので、もう少し論点を整理して議論を深めていきたいとの意見があることから、事業統合の基本計画に関する合意時期については、7月以降に見直しをお願いしたいとの提案がありました。
 他の首長からは、これまでに実施した住民アンケートや寄せられた意見から、広域化の取組は広く賛同を得ているという認識もあり、こうした期待に応えていくことが大切。また、国の支援策が時限措置ということもあり、スケジュール感を持って課題を解決しながら、早期の企業団設立を目指すことも必要といった意見が出されましたが、同時に各団体の状況も考慮しながら協議を進めることも重要との認識が示されました。
 協議の結果、会長である長野市長における全体のスケジュール感は持ちながら、住民の皆様に説明を行い理解を得ていく観点が大切との取りまとめにより、協議スケジュールの見直しについて合意がなされたところです。
 こうした認識を関係団体で共有をしながら、各団体単独での運営が厳しくなる中で、広域化の取組が求められている状況や、統合した場合の事業運営などについて協議の各段階で丁寧な説明に努め、御理解をいただきながら取組を進めてまいりたいと考えております。

【山口典久議員】

 職員体制について質問します。
 企業団の職員について、基本計画素案では、企業団を設立当初は、業務運営の安定化や施設整備の推進を図るため、統合前の構成団体における職員数を確保できるようにする。次に、事業が確実に履行できる体制が構築され、業務運営が安定してきた段階で、業務の一層の共通化、効率化を図りながら、適正規模を目指すことを示しています。
 そこで、現在、県事業団と上田市、千曲市、長野市で合計236名の職員がいますが、この先、何名が必要と考えているのでしょうか。
 この間、能登半島地震や奥能登豪雨、各地で多発する自然災害をめぐり、自治体職員、専門の技術職員が大合併等で削減され、マンパワー不足が復旧・復興の大きなネックになっています。私は、とりわけ水道職員について、現体制より強化する必要があると考えますが、見解を伺います。
 官民連携について、維持管理、検針、料金徴収業務などの民間委託を進めるとしています。
現在でも各事業体で一定の民間委託が進められていますが、企業団ではどの程度を想定しているのでしょうか。

【吉沢公営企業管理者】

 広域化により必要な人員を確保し体制を強化することなどについてです。
 水道事業に携わる職員は、上田・長野地域の事業体においては、20年前に比べて2割弱減少しており、また県水道事業にあっては、50歳以上の技術職員の割合が、10年前の26%から令和4年には65%となるなど、安定的な水道運営のための職員確保、技術継承が重要な課題となっております。
 こうした中、事業統合に伴う将来的な必要人員は、今後策定を予定する事業計画の中で検討することとなりますが、技術職員に関しては現状を維持していく想定となっております。
 協議会においても、広域化による人材確保の必要性や効果が指摘されており、事業統合による一定規模の職員の確保や、企業団によるプロパー職員の採用により、長期的な人材育成や専門家組織の構築につなげて、将来にわたり持続可能な水道事業運営を実現していくことが重要と考えています。
 また業務の民間委託に関しては、各事業者において異なる委託業務の状況や統合後の人員体制、業務計画などを勘案しつつ、実施内容を検討してまいります。

【山口典久議員】

 事業費、料金シミュレーションについて伺います。
 整備事業は、国の補助金も含めて1,000億円超と言われますが、昨今の各種の大型事業を見れば、資材や人件費の高騰などで事業費が膨れ上がっています。こうした下で、シミュレーションも不安定なものに当然ならざるを得ません。
 整備事業費が、社会情勢の変化の中で増加するリスクはどのように検討され、どのような対応が考えられているのでしょうか。

【吉沢公営企業管理者】

 施設整備事業費の増加リスクなどへの対応についてですが、現在の施設整備計画は詳細設計によるものではないため、実施段階においては事業費の増減が見込まれます。
また物価上昇による事業費の増加や、河川管理者等関係機関との調整などにより、予定した期間に事業を完了しないといった事態も考えられます。
 今後策定予定の事業計画においては、実現性も再確認しながら年次計画を含めた整備計画を検討することになりますが、実施に際しては、設計施工一体型のデザインビルド方式での発注など、官民連携手法を活用し、できるだけ早期の事業完了を目指してまいります。
 さらに事業費の増加などにより、予定した事業が計画期間内に完了しないことが想定されるような場合には、効果の発現が早期に求められる事業や広域化に伴う補助対象事業を優先し、残事業については他の補助事業により実施を検討するなど、地域への効果低減や財政的な影響を軽減するよう配慮してまいります。

【山口典久議員】

 企業局の参加の在り方について伺います。
 水道事業は命の水に関わる事業であり、また水源の開発や維持をめぐる営々とした営みは、地域と住民の自治の歴史でもあります。今後設置が予定される企業団における執行機関や意思決定機関の役割、また長野県企業局の参加の在り方についてどのように考えるのでしょうか。
以上、公営企業管理者に伺います。

【吉沢公営企業管理者】

 企業団における執行機関等の役割や県企業局の参加についてです。
 現在検討中の基本計画素案においては、協議会参加団体で構成される企業団の設立による事業運営や、意思決定機関としての企業団議会や、重要な管理運営事項を協議する運営協議会の設置、また企業団設立当初における構成団体から企業団への職員派遣などについて規定しています。企業団議会や運営協議会は、住民の意思反映の観点からも重要な役割を担う機関となりますので、先行事例も踏まえその運営等について十分検討協議してまいります。
 当地域では要請を受けて県内で唯一県企業局が水道事業を実施しており、広域化に際し水道法の原則であります市町村運営に委ねることが本来的ではありますが、企業団の発足に当たってはこれまでの経過を踏まえ住民サービスの低下を招くことなく事業が円滑にスタートできるよう、県企業局としても運営に参加をし、職員派遣など必要な対応を行う予定です。
 以上でございます。

【山口典久議員】

 企業団の水道広域化について、企業団の執行機関や意思決定機関、県の企業局の参加の在り方は、民主主義の問題でもあります。企業団への参加の重要な判断基準になると思います。ぜひ、県民に見えるように取り組んでいただくことを求めて質問を終わります。

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