2025年2月定例会 両角友成議員一般質問
補聴器購入に対する公的補助制度の創設について
- 【両角友成議員】
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日本共産党県議団の両角友成です。私は発言通告に沿って一般質問を行います。
まず初めの質問項目は、補聴器購入に対する公的補助制度の創設についてであります。
少子高齢化社会を迎えた日本では、人口減少と将来の経済や社会の担い手の減少、社会保障制度の持続など、様々な問題に直面しています。このような社会を活性化する一つの方策に、高齢者の社会参加をこれまで以上に活発にすることが挙げられます。
一つに加齢性難聴。加齢性難聴による機能低下は、日常生活が不便になり、コミュニケーションを困難にするなど、生活の質を落とす要因となり、孤独や認知症になるとも指摘されています。
さて、加齢性難聴者にとって補聴器は、高齢になっても生活の質を落とさずに心身ともに健やかに過ごすことができ、認知症の予防、ひいては健康寿命の延伸、医療費の抑制にもつながるものと考えます。したがって、難聴者への聞こえの支援は、社会参加の点からも重要な課題です。
2020年6月の全国市長会では、介護保険制度の提言の中で、加齢性難聴者の補聴器購入に対する補助制度を創設することを採択し、国に要望しています。長野県議会では、2019年6月定例会で、「加齢性難聴は、日常的な会話を困難にし生活の質を落とす大きな原因となる」「低所得の高齢者等が加齢性難聴により補聴器を購入する際の公的補助制度を創設するよう強く要請する」、 この内容の意見書を全会一致で採択し、国に上げています。
私はこの項目を取り上げ思い出すことに、現在は保険適用され、手術が入院ではなく、外来で日帰りが主流になった白内障の眼内レンズ挿入術があります。当時、白く混濁してしまった水晶体の核を摘出し、その代わりに眼内に挿入するレンズは、眼鏡やコンタクトレンズが目の中に入るようなものとの考え方から、保険適用されていませんでした。そこでまず運動として起こったのが、眼内レンズに補助金をでありました。
もう25年にもなりますが、旧四賀村でも、住民要求を取り上げた私の議会質問を契機に、1眼5万円、両眼で10万円の補助金が、当初予算ではなく補正予算に50万ほど頭出してで盛られ、住民の皆さんに歓迎されたことを覚えています。
あの当時、全国の地方自治体で、眼内レンズに補助金を、保険適用をの運動が盛り上がり、国を動かし、実現できたのです。長い運動がありました。
さて、補聴器の公的助成ですが、全国で広がりを見せ、今日では、いよいよ東京都が2024年度から補聴器補助制度を開始しました。内容は、1人当たり14万4,900円上限、住民非課税世帯、補助率2分の1。1人当たり7万2,450円上限、補助率2分の1。加齢性難聴に関わる普及啓発、補助率10分の10。加齢性難聴に関わる聴覚検診、補助率10分の10です。
長野県内でも、本年1月現在、24市町村で2万円から10万円の公的助成制度を実施しています。自治体間 の格差をなくすためにも、県が市町村と連携して取り組むべきと考えるが、知事の見解を伺います。
- 【阿部知事】
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私には高齢者の補聴器の購入事業についての考え方について御質問を頂戴しました。
現在の高度・重度難聴の方については、周囲の方との意思疎通、あるいは耳からの情報の取得に大きな支障があるということから、補聴器の購入費用については公費負担の対象という形になっております。一方、軽度・中等度難聴の方はそうした国の支援がなく、県内の一部市町村が単独で補助しているという状況であります。
この補聴器購入に対する補助等については、その意義であったり、あるいは国や市町村との役割分担などをしっかり踏まえて考えるということが必要だと思います。個人 に対する支援策は様々あるわけですけれども、選挙で選ばれる私たちからすれば、いっぱい支援したほうが県民 から喜ばれるということはもとよりでありますが、しかしながら私の責任としては、やはり財政の持続可能性も考えなければいけませんし、また一方で施策の優先順位ということも考えなければいけません。
加えて、国が取り組むべきなのか市町村が取り組むべきなのかということも、しっかり考えなければいけないわけでありますが、やはりこの社会保障に関わるような、医療であったり健康の部分は、どこに住んでも一定のナショナルミニマムとしての支援が受けられる必要があるのではないかというふうに思っております。
今、国においては、この補聴器の装着について認知症の予防効果研究が行われているというふうに聞いております。その効果なども踏まえて考えることが必要だというふうに思いますし、また一方で、今申し上げたようにナショナルミニマム的に取り組むべきことであれば、やはりこれは国がしっかり支援対象にすべきだというふうに思いますので、これまでも国に対して要請してきておりますが、この点については、引き続き要請をしていきたいというふうに思っております。
東京都がこういう事業を行っているということでありますが、本当に東京都だけ財政力が突出しているという状況は、もう日本全体から見たときには看過できないぐらいの差がついているのではないかというふうに思います。
ぜひこれは、県議会の皆様方とは一緒にこの東京問題に取り組んでいかなければいけないというふうに思いますけれども、我々も自分たちでの財源涵養もしっかり取り組んでいきますし、その一方で、誰の責任で取り組むべきかということをはっきり念頭に置きながらこうした支援については考えていくと、そして財政の持続可能性も視野に入れながら取り組んでいきたいというふうに思っております。
以上です。
- 【両角友成議員】
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健康福祉部長に伺います。 補聴器について以前質問。内容は、欧米諸国では中程度の難聴から給付対象になっている。日本の公的給付の基準が厳し過ぎる。一人一人に合った補聴器を利用できる仕組みづくりと、適切な普及に向けて県として取り組むべき。難聴のことをどこに相談すればよいか分からない状態の解消も必要。また、磁気誘導ループなど集団補聴施設の普及について、現時点での状況と今後の拡大策を伺いました。
答弁では、県立の施設では、県障がい者福祉センター「サンアップル」や、ろう学校に設置されています。センターでは磁気誘導ループの貸し出しを行っています。県のホームページで紹介を行っています。こうした相談状況や磁気誘導ループの貸し出し状況を踏まえまして、今後の支援の在り方について言及してまいります。
この答弁を受け、私からは、磁気誘導ループの導入を一番望まれている場所は病院、次に駅だそうです。難聴支援は大事な問題、また時期を見て質問しますとしてありました。
そこで現在、市町村役場や市立大町総合病院が磁気誘導ループを設置するなど前進していると理解していますが、正しい補聴器の利用に向けた取組を含め、磁気誘導ループ、現在のヒアリングループを普及させるなど、県のその後の研究成果を伺います。
- 【笹渕健康福祉部長】
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私には正しい補聴器の利用とヒアリングループ支援についてのお尋ねでございます。
補聴器の利用に当たっては、まず聞こえに対する不便を感じた際に医療機関を受診し、医師の指示に従って適切に補聴器を使用していただくことが大切でございます。
県聴覚障がい者情報センターでは、常時聞こえや補聴器等に関する相談を受け付けており、まだ医療機関を受診していない方には、早期受診を勧めております。また、認定補聴器技術者による補聴器相談会を毎年開催し、様々な相談に専門的に対応しております。
次にヒアリングループの状況についてですが、ヒアリングループとは、会議や講演会等において、マイクから音声をクリアに補聴器に届ける設備で、持ち運び可能な携帯型と、建物の床下に埋設する設置型がございます。
携帯型については、県聴覚障がい者情報センターに おいて、貸出しを行っており、貸出し実績としては年平均2.8件となっております。
また、設置型については、福祉のまちづくり条例 に基づき、平成28年から新設施設には客席への設置を努力義務とし、県立美術館には設置済み、現在建設中の松本平広域公園陸上競技場には設置予定となっております。
一方で、近年はヒアリングループ以外にも、Bluetooth対応型の補聴器や音声認識アプリの普及、窓口にはパーソナルスピーカーの設置等、コミュニケーション支援機器の多様化が進んでおります。
引き続き早期受診の勧奨を含む丁寧な相談支援に努めるとともに、支援機器の多様化を踏まえて、障がいのある方一人一人に適した情報保障の在り方について研究を深めてまいります。
以上でございます。
- 【両角友成議員】
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東京都の話がありました。国が、市町村がと答弁されましたが、その 次に長野県もとなっていただきたいと思います。今年の4月から、坂城町、原村も補聴器の公費助成の実施を予定 していますし、他にも動きがあります。県が後押しすることで確実に広がる施策だと考えます。
正しい補聴器の利用に向けた取組についても、より深めるため、頃を見て質問したいと申し上げ、次の項目に移ります。
健康保険証について
- 【両角友成議員】
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次の質問項目は健康保険証についてであります。
病院窓口での声かけ、「マイナ保険証をお持ちですか」は、まるで強制されているよう。中にはマイナ保険証がないと病院にかかれないと誤解して、不本意ながら登録したという人もいます。病院で診療の順番が後になると言われ、登録された方もおります。
経過措置として、昨年12月2日以降も有効期限内は現行の保険証が使えること。その間、医療機関などの窓口では、マイナ保険証、現行の保険証、資格確認書の三つが混在することになりますが、県民の皆様には、まずは12月2日以降も現行保険証が使用でき、今までと変わらず医療機関での診察を受けられることを明確に伝えることが重要だと考えますが、健康福祉部長の見解を伺います。
- 【笹渕健康福祉部長】
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私には健康保険証に関連して新規発行終了後も健康保険証を使用できることの周知について御質問がございました。
議員御指摘のとおり、県といたしましても、有効期限内の健康保険証や資格確認書など、マイナ保険証を持ちでない場合の受診方法について周知していくことは重要であると認識しております。
県ではこれまで、県公式ホームページやSNSを活用し、健康保険証の新規発行終了後も、これまでどおり保険診療を受けられることの広報を行ってきたところでございます。引き続き全ての方が安心して医療機関を受診できるよう、機を捉えて、県民の皆様への丁寧な周知に努めてまいります。
以上でございます。
- 【両角友成議員】
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ぜひ、正しく伝えていただきたいと思います。昨年暮れに、マイナ保険証が来年度2,750万枚期限切れの報道。電子証明書は、5年に1度は役所に足を運びカードに内蔵された電子証明書を更新しなければなりません。
政府のなりふり構わないてこ入れで、5年前、1,917万枚のカードが発行されましたが、既にマイナ保険証の有効期限が切れていたとの報道がある中、今年4月から2,750万枚と桁違いが期限切れとなります。経過措置が 取られると承知していますが、また一つ、医療機関窓口での混乱が懸念されます。12月2日以降使えなくなると勘違いしていた方々を考えると、後期高齢者や国保加入者が有効期限を迎える今年の7月にかけて、さらに混乱が予想されます。
政府与党内にさえ十分に理解が浸透しているとは言い難い状況と思っている方々もいるのではないでしょうか。
共同通信デジタル弱者問題取材班、1月14日付の報道によると、日本視覚障害者団体連合会長の竹下義樹さんが、マイナ保険証で本人確認する場合、カード読み取り機で顔認証や暗証番号入力が必要だが、視覚障がい者はいずれも難しい。顔認証では枠内に顔を入れることができないし、たとえ認証したとしても、音で合図がないから分からない。現行の保険証が廃止され、障がい者が医療を受けにくくなるなどの不利益があるなら、それは人権問題だ。国は、一度決めた方針を変更し、自分たちの間違いを認めることを恐れているのではないか。政府は目視での本人確認を容認しているが、初めから使えない人たちを例外に追いやっており、適切ではない。
読み取り機に音声ガイド機能がついていない機種もあり、障がい者のお困り事に対応する合理的配慮も不十分。誰もが病院にかかれる国民皆保険制度の崩壊はあってはならない。本来、デジタル化は、高齢者や障がい者にとって便利なものであるべきだ。一部の人を置いてきぼりにしたままの社会進歩はあり得ない。 これは大切な問題提起ではないでしょうか。
重度の障がい者や要介護の高齢者の多くが、日常的に医療を必要とする人たちです。現在開会中の通常国会には、立憲民主党が、マイナンバーカードと保険証が一体化したマイナ保険証をめぐり、従来の健康保険証発行の復活法案を提出しました。法案では一旦健康保険証の発行を復活させて、マイナ保険証と併用し、マイナ保険証が安全で確実に利用できるための環境整備や、国民の利用状況などを勘案して、改めて健康保険証を廃止する時期を検討する内容です。
この営み、国民世論の後押しがあって法案提出になったと思っています。ここまで来ました。
私はこの場で何回かただしてきましたが、改めて、国は従来の保険証とマイナ保険証を併用させた上で、デジタルを使うのが最も困難な人たちの視点から制度を設計し直さなくてはならないと断言しますし、まずは、安全性と信頼性を高めていくことが欠かせないのではと思っています。
現行の保険証が有効期限を迎える前に、マイナ保険証への一本化を見直し、運転免許証のように併用できるようにすべきと考えます。県としても、健康保険証の復活と併用を国に求めていただきたいが、いかがか。健康福祉部長に伺います。
- 【笹渕健康福祉部長】
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国に対する健康保険証の復活と併用の要請についての御質問でございます。
健康保険証のデジタル化には、患者本人の健康・医療データに基づく最適な医療の提供など多くのメリットがあることから、推進していくべきものと認識しております。
また、障がい者など配慮を要する方のマイナンバーカードの取得につきましては、来庁が困難な場合の代理人への交付、受診については、暗証番号の入力や顔認証が困難な場合の窓口職員の目視による資格確認など、一定の措置が講じられているところでございます。
県といたしましては、復活法案に対する国の動向を注視するとともに、県民の皆様が安心して受診できるよう、引き続き、制度の丁寧な周知やマイナ保険証の円滑な運用に向けた国の要望を実施してまいります。
以上でございます。
- 【両角友成議員】
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残念ながら推進との答弁がありました。マイナ保険証解除5万8,000件、こんなに多くの方々が取り下げています。
また、マイナ保険証が医療費や社会保障費の抑制に資する、助けとなるかのような主張がありますが、これに対し、保険証廃止の撤回を訴える保団連事務局次長の本並省吾さんは、どんなロジック(論理)で、マイナ保険証が医療費を抑制するというのか理解に苦しむ。マイナ保険証は、端的に言えば、医療機関の入り口での資格確認の方法を変えただけ。医療費の適正化はレセプトデータの利用によって既に行われており、重複投薬などもチェックできる。医療費抑制と言いながら、マイナ普及に兆円、1兆円、2兆円、3兆円、4兆円、兆円単位の予算をつぎ込む政策を無駄とは思わないのでしょうかと言っています。
私も全く同感ですと申し上げ、質問といたします。ありがとうございました。