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議会質問

2026年2月定例会 毛利栄子議員一般質問

  1. 知事の政治姿勢について
  2. 多文化共生社会の推進について
  3. 高校における遠隔教育について

知事の政治姿勢について

【毛利栄子議員】

 知事の政治姿勢について伺います。
 初めに、原発再稼働についてです。
 新潟県が実施した昨年9月の県民意識調査で、「東電が原発を運転することは心配」が7割になっているのに知事が再稼働を容認し、東電は1月21日に世界最大級の柏崎刈羽原発6号機を再稼働させました。
 ところが、制御棒の引き抜き作業中にトラブルを起こし稼働を停止。6号機の制御棒の警報システムに不具合があったそうですが、30年前の運転開始当初からの設定ミスが原因だとのことです。核分裂反応を抑える安全の最重要設備での不具合に、専門家からも東電の運転能力に対する疑問が指摘されています。今回のトラブルは、東電に原発を運転する資格があるのか改めて問われる重大事態であり、再稼働は容認できるものではありません。
 県は、「地域防災計画」で、原子力事業所からおおむね30キロ圏内の「緊急防護措置を準備する区域」ではないにせよ、福島原発事故を踏まえると、放射能の影響はかなり広範囲に及ぶことから、いざ何かあったときに備え、県民の財産、生命、健康を守る立場から、避難などについて詳細な対応計画を立てています。
 飯山市、野沢温泉村、栄村などは、柏崎刈羽原発から50キロ圏内の地域もあり、事故が起これば影響が及ぶと懸念しています。
 知事は、県民の安全・安心を守る立場から、今回の事態をどのように受け止めていますか。見解を伺います。

【阿部知事】

 お答えを申し上げます。
 まず、原発についてご質問頂戴いたしました。
 柏崎刈羽原発の制御棒の引き抜き作業中の警報作動についてでございます。
 この事案につきましては、法律に基づく使用前検査を実施している際に起きたものということで、このことによりまして、営業運転の再開等が延期されたものというふうに認識をしております。
 本県、そして飯山市、野沢温泉村、栄村に対しましては、東京電力との安全確保に関する覚書に基づいて制御棒引き抜き作業を停止したとの事実に加え、停止の原因・対策なども逐次情報共有が行われ、覚書に基づく対応がなされたところでございます。
 原子力規制庁は、今回のケースに関しては直接介入する必要はないというふうに認識を示されているように、今回の対応は、発電所として安全を最優先して停止をされたものというふうに受け止めております。
 東京電力及び政府におきましては、今後とも慎重かつ安全を第一に取り組んでいただきたいというふうに考えております。

【毛利栄子議員】

 再稼働の判断を新潟県だけで行い、影響が懸念される周辺自治体には何の配慮もないことに対し関係地域の首長は不信感を持っていると報道されていますが、知事はどう考えるのでしょうか。

【阿部知事】

 原発の再稼働に係る周辺自治体への配慮についてというご質問でございます。
 福島第1原発の事故後、安全対策を行うために原発は運転を停止しました。この運転を停止した原発につきましては、従来の基準に比べて多くの項目が新設または強化された厳しい規制基準に基づく原子力規制委員会の審査を経るとともに、立地自治体の理解を得た上で再稼働していくという形になっております。
 原子力規制委員会が定めております原子力災害対策指針では、IAEAの国際基準を踏まえて、原子力災害時に影響が及ぶ可能性がある区域に対して重点的に原子力災害に特有の対策を講じておく範囲としての原子力災害対策重点区域の目安を、原発から30キロ圏内というふうに定めておりまして、本県は該当しておりません。こうしたことから、私としては立地自治体の判断を尊重することが必要というふうに考えております。
 しかしながら、本県としても県民の皆様方の安全・安心を守るという観点から、柏崎刈羽原発の安全確保は重要なことであるというふうに考えております。そのため、安全確保に係る連絡体制に関する覚書に関する連絡会議を定期的に開催をさせていただいておりますほか、先月は、飯山市長、野沢温泉村長、栄村長と共に、私も直接福田副社長はじめ東京電力ホールディングスの皆様方と安全対策について意見交換をさせていただいたところでございます。
 今後とも、東京電力とは継続的な意思疎通を図り安全第一の対応を求めてまいります。

【毛利栄子議員】

 福島第1原発事故から15年。いまだ収束しない中で、あの事故当事者の東京電力に対し、原子力規制庁は、度々刈羽原発に赴き再稼働への圧力を強めてきました。政府の責任も問われます。トラブルを重ねている柏崎刈羽原発の状況を踏まえ、再稼働は行うべきではないと考えます。やめることを東京電力、政府に求めていただきたいが、いかがですか。

【阿部知事】

 柏崎刈羽原子力発電所の再稼働中止を求めていただきたいがいかがかというご質問でございます。
 柏崎刈羽原子力発電所の再稼働につきましては、先ほど申し上げましたように、原子力規制委員会の厳正な審査、そして地元の了承など、必要な手続を経て進められてきているところでございます。新潟県はじめ立地自治体の判断は極めて重いものというふうに考えており、私として、再稼働の中止を求める考えはございません。

【毛利栄子議員】

 中部電力浜岡原発も、再稼働申請の中で、想定される地震の最大の揺れ、基準地震動のデータを意図的に操作し過小にしていたことが外部通報によって明らかになりました。浜岡原発は、南海トラフ巨大地震の想定震源域の真上にあり、事故が起これば長野県の南信地域に影響が及ぶことが懸念される原発です。
 この改ざんも、原発の耐震性、安全性を根底から揺るがすものとして、県としては重大に受け止めなければならないものです。原子力規制委員会も改ざんを見抜くことができず、規制委員会の在り方も問われています。中電の原発立地を判断するのに最も基本となる地震動に関わる不正は論外です。知事の所見を伺います。

【阿部知事】

 浜岡原発のデータ改ざんへの見解についてというご質問でございます。
 原発の安全審査に関わる重要なデータに関する不正は、安全審査の有効性、また信頼性を根本から揺るがす重大な問題だというふうに受け止めており、大変遺憾な状況だと考えております。
 現在、経済産業省及び原子力規制委員会におきまして報告徴収を行い、事実関係の解明を行っているところというふうに承知をしております。国において、厳正な対応、適切な指導監督を行っていただきたいというふうに考えております。
 県としても、中部電力との安全確保に関する覚書に基づいて、中部電力から説明を求めてまいりたいと考えております。

【毛利栄子議員】

原発の再稼働、新増設に反対し、再生可能エネルギーの普及拡大をもっと大規模に進め、原発ゼロの日本を目指すよう政府に求めていていただきたいが、いかがでしょうか。

【阿部知事】

 原発の再稼働、新増設に反対し、再生可能エネルギーの普及拡大を大規模に進めるよう政府に求めていただきたいが見解はいかがかというご質問でございます。
 原発を含むエネルギー政策の根幹につきましては、安定供給、あるいは経済効率性という観点はもとより、安全性、あるいは環境への適応性、こうしたものを総合的に検討した上で、国において責任を持って決定されるべきものというふうに考えております。
 一方、エネルギーの安定供給と脱炭素を両立させるためにも、再生可能エネルギーを主力電源として最大限投入していくことが必要というふうに考えております。
 引き続き、全国知事会等を通じて、再生可能エネルギーの主力電源化の徹底を求めていきたいと考えております。

【毛利栄子議員】

 非核三原則について伺います。
 「核兵器を持たず、つくらず、持ち込ませず」という非核三原則は、1967年に佐藤栄作首相が国会で表明し、1971年、沖縄返還協定締結時に衆院本会議で決議が採択され、その後5回にわたる採択を重ねながら、国是として確立されてきました。
 長野県も1984年に非核平和県民宣言を行い、県下全ての自治体が非核平和都市宣言を掲げています。日本が世界で唯一の被爆国として世界に対し核兵器全面禁止を訴え続けることは、国民的使命でもあるとも言えます。
 そのような中、高市総理の安保関連3文書の今後の見直し作業において、これまでの国会決議を逆行する方針転換が行われることが懸念されています。ここに来て、政府高官から、「日本も核保有すべき」発言まで飛び出し、一層非核3原則が危うくなってきています。
 この動きに対し、一昨年ノーベル平和賞を受賞した日本原水爆被害者団体協議会が抗議声明を発表。長崎県知事は、「到底受け入れられない。長崎を最後の被爆地に」と述べ、広島県知事も、「三原則は絶対に守るべきもので変更は容認できない」と語っており、怒りの声が広がっているのは当然です。
 知事は、2017年、「核兵器廃絶国際署名」に賛同しています。圧倒的多くの長野県民も核廃絶を願っています。その立場から、非核三原則についての見解を伺うとともに、政府に対し堅持するよう求めていただきたいが、いかがでしょうか。

【阿部知事】

 非核三原則に対する見解、政府に対して原則堅持を求めるということについてご質問いただきました。
 非核三原則につきましては、我が国が戦後一貫して掲げてきた平和国家としての基本理念である重要な国是であるというふうに認識をしております。本県においては、ご質問にも引用いただいたように、昭和59年、県議会の決議で非核平和県民宣言が行われているところでございます。もとより県知事としての私は、この宣言を基本に対応していきたいと考えております。
 政府におきましては、木原官房長官が会見で、政府としては非核三原則を堅持しているというふうに述べていらっしゃいますので、現時点で政府に対し、同原則の堅持を求める考えはございません。

【毛利栄子議員】

 衆議院選挙結果の受け止めについて伺います。
 先の衆議院選挙は、解散から投票日まで僅か16日という超短期の中で実施されました。結果は自民党が3分の2を超える316議席を獲得し、戦後初の単独過半数となりました。
 選挙後の朝日新聞の世論調査では、「多過ぎる」が62%に達しており、信毎の調査でも、議席大幅増は「よくない」とするが70%あり、独走状態を懸念しています。
 高市総理は、「私が総理でいいかどうかを国民に問う選挙」として解散に打って出て、高市旋風を巻き起こし勝利しましたが、この結果をもって、今後国政を二分するような問題を白紙委任されたと解釈し、フリーハンドで何をしてもいいということにはなりません。
 有権者の中では、政治が右傾化し大政翼賛会にならないかと心配する声が広がり始めています。評論家の寺島実郎氏は、自民党大勝によって、「高市総理は爆弾を抱えた」とまで語っています。
 比例代表で自民党を選んだ人は投票者の36.7%、全有権者からすれば20.37%で5人に1人の支持にとどまっています。2割の得票しかないのに3分の2の議席を占めたのは、民意をゆがめる小選挙区制の弊害の結果です。自民党当選者の8割が小選挙区です。しかも、国民が直接選んだ総理ではないにもかかわらず、選挙結果に対し、「国民から信任をいただいた」と述べる高市総理ですが、筋違いも甚だしいと言わなければなりません。
 知事は、憲法や民主主義に照らしてこの選挙結果をどう受け止めておられますか。所見を伺います。

【阿部知事】

 総選挙結果の受け止めについてでございます。
 国民の皆様方の中には、先ほど毛利議員のご質問にもありましたように様々な意見があるというふうに思いますが、私としては、総選挙を通じて一定の民意が示されたものというふうに受け止めております。特に今回の総選挙の結果は、多くの国民の皆さんが高市総理にかなり期待をされた結果というふうに受け止めております。
 先週の施政方針演説におきましても、高市総理は、未来は明るいと自信を持って言える、そうした国をつくり上げていくというふうに述べていらっしゃいますが、国民の多くは、長い間の我が国の停滞感、閉塞感を打破するということを託されたのではないかというふうに受け止めております。
 高市内閣には、長期的な重要課題、人口減少、気候変動、こうしたものに正面から向き合っていただきたいというふうに思いますし、将来世代のことも考えた長期的な視点での取組を求めたいと思っておりますが、その際には、我々地方公共団体を含め、多様な意見、多様な民意にしっかり耳を傾けていただきながら取り組んでいただくことを期待をしているところでございます。

【毛利栄子議員】

 超短期の決戦で、国民的な議論や論戦が行われない中で、高市総理の個人的な支持率の高さを背景に、自民・維新は3分の2を確保し、憲法改正を発議できる条件をつくりました。まともな外交もしないまま脅威だけをあおり、軍拡を進めようとしています。日本を戦争する国にすることは県民は望んではおりません。これからも非核平和県民宣言を掲げる長野県として、時代を後戻りさせないために努力する必要性を銘記して、次の質問に移ります。

多文化共生社会の推進について

【毛利栄子議員】

 多文化共生社会の推進について、知事並びに県民文化部長に伺います。
 長野県の在留資格外国人は急激に増加しており、10年前の1.5倍、令和7年6月末で4万8,288人と人口の2.4%に達し、岡谷市や諏訪市の人口に匹敵します。
 医療、介護、飲食、旅館、製造業、教育、農業など、働く職種も多方面に広がっており、労働現場においては、今や外国人の存在なくしては事業所の運営も地域経済も成り立たないほど支えていただいております。
 急速な外国籍住民の増加と多国籍化に伴う様々な支援不足が課題となる中、県は知事を本部長とする多文化共生推進本部や外国人政策検討懇談会などを設置し、支援の強化と共生社会の実現のために取組を強めていただいていることは歓迎します。
 しかし、ネットなどでは外国人に対する誤解や偏見を助長する誤った情報が蔓延しており、昨年の参議院選挙ではにわかに争点に浮上し、排外主義や、外国人は犯罪が多い、生活保護を不正に利用している、土地を大量に買い占めているなど事実とは異なる情報が流布され、選挙結果にも一定の影響が及びました。
 問題は、政府がそれらの論に迎合し、真正面から国民に対して事実を示して、共生社会の推進を訴えるのではなく、この1月には閣議で、「外国人の受入れ・秩序ある共生」を強調した対応策をまとめ、高市総理は、「不法滞在者ゼロ」、「税金や健康保険料納入を在留許可の審査対象に入れる」と表明し、厚労大臣は、「生活保護の適正利用」の名で外国人を排除する考えを示し、外国人を管理の対象にして、露骨な排外主義を打ち出して差別を強化しようとしていることです。
 これは知事会が行った「青森宣言」や、長野県が進めようとしている多文化共生社会の実現とも大きくかけ離れており、大きな問題を含んでいると思いますが、知事の所見を伺います。

【阿部知事】

 私には多文化共生社会の推進に関連して外国人排除につながりかねない動きについての所見というご質問いただきました。
 外国人政策は様々な議論がなされているわけでありますが、この外国人に関わる政策を論ずるに当たりましては、何と言っても正確かつ客観的なデータ、エビデンスに基づく冷静な議論が重要だというふうに考えております。外国人の方々に対する偏見が助長されたり、あるいは外国人の排除、社会の分断、こうしたものにつながるようなことが決してあってはならないというふうに考えています。
 政府においては、外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策を先月改定をされました。我が国の法やルールの中で国民と外国人の双方が安全・安心に生活し、共に繁栄する社会の実現を目指すとの方向性が示されたところでございます。
 県としては、地域に暮らす外国人の方々は我々日本人と同じ生活者であり県民でありますので、生活者としての視点を重視して調和の取れた外国人政策を進めていくことが重要だというふうに考えております。
 全国知事会におきましては、青森宣言を引用いただきましたが、これまでもやはりこの社会の分断につながってはいけないという思いから、いろいろな宣言を提言してきております。また、国に対しては、外国人受入れに関する基本戦略の策定、多文化共生を支える基本法や司令塔組織の整備、こうしたものに加えまして、正確かつ客観的なデータやエビデンスの国民への提供などを要請・要望してきております。
 引き続き、こうした点について国にしっかりと対応を求めていきたいと考えております。
 以上です。

【毛利栄子議員】

 在留外国人の方々が日本で暮らす上で、言葉の壁は真っ先に直面する課題であり、この対応が求められています。各地域や企業でもボランティアなどによる日本語教室などが開かれていますが、全自治体で取り組まれているわけでもなく、指導者も圧倒的に不足しています。現状と対応策について県民文化部長に伺います。

【直江県民文化部長】

 私にご質問を頂戴しております。
 日本語教育支援の現状と今後の対応策についてでございます。
 県では、日本語教育への支援として、七つの市におけます日本語教師や日本語交流員等が連携した人材連携型教室の普及、県内のどこにお住まいの外国人県民でも参加できるよう、オンラインで日本語や日本文化、生活習慣を学ぶ教室の開設、地域日本語教室の日本語教師や日本語交流員の育成、日本語人材バンクを設置して日本語教師などの紹介のほか、介護分野における新たな担い手の確保に向けた日本語研修等への支援などを実施しております。
 今後はこうした取組を継続いたしますとともに、来年度からは新たに企業等が外国人材に行う日本語教育に係る経費補助も行い、外国人材の定着、活躍を支援してまいります。
 また、現在実施している外国人県民を対象としたアンケート調査では、日本語学習の状況に関する設問を設けていることから、その回答結果を踏まえ、ニーズに即した施策の充実を図ってまいります。

【毛利栄子議員】

 在留外国人の占める割合が、令和6年度末時点で10%を超える自治体が県下で5自治体あり、白馬村では2割近い状況になっており、慣習や文化、ルールなどの違いや不理解から、地域住民とトラブルになる場面も出てきています。
 多文化共生を進める上で、長野県に住む在留外国人の皆さんが消防団に加入したり、お祭りに参加したり、地域の行事や公的行事などに積極的に参加していただくことは、お互いの交流を深め理解を促進し、地域に溶け込むことにつながると考えます。
 岡谷市では、「20歳を祝う会」に初めて外国籍の方二人が壇上に立ち、市民憲章を唱和していただきましたし、県の総合防災訓練では、外国籍の方の防災講座や避難訓練の取組もありました。日本語学校の主催で、外国籍の方が講師となって世界の食を楽しむ取組なども行われています。
 県の取組状況を伺うとともに、今後の方策についても伺います。

【直江県民文化部長】

 外国人住民の地域参加の促進に係る取組状況と今後の方策についてでございます。
 県内に暮らす外国人住民の皆様に、日本の風習や生活ルールを理解していただき地域社会に円滑に溶け込んでいただくことは、誰もが安心して暮らせる地域づくりのための重要な事項だというふうに認識しております。
 このため県では、日本語学習の機会を通じた理解促進に取り組んでおり、地域日本語教室やオンライン日本語教室において、生活習慣や地域のルール等を学ぶことができる環境づくりを支援しております。
 また、地域社会とのつながりを深めていただくための取組として、ご指摘のありました消防団につきましては、令和7年4月1日現在、県内で37名の外国人消防団員の方が地域防災の担い手として活躍していますが、参加促進の観点から、入団の方法や可能な活動内容などにつきまして、県のホームページで紹介しているところでございます。
 今後、長野県外国人政策検討懇談会などにおきまして、取組の充実を検討いたしますとともに、市町村担当者会議などにおいて、自治体の取組状況や課題を共有し、外国人住民が地域に参加しやすい仕組みづくりを進めてまいります。
 以上でございます。

【毛利栄子議員】

 多文化共生については、部長からご答弁ありましたように、現在外国人や日本人を対象にアンケートを実施していただいておりますので、その結果を今後の共生社会の実現にしっかり生かしていただくことを要望いたします。

高校における遠隔教育について

【毛利栄子議員】

 高校における遠隔教育について教育長に伺います。
 県教委は、急速な少子化により高校の小規模化が進み、多様な進路希望に応えられるような科目の設置や学習機会の充実が図られない、特に地域高校では幅広い学力層に対応した習熟度別授業や多様な科目の指導に課題があるとして、課題解決のための遠隔授業の実証研究を行ってきました。令和7年度に教育センターに遠隔授業拠点を整備し、令和8年度から、より効果的な同時双方向型の授業の在り方を実証研究をするとしています。
 そこで幾つか質問させていただきます。
 一つとして、配信拠点から配信する実証校はどのような基準で何校選ぶのか、配信する教科や配信科目はどの程度になるのか。配信拠点に配置される教員は5人とのことですけれども、配信側の教員の仕事内容は、受信校との時間割調整や授業の進め方等の打合わせ、機器の接続・トラブル対応、生徒の把握、補充教材の作成、評価や採点業務など多岐にわたると思われますけれども、授業配信のための研修はどのように実施するのか、勤務内容や負担軽減はどうなっているのか、また授業以外に春夏等の補習でも実施されるのか伺います。

【武田教育長】

 高校における遠隔教育について質問をいただきました。
 遠隔教育拠点の整備と授業配信の実証研究についてでございます。
 令和8年度に実施する配信授業の実証校につきましては、各校のニーズを踏まえ、多様な科目設定や、十分な教員数を配置しにくい全日制の中山間地校4校、定時制3校を予定しております。配信する教科は、科目は数学、英語、理科、情報の4教科6科目を想定しております。
 遠隔授業を担当する教員は1人1台端末を活用した双方向型事業の実施に加え、効果的な遠隔教育の在り方や、授業配信の方法等に関する知識、技術の習得が求められます。このため先進校の視察や外部有識者による研修の機会を確保し、必要なスキルの向上を図ってまいる予定でございます。
 教員の勤務内容につきましては、一日当たり2コマ程度の授業時間とし、それ以外の時間は生徒の実情を把握し、配信授業に必要な教材研究等に充てられるようにいたします。
 また、拠点となる総合教育センターの専門主事とも連携し、効果的な遠隔授業に向けたカリキュラム開発を共同で進めてまいります。
 長期休業中の補習については、実証校に限らずその他の高校も対象として、自宅でも受講できる環境の整備を含め、生徒や学校の実情に応じて参加しやすい仕組みづくりを検討してまいります。

【毛利栄子議員】

 遠隔授業における生徒の評価と見取りに関して、見取りの手段によって見取れる人数に限界があるとの声が聞かれます。文科省は、受信側の生徒数は、大型ディスプレイ越しに生徒の様子を確認しながら実施する場合には、生徒の表情や取組内容を把握するためには最大で5名程度、1人1台端末利用で画面共有やワークシートの共同編集によって活動を把握する場合は、たくさんの生徒端末画面をリアルタイムで把握しにくいため、最大15から20名程度としていますが、評価と見取りを正確に行うため、長野県ではどのような生徒数の規模で遠隔授業を実施するのでしょうか。
 さらにメディア利用の授業であっても、対面による授業に相当する教育効果を有するようにするためには、教員と生徒が互いに映像・音声等によるやり取りができるようにすること、質問の機会を確保すること、黒板の文字が見えにくい場合はあらかじめプリント教材を準備すること、必要に応じてシステムの管理・運営を行う補助員を配置することなどを挙げていますが、授業には生徒理解や生徒とのコミュニケーションが必要であり、受信側の学校においては、360度カメラや集音マイクなど必要な機材やソフトなどは最低限必要だと考えます。整備はできているのか状況を伺います。
 受信側の教員は、通常の授業に加えて、遠隔授業における準備・担当業務などが増加することが考えられます。受信側で何らかの機械トラブルへの対応も想定されることから、技術面でサポートするための人的配置も必要だと思いますが、どのように確保するのか伺います。

【武田教育長】

 遠隔授業の生徒数、受信側の整備状況、サポート体制についてでございます。
 遠隔授業の規模については、受信側の教員以外の学習指導員等を配置し、1人1台端末を活用し、画面共有や共同編集機能を用いる場合には、15から20人程度が効果的であるとの研究結果があることを承知しております。これを踏まえて、本県では受信側の様々な状況に対応できるよう、原則として20人程度で授業を実施できる体制を準備しているところでございます。
 遠隔授業の実施に当たっては、配信する教員が受信側の教室全体や生徒一人一人を確認できること、教室内のどの位置からも発言を明瞭に聞き取れることが重要であるため、こうした環境を可能にするカメラやマイク、スピーカー等の必要な機器を整備していく予定でございます。
 受信側のサポート体制については、まず教職員が扱いやすい機器を導入するとともに、機器トラブル等への対応として相談窓口を設置し、電話やオンライン等で迅速かつ丁寧に対応できる仕組みを整えてまいります。

【毛利栄子議員】

 教材として使用する著作物の利用に関し、共有することになると著作権の問題なども発生してくるため、新潟県などでは、「授業目的公衆送信補償金等管理協会、SARTRAS」に対し、県教委が補償金を払うことによって著作権者の許諾を得ずに資料をオンライン配信しているようですが、教員が安心してデジタル利用できるようにするために、長野県はどのような対応をするのか伺います。

【武田教育長】

 遠隔教育における著作物の利用についてでございます。
 対面授業を同時中継的に行う遠隔授業において、インターネットで教材等の著作物を配信することは、無許可、無償で行うことが可能でございます。
 一方、それ以外の遠隔授業時の著作物の利用については許諾が必要でございましたが、平成30年の著作権法の改正により、授業目的送信補償金等管理協会に補償金を支払うことで、著作権者の許諾を得ずに利用可能となっております。県教育委員会ではこの制度の施行当初から必要な手続を行い、県立学校に在籍する生徒数に応じた補償金を払っております。
 引き続き、全ての遠隔授業において個別に著作権者の許諾を得ることなく、デジタル教材を安心して授業に利用できる環境を整えてまいりたいと考えております。

【毛利栄子議員】

 中教審の「個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実に向けた学校教育の在り方に関する特別部会」の高等学校教育の在り方ワーキンググループの「審議のまとめ」では、遠隔授業は生徒の履修の選択肢を増やし、もって当該生徒の幅広い進路選択を実現することを目的とするものであり、これらの取組が学校の統廃合や教師の数の合理化の手段として使われ、教育の質の低下を招くようなことが決してあってはならないとしています。
 県教委として、このまとめを真正面から受け止めて、教職員と生徒の十分な関わりを保障し、教育課題に取り組むために、遠隔授業を合理化に使うのではなく、高校においても30人規模学級を取り入れること、ゆとりある教員配置を行うことなど、今後の対応に当たるべきと考えますが、いかがでしょうか。

【武田教育長】

 高等学校における30人規模学級の導入とゆとりある教員配置についてでございます。
 議員ご指摘のとおり、遠隔授業は生徒の履修の選択幅を広げ、幅広い進路選択を実現することを目的とするものであり、県教育委員会といたしましても、学校の統廃合や教職員数の合理化を目的として活用することは考えておりません。
 高等学校の学級規模については、現在、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律、いわゆる標準法に基づく編制としておりますが、30人規模学級の導入については、高等学校の学級編制基準を1学級35人以下に引き下げるよう国に要望をしているところでございます。
 また、高等学校は、多様な課程・学科等で編成されており、学級とは別に、少人数の学習集団を編成して教育活動を行うことが多いことから、各学校の実情に応じた教員配置を行っているところでございます。
 今後も生徒一人一人にきめ細かい指導ができるよう、学校現場の状況を踏まえつつ、適切な教員配置に努めてまいる所存でございます。
 以上でございます。

【毛利栄子議員】

 遠隔授業について、最後、教育長に伺います。
 教育現場でのDX化が急速に進む中で、子どもたちの視力やネット依存など健康面での不安も広がっています。健康面はどうか、授業内容の定着はどうか、コミュニケーション能力は醸成されるのかなど、実証を行うのであれば、実施後に多方面からの検証が必要だと考えます。生徒や教職員を含め、検証についてはどのようにお考えでしょうか、伺います。

【武田教育長】

 授業のDX化に伴う児童、生徒や教職員の健康等についてのお尋ねでございます。
 デジタル化が進む中で、子どもたちにとって、特に視力について注意するようにということで、文部科学省から通知が出ていることは承知をしておりまして、そのことについては各学校に周知をしております。各学校ではデジタル教材、あるいはタブレットを使った後に目の体操をするなどの配慮をしているということを承知をしております。
 今後遠隔教育が進む中で、そういった子どもや教職員に対する健康状態についてもつぶさに検討をいたし、必要な対策を練っていく必要があるというふうに認識をしているところでございます。
 以上でございます。

【毛利栄子議員】

 どんなにDX化が進むとしても、教育現場において、人が人と関わることによって、お互いを理解し尊重しながら人格の形成を図るということは必要不可欠なことだと思います。遠隔教育が目的でなく、教育の効果を上げるための手段として使われるということを切望して、私の質問を終わります。

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