日本共産党長野県会議員団

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議会質問

2026年2月定例会 和田明子議員一般質問

  1. 高校トイレの洋式化・改修について
  2. 長野県の歴史的資料について
  3. 環境保全研究所安茂里庁舎について
  4. 福祉医療制度について

高校トイレの洋式化・改修について

【和田明子議員】

 共産党県議団、和田明子です。
 まず、高校トイレの洋式化、改修について伺ってまいります。
 高校の全ての特別教室等へ、令和8年度、9年度でエアコン設置率100%、繰り返し質問で取り上げてきたことが予算化され、実施していただくことになり、歓迎しております。
 さらに、県立高校の環境改善として、トイレの洋式化を4年間と期限を定め計画的に進める提案には大いに期待をしております。
 実は、今年1月に篠ノ井の更級農業高校の校長先生とお話をする機会があり、全ての特別教室などにエアコン設置がされるとお話をしますと、「それは大変ありがたい、さらに課題はトイレの洋式化です。いまだに和式便器のままです」とお聞きをしました。
 その後、更級農業高校に伺いトイレを見せていただき驚きました。いまだに全てのトイレが和式トイレであり、中には改修されず、「使用できません」の貼り紙がされたままのトイレもありました。学校から改修の要望を上げ続けてきたが、ようやく稲荷山養護学校高等部の更級分教室がある1階は洋式化の予定があるとのことでした。
 そういう状況の中で、新年度予算案に、県立高校学習環境改善事業、学校トイレの和式便器の洋式化に加え、臭いの解消・床の乾式化・衛生器具の更新、照明のLED化など、トイレ設備の総合的・包括的な整備を行い、トイレ環境の改善を図ることとのこと。
 来年度から令和11年度の4か年で和式トイレから洋式トイレの整備を行っていくとのことですが、4か年の整備計画の中で、高校再編対象校も含めどのように進めていくのかお伺いします。

【武田教育長】

 高校トイレの洋式化・改修について質問をいただきました。
 トイレ整備の進め方についてでございます。
 新年度予算案に計上いたしました県立高校学習環境改善事業は、令和8年度から11年度までの4年間で、高校再編の対象校を含め、原則全てのトイレを洋式化するものでございます。校地未定となっている再編対象校を除き、普通教室、特別教室に設置されているトイレについては、便器洋式化に加え、床の乾式化、衛生器具の更新等を含めた総合的な整備を実施いたします。
 整備は令和8年度10校、令和9年度及び令和10年度にそれぞれ22校、学校への聞き取り調査に基づく使用頻度の高いトイレから順次取り組んでまいります。
 また、体育館、屋外等に設置されているトイレ及び校地未定の再編対象校のトイレについては、便器洋式化を基本として順次整備を進めてまいります。

【和田明子議員】

 更級農業高校は、教室棟にトイレは全くなく、渡り廊下でつながっているとはいえ、東棟1棟しかトイレがありません。このような学校は使えるトイレを確保するために、1階から3階の全てを単年度で改修実施できず、3か年に分割して工事がされるのか、そのような学校を優先して工事に着手することになるのかお聞きします。
 また、仮設トイレの活用も含め単年度内に全ての階のトイレを改修することを実施することは可能になるのか、併せて教育長にお聞きします。

【武田教育長】

 洋式化率の低い校舎におけるトイレ改修についてでございます。
 洋式率が低く整備対象トイレの数が多いことにより、複数年にわたって改修工事を実施する必要がある学校については、優先して整備を着手する方針でございます。
 複数フロアにまたがるトイレ改修を行う際には、基本的に下層層と上層層で工事期間をずらし、整備対象となる棟全体でトイレが使用できない期間が生じないよう工期を設定していきます。
 なお、代替トイレの確保が難しい学校においては、仮設トイレを活用することで、短期間での工事実施も可能となるため、費用対効果や工事集中における学校生活への影響にも十分配慮しつつ、各校の状況に応じた整備計画を検討してまいります。
 以上でございます。

長野県の歴史的資料について

【和田明子議員】

 長野県の歴史的資料について伺ってまいります。
 令和3年度の請願採択を受けて準備を進めてきた「長野県史」は、戦後現代史を中心とした長野県史編さんに、長野県150周年の節目の来年度から着手すること、さらに県立歴史館において、「長野県 150 周年のあゆみ―県民の“お宝”公文書の世界―」をはじめとする企画展を開催し、歴史学習の拠点として学びを深められるように取り組むとともに、今後の在り方について検討を進めていくと言われております。
 150周年記念事業・県史編さんなどに関連して、史資料の受け入れ、収集、保管が重要な課題と思われます。一義的には、県立歴史館に集約されることになりますが、既に歴史館に保管されている資料に加え、新たに収集される資料の保管ができるのか危惧されます。
 歴史館以外に資料保管のために新たな施設建設を行うのか、学校統廃合などにより空き教室・空き校舎など、県有施設の活用も検討するべきと思いますが、いかがか伺います。

【直江県民文化部長】

 本県の歴史的資料につきまして、私に質問を頂戴しております。
 お答え申し上げます。
 県立歴史館における史資料の収蔵についてのお尋ねでございます。
 平成6年の開館以来、長野県の歴史を語る上で貴重な史資料の収集を進めてきました結果、収蔵スペースの逼迫は深刻な状況となっております。そのため、既存の収蔵庫を有効に活用できますよう、利用頻度に応じた収納場所の変更など収納方法の工夫を進めております。
 また、歴史館が公文書館機能を併せ持つことから、特定歴史公文書につきましては、旧須坂商業高等学校の校舎を活用し、新たな収蔵庫として利用しているところでございます。
 しかしながら、今後も史資料の増加が見込まれますことから、将来予測も踏まえた収蔵スペースの確保についても、歴史館の今後の在り方と並行して検討を進めてまいります。

【和田明子議員】

 自宅の建て替え、空き家となっている住宅の処分のため、古文書はじめ、民具を含む現存している史資料が廃棄・処分されることも多く、新聞などの投書にもそのような実態が取り上げられております。
 古美術買取業者により買い取られ、一般向けに売りに出される史資料もあり、古文書をはじめとする史資料の散逸が言われております。その現状をどのように捉えているのか伺います。
 自治体によっては、重要な資料であっても、予算が少ないため購入に苦労する、あるいは購入できずにいると言われています。県立歴史館においても、真田昌幸の書状を入手するため、クラウドファンディングにより、県内外の賛同者の協力によって、「県民の宝」がまた一つ地域に戻って、県立歴史館に所蔵されることになったと地元紙の記事を興味深く読みました。
 史資料を集めるための予算を増やす必要があると考えます。見解を伺います。

【直江県民文化部長】

 史資料の散逸への認識と収集予算についてでございます。
 史資料の散逸は、地域の歴史を語る上で重要な文化資源の喪失であり、歴史学の研究のみならず、現代の災害対策や地域文化の継承などにも影響を及ぼすもので、憂慮すべき事態であると認識をしております。
 県立歴史館では、こうした古文書等の史資料の散逸を防ぐため、各地域の専門家16名を長野県立歴史館資料調査員に委嘱し、県内における民間所有の地域資料の所在や分布等について、可能な範囲で調査を進めております。
 その中で、所有者から寄贈、寄託等の意向が示された場合には、地元市町村の意向を確認した上で、必要に応じて歴史館で受入れを行っております。また、来年度からは、古文書相談会を開催し、貴重な史資料の散逸防止に向けた取組を強化してまいります。
 加えて、古書業者が所蔵する古文書等につきましては、公開されている目録を基に県として所有することが望ましいと判断したものについて、歴史館が計画的に購入するほか、関係市町村へ情報提供を行い、地域の文化財として活用いただけるように働きかけております。
 歴史史資料の購入予算につきましては、通常の歴史館予算に加え、先ほどもご紹介いただきましたように、必要に応じてクラウドファンディングも活用しているところでございます。県内外の皆様に関心を寄せていただける史資料については、積極的にクラウドファンディングを行い、史資料の散逸防止への理解と支援の広がりにつなげてまいりたいと考えております。

【和田明子議員】

 史資料を受け入れ、収集する際にも、専門的判断が必要になり、かつては学校教職員などの中に、研究を深め高い見識を持つ方々が多くおられました。今では少なくなり、各地にある史学会・史談会などの会員の高齢化と減少によって継続が困難になる会、解散する会もあります。大学の一部の研究者だけでは十分とは言えないと、史学会に関わっている方からご意見を聞いています。
 県立大学や信州大学など県内大学と連携し、地域の専門人材の養成を検討していただきたいが、いかがか伺います。

【直江県民文化部長】

 地域の専門人材の養成についてでございます。
 地域で郷土史等の研究に取り組んでいる団体において、会員の高齢化や新規入会者の減少等により、団体の維持等に課題を抱えておりますこと、また地域の研究人材の減少が顕著となっていることは承知をしております。
 こうした状況を踏まえ、県立歴史館では、平成29年度から中高生を対象としたティーンズ古文書講座を開講いたしまして、若い世代の歴史資料への関心を高め、将来的な専門人材の育成につなげる取組を進めております。
 また、一般の方を対象とした古文書講座を年間25回開催し、受講者の習熟度に応じた学びの場を提供しております。受講者の中には、受講で得た知識や技能を生かし、様々な場面で古文書の整理作業等に従事していただいている方もいらっしゃり、地域における実務的な支え手としての役割を担っていただいております。
 今後も県立歴史館を核に、専門人材の養成に努め、地域の歴史研究を支える人材づくりに取り組んでまいります。

【和田明子議員】

 せっかく収集しても活用・公開されなければ「宝の持ち腐れ」になると指摘する専門家がおります。最近は「もうかる文化財」や「稼ぐ博物館・文書館・資料館」が強調される傾向があり、その公開において、イベント的な内容展示が増え、関心を持つ機会になっております。
 ただ、そのイベントだけに終わらせず、県民や地域住民に貴重な資料の存在を周知・公開するなど、その後も関心を持ち続けていけるようにするには、県立歴史館への人的な配置も含め、予算的な措置が必要だと思います。
 資料の保存方法として長く使われてきたマイクロフィルムは唯一製造していた富士フイルムが昨年末をもって生産を中止しました。資料の保存と活用のために、デジタル化の対策がどうかオンライン公開を進めることも重要と考えます。対応方針はいかがか。以上を県民文化部長に伺います。

【直江県民文化部長】

 収集した史資料の活用についてでございます。
 県立歴史館が収集した史資料につきましては、常設展示における展示替えや企画展の開催を通じ、多くの皆様にご覧いただけるよう努めております。
 しかしながら、常設展示室は、竪穴式住居など歴史的な環境の復元展示が中心であるため、歴史を体感できるというメリットがある一方で、展示資料の入替えが限定的となり、多様な史資料の活用に課題があることも認識をしております。
 また、所蔵資料のデジタルアーカイブ化につきましては、現在、古文書を中心にデジタル化に取り組んでおり、デジタル化した資料の一部は県立長野図書館が運営いたします信州デジタルコモンズのサイトにて公開しているところでございます。
 収集した歴史資料の活用の在り方につきましては、来年度から本格化する歴史館の在り方検討の中で、今後の展示やデジタル活用の方向性について包括的に考えてまいります。
 以上でございます。

【和田明子議員】

 それぞれご答弁ありがとうございました。今後もご期待しております。よろしくお願いいたします。

環境保全研究所安茂里庁舎について

【和田明子議員】

 環境保全研究所安茂里庁舎についてお伺いしてまいります。
 環境保全研究所は、令和10年度を目途に安茂里庁舎に残る衛生部門を健康福祉部所管の「地域衛生研究所」として独立させる予定ですと埋橋議員の代表質問への答弁がありました。地方衛生研究所として地方保健法において、調査研究、試験検査、情報収集・整理・活用、市町村職員等も含めた研修指導などの機能と、国から感染症に関する国内外の科学的知見の収集・分析、検査技術や試薬等の開発・普及、職員の研修・技術的支援などが求められております。
 私は、以前から環境保全研究所が担う役割の重要性とともに、住宅密集地、老朽化が進んでいる安茂里庁舎の対策は喫緊の課題だと質問をしてきました。知事からは、県民の健康を守るため、県行政を科学的見地から支える中核拠点として重要な役割を担っているとご答弁、認識が示されたところでございます。
 感染症対策を取っても、新型コロナウイルス感染症対策で重要な役割を担いました。その後も感染症法施行規則改正に伴い、今年度当初から急性呼吸器感染症サーベランスの対応など新しい課題に対して、高い検査技術で的確に対処をしている環境保全研究所です。感染症だけでなく、食品・薬物等々、まさに県民の健康を守る唯一の衛生系の研究所であり、検査技術の継承のため、研究者の養成も担っておられます。
 ですが、老朽化が進む現在の安茂里庁舎では、「健康危機管理の技術的拠点」にふさわしいとは言い難い。
 改めて伺います。令和10年度をめどに、安茂里庁舎に残る衛生部門を健康福祉部所管の「地方衛生研究所」として独立させる予定ですが、安茂里庁舎の移転・改修など検討状況、見通しを示していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。健康福祉部長にお聞きします。

【笹渕健康福祉部長】

 私には環境保全研究所安茂里庁舎についてのお尋ねでございます。
 環境保全研究所環境部門の飯綱庁舎への集約化に伴い、議員のお話にもありましたとおり、安茂里庁舎に残る衛生部門を地方衛生研究所として独立させる予定でございます。
 この地方衛生研究所では、食品や医薬品等による健康被害への対応はもとより、新型コロナ対応の教訓を生かして、新たな新興感染症の発生に備えた検査体制を拡充するなど、必要な機能、体制を整えていく必要があると考えております。
 一方で、この安茂里庁舎は老朽化や耐震性不足が懸念されるほか、立地的にも周辺に住宅が密集し、建物全体が浸水想定区域に含まれるなど様々な課題がございます。このため、全県から迅速に検体が搬送できること、また効率的に検査を行うための面積・動線が確保できることといった立地面の視点も踏まえ、移転も一つの選択肢として庁舎の在り方を鋭意検討しているところであり、できるだけ速やかに見通しをお示しできるよう努めてまいります。
 以上でございます。

【和田明子議員】

 環境保全研究所につきまして、昭和23年、長野県衛生研究所設置以来78年、様々な分野、新たな知見、技術の発展を科学的な見地から支える機関として地道に研さんを積み、職員の養成にご努力いただいていることに感謝を申し上げるところでございます。それにふさわしい施設をと要望をいたします。

福祉医療制度について

【和田明子議員】

 福祉医療制度について伺ってまいります。
 福祉医療給付事業では、新年度から精神障がい者の入院費も補助対象にすることは関係者の皆さんからの要望であり、共産党県議団としても質問を重ねてきましたので、歓迎いたします。私は昨年2月定例会で、障がい者の福祉医療の現物給付化について質問をいたしました。その際、「現物給付化には、まずは国民健康保険の減額調整措置の廃止が不可欠であり、国に対し引き続き強く求めていく」との答弁で、県は国に対し国民健康保険の減額調整措置、いわゆるペナルティーの廃止を求めていただいていることは承知しております。
 しかし、福祉医療制度では障がい者の医療費は自動給付方式のため、病院・薬局などで一旦現金を支払わなければなりません。ある程度お金の持ち合わせがないと病院にかかれません。障がい者を抱えた世帯は貧困も抱えていることが少なくありません。
 医療が必要なときはお金の心配なく受診できる、医療へのアクセスは人権として保障されなければならないと思います。
 新年度の福祉医療の予算額は、子ども医療費が約23億円、障がい者医療費は約26億円です。障がい者の医療費助成が3億円余り上回っていることからも、医療費の負担は重いものがあります。障がい者医療費を現物給付にするにはペナルティーが障壁と言われております。減額調整措置が県の障がい者福祉医療にどのような影響を与えると捉えているのか。知事のご所見を伺います。

【阿部知事】

 私には障がい者福祉医療の現物給付化についてのご見解というご質問をいただきました。
 障がい者を対象としているこの福祉医療の現物給付化につきましては、市町村、あるいは関係団体などからも多くのご要望いただいているところであり、導入により受給者の経済的負担軽減、あるいは利便性の向上が図れるものというふうに考えております。
 一方、ご質問にもありましたように、現物給付化に伴って国民健康保険の減額調整措置が講じられることとなります。県の試算によりますと年間で約13億円にも上る可能性があり、これだけ巨額の影響になりますと、国民健康保険、あるいはそれを支える自治体の財政にも多大な影響が出てくる可能性があるということで、このことがこの現物給付化を進める上での大きな課題だというふうに受け止めております。
 県としては、まず、この現物給付化を進めるには国の減額措置の見直しが必須だというふうに考えております。県内市町村にも国に対して共に声を上げていただくよう呼びかけているところでございます。また、このことは、国と地方公共団体の取組の方向性が合っていない、ある意味、地方公共団体がやろうとしていることを国が阻害しているというふうにも言えるような状況になっているわけでありますので、関係団体とも協働しつつ、制度の体制を粘り強く求めていきたいと考えております。
 以上です。

【和田明子議員】

 ご答弁いただきありがとうございました。  ペナルティーが13億円に上る。これは県にとっても重い決断をしなければならない課題でありますけれども、国のペナルティー廃止がされなければ県として一歩も踏み出せないということなのかということで、とても残念ではあります。

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