日本共産党長野県会議員団

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活動報告

生活保護費削減に審査請求

2013.09.17

生活保護基準引下げにより8月から生活保護費の支給額が削減されたことに対し、長野県内62人が不服審査請求を行いました。全国一斉の取り組みのなか、長野県では受給者や支援団体から40人余が生活実態を訴え適正な審査による削減の中止を求めました。日本共産党県議団の和田明子議員が9月議会でこの問題を取り上げ、一般質問に立つ予定です。

松本市の男性は「これまでも大恩人や父親の葬式に顔を出せなかったが、今年だけでなく来年、再来年と、最低でも2年の引下げが待っている」

 上田市の女性は「8月に2200円引き下げられました。子どもにアレルギーがあり市販の洗剤は使えない、着るものも化繊はだめと、たったの2200円と思われるかもしれませんが私たちにとってはものすごい負担。これから電気代・ガス代があがるなかであべこべに下げられていきます。身を削られる思いです。これ以上生活保護費を削らないでほしい」

 中信地域の反貧困ネットアルプスから、通院のため参加できなかった方の請求事由を代読「視覚障害と腎不全による障害があり歩行が困難。脳梗塞の再発の可能性があり緊急時には病院に行くよう医師から言われているがその緊急移送費は保護費の対象になりません。わずかな保護費のなかから予備費としてタクシー代を置いてきましたが、この基準引き下げでできなくなって、私の命に関わる問題です」

 支援されている各団体からも「子どもを部活動をさせてやれず、食べるものにも困っている」、「夏でも月に2~3回しか風呂に入れない」などの現状が出され、「複雑な気持ちやさまざまな事情から今回は審査請求ができなかった方もいる。今回の62人の他に、ぎりぎりの保護費を削られて厳しい生活を迫られている多くの方がいることを受けとめてほしい」と要望が出されました。

 県地域福祉課長は「8月の引下げでご苦労されている生の声を重く受け止めさせていただきました。審査請求は適正に審査させていただきます」と話しました。

小水力発電とジビエ工房を視察

2013.09.11

小水力発電など大町市の新エネルギーの取り組みと、同市美麻のジビエ工房を視察しました。

大町市では平成17年に策定された「地域新エネルギービジョン」に基づき、公共施設等への新エネルギー導入、小水力発電の導入、バイオマスや木質ペレットの利用などに取り組まれています。

市役所で説明を受けたあと、市の町川発電所と東京電力の新堰(しんせぎ)発電所を視察しました。町川発電所は平成22年に運転を開始。し尿処理場へ送電し、余剰電力は売電しています。今年3月に再生可能エネルギー発電設備認定を取得し、4月の売電から固定価格買取制度に基づく調達価格がKWh7円から約4倍の30円に。年間約1000万円弱になる見込みとのことでした。

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大町温泉郷に程近く住宅地にも隣接している東京電力大町新堰発電所は、土地改良区の既存の農業用水路を有効活用した小水力発電所で昨年5月に運転開始、土地改良区には東京電力から使用料が払われ、用水路の日常管理も東電が行なうシステム。

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次に、美麻ジビエ工房の取り組みを視察。美麻ジビエ振興会会長の種山さんにお話をお聞きしました。鹿やイノシシによる農作物被害が増え続ける一方、捕獲した有害鳥獣の処分が課題になるなかで、解体・加工できる施設をと今年完成しました。

「生臭さ」がでないよう、銃ではなくワナ猟で捕獲する方法がとられていますが、使用するワイヤーは、ワナにかかれば伸びきったりねじれたりして一度しか使えないためお金がかかること、毎日の見回りや解体する人数の確保など、振興会のみなさんのご苦労や課題、要望等をお聞きしました。

県の元気作り支援金も活用したジビエ工房。倉庫が改装され、吊るしながらカワ剥ぎなどの作業ができる設備や、冷凍庫、真空包装紀などが設置されています。主に、ホテルや地元商店などに卸されています。「ジビエ」料理の浸透、安定した需要・供給なども課題です。

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NPO法人長野県介護支援専門員協会との懇談

2013.09.07

NPO法人長野県介護支援専門員協会との懇談内容

日 時:2013年9月7日 13:00~14:00

場 所:長野市県町 県介護支援専門員協会

参加者:高村議員、和田議員、事務局員 

県内の介護支援専門員(ケアマネージャー)の団体である「長野県介護支援専門員協会」と懇談を行ない、協会からは、小林広美会長をはじめ理事の皆さんが多数参加されました。

 主には、政府が今秋にも国会に提出予定である、要支援(約140万人)を介護保険から外して市町村事業に移行する、という問題について意見交換を行いました。

 この問題については、関係者にも市町村にも詳細は何も知らされておらず、財源や利用者負担など全くわかっていません。市町村のどこがやるのか?障害者や生活保護など様々な支援を受け持ち、今でもパンク状態の地域包括支援センターがその受け入れを担うのではないか?また、今でも赤字経営を行なっている事業所が、介護予防を外されてどうなるのか?ボランティアに頼るなどといっているが、介護の専門性安全性はどうなるのか?など次々疑問が出されました。

 国は元気な高齢者を増やし、医療や介護にかかるお金を減らそうと介護予防に力を入れてきましたが、今回はその根本を変えるものであり、国民的な議論が必要。地域の基盤整備が進んでいない中での移行は無理がある、との強い危惧が出されました。

こうした中で、「健康長寿」を打ち出している長野県が、市町村の格差を補い、等しく安心して介護が受けられるような国への働きかけ、取り組みがほしい、との要望が出されました。

9月議会前知事申し入れを行いました

2013.09.03

2013年9月3日

9月県議会に対する申し入れ

1、県立4年制大学の基本構想の内容を、長野県の人材育成の現状や歴史的経過を踏まえて、県として県民が共通認識を持てるよう、積極的に発信してください。

(石坂議員発言:4年制の受け皿が少な過ぎる長野県の事実実態を分かってもらえば、もめる事は無い。長い検討を経て到達した構想を積極的に発信してほしい)

知事まだまだ具体化させながら、これから発信していく。県民に十分に伝わっていない。
高等教育、人材育成について、経済界、大学なども含め話し合いの場を持っていく。

*   *

2、知事が条例制定をめざしている公契約条例、子どもの権利条例、障がい者の差別をなくす条例などの実現に向けて力をつくしてください。

石坂議員発言:熱心に検討はされているが、県民に周知されていない。県民を巻き込んでの議論と発信が必要)

知事真摯に検討している。県民の声を聞きながら、できるだけ早く具現化する。
障害者の条例については、国が作ったので県レベルが必要か検討する。

*   *

3、TPP交渉参加による長野県への影響の全体像について、責任を持って情報公開し、県民生活と県内経済を守る立場に立って、国に働きかけてください。

小林議員発言:大変厳しい交渉の中身、交渉がオープンにされていないことに憤りを覚える。長野県は農地の集約化はほぼ限界。今も経営が大変な農家が更に大変になることは間違いない。傍観してから対応するのでは遅い。共に県内農業を守る立場で国にも働きかけ、取り組んでほしい)

知事―農業者と懇談、国民的な課題について知事会を介して要望している。
我々に情報が来ないが、いかなる状況になっても県の農業を守る立場である。

*   *

4、非正規雇用が4割近くになるなかで、県が実施した多様化する就業形態の労働環境実態調査を労働政策に活かしてください。

労働雇用課長―就業実態調査を実施中、9月にまとめを行ない対応したい。

*   *

5、国は消費増税点検会合を開き、増税に向けた議論を本格化しようとしていますが、県として県内企業や家庭消費等への影響を把握すると共に、消費税増税の実施は慎重にするよう国に求めてください。

高村議員発言:経済センサスではH21年度、3000事業所が閉鎖、2人の雇用が失われた。3か月所得が増えない中での増税は一層経済を冷え込ませる)

知事―増税は子や孫につけを回さない政策。県としても歳入になる。

*   *

6、福島からの避難者の長期的・抜本的支援策を講じるよう国に求めてください。県としても住宅や雇用の支援、長期休暇を利用して子どもたちを受け入れる活動など積極的に取組んでください。

両角議員発言:県内に1200人の福島からの避難者がおられ、健康や就職などが大変な状況。例えば、県住10年の提供、県の臨時職員としての雇用など長期的支援が必要。また子どもたちの健康に配慮した受け入れの取り組みに十分な支援を)

知事―避難者にアンケートをした。個別に対応、きめ細かく対応する。

*   *

7、福祉医療費の拡充を真摯に検討してください。
両角議員発言:申入れや議会質問の度にお願いしてきた。県として1レセプト500円の廃止や対象年齢の拡大など、子育て先進県に見合うメニューの検討を)

健康福祉政策課長―国の制度も完ぺきではない。すぐに県の給付は難しい環境である。
知事―何らかの検討をした方がよいと思う。

*   *

8、特別支援学校の環境改善のため予算を確保してください。

和田議員発言:職員の配置が十分でない、建物の老朽化、通学の子どもは増えている状況に対し、抜本的な改善と予算の確保を)

特別支援教育課長―生徒数については31年頃までが増加のピーク、知的障害とそれ以外と差がでているなどの対応として、校舎の有効活用などを行なう。需用費は、極力努力する。

*   *

9、母子寡婦福祉資金未収金回収業務の外部委託にあたっては、十二分に慎重にしてください。

和田議員発言:福祉施策としての本来の目的にそって資金が利用できるよう配慮してほしい。今回特に回収困難なものを対象にするとしているが、大変な状況にある母子家庭に対し、回収を業者任せにするのはいかがか)

子ども家庭課課長―個々の母子家庭と相対で話しながら、違約金の免除などやってきた。70件ほど悪質な者に対して行なう予定。

「絆の会」と懇談

2013.08.22

精神障害を持つ人の地域生活を支援する「絆の会」と懇談を行ないました。絆の会からは主に、長野県の「精神障害者の地域移行支援事業」について問題提起と要望が出されました。

 入院者の地域移行支援については、長野県では精神科の病院、地域の受託法人、県行政が共同で、退院と退院後の生活支援を行なう仕組みを継続してきましたが、そのチームワークをつなぐ重要な役割を果たしてきたのが「地域移行コーディネーター」です。(この取り組みの成果として、病院からの退院者数を比べると、長野県は全国でトップ5に入るそうです)

 国はH25年度からこのコーディネーターの予算を廃止しました。国はH24年度から始まった障害者総合支援法のなかで、「基幹相談支援センター(身体・知的・精神障害を対象)」を設置して、地域の体制を整備するコーディネーターを置く事を考えているようですが、実際はまだその体制ができていません。また、「改正精神保健福祉法20144月施行」においての院内審査会のあり方が不明確で、退院、地域移行が適切に行なわれるか心配があり、ここでも、コーディネーターの活用が望まれます。

 「絆の会」からは、院内審査会に中立の立場で参加し、患者さんの入院の長期化を防ぎ、地域移行についての適切な助言を行なう事の出来る「地域移行コーディネーター」について、長野県の取り組みの継続と、充実した配置を強く要望されました。

県教育委員会と懇談

2013.08.08

県教育委員会の伊藤学司教育長、青木弘教育次長、笠原千俊教育次長と懇談し、教育環境の整備・充実や県で議論されている「子ども条例」などについて意見交換しました。

教育環境の整備では、特に特別支援学校で生徒数が年々増加している一方で教員数が足りていない、教員定数などを定める「標準法」との乖離(かいり)が課題となっています。県議団は「いつまでもプレハブ教室での対応ではなく、ぜひ学校を増やして一日も早い解消を」と求めました。伊藤教育長は「非常に問題意識を持っている。乖離解消のために教員の質向上などと併せて取り組みたい」と応じました。

 夏の熱中症対策(クーラーや扇風機)、冬の暖房費など、必要な需要費の確保も求めました。

 「子ども条例」については、さまざまな角度から議論が始まり団体などからも意見が出されおり、県議団は、「議会への正面からの、積極的な問題提起と議論の場が必要。ぜひ、子どもの豊かな発達を保障できる長野県らしい仕組みの実現に向けて、がんばってほしい」と話しました。伊藤教育長は「ようやくスタート台にのったところと思っています。具体化にむけては子ども目線で考えていこうと考えています」と話しました。

子どものびのびネットワークと懇談

2013.08.06

長野県が制定を目指す「子ども条例」などについて、子どものびのびネットワークのみなさんと懇談しました。同ネットは、子ども支援に取り組む方々で構成され「子どもの権利条例」制定を目指し活動されています。県議団からは石坂県議と両角県議が参加しました。

 国連の子どもの権利条約に則った条例の制定を目指すことや、青少年との性行為を罰する淫行処罰条例については慎重にあるべきなど、意見交換を行いました。

雹(ひょう)害を調査

2013.07.31

27日に降った雹(ひょう)で、長野市戸隠や飯綱町で野菜や果樹などが被害にあい、日本共産党県議団の石坂、和田両県議が、飯綱町の渡辺・伊藤両町議とともに、現地調査を行いました。

県農政部によると、キャベツや葉タバコなど被害額は2669万円にのぼります。調査後、地方事務所に申し入れを行いました。

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生活困窮者支援、BSE全頭検査などで懇談、申し入れ

2013.06.19

19日午前、反貧困ネット信州のみなさんが労働雇用課、地域福祉課と懇談し、日本共産党県議団も同席しました。現在県が行っているパーソナルサポート事業や絆再生事業の継続・充実を求めました。

反貧困ネット信州は、絆再生事業の補助金を活用しての取り組み(相談会・居場所づくりなど)を報告。「専任の事務局がいない(人件費に適用できない)ので負担が大きい。いろいろな困難を抱えた方と向き合うにはボランティアでは限界がある」「ホームレスで相談に来た方を泊められないので冬でも野宿をお願いしている」など、課題も多く出されました。また、生活困窮者のなかで一般就労できない人のため就労準備である「中間就労」の支援も求めました。

 反貧困ネット信州など民間支援団体とパーソナルサポートセンター、県などが連携しつくり上げてきた取り組みを「ながのモデル」としてさらに充実・発展させることを確認しました。

午後は、新日本婦人の会のみなさんが、長野県産牛のBSE牛海綿状脳症)全頭検査を廃止しないよう県に要望しました。厚生労働省はBSE検査対象を48ヶ月齢超に縮小する規制緩和を行いました。これを受けて長野県も7月1日から全頭検査を廃止します。これまで全頭検査が実施されるなかで発生や感染のメカニズムが十分解明されていない非定型BSEの牛が発見されており、今回の廃止は到底認められないと伝えました。

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県生健会が生活保護などについて申し入れ

2013.06.17

長野県生活と健康を守る会のみなさんが生活保護、熱中症対策などについて要望し、眞鍋健康福祉部長が応対しました。日本共産党県議団も同席しました。

生活保護については、申請の意志がある人に対しては申請書を手渡し受給抑制しないこと、生活自立のための車保有は原則とすることなどを求めました。担当者からは「本人の意志を確認すれば申請書を渡すよう徹底している。申請権の侵害はあってはならないので、市町村に徹底したい」との話でした。

 熱中症対策では、予防の広報や注意喚起、クールシェアスポットの広報、小中高の保健室へのクーラー設置などを要望。

 また、高止まりしている灯油について低所得世帯への補助、県営住宅の住環境整備、自転車道の設置なども要望しました。

6月議会前知事申し入れ

2013.06.03

長野県知事 阿部 守一様

日本共産党県議団 団長 

石坂 千穂

6月県議会に対する申入れ

1.4月の降雪と果樹の開花時期、野菜の育苗時期の冷え込みによる凍霜により、県下各地で発生した被害の全容把握につとめ、激甚災害の適用も含め検討して下さい。
きめ細かな営農指導とともに、農家経営の意欲を失わないよう、農家支援を行う自治体への、県としての支援策を講じてください。
各種共済制度の抜本的改善を、国・関係機関に求めてください。

2.円安による原材料・燃料の高騰による、県内産業への影響の実態を把握し、県としての支援策を検討してください。

3.円安により生活必需品の高騰による家計への影響が懸念されるため、県民生活の実態調査を行い、対策を検討してください。

4.首都圏を中心に風疹の流行が過去最悪のペースで拡大していますが、県内への流行を予防する対策として、風疹と予防接種等の広報を行うことや、予防接種への補助を行う自治体への支援を検討してください。

5.浅川内水対策に遊水地を盛り込んでください。
浅川流域に限らず、内水被害と都市型水害への対策を強化し、各戸貯留への補助を復活してください。

6.環境条例施行に伴う省エネ住宅建設に当たり、個人住宅への太陽光発電パネル設置補助をはじめとする抜本的支援策を検討してください。

7.国土強靭化予算を活用し、生活道路の日常的な維持補修予算を増額してください。

8.TPP参加による長野県への影響の全体像について、責任を持って情報公開し、県民生活と県内経済を守る立場に立って、国に働きかけてください。

以上

浅川内水対策の現地調査を行いました

2013.05.29

長野市の事業「浅川総合内水対策緊急事業」について、計画予定地を視察しました。雨水を留めることで下流への雨水流出を抑えたり浸水被害を減らすことが目的です。

①中の池雨水調整池、②北堀雨水調整池、③豊野西小学校校庭貯留、④豊野支所駐車場地下貯留、⑤長沼雨水調整池

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また、吉田の運動公園地下の雨水調整池も視察し、説明を受けました。平成23年に貯留量22,000?の調整池が増設され、既設と併せて28,000?の規模です。視察したのは増設調整池で、雨が降ると水路口や調整ゲートから流れ込み、市街地の水害を防ぎます。貯まった雨水はポンプで排水します。

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新潟県現地調査を行いました

2013.05.23

523日、日本共産党県議団は新潟県の内水対策について調査を行いました。

① 最初に新潟県庁の土木部河川管理課より、洪水被害を抑えるために事業で整備された刈谷田川遊水地の概要説明を受けました。

平成167.13新潟・福島豪雨での水害を受け、県は刈谷田川災害復旧助成事業を行うことを決定。その事業の中で、もともと農地として活用している土地5か所を事業費34億円(工事費25億円、用地補償費9億円)で遊水地として整備することに。用地取得方式は地役権方式です。(地役権は一言でいうと、他人の土地を自分の役に立てるための権利です)遊水地に対する地役権補償は、「現堤防を切り下げ、浸冠水の頻度が以前よりも増加する」ことなど総合的に判断して、補償率35%としたそうです。

 

 遊水地が整備されてから、平成237月に新潟・福島豪雨が襲いました。平成16年の降雨よりも総雨量およびピーク雨量ともに大きかったとのこと。

 

 729日の深夜からの雨で刈谷田川の水位が上昇。早朝530分頃に遊水地越流堤の高さに達して越流がはじまり、約3時間続いたそうです。その後刈谷田川の水位低下に伴い、遊水地内に貯留した流水を放流したとのことでした。

遊水地の洪水調整機能により下流の水位を低減し、下流の外水氾濫を防止。平成16年には浸水面積1153ha、家屋浸水数2558戸だったものが、H23年には確認されず、解消することができました。

一方、遊水地には、020㎝の土砂が堆積、堆積土砂の量は約33,000?に。また流木や浮遊物も堆積し被害を受けました。その他、法面(のりめん)崩壊、農業用排水路が土砂埋没などの被害が。

そこで、遊水地の復旧を応急対応1400万円で、市道や農道に堆積した土砂や流木を除去、公共土木施設災害復旧事業約3億円で遊水地の洪水調整容量を侵している堆積土砂の除去などを行い、遊水地の農地復旧はH24年の作付け前に完了。その後、農地への影響が課題であることが明らかになる中で、この地区の人たちで組織する刈谷田遊水地協議会からの提言が出されました。

県としては、遊水地内で営農が続けられること、つまり遊水地の農地が管理されることが、遊水地機能の確保につながるとの認識から、遊水地内の地権者と耕作者と協力して、遊水地がよりよい形となるよう今後も検討を進めていくそうです。

 

② 県の説明を受けた後、実際に現地へ移動。その前に、「見附市田んぼダム事業」の現地調査に行きました。

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この事業は、田んぼの多面的機能の一つである「貯水能力」を活用して、大雨が降った時に田んぼに一時的に水を貯めることで、河川等への流出量を抑制し洪水被害を軽減する事業です。この田んぼダムの大原則は、「営農に影響を与えない」です。水田遊水地とは異なるとのこと。

 見附市は、平成167.13水害を教訓にして「災害から学び災害に強いまちづくり」を理念に、農地でできる防災事業として取組を開始しました。

田んぼダムのしくみは、河川への流出量を抑制する管を、排水口に設置するというもの。これで田んぼの放流水を調節するそうです。調整タイプは、写真の黒い筒の上の穴と横の穴のあるもの。

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大雨が降ったときこの筒を引き上げると、田んぼの水は横の小さい穴から用水路に流れ出します。そして田んぼは通常の水位(10センチ程度)から畦畔(けいはん)の高さ(約30センチ)まで水を溜めます。これが、広大な田んぼ全体で貯めることでダムの機能を発揮します。

しかし、田んぼダム機能を発揮させるためには、農家のみなさんが調整管の高さを調整する必要があるため、その操作をするかしないかによって田んぼダムの効果が変動してしまうという課題がありました。そこで新型調整管見附モデルを開発したそうです。

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真ん中の赤い筒のものがそうで、雨が降りだしたら筒を高く引き上げるという手間を省いて、なおかつ一定の排水量を保持するため、調整管がどの高さにあっても設置しているだけで100%効果が発揮できる改良型です。

田んぼダムの課題は、取り組みを行う自治体や土地改良区・農家のみなさんの負担が大きいため、今後は国や県の事業化等による支援等が必要、と分析されていました。また市街地等に居住する一般市民の理解と農業者への支援が必要とも。

また、取り組みをする場合のポイントは、ある程度の面積を有している圃場整備地区がのぞましいこと。軽減目的となる河川における田んぼダムの流域面積割合が大きいこと。また下流より上流のほうが、効果が高いとの事です。

取組地区および面積・本数は、一級河川貝喰川流域 県営圃場見附地区約1200ha 約3,000本(3000円/本)を設置。(事業費1500万円 全額見附市単独費)。

新潟大学農学部の研究チームが効果解析を実施。H23年の新潟・福島豪雨災害時のシミュレーションでは100%田んぼダムを実施した場合、被害を軽減した経済的価値は、約3億円!だそうです。

すでにある田んぼを生かしたコストの掛からない事業でした。

③ 次に、午前中に説明していただいた、刈谷田川の遊水地へ移動。現地で説明を受けました。

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信濃川の支流、刈谷田川(写真右手)の遊水地(写真左手)と刈谷田川から遊水地に水が流れ込むために堤防を低くした越流堤です。洪水になったらこの越流堤から川の水を遊水地に入れることで、洪水の量を減らし、下流で堤防が崩れたり、堤防から水が溢れたりすることを防ぐものです。

遊水地完成の翌年、H23年の豪雨でさっそくその効果を発揮した一方、農地の被害、堆積した土砂の粒子が細かすぎて処分に困った事、その土砂に交じって細かい木くずが田んぼの稲刈りの作業に支障をきたして大変だったことなどあったそうです。県の担当者さんは、地権者や耕作者のみなさんに「たくさんお叱りを受けました」そうですが、そうしたご意見を受けとめ、さらに遊水地機能を充実させ、農地と両立できるようにしていきたいと話されていました。(藤岡議員報告より)

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記録集ができました

2013.05.16

2月17日に県議団が主催した「ストップ!格差・貧困 生活支援ネットワーク交流集会」の記録集ができあがりました。

 吉永純・花園大学教授の基調講演「生活保護基準切り下げは何をもたらすか」を資料付で紹介しているほか、長野県行政、パーソナルサポートセンター、反貧困ネット信州からの報告、また県下各地で生活困窮者支援に日夜奮闘されているみなさんからの報告など、盛りだくさんの内容です。

 

 「今日の新たな情勢のなかで最新の全国到達点を学び、交流し合う、現場で活かす、そのことを目的に開催しました。この交流集会が、誰もが人間らしく安心して生きられる、そんな社会づくりのお役にたてられればと思います」(石坂団長主催者挨拶より)

 ご希望の方は県議団(026-237-6266)までご一報ください。

厚生労働省へ交渉・レクチャー

2013.05.10

510日、老人保健施設の医師配置、生活保護の2点について、井上哲士参議院議員も同席し、厚生労働省へレクチャーを受け交渉を行いました。

◎生活困窮者支援、生活保護について

 生活困窮者支援では、国の就業・生活支援パーソナル・サポート・サービスが昨年度終了し、今年度は県として実施されています。国の事業では「生活困窮者自立促進事業」が今年度からモデル的に実施予定ですが、実施主体は市町村であり、関係者から「小さな町村にできるのか?市町村が大変になる」「実施主体が生活保護と同じ市町村になることで、むしろ生活困窮者切り捨ての促進になるのでは?」との声も出ています。また、生活保護基準の切り下げと併せて、就労促進支援が強まる内容です。すでに、長野県内のある自治体の生活保護窓口申請の現場では「福島県のガレキ処理の仕事に行くよう指導され、本人の事情もあり行けないと伝えたが、何回も言われた」などの事態も発生し、厚労省の担当者も「それは言語道断」と語りました。

◎サテライト型老健の医師配置について

 下諏訪町に開設された介護老人保健施設について、専従の管理者として医師を配置しなければならないとの指摘が国・県からあり、設置した南信勤労者医療協会と日本共産党県議団で厚生労働省老健局老人保険課に見解を求めました。

 同施設は諏訪共立病院のサテライト施設として5月に開設されましたが、病院を本体とする場合は専従の医師配置が必要で、本体病院での勤務は一切認めないというのが当局の指摘でした。

 問題として同協会は、29床という小規模老健に1名専従の医師を置かなければならないということと、医師人員基準(0.29人)では医師をおかなくて良いということが矛盾している点、全国的・全県的な医師不足の中で小規模老健へ医師1名配置すれば全く経営が成り立たないことを指摘されています。党県議団は、一施設の問題にとどまらず、サテライト型老健全体の問題だと考え、県議団6名全員で参加しました。

 対応した厚労省の担当者は、介護保険法第95条を上げ「管理者は常勤であるが専従である必要はない。都道府県知事が認めた場合は医師でなくても良い」との認識を示しました。最終的には都道府県知事の判断となるということですが、厚労省とすれば「長野県としてもう一度問い合わせてもらえばそのように回答する」とのことでした。

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南信現地調査を行いました

2013.04.15

満蒙開拓平和記念館(阿智村)の開館式が24日行われ、日本共産党県議団6名も参加しました。

長野県の満州送出者数は全国一で、記念館には、時代背景や当時の資料、写真などが数多く展示されているほか、開拓団の皆さんの体験談などもあり、次の世代へ歴史を引き継ぐメッセージが込められていました。

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その後、大鹿村副村長の案内でリニア計画地を視察しました。

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リニア中央新幹線は中央構造線を横切って建設が予定されています。

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次に県営高遠ダムを視察。水力発電増強について説明を受けました。

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沖縄県を視察しました

2013.02.13

2月11日から13日までの2泊3日の日程で沖縄に行ってきました。

 目的は、オスプレイが沖縄に配備され、本格運用。長野県にも訓練と称して飛来する危険性が大きくなっている中で、沖縄のみなさんと一緒になってアメリカへ帰れ、の声を強くするため、自分の眼でオスプレイも見つつ現場調査を行いました。

普天間飛行場4806千㎡(145万坪)基地の周りに学校だけでも20を数え、2004年(H16年)8月13日米海兵隊所属CH-53D大型輸送ヘリ1機が、沖縄国際大学構内本館ビルに接触後、墜落炎上。一番危険な飛行場とされ、今から16年前1996年4月12日全面返還が日米で約束され、1996年、名護市辺野古が移設候補地となった。

 現在オスプレイの配備されている基地でもあり、12機が駐留隊長機の尾翼には真っ赤な印があるとのこと、調査日には3機が駐留。隊長機もなく外国も含め訓練に出かけているとのことでした。これから12機が増やされ24機が配備される計画とのことでした。

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*フェンス越しにオスプレイをカメラに収めていると、アメリカの兵士が車で近づき我々を撮影。我々も撮影。もう少し居たら文句を言うために近づいてくるとのことでした。そして、フェンスには、看板があり、この中に入ると日本の法律で罰せられますとアメリカ軍が書き込んでありました。

嘉手納飛行場

1985.5ヘクタール。羽田空港の約1.6倍・東京ドームの約425倍。

ベトナム戦争で重爆撃機として使われたB-52戦略爆撃機が墜落炎上した基地でもある。世界各地の750箇所ともいわれる米軍の飛行場で立地の条件、日本の思いやり予算(現地の方は思いやりなどと言ってほしくない。我々の税金ですよと)も含め一番使い勝手がいい飛行場基地とのことでした。

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やんばるの森「高江」

 ヤンバルクイナで有名なやんばる(山原)の森に、総面積7800ヘクタールの米軍北部訓練場がある。1957年に使用が始まり、ベトナム戦争でのゲリラ戦の訓練が行われた場所。ここには22か所のヘリパッドがあり、東村「高江」の皆さんは、常に爆音や墜落の危険にさらされている。

4000ヘクタールを返還するから、代わりに6ケ所のヘリパッド(ヘリコプターの離着陸帯)直径75メートルを造ることを条件に出してきた経過があります。予定地で一番近いところは、民家からわずか400メートルしか離れていないとのこと、この頃はオスプレイも飛来するようになり、オスプレイパッドと地元の方は呼んでいました。2007年からヘリパッド建設反対の運動が始まり、今でも基地の道路沿いにテントを張って、建設業者の動きを監視したり、反対の座り込み行動を続けておられました。

長野県松本市の方も何か月かにわたって抗議行動に参加されたとの報告を受けました。ここも、普天間も同じように、返すから新たなより強固なものを造れと条件付であり、とても納得できるものではなく全国各地から反対の声を上げなければと強く感じました。

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辺野古(名護市)

アメリカ軍との戦闘で陸には何も残らなかったとき、戦争から生き残った皆さんは海の恵みで生き延びた。海こそたからもの。その辺野古に、新基地を建設する計画が、普天間基地の移転先として1996年に。ジュゴンがすむ海を守れ!!全国から声が上がり、現地に抗議のテント村も、長い戦いが続き2010年には、名護市の市長選挙で辺野古陸上案・海上案に、基地建設に反対の稲嶺さんが当選。沖縄県議会全会一致で普天間基地の県外・国外移設決議が採択。・沖縄県知事参加の沖縄県民大会で県内移設反対の決議。

日本政府のアメとムチの政策により、共同体としての地域に亀裂が生じた。

 私たちがテント村を訪ねたときは、90歳を過ぎたオジーが一生懸命に話してくれ、「長野県から遠いところをよく来てくれた。私は、死ぬまでこの辺野古を守るため頑張る。死んでも頑張る」。この皆さんと全国のたたかいがなければすでに基地建設がされていた。オスプレイが配備され、頭を押さえつけられる爆音が轟いていた。たたかいは長く続くが頑張らねばならないと決意してきました。

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*説明を聞いている間にも2機戦隊の戦闘機が何度も上空を飛び交いました。

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沖縄県知事公室基地対策課

沖縄には基地対策課が県庁内に置かれ、もっぱら基地問題に取り組んでおられました。説明していただいた後の我々の質問に的確に答えていただきましたが、日本国なのに米軍に指導権があること。(事件の容疑者の身柄引き渡しもままならない。沖縄国際大学に米軍ヘリが墜落しても現場に警察すら入れない)日米地位協定の見直しを要請してもなかなか通らない。

 日本に帰ってからの沖縄の皆さんの米軍がらみの事件事故の被害者の数はどのくらいですかの質問には即答できず、分厚い統計資料集が渡されました。ここ10年を見ても3000件の事件、交通事故等が起きており毎日1件は発生していることに。県議会が開会されると基地対策課への質問が集中し、毎議会100件に及ぶとのことでした。

*普天間基地(飛行場)は返す返すと言って16年が経過。わずかずつ返還される基地跡からは、タール状物質が入ったドラム缶が215本(4万3000リットル)が発見されたり、ヤンバルの森では流れる川が地元の方が死の川(魚等生物がすんでいない。岸部が枯れたまま何十年も)と呼ぶような状況でした。

 沖縄は基地の恩恵というけれど、返還された「那覇新都市地区」の例では基地の使用料・米軍の消費支出・基地従業員所得等合計51・5億円。返還後の整備効果、卸・小売り・飲食店・サービス業売上高等合計735.4億円となんと約141倍に成っていると報告があり現場に町に行ってみると活気が漲っていました。地元県会議員の話の中に国は沖縄に10兆円をつぎ込んできたが、そのうち5兆円はODAと同じように本土の企業が工事開発を請け負い持って行った。沖縄が良くなるわけがないと言い切っていました。

 この頃、沖縄県始まって以来、県議会はじめ市町村議会、沖縄県の行政も一緒になって国に沖縄県の現状打開オスプレイ配備反対の要請行動を国会に内閣総理大臣に対して行いました。今こそ、国を挙げてオスプレイをアメリカに返す運動を、日米安保条約を破棄して、平和条約を結ぶ運動を強めるときと現地に行かせていただき強く感じてまいりました。(両角議員より報告)

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2月議会前知事申し入れ

2013.01.29

2013年1月29日

長野県知事阿部 守一様

日本共産党県議団 団長 

石坂 千穂

2月県議会に対する申入れ

  1. 灯油高騰で影響を受ける困窮世帯等(高齢者、障がい者、ひとり親家庭、生活保護世帯)への福祉灯油を実施してください。福祉灯油を実施している市町村への支援を検討して下さい。国に対して実施自治体への財政支援を求めてください。
  2. ウォームスポットを拡充し、県民への周知をしてください。
  3. 設置から40年を経過した老朽化したガソリンスタンドの貯油槽の改修が義務付けられるにあたり、閉鎖を余儀なくされるガソリンスタンドがないよう支援を検討してください。
  4. 新県立大学基本構想案のとりまとめをいたずらに長引かせることなく、これまでの議論を生かした長野県にふさわしい大学像を提案してください。
  5. 除雪体制の強化に努めてください。高速道路が通行止めにならないよう、除雪の強化を要請してください。
  6. 塩尻に計画されている信州F・POWERプロジェクトの適正規模を再検討し、有効な施設として機能するよう支援してください。
  7. 県の住宅リフォーム助成制度は、実施市町村のからの要望が強いため、県の上乗せによる使い勝手のよい制度にしてください。住宅リフォーム助成制度を実施している市町村では、今年度をもって終了せざるを得ない自治体もあるため、県の制度を早急に検討してください。

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右列手前から和田、小林、石坂、高村、両角各議員

栄村の復興住宅を視察・村長と懇談しました

2012.12.27

大雪の季節を前に栄村に震災復興住宅が完成し、仮設住宅や村外に避難されていた30世帯が入居しました。 党県議団は栄村の島田茂樹村長を訪ねて懇談、復興住宅を案内していただきました。
住み慣れた集落のコミュニティの維持を大切にし、高齢者にも若い人たちにも配慮した住宅です。入居された方から「仮設住宅での不自由な暮らしから木のぬくもりのある暮らしへと夢のようです。大雪でも安心」との声をお聞きしました。

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新年度(2013年度)予算要望

2012.11.26

日本共産党県委員会と日本共産党県議団は26日、阿部知事に対し、来年度の予算要望を行いました。

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